
高校での海外留学を考えている方に注目されつつあるマレーシア。アジアでも有数の多民族・多言語国家です。
近年、英語力を伸ばすだけでなく、多文化でのコミュニケーション力や広い視野を養うことを目的に、マレーシアへの留学を考える高校生も増えてきました。
本記事では、高校生でもマレーシアへ単身留学ができるのかを徹底解説!マレーシアに高校留学するメリット・デメリットや留学にかかる費用、流れなどを詳しくご紹介していきます。
- 単身でマレーシアに高校留学できる?
- マレーシアへの高校留学のメリット
- マレーシアへの高校留学のデメリット
- マレーシアへの高校留学にかかる費用
- マレーシアに高校留学する流れ
- クアラルンプールの主なインターナショナルスクール
- おまけ:マレーシアの基本情報
- まとめ
単身でマレーシアに高校留学できる?
結論、マレーシアへの高校単身留学は可能です。マレーシアにある学校の種類は、公立校・私立校・インターナショナルスクールの3種類。日本の高校生がマレーシアに留学する場合は、外国人の受け入れが可能な私立校またはインターナショナルスクールに通うことになります。
◾️マレーシアの学校種別・早見表
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学校の種類 |
対象 |
カリキュラムの特徴 |
言語 |
卒業後の主な進路 |
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公立校 |
マレーシア国民 |
マレーシア教育省が制定 |
マレー語 |
マレーシア国内の大学 |
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私立校 |
マレーシア国民 外国人向け |
各学校オリジナル |
マレー語 または英語 |
マレーシア国内・海外大学 |
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インターナショナルスクール |
外国人向け |
各学校オリジナルかつ国際色豊か (英国式、アメリカ式、IBなど) |
英語 |
海外の大学 |
なお、マレーシアのインターナショナルスクールの大半がIGCSE(International General Certificate of Secondary Education)という、イギリスの義務教育終了に相当する国際的な中等教育修了資格を採用。試験は16歳(Year11)で実施される、つまり16歳で大学入試に関する試験を受けることになるため、高校生でインターナショナルスクールに留学する場合は、ネイティブな英語環境で授業を受けつつ非常に厳しいカリキュラムをこなさなくてはなりません。短期留学であっても、長期留学であっても勉強漬けの毎日になるでしょう。
留学先でどのような高校生活を送りたいのかも含めて、留学の目的を考えた上で、学校の種類を選ぶことが大切です。
マレーシアへの高校留学のメリット
以下では、マレーシアへ高校留学するメリットを4つ紹介します。
比較的費用を抑えて留学しやすい
マレーシアへは、欧米圏よりも費用を比較的抑えて高校留学しやすいと言えます。
イギリスやアメリカなど英語圏で正規留学する場合、学費や生活費が非常に高額になりがちです。一方、マレーシアでは、私立高校やインターナショナルスクールであっても、高い教育を受けられるにもかかわらず、総合的な費用は抑えやすくなります。なお、寮を完備している学校もあるので、初めての単身留学でも比較的安心して生活しやすいと言えるでしょう。
英国式の教育制度を取り入れた学校が多い
マレーシアにいながら、英国式の教育を受けられることもマレーシアへ高校留学するメリットです。
マレーシアでは、英国式のカリキュラムを採用しているインターナショナルスクールが多く、イギリスの中等教育と同様のプログラムを受けられます。将来的に海外留学を考えている方にとっては、大学進学や海外大学への編入などに有利になる場合もあるでしょう。
学年やコースによっては日本帰国後もスムーズに単位を獲得しやすいため、長期留学だけでなく短期留学や交換留学の選択肢も広がります。
柔軟なコミュニケーション力が身につく
多文化・多言語国家であるマレーシアに高校生で留学すると、柔軟なコミュニケーション力が身につきやすくなります。
マレーシアでは公的な教育機関でも英語を重視していますが、マレー語や中国語も盛んに使われているので、英語力を鍛えつつも、他の言語にも触れられる環境が整っています。日常生活で複数の言語を使用する国だからこそ、幅広い文化的背景を持つ方とコミュニケーションできる柔軟性を育めます。
他民族環境で国際感覚を養成できる
日々の暮らしの中で、国際感覚を養成しやすいのもマレーシア高校留学のメリットです。
マレーシアには、マレー系だけでなく中国系、インド系など多様なバックグラウンドを持つ方が暮らしています。学校の授業だけでなく、日常生活の中でも自然に異文化と触れる機会が多く、海外留学の醍醐味を高校生のうちから存分に味わえるでしょう。
多文化社会での高校生活は国際感覚を身につける大きな力となります。
マレーシアへの高校留学のデメリット
一方、マレーシアへの高校留学にはデメリットもあります。以下では、マレーシア高校留学のデメリットを3つ紹介するので、メリット・デメリットの両方を見比べた上で留学するかどうかを検討しましょう。
日本語を使える環境が限られている
マレーシアでは日本語を使える環境が非常に限られています。学校の授業は英語中心のため、日本語環境はほぼないと考えて良いでしょう。
英語力アップを目指すなら理想的な環境ではありますが、最初のうちは言語の壁や中等教育過程での専門用語に戸惑うことも多いかもしれません。学校によっては周囲に日本人学生が少ない可能性もあるので、最初は孤独を感じるかもしれません。
英語を鍛えるいい機会だと前向きに捉えて、自分からどんどん英語で話しかけていきましょう。
マレー語や中国語にも触れる必要がある
マレーシアは多言語国家なので、英語以外にもマレー語や中国語など、学ぶべき言語が複数あります。
インターナショナルスクールでも、選択科目や日常生活でマレー語や中国語を学ぶ機会は多いです。多言語を同時に学べる反面、英語だけでなく複数の言語を一気に吸収しなければならないことに負担を感じる人もいるでしょう。
学校の授業を英語でキャッチアップしつつ、新しい文化と言語を身につけていくことは、並大抵以上の努力を必要とします。
カルチャーショックを受けやすい
日本とは全く異なる異文化に出会って、ショックを受ける人もいるでしょう。
多民族・多文化が魅力のマレーシアですが、それゆえに宗教行事や生活リズムが日本と大きく異なります。例えば、イスラム教の行事に合わせて休日が変わる、学校の制服がユニークなど、日本と違うことに最初は戸惑いがちです。
マレーシア留学だけでなく、海外留学では異なる文化への柔軟な対応力が求められるため、準備不足だと戸惑いやストレスを抱えることもあります。日本と比べて落ち込むのではなく、「全く違う環境にいる」というマインドで、目の前で起きていることを受け入れる練習をしておきましょう。
マレーシアへの高校留学にかかる費用
マレーシアでの高校留学にかかる費用は、学校の種類や学費(授業料)、寮やホームステイの形態、地域などで異なります。費用の目安の一例を以下の表にまとめたので、参考にしてください。なお、下記はあくまで参考値のため、物価や為替レートの変動、各校の学費や留学プランによって費用は異なる可能性があるので、必ず最新情報を確認してください。
◾️マレーシア高校留学の費用目安(1年間)
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費用項目 |
費用 |
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学費 |
約200万円 |
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生活費(寮費+お小遣い) |
約86万円 |
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エージェント手数料 |
25万円〜55万円 |
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海外留学保険料 |
約26万円 |
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航空券 |
4万〜8万円※ |
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費用合計 |
344万円〜381万円 |
※為替レート:Rm1=37.47円(2025年11月06日現在)
参考:マレーシア留学ネット
寮生活の場合、費用には食費や光熱費が含まれることも多いため、支出はコントロールしやすくなります。ただし寮が完備されていない学校だと、別途ホームステイや外部のアパートを利用する必要があるため生活費が別途かかります。
さらに、ビザ関連の手続き費用、渡航費、保険料なども考慮に入れましょう。短期留学やコースによっては費用が変動するので、まずはセミナーや説明会などでしっかり情報を収集するのがおすすめです。
マレーシアに高校留学する流れ
以下では、マレーシア高校留学の流れについて紹介します。各ステップでの重要なポイントも記載しているので、しっかり確認しておいてくださいね!
情報収集・目標設定
まず、マレーシア高校留学の目的や目標を明確にしましょう。英語力を高めたいのか、英国式の中等教育を受けたいのか、あるいは多民族文化での生活を体験したいのかなど、目的に応じて留学先の学校やコースを検討します。
留学エージェントやセミナーに参加すると、効率よく情報を収集しやすくなりますよ!
学校・コース選択
マレーシア高校留学の目的や目標が定まったら、留学先の候補を決めましょう。
マレーシアにはインター校や私立高校など多様な教育機関があります。短期留学向けプログラムや交換留学制度、通信制との併用などといった観点で複数の学校やコースを比較検討し、自分に合ったスクールを選びましょう。
出願準備・必要書類の取得
留学したい学校が決まったら、願書や成績証明書、推薦状、英語力を証明する書類などをそろえます。
マレーシアの私立高校やインターナショナルスクールでは、英語力のテストスコアが求められることが多いため、早めに準備しておきましょう。
ビザ申請手続き
マレーシアに正規留学する際は、学生ビザの取得が必要です。パスポートの有効期限をチェックし、書類の不備がないよう注意しながらビザ申請を進めてください。短期での語学学校通いのみなら不要な場合もありますが、学校やコースによって異なるため、最新情報を必ず確認してください。
ビザ申請手続きを個人で対応するのが不安なのであれば、留学エージェントのサポートを受けながら進めるのもおすすめです。
渡航・新生活のスタート
ビザが下りたら航空券を手配し、渡航準備をしましょう。現地で安全に暮らせるように、渡航時のサポートや現地での生活指導がしっかりしているかどうかも必ず確認しておきましょう。
特に初めての海外生活は不安も多いので、サポート体制を整えてくれる学校やエージェントを選ぶことが大切です。
クアラルンプールの主なインターナショナルスクール
最後に、マレーシアでの留学先となりうる、クアラルンプールのインターナショナルスクールを4つ紹介します。
マレーシアの首都クアラルンプールには、多数のインターナショナルスクールや私立高校があり、それぞれ特徴が異なります。寮付きのスクールも多いので、高校生でも安全な海外生活を送りやすいと言えます。
なお、各スクールで制度や科目、校風、費用などは異なるので、自分の留学目的に合わせて学校を慎重に選びましょう。
Garden International School(ガーデン・インターナショナル・スクール)
Garden International School(ガーデン・インターナショナル・スクール)は、1951年に創立された英国式カリキュラムをベースとした長い歴史を持つインターナショナルスクールです。多国籍の学生が集まっており、多文化交流が盛んです。毎年多くの学生が世界の名門大学に進学しており、進学実績も非常に良いです。
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住所 |
16, Jln Kiara 3, Mont Kiara, 50480 Kuala Lumpur, Wilayah Persekutuan Kuala Lumpur, マレーシア |
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公式ホームページ |
Alice Smith School(アリス・スミス・スクール)
Alice Smith School(アリス・スミス・スクール)は、1946年に設立されたマレーシアでも老舗の英国式インターナショナルスクールです。学年別にイギリスの教育制度に近い形で授業を行っており、幼稚園・小学生、中高校生とキャンパスが分かれています。施設や校内活動が充実しているため、海外留学初心者にもおすすめです。
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住所 |
Jalan Equine 3, Taman Equine, 43300 Seri Kembangan, Selangor, マレーシア |
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公式ホームページ |
Mont’Kiara International School(モントキアラ・インターナショナル・スクール)
Mont’Kiara International School(モントキアラ・インターナショナル・スクール)は、1994年に設立されたアメリカ式カリキュラムを軸にしたインターナショナルスクールで、大学進学を視野に入れたプログラムが豊富です。アメリカ式カリキュラムを導入しているため、全校生徒の20%がアメリカ人で、教師もアメリカ人が多いです。英語圏の大学へスムーズに進学したい学生に人気です。
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住所 |
22, Jalan Kiara, Mont Kiara, 50480 Kuala Lumpur, Wilayah Persekutuan Kuala Lumpur, マレーシア |
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公式ホームページ |
Sunway International School(サンウェイ・インターナショナル・スクール)
Sunway International School(サンウェイ・インターナショナル・スクール)は、2023年にキャンパスを開校した、カナダ・オンタリオ州のカリキュラムを採用しているインターナショナルスクールです。世界的に評価の高いカナダの教育をマレーシアで受けられることから注目されています。
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住所 |
PT 1379, Jalan Subang 1, USJ 1, 47600 Subang Jaya, Selangor, マレーシア |
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公式ホームページ |
おまけ:マレーシアの基本情報
最後にマレーシアの基本情報も紹介します。
アジア有数の多民族国家として知られているマレーシアでは、公用語であるマレー語に加え、中国語や英語など多言語が飛び交っています。
国土はマレー半島とボルネオ島北部に広がり、首都はクアラルンプールです。伝統的な文化や価値観を重んじながらも、英国式の教育システムを取り入れたインターナショナルスクールが多数点在しているため、英語力を高めたい海外留学希望の学生にとっても非常に魅力的な留学先となっています。また、教育水準が年々向上していることもあり、大学進学のみならず高校や中学の段階からマレーシアへ留学する日本人も増えています。
多様な文化や宗教が共存しているため、留学生が視野を広げつつ新しい価値観を吸収しやすい環境が整っていると言えるでしょう。
まとめ
高校生でもマレーシアへの海外留学は十分可能!
多言語・多民族の豊かな文化に触れつつ、英語をはじめ総合的な力を養える魅力的な環境が整っています。また、マレーシア高校留学は欧米留学よりも費用が安く、英国式カリキュラムのスクールも多いので、正規留学や短期留学としても人気を集めています。
ただし、日本語がほぼ通じないことやマレー語・中国語の学習負担など、乗り越えるべきハードルもあります。自分の目標や学年、通信制や交換留学などの選択肢を踏まえて、情報収集を徹底しながら自分に合ったコースを見つけてください。
高校卒業後の大学進学や将来のキャリアにも大きくプラスになるでしょう。
◇経歴
サラリーマン時代のヨーロッパ駐在時に約4年間とその前後数年間
◇資格
電気工学英文翻訳講座終了
◇留学経験
なし
◇海外渡航経験
ベルギー、フランス、ドイツ、オランダ、イギリス、中国にて
新規工場立ち上げ、及び海外安全規格取得など
◇自己紹介
国立高専卒業後、産業機器メーカー在職中にベルギー工場及びフランス工場立ち上げのため、約4年間のヨーロッパ滞在経験があります。
2007年に脱サラし、現在はブロガーやウェブライターとして生計を立てています。
海外顧客との打ち合わせが必要なため、趣味と実益を兼ねて断続的に
オンライン英会話を利用しています。
時間がある時は、リスニングスキル向上のために海外ドラマを
観るように心がけています。