高校生のうちから海外留学を考えるなら、アジアの中でも多民族かつ多言語の環境を持つマレーシアが注目されていることをご存知でしょうか?
近年は英語力を伸ばすだけでなく、多文化の中でのコミュニケーション力や広い視野を養うことを目的に、マレーシアのインターナショナルスクールへ正規留学や短期留学する高校生も増えてきました。
マレー語・中国語も学べる英国式の教育制度に加え、費用面でも比較的リーズナブルな点が魅力です。
本記事では、高校生でもマレーシアへ単身留学ができるのか?、気になるメリットやデメリット、具体的な費用や留学の流れなどについて詳しくご紹介していきます。
- マレーシアってどんな国?
- マレーシア留学のメリット
- マレーシア留学のデメリット
- 高校生のマレーシア留学にかかる費用は?
- マレーシア高校留学までの流れ
- クアラルンプールの主なインターナショナルスクール
- まとめ
マレーシアってどんな国?
マレーシアはアジアの中でも多民族国家として有名で、公用語であるマレー語に加え、中国語や英語など多言語が飛び交う環境が大きな特徴です。
国としては、マレー半島とボルネオ島北部に領土を持ち、首都はクアラルンプール。伝統的な文化や価値観を重んじながらも、英国式の教育システムを取り入れたインターナショナルスクールが多数点在しているため、英語力を高めたい海外留学希望の学生にとっても非常に魅力的な留学先となっています。
また、教育水準が年々向上していることもあり、大学進学のみならず高校や中学の段階からマレーシアへ留学する日本人も増えています。
多様な文化と宗教が共存しているため、留学生にとっては視野を広げつつ新しい価値観を受け入れやすい土壌が整っていると言えるでしょう。生活費や学費などの費用面でも、イギリスやアメリカと比較すれば比較的おさえられる点が魅力で、通信制高校からの短期留学や中学留学など、さまざまな形態での受け入れが行われています。
マレーシア留学のメリット
■多言語・多文化に触れることで柔軟なコミュニケーション力が身につく
マレーシアでは公的な教育機関でも英語を重視している上、マレー語や中国語も盛んに使われています。
そのため、留学中は英語力を鍛えつつ、必要に応じて他の言語にも触れられる環境が整っています。日常生活で複数の言語が混在する国だからこそ、幅広い文化的背景を持つ人とコミュニケーションできる柔軟性が育まれます。
■費用が比較的安い
イギリスやアメリカなど英語圏の国へ正規留学を行う場合、学費や生活費が非常に高額になりがちです。
一方、マレーシアの場合は私立高校やインター校でも、同程度の教育水準を保持しながら総合的な費用がおさえられる傾向があります。
学校によっては寮を完備していることもあり、初めての単身留学であっても比較的安心して生活をスタートできます。
■英国式の教育制度を取り入れた学校が多数
マレーシアのインターナショナルスクールは英国式のカリキュラムを採用しているところが多く、イギリスの中等教育と同様の学習プログラムを受けることができます。
これにより、将来の大学進学や海外大学への編入などに有利になる場合があります。学年やコースによっては日本へ帰国後もスムーズに単位認定が可能なケースがあり、長期留学だけでなく短期留学や交換留学の選択肢も広がります。
■多民族環境による国際感覚の養成
マレーシアはマレー系だけでなく中国系、インド系など多様なバックグラウンドを持つ人が共存しているのが特徴です。
学校での授業だけでなく、日常生活の中でも自然に異文化と触れる機会が多く、海外留学の醍醐味を高校生のうちから存分に味わえるでしょう。
多文化社会での高校生活は国際感覚を身につける大きな力となります。
マレーシア留学のデメリット
■日本語環境の少なさ
英語を中心に授業が行われるため、日本語環境はほぼ存在しません。
英語力アップを目指すなら理想的ですが、最初のうちは言語の壁や中等教育過程での専門用語に戸惑うこともあるでしょう。
とくに公立高校から飛び込む場合、周囲に日本人学生が少ない場合があるため、最初は孤独を感じるかもしれません。
■マレー語や中国語にも触れる必要がある
インターナショナルスクールでも、選択科目や日常生活でマレー語や中国語を学ぶ機会が多くあります。
多言語を同時に学べるメリットがある反面、英語だけでなく複数の言語を一気に吸収しなければならない負担を感じる人もいます。
高校生としての学年進行を考慮しながら新しい文化と言語を学ぶには、それなりの努力が必要です。
■コミュニケーション面でのカルチャーショック
多民族・多文化が魅力のマレーシアですが、それゆえに宗教行事や生活リズムが日本と大きく異なる部分が多いです。
たとえばイスラム教の行事に合わせて休日が変わる、学校の制服が特徴的、といったカルチャーショックがあるかもしれません。
異なる文化への柔軟な対応力が求められるため、準備不足だと戸惑いやストレスを抱えることもあります。
高校生のマレーシア留学にかかる費用は?
マレーシアでの高校留学にかかる費用は、学校の種類や学費(授業料)、寮やホームステイの形態、地域などによって幅があります。
インターナショナルスクールでは年間の学費が数十万円から百数十万円程度かかるケースが多いですが、イギリスやアメリカへの海外留学と比較すると安い傾向にあるのも事実です。
また、寮生活を行う場合の費用には食費や光熱費が含まれることも多く、費用をコントロールしやすいメリットがあります。
ただし寮が完備されていない学校の場合、別途ホームステイや外部のアパートを利用する必要があり、その分の生活費が加算されます。
さらに、ビザ関連の手続き費用、渡航費、保険料なども考慮に入れましょう。短期留学やコースによって費用が変動することもあるため、まずはセミナーや説明会などでしっかり情報を収集するのがおすすめです。
参考までに、日本政府が運営する「トビタテ!留学JAPAN」のウェブサイトや、語学学校やエージェントが提供している情報では、学校やコースにより幅があるものの、寮費や日々の生活費を含めて年間100万円前後から200万円程度の予算で済む例が多いとされています。
ただし、イギリス式のエリート教育を提供している私立高校の中には、さらに高額な学費になるところもあるため、進学先のスクールを慎重に選ぶことが大切です。
マレーシア高校留学までの流れ
1. 情報収集・目標設定
最初に、自分がどうしてマレーシアの高校へ留学したいのか、目標を明確にしましょう。
英語力を高めたいのか、英国式の中等教育を受けたいのか、あるいは多民族文化での生活を体験したいのかなど、目的に応じて留学先となる学校やコースを検討します。
まずは留学エージェントやセミナーに参加して基礎的な情報を収集してみるのがおすすめです。
2. 学校・コース選択
マレーシアにはインター校や私立高校など多様な教育機関があります。
短期留学向けプログラムがあるか、交換留学制度があるか、通信制との併用が可能かなどを比較検討し、自分に合ったスクールを選んでいきます。
「ワオ高校」のような通信制・オンライン制の教育機関を活用することで日本の公立高校と並行して学習する方法もあります。
3. 出願準備・必要書類の取得
学校が決まったら、願書や成績証明書、推薦状、英語力を証明する書類などをそろえます。
マレーシアの私立高校やインターナショナルスクールでは、英語力のテストスコアが求められることが多いため、早めに準備しておきましょう。
4. ビザ申請手続き
マレーシアで正規留学を行う場合には、学生ビザの取得が必要です。
パスポートの有効期限をチェックし、書類の不備がないよう注意しながらビザ申請を進めます。
短期での語学学校通いのみなら不要な場合もありますが、学校やコースによって異なるため、最新情報を必ず確認してください。
5. 渡航と新生活のスタート
ビザが下りたら航空券を手配し、渡航の準備を行います。
単身で留学する高校生の場合、渡航時のサポートや現地での生活指導がしっかりしているかどうかを必ず確認しておきましょう。
特に初めての海外生活は不安も多いので、サポート体制を整えてくれる学校やエージェントを選ぶことが大切です。
クアラルンプールの主なインターナショナルスクール
マレーシアの首都クアラルンプールには、多数のインターナショナルスクールや私立高校があり、それぞれ特徴が異なります。
以下は代表的な例です。
●ガーデン・インターナショナル・スクール(Garden International School)
英国式カリキュラムをベースとした長い歴史を持つインター校。多国籍の学生が集まっており、多文化交流が盛んです。
●アリス・スミス・スクール(Alice Smith School)
こちらも英国式カリキュラムを導入し、学年別にイギリスの教育制度に近い形で授業を行っています。施設や校内活動が充実しているため、海外留学初心者にもおすすめです。
●モントキアラ・インターナショナル・スクール(Mont’Kiara International School)
アメリカ式カリキュラムを軸にしたスクールで、大学進学を視野に入れたプログラムが豊富です。英語圏の大学へスムーズに進学したい学生に人気があります。
●サンウェイ・インターナショナル・スクール(Sunway International School)
オンタリオ州(カナダ)のカリキュラムを採用している特徴的な学校です。世界的に評価の高いカナダの教育をマレーシアで受けられることから注目されています。
クアラルンプールはインフラが整備されているため、単身留学でも安心して生活できるでしょう。
寮が設置されているところも多いため、高校生が独りで生活する不安を軽減できるのがメリットです。
ただし、それぞれのスクールで制度や科目、校風、費用が異なります。自分の留学目的に合わせて慎重に選んでください。
まとめ
高校生でもマレーシアへの海外留学は十分に可能であり、多言語・多民族の豊かな文化に触れつつ、英語力をはじめとする総合的な力を養える魅力的な選択肢です。
欧米への留学と比較して留学費用が安く、英国式カリキュラムのスクールも多数存在するため、正規留学や短期留学としても人気を集めています。
ただし、日本語環境が乏しいことやマレー語・中国語の学習負担など、乗り越えるべきハードルもあります。自分の目標や学年、通信制や交換留学などの選択肢を踏まえ、しっかりと情報収集を行いながら最適なコースを見つけてください。
高校卒業後の大学進学や将来のキャリアにも大きくプラスになるでしょう。

◇経歴
サラリーマン時代のヨーロッパ駐在時に約4年間とその前後数年間
◇資格
電気工学英文翻訳講座終了
◇留学経験
なし
◇海外渡航経験
ベルギー、フランス、ドイツ、オランダ、イギリス、中国にて
新規工場立ち上げ、及び海外安全規格取得など
◇自己紹介
国立高専卒業後、産業機器メーカー在職中にベルギー工場及びフランス工場立ち上げのため、約4年間のヨーロッパ滞在経験があります。
2007年に脱サラし、現在はブロガーやウェブライターとして生計を立てています。
海外顧客との打ち合わせが必要なため、趣味と実益を兼ねて断続的に
オンライン英会話を利用しています。
時間がある時は、リスニングスキル向上のために海外ドラマを
観るように心がけています。