カナダの医療費はどれくらい?知っておきたい医療制度や保険について教えます!

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カナダは世界有数の医療水準を誇る国として知られています。

公的医療保険制度「メディケア」により、基本的な医療サービスが無料で受けられる一方で、処方薬や歯科治療などは自己負担が必要です。

日本とは異なり、まずかかりつけ医に相談してから専門医の診察を受けるシステムを採用しているのが特徴です。

この記事では、カナダへの渡航や長期滞在を考えている方に向けて、知っておくべき医療制度のポイントを詳しく解説していきます。

カナダの医療制度

 

カナダの医療制度で特徴的なのが、GP(General Practitioner:かかりつけ医)制度です。

この制度では、専門医の診察を受けるためには、まず登録しているGPの診察を受ける必要があります。

GPが必要と判断した場合に限り、専門医や病院、検査機関への紹介状が発行されます。

現在、カナダではGPの数が足りないことが問題になっています。

多くのGPが新規患者の受け入れを制限しており、診察の予約も1~2週間後になることが一般的です。

整形外科や皮膚科、産婦人科などの専門医は極端に不足しており、予約までに数ヶ月、場合によっては1年以上待つこともあります。

外国人旅行者や留学生などメディケアに加入していない人は、ウォークインクリニックを利用することになります。

これらの施設は、ショッピングモールや市街地に設置された簡易的な診療所です。

基本的な診察は可能ですが、レントゲンや血液検査、超音波検査などの設備が整っていない施設が多く、また混雑により数時間待ちということも珍しくありません。

緊急を要する場合や、ウォークインクリニックが営業時間外の場合は、総合病院の救急外来(ER)を受診することになります。

ERでも待ち時間は長くなりがちですが、各州の保健省ウェブサイトで現在の待ち時間を確認できます。

ERでは、看護師が患者の症状をチェックし、緊急度に応じて治療の順番を決めます。

命に関わる重症患者は優先的に治療を受けられますが、軽症と判断された場合は相当な待ち時間を覚悟する必要があります。

 

カナダの医療水準

 

カナダは最先端の医療技術があり、高い専門知識を持つ医療従事者がおり、世界的にも高水準な医療サービスを利用できます。

そのため、現地で病気やケガをしても技術においては心配ありません。

しかし、その医療費は日本と比較するとかなり高額になります。

保険に加入していない場合、日本の医療費の5~10倍もの費用がかかる可能性があり、経済的な負担がとても大きくなります。

具体的な医療費の差を見てみると、まず救急車の利用料金では、カナダの公営救急車で42,300円かかるのに対し、日本では原則無料です。

病院での初診料を比較すると、カナダでは11,200円から12,000円程度必要ですが、日本では2,820円程度で済みます。

入院費用の差はさらに高くなります。

個室利用の場合、カナダでは1日あたり297,300円もの費用が発生しますが、日本では30,000円から100,000円程度です。

より高度な医療ケアが必要なICU(集中治療室)では、カナダで788,900円、日本では80,000円から100,000円程度となっています。

手術費用も大きく異なります。

例えば虫垂炎(いわゆる盲腸)の手術では、カナダでの総費用が812,500円で平均入院期間が2日なのに対し、日本では600,000円程度で4日間の入院が一般的です。

これらの数字から、カナダでの医療費が日本と比べていかに高額であるかが分かります。

このような高額医療費に備えるため、カナダ滞在中は医療保険に加入すると良いでしょう。

特に注意が必要なのは保険の期限切れです。

気付かないうちに保険の有効期限が切れてしまい、必要な時に保険が使えないという事態は避けたいところですよね。

そのため、保険証書や保険の詳細が記載されたハンドブックは常に持ち歩き、有効期限を定期的に確認しておきましょう。

また、カナダの医療機関では、受診時に保険内容を確認することが一般的です。

保険証書を携帯していないと、いったん全額を自己負担しなければならない場合もあります。

後から保険会社に請求することは可能ですが、手続きが煩雑になる上に一時的に多額の支払いが必要になるため注意したいところです。

 

カナダの医療費・国民皆保険制度について

 

カナダの医療費についてOECD加盟国内ランキングを見てみると、2019年のカナダの一人当たり保健医療費支出は5,370ドルでした。

これは、OECD加盟国中11位です。

日本は15位で4,691ドルのため、医療費は日本の方が安いことになります。

また、カナダにも国民皆保険制度があり、日本の国民健康保険に相当する「メディケア」という公的医療保険制度が整備されています。

この制度の特徴は、基本的な医療サービスが無料で受けられることです。

ただし、いくつか例外があることは覚えておく必要があります。

メディケア制度は税金を財源として運営されており、加入者は原則として治療費を支払う必要がありません。

ただし、歯科診療や処方薬(入院中は除く)、リハビリなどは全額自己負担となります。

留学生やワーキングホリデーの参加者も、州によってはメディケアへ加入できます。

しかし、申請から加入までに数ヶ月かかることもあり、その間の医療保障として民間保険に加入する人が大多数です。

 

カナダでの高額医療費事例

 

カナダの医療費が高額になる実例を見ていくと、留学前には思いもしなかった事故などが発生していることがわかります。

最も高額なケースでは、脳炎の治療で約3,890万円もの費用が発生しています。

この事例では、ホームステイ先で突然意識を失い、救急搬送された後、19日間の入院治療が必要となりました。

さらに、医師と看護師が付き添っての医療搬送も必要となり、総額が膨らむ結果となりました。

保険に入っていれば、家一軒が余裕で立てられる金額を支払わなくても済んだかもしれませんね。

冬のスポーツによる事故も大きな出費を招くことがあります。

スノーボード中にスキーヤーと衝突し、ヘリコプター搬送を要した事例では、頚椎脱臼骨折の治療に20日間の入院と手術が必要となり、総額で1,156万円の費用が発生しています。

このケースでは、家族の緊急渡航費用や、医療搬送時の医師・看護師の付き添い費用も含まれています。

交通事故による治療も高額になりやすく、横断歩道での交通事故では、骨盤骨折の治療に11日間の入院を要し、家族の渡航費用と看護師付き添いの医療搬送費用を含めて858万円の支払いが発生しています。

比較的一般的な病気でも、入院を伴う場合は高額な医療費となります。

たとえば、肺炎による8日間の入院で571万円、急性虫垂炎の3日間の入院と手術で303万円など、日本では考えられないような金額となっています。

また、腹膜炎で10日間入院した事例では535万円、憩室炎による5日間の入院でも330万円の費用が発生しています。

 

旅行・留学・ワーホリでカナダに滞在する際の保険

 

カナダへの渡航時には保険への加入が必須です。

上記のような高額な医療費を支払うことがないように、短期の旅行や留学の場合、海外旅行保険への加入を強くおすすめします。

海外旅行保険は、高額な医療費の補償だけでなく、病院の予約代行や医療通訳サービスなど、様々なサポートを提供してくれます。

特に便利なのが、キャッシュレス医療サービスです。

このサービスを利用すると、保険会社が医療機関に直接支払いを行うため、その場で高額な医療費を支払う必要がありません。

ただし、このサービスを利用できる医療機関は限られている場合があるため、渡航前に利用可能な施設を確認しておきましょう。

日本の健康保険に加入している方は「海外療養費制度」を利用することもできます。

これは、海外で支払った医療費の一部を帰国後に還付してもらえる制度です。

ただし、この制度を利用するためにはまず医療機関で全額を支払う必要があります。

そのため、高額な医療費の場合は、実質的に利用が難しいケースが多いのが現状です。

現在、多くの保険会社がインターネットでの契約に割引を適用しています。

例えば、一部の保険会社ではオンライン契約で最大55%の割引を受けられるケースもあります。

保険選びの際は、補償内容やキャッシュレスサービスの有無とともに、こうした割引制度も確認することをおすすめします。

長期滞在の場合は、現地の医療保険制度や民間保険についても検討が必要です。

ただし、現地の医療保険への加入手続きには時間がかかることが多いため、渡航後すぐに医療サービスが必要になった場合に備えて、日本で加入できる海外旅行保険との併用を検討するのが賢明です。

保険について詳しいことがわからなければ、留学エージェントを利用するのも一つの手です。

留学先との仲介料や手数料がかかりますが、プロに聞いておけば安心できます。

個人で留学するのではなく、大学の交換留学などで行くのであれば別の方法もあるでしょうから、その場合は大学の留学センターで聞いておくと良いでしょう。

 

まとめ

 

カナダに限らず、保険に入っていない状態で海外で医療費が発生した場合はたいてい高額になります。

短期留学の間に病気にはならないだろう、現地で事故には遭わないだろうと思っている人が多いと思いますが、実例の通り、実際に超高額費用が発生しています。

日本にいる時と違い頻繁に旅行に行くなど、普段の生活と違うこともする機会が多くなるので、これから留学する場合は保険に入って医療費をカバーしておきましょう。

 

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