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カナダ!
実は英語だけでなく、フランス語も公用語であることを知っていましたか? フランス語はカナダの歴史に深い関わりがあるだけでなく、現代の社会においても重要な役割を果たしています。
この記事では、なぜカナダでフランス語が話されているのか、その理由について様々な観点から徹底解説しています。
旅行の際のポイントなどについてもまとめているので、これからカナダ渡航を控えている方はぜひ参考にしてみてください。
カナダにおけるフランス語の歴史的背景
カナダでフランス語が公用語になった背景には、植民地時代の歴史が関係しています。
フランスによる植民地統治
元々、カナダはフランスの植民地でした。
先住民との毛皮交易をねらってカナダに進出したフランスは、カナダ統治下において植民地経営を行いました。
1500年代~1600年代にかけ多くのフランス人がカナダに移住し、大規模なフランス人コミュニティが形成されていきます。
特に、植民地として成立したケベック地方は、現代にも引き継がれるフランス語文化圏の基礎となりました。
イギリスによる植民地統治
フランスが植民地支配を拡大するのと同時期に、北アメリカでの領土拡大を目指していたのがイギリスです。
フランスとの植民地争いが激化したことで、フランスとイギリスは戦争に突入し、イギリスの勝利によって終わりました。
その後イギリスにカナダ統治が引き継がれ、カナダはイギリスの植民地となります。
これにより、カナダでは英語が広く使用されるようになりました。
カナダ政府がフランス語・英語ともに尊重する寛容な政策をとったことにより、カナダでは引き続きフランス語も使用され続けました。
これにはフランス系住民をスムーズに統治する意図があったとされています。
フランス系の住民たちもその土地に留まり続けたため、フランス語とその文化は今に引き継がれることとなったのです。
カナダの独立
1867年にカナダは自治を認められ、
カナダ連邦となります。
このとき外交権などは付与されなかったため完全な独立とはなりませんでしたが、第二次世界大戦を経て、カナダは正式に独立を果たすこととなりました。
この間もカナダではフランス語が広く使用され続け、フランス系の伝統や文化は残り続けました。
独立後もフランス系住民の伝統や文化を保全する取り組みが続けられています。
カナダの公用語としてのフランス語の確立
上述の通り、フランスによる植民地支配が、カナダにおけるフランス語の普及に大きな影響を与えました。
その後どのようにして、フランス語がカナダの公用語として確立していったのでしょうか。
公用語について
そもそも公用語の定義とはいったいなんでしょうか?公用語とはその国や、地域の公式な場で用いられることを規定された言語のことです。
ヨーロッパ諸国や植民地支配を受けていた国などでは、一つの国の中で複数の言語が話されていることが珍しくありません。
公の場や公的文書で使用される言語を正式に定めることで、国内での混乱が避けられています。
公用語は一つである必要はなく、複数の言語を公用語として定めることができ、中には10以上の公用語を持つ国もあります。
フランス語の公用語確立の歴史
フランス語が長く話されてきたカナダですが、フランス語が英語と同等の地位を認められたのは1867年のことです。
このとき、英語・フランス語の両方が議会や連邦裁判所での使用を認められました。
1969年には「公用語法」が制定され、正式にフランス語は公用語として認められることになります。
その後、法律を修正しつつカナダはフランス語と英語の平等な地位を保持してきました。
英語話者とフランス語話者が、連邦機関内での雇用と昇進の機会を平等に持つことを確保する目標を定めるなど、言語の二重性を促進する取り組みが今日でもなされています。
州における公用語
カナダは国家としては両方の言語の地位を認めていますが、どちらの言語を公用語にするかは州に委ねられています。
カナダのほとんどの州が英語のみを公用語として定めており、フランス語を州の公用語として定めている州はケベック州と、ニューブランズウィック州のみです。
ケベック州ではフランス語、ニューブランズウィック州では英語とフランス語の両方が公用語とされています。
生活に根づくフランス語
州の公用語としてのフランス語は限定的である一方で、カナダでは生活の様々な場面でフランス語に触れることができます。
例えば、商品パッケージは英語とフランス語の両方で記載されています。
また、標識なども英語とフランス語で表記されており、フランス語が日常生活に根付いている様子がうかがえます。
ケベック州におけるフランス語の優位性
ケベック州は唯一フランス語を公用語に定めている州です。
実際にフランス語はどのように使用されているのでしょうか。
法律と政策
ケベック州では、フランス語を仕事、教育、商業、ビジネスの日常的な言語にすることを目指した法律が制定されています。
ケベック州の教育現場では英語教育よりも、フランス語での教育を推進する方針が取られています。
他にも、商業広告や看板のフランス語表記を義務付けたり、職場内でフランス語を広く使用することを求めるなど、様々な言語規則が導入されています。
フランス語はケベックの人々の重要なアイデンティティであるため、政府主導で積極的に保護されています。
経済とビジネス
ケベック州ではフランス語が通常のビジネス言語となっています。
職場ではもちろん、様々なビジネスシーンでフランス語が使用されています。
近年はグローバリゼーションの影響で英語を使う機会も増加していますが、依然としてフランス語は重要な役割を担っています。
就職においても、フランス語スキルが有利に働くことが多いです。
生活
基本的には日常会話ではフランス語が使われています。
地名や交通機関のアナウンスもフランス語であり、生活の大部分がフランス語であるといえます。
一方でバイリンガルも非常に多く、英語・フランス語をどちらも流暢に話せる人がほとんどです。
実はケベック州のフランス語は、フランス本国のフランス語と多少異なっています。
英語文化との共存の中で独自の発展を遂げた「ケベックフランス語」が、ケベック州の生活の基盤となっています。
旅行の前に知っておくべきポイント
ケベック州には歴史的な建造物が多く、観光スポットがたくさんあります。
特に、西洋風の街並みが美しいモントリオールは、観光客にも非常に人気のある都市です。
モントリオールでは、“Bonjour, hi”という挨拶を頻繁に耳にします。
英語で話せば英語で返してくれるため、カフェやショップでの買い物もスムーズに行えるでしょう。
観光スポットであり、多くの人がバイリンガルであるため、旅行の際にフランス語が話せなくてもあまり問題はありません。
観光地から少し離れると英語が話せない人もいますが、基本的には英語のみで旅行をすることができます。
とはいえ、英語を話すことが当然だと思って旅行するのは避けましょう。
ケベックの人々は、自分たちの文化や言語に非常に誇りをもっています。
旅行中でも彼らの文化に敬意を払うことは重要です。
“Bonjour”や“Merci”など、簡単なフランス語を覚えておくことで、よりスムーズに旅行を楽しむことができるでしょう。
カナダ全土でのフランス語教育とバイリンガル政策
カナダ政府はバイリンガル教育に非常に力を入れています。
カナダにおけるフランス語教育については以下の通りです。
カナダのフランス語教育
カナダ政府はフランス語教育に力をいれており、バイリンガル人口を増やす教育政策が進められています。
近年では、国語以外の言語をフランス語で学習する「イマ―ジョン・プログラム」なども導入され、幼いころからのフランス語教育が主流になりつつあります。
大学でもフランス語のコースが置かれるなど、フランス語教育の普及が積極的に推進されています。
バイリンガル人口の増加
公用語法によってフランス語が公用語として認められてから、カナダにおけるバイリンガル率は着実に上昇しています。
カナダ大使館によると、約250万人のカナダの若者が、フランス語または英語を第二言語として学んでいます。
政府機関や公共サービスの職ではバイリンガルであることが求められるため、将来のために第二言語を学ぶ若者が多いです。
筆者のカナダ人の友人も、第一言語が英語、第二言語がフランス語のバイリンガルでした。
大学でも一定数のクラスメイトがバイリンガルで、カナダにおけるバイリンガル教育の浸透を実感したのを覚えています。
フランス語留学
ケベック州などでは、フランス語で授業を受けられる学校がたくさんあります。
英語のコースに加えて、フランス語のコースが置かれている場所も多いため、どちらの言語も学習することができます。
フランス語も習得したいと考えている方にとっては、絶好の留学先といえるでしょう。
カナダ全土でバイリンガル政策が推進されているといっても、ケベック州以外の州では英語教育が主流です。
カナダでフランス語留学を目指す方は、ケベック州の学校を選ぶことをおすすめします。
特に、ケベックやモントリオールなどの大都市には、世界中からたくさんの人々が集まってきます。
語学学校以外での実践的な会話練習を積むことができ、より充実した留学生活を送ることができるでしょう。
まとめ
フランス語はカナダにおいて、歴史的にも社会的にも非常に重要な役割を担ってきました。
特に「多文化主義」として知られるこの国では、二つの公用語の共存が社会の基盤となっています。
これからカナダに渡航する方は、ぜひ生活の中に根付いたフランス語の存在を感じてみてください。