イギリスの教育制度の特徴は?義務教育制度からイギリスの教育の魅力まで!

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イギリスの教育について、4月ではなく9月が新学年のスタート月であることは多くの人が知っているでしょう。

それ以外にも、イギリスの教育システムには日本との違いが確実にあります。

その例として、小学校で教科書がないことや、学生はある学年から科目の選択を行うことをご存知ですか?

この記事では、イギリスの教育制度について解説をします。

ナーサリーからUK大学までイギリスで教育を受けている息子を持つ筆者がお届けします。

イギリスの義務教育(16才まで)

 

まずは義務教育の時期がどうなっているのかという点から始めましょう。
日本では学校教育法に基づき、小学校6年、中学校3年、トータルで9年間が義務教育です。

さて、イギリスの制度はどうなっているのか?さっそく、イギリスの義務教育をみていきましょう。

なお、イギリスを構成するイングランド・ウェールズ・スコットランド・北アイルランドでは教育システムが少しずつ異なりますが、本記事ではイングランドを基本に紹介することをご了承ください。

 

イギリスの義務教育期間

 

イギリスで義務教育がスタートするのは、満5歳を迎えた9月からです。

この学年をYear 1(イヤーワン)と呼び、5~6歳の児童が学校に通います。

ちなみに、Year 1の前には、3歳になると通うナーサリー、翌年に4~5歳児を対象としたレセプションと呼ばれる学年がありますが、これらは義務教育が始まる前に学校や集団生活に慣れさせる方法として捉えられており、実際には義務教育ではありません。

Year 1から1年ごとに、Year 2・Year 3・Year 4・Year 5・Year 6と学年が上がっていきます。

英語の学習に関しては、Year 1からphonics(フォニクス)の指導が始まります。

フォニクスとは、発音と文字の関係性を学ぶために開発された方法です。

冒頭で触れたとおり、日本のような教科書は存在せず、プリントが配られて授業が進められます。

ちなみに、義務教育の英語はmandatory educationになります。

Year 1~Year 6の初等教育6年間は日本と同じですが、学年以外に、Key Stage(キーステージ)として必修科目と学習内容のレベル分けしている点も日本との違いでしょう。

初等教育から中等教育に進みます。

学年の呼び方はそのままYear 7と続いていきますが、ここで受験はありません。

Year 7~Year 11という5年間がイギリスの中等教育に当たり、secondary school(セカンダリースクール)と呼ばれます。

グラマースクールと呼ばれる学校に入学したい場合は受験をすることとなります。

この時点で、日本における中学校、高校というシステムとは異なることが分かります。

このように、Year 1~Year 11がイギリスの義務教育期間です。

生徒の年で言うと15歳~16歳がYear 11であり、日本でいう高校1年生で義務教育修了ということになります。

さて、イギリスで義務教育を修了するためには全国で一斉に行なわれる試験GCSEを受けることになります。
次で紹介しましょう。

 

GCSE/IGCSE, A-Level (Advanced Level) とは?

 

日本での義務教育は、中学3年生として卒業式に出席し卒業証書の授与が行なわれることで修了(卒業)となります。

しかし、イギリスには試験があります。

国内のすべてのYear 11が受けるとても大きなテストを受験することになります。

そのテストがGCSEまたはIGCSEと呼ばれるものです。

 

イギリスの義務教育修了テストGCSE・IGCSE

 

イギリスには義務教育の修了テストがあります。
GCSEまたはIGCSEです。

GCSEはGeneral Certificate of Secondary Education、そしてIGCSEのIはInternationalを意味します。

上でも、イギリスの中等教育に当たり、secondary schoolということを述べましたので、Secondary Educationの意味が分かりますね。

GCSEまたはIGCSEは全国で行なわれる統一試験であり、毎年5月~6月にかけてイギリス国内のすべてのYear 11が受けるテストです。

 

A-Level (Advanced Level)

 

GCSEの次にある重要な試験が
A-Level(Aレベル)です。

話を少し戻しますが、セカンダリースクールであるYear 7~Year 11を過ごす過程で、学生は進路を決めていく必要があります。

ある学生は大学受験をするための2年間を過ごすThe sixth formを選び、他の学生は就職、または就職に備える実践的な職業教育を行なうアプレンティスシップや専門学校に進む進路などがイギリスでは一般的です。

The sixth formに進んだ学生はYear 12とYear 13という2年を過ごします。

まず、Year 12mock examと呼ばれるいわゆる模擬試験、Year 13の5月~6月にかけてA-Levelという大学に入学するための本番の試験があります。

A-Levelという試験を受けることで、結果によって大学入学の資格を得ることになります。

補足すると、ケンブリッジやオックスフォード大学、そしてコースとして医学部には異なるプロセスが含まれます。

 

試験科目は?

 

イギリスの学生は通常、Year 9になると大きな節目を迎えます。

学びたい科目を自分で選択するのです。

これらは好きなものであると同時に、高等教育に進学するときに継続して履修する可能性が高い科目になります。

科目選択では、まず全員が学ぶコアな科目としてEnglish/Math/Scienceがあります。

自分が選びたい科目をこれに加えて、合計7~9科目を決定させ、Year 10から選択した科目を学ぶことになります。

これらがGCSEで受ける科目になります。

筆者の息子は必須科目に加えて歴史・地理・フランス語・アートを選択しました。

他にもフードテクノロジーやダンスといった科目もあり、歴史を選ばない学生はこれ以降セカンダリースクールで歴史を学ぶことがなくなります。

IGCSEでは、5~6科目になります。

The sixth formに進む学生たちはsixth formersと呼ばれ、事前に科目の選択をしますが、ここでさらに科目数が減ります。

この科目(通常3~4科目)が大学入学のための試験A-Levelで受験する科目になります。

 

合否ではなくグレードの試験結果

 

GCSE・IGCSEそしてA-Levelとも、試験結果は合否ではありません。

代わりにグレードと呼ばれる結果を受けることになります。

例えば、GCSEでは1~9(9が最高)A-LevelではA*/A/B/C/D/E(A*が最高)というグレードに分かれています。

なお、国内の学生と留学でイギリスに来る学生とでは、大学のコースでの求められるグレードが異なることがあります。

イギリスの義務教育期間は、Year 1~Year 11、Year 11の春に義務教育の修了試験 GCSE、 大学受験に進む学生は The sixth form で2年間過ごし、2年目にYear 13として大学のための試験 A-Level を受けることになります。

ここまで、イギリスの学校教育について明確になったでしょうか?

 

イギリスの教育の魅力・メリット

 

次は、イギリスの教育の魅力やメリットです。
皆さん、またはお子さんにとって魅力的かどうかご参考にしてください。

 

世界水準の教育

 

イギリスにおける教育でもっとも魅力な点は、世界水準レベルのエデュケーションを受けられるところです。

世界ランキングの上位にランクインする大学が何校もありますが、これはGCSEの科目選択でも分かるとおり、早い段階から特化した学習を質の高い指導によって行なわれるためでしょう。

 

教育費が無料

 

私立学校は違いますが、公立では義務教育期間中、教育費が無料です。

5歳~16歳まで参考書を購入することはありますが、無料で学べるというメリットがあります。

 

国際的な評価

 

A-Levelという教育資格はイギリスだけでなく、世界的に認められている大学入学資格です。

世界の大学へのパスポートとして、国際的な評価を得ることができます。

 

イギリスの公立校・私立校の違い

 

ここでは、イギリスの公立学校と私立の違いを比較してみましょう。
イギリスでは公立をstate school、そして私立をprivate schoolと呼びます。

 

公立と私立を比較

 

公立の2年先をいくと言われるイギリスの私立校の良さは、クラスの人数の少なさにより個別の指導を受けやすい、各生徒の長所・短所に合った教育による成績の向上です。

施設も充実しており、友人の子どもが通っていたある私立では庭にフラミンゴがいるとのことでした。

イギリスでは3学期制をとっている学校が一般的ですが、私立で学ぶためには、現在生徒1人あたり学期で約5,200ポンド(2025年2月現在)、日本円では約976,000円です。

その他にもスクールトリップなどの費用を想定することになります。

いわゆるボーディングスクールはほぼ私立です。

一方、公立校は、学生に無償の教育を提供する政府出資の学校となります。

公立でも、小学生の時期から数学や科学といったコアな科目に関しては、クラスで3つほど成績別のグループを作り、それぞれに合った指導がされます。

 

イギリスの大学進学について

 

セカンダリースクールの学生大学への進学率は35~38%です(2023年)。
最後に、イギリスの大学についても紹介しましょう。

 

大学合格までのプロセス

 

Year 12で受ける模擬試験の結果で自分が志望する大学のコースを5つ決めます。

大学というよりは自分が学びたいコースを選ぶのがイギリス式です。

5コースを選択すると、UCASという機関を通して出願します。

出願すると、各大学から内定とも言えるオファをもらいます。

そのとき、オファをくれた大学が3校以上であれば、学生は本命と滑り止めという2校(2コース)に絞ります。

そしてYear 13の5月~6月にあるA-Levelでその大学のコースに必要とされる成績を出せば合格が確定します。

 

1年生から専門的に学ぶ

 

イギリスの大学では、1年目から専門的な内容を学び、日本の一般教養といった課程はありません。

それはGCSEやA-Levelといった試験のために科目をすでに選択し勉強しているためです。

 

弱者に対する考慮

 

イギリスの大学では多様性を重んじ、障害を持つ学生も平等に歓迎する文化があります。

また、経済的なサポート、入学後に精神的に悩む学生へのサポートなどの環境が整っています。

 

まとめ

 

イギリスの義務教育、大きな2つの試験の説明、そしてUKにおける教育の魅力などみてきました。

このようなシステムのなかで学生たちが日々学び、課外活動に親しんでいます。

皆さんが本記事によって、イギリスの教育現場をイメージすることができていたら幸いです。

 

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