
カナダの大学は教育水準が高く、進学に必要な英語力や成績も高めです。専門性の高い教育に力を入れており、治安が良いため日本人に人気の留学先の1つです。
「カナダの大学進学を目指したいけど、費用はどれくらい?」
「カナダの大学で使える奨学金はないの?」
などの、疑問や不安をお持ちではありませんか?
そこで本記事では、
・カナダの大学進学・留学の特徴
・カナダの大学進学にかかる費用
・カナダの大学で使える奨学金
・カナダの大学進学・留学の費用を抑えるポイント
について、分かりやすく解説します。カナダの大学の特徴を知っていれば、かかる費用を抑えて進学・留学を実現させることができます。ぜひ最後まで読んで、お役立てください!
- カナダの大学進学・留学の特徴
- カナダの大学は大きく2種類にわけられる
- カナダの大学進学にかかる費用の例:大学
- カナダの大学進学にかかる費用の例:カレッジ
- カナダの大学で使える奨学金
- カナダの大学進学・留学の費用を抑えるポイント
- まとめ
カナダの大学進学・留学の特徴
カナダの大学は、世界的に見ても教育水準が高いことで知られています。カナダの4年制大学は、ほとんどが国立大学で約90校しかありません。その他の公立と私立大学を合わせても約250校ほどです。人口に対して大学数が少ないため、大学によって大きな差がなく、どの大学でも質の高い教育を受けられます。
最新のTHE世界大学ランキング100位以内に、カナダの大学は3校ランクインしています。日本は現在800校以上の4年制大学がありますが、THE世界大学ランキング上位に入るのは東京大学(28位)と京都大学(55位)のみでした。さらに、カナダは住みやすい国ランキングでも常にトップクラスに入っており、留学するのに良い環境と言えます。
参考:THE世界大学ランキング2025
World University Rankings 2025 | Times Higher Education (THE)
そんなカナダの大学の特徴を、さらに詳しくみていきましょう。
カナダの大学は大きく2種類にわけられる
カナダの大学は、ユニバーシティ(University)とカレッジ(College)の大きく2種類にわけられます。ユニバーシティは多くが4年制大学で、さまざまな学部・学科が学べる総合大学です。一方カレッジは、多くが2年制大学でより専門分野に特化した単科大学です。
この2種類については、後ほど詳しく説明します。
入試がない
カナダの大学には、入学試験がありません。
カナダの大学に入学するために必要なのは、公式英語テスト(TOEFLやIELTS)の英語力を証明する成績と、最終学歴の成績証明書、卒業証明書のみです。英語力さえクリアしていれば、他にどのような勉強をしてきたかという過去の実績を重視する姿勢が、日本の大学と大きく違う点です。大学へ入学するのは比較的簡単ですが、卒業するのはとても難しいのがカナダの大学の特徴です。
新年度開始は9月
カナダの大学は、1年間が以下の3つの学期に分かれています。
①秋学期(8月末・9月初旬~12月頃)
②春学期(1月~4月)
③夏学期(4月下旬・5月~7月)
それぞれの学期の間には、休みがあります。留学生の入学が多いのは、①秋学期と②春学期です。
日本は4月から新しい年度が始まるので、その頃から留学を計画する人もいるのではないでしょうか。しかし4月から始まる③夏学期は、カナダでは年度終わりの学期となるため、次の秋学期を待って入学するのがおすすめです。
在学中に転科、編入ができる
入試がないカナダの大学ですが、入学可能人数は少なく限りがあるので、必ず希望する大学に入れるわけではありません。そんな時に便利な制度がカナダにはあります。カレッジやユニバーシティ間での転科、編入が簡単にできることです。
希望する大学へ入学できなかった場合でも、まずは他の大学へ入学して一定の単位を取得してから、希望の大学へ転校することが可能です。さらに、留学生に嬉しい「UT(ユニバーシティ・トランスファー)プログラム」もあります。
「UT(ユニバーシティ・トランスファー)プログラム」とは、カレッジから大学(ユニバーシティ)への単位交換プログラムです。初めはカレッジに入学して、1〜2年の初期科目単位を取得します。その後カレッジで取得した単位を利用して、大学へ編入できるという画期的な制度です。カレッジで2年分の単位を学習後、大学へ編入して残りの2年分の学習をすれば、トータル4年で大学を卒業することができます!
カナダの大学は大きく2種類にわけられる
前に説明したように、カナダの大学はユニバーシティ(University)とカレッジ(College)の大きく2種類にわけられます。
ユニバーシティ(University)
ユニバーシティ(University)は、基本的に4年制大学で、さまざまな学部・学科が学べる総合大学です。日本の大学と同じように学士(Bachelor)、修士(Master)、博士(PhD/Doctorate)までの学位が取得できます。カナダにある約90校の大学は、ほとんどが州立の公立大学です。少数精鋭で質の高い大学が多く、欧米での認知度も高いので、卒業後に欧米諸国で就職をしたい人におすすめです。
ユニバーシティ(University)に入学するためには最終学歴の成績評価が必要なので、カレッジ(College)に比べると入学のハードルが高いです。
カレッジ(College)
カレッジ(College)は、2年制大学が多く、より専門分野に特化した単科大学(専門学校)です。日本でいう短大卒相当の修了証を取得するためのコースや、大学卒相当の学位を取得できるコースのある学校もあり、さまざまです。特に公立のカレッジは、地域の産業と連携して、実践的・専門的な人材育成を目指しています。州ごとに強みのある分野が分かれており、州との共同開発、研究なども行われています。
【強みのある分野の例】
| ブリティッシュコロンビア州 | マルチメディア、バイオ、次世代型エネルギー、環境 |
| オンタリオ州(モントリオール) ケベック州 |
ITビジネス、通信、アート、航空宇宙産業 |
| アルバータ州 | 天然資源のマネージメント、工学 |
| ニューファンドランド州 | 海洋産業 |
地域によって力を入れている分野が違うので、自分が学びたい専門を強みとしているカレッジを調べてみてください。
カナダの大学進学にかかる費用の例:大学
それでは、気になるカナダの大学進学にかかる費用をみていきましょう。
4年制大学へ進学する場合
〇学費 約410万円
学費は大学によって違いますが、全体的な相場として250万円〜500万円となっています。カナダの大学の学費は、単位ごとに費用が発生します。学期の初めに取得する予定単位分の費用を支払い、再履修が必要になると追加で支払いをしなければいけません。
〇滞在費 約110万円
大学の学生寮を利用する場合の滞在費です。留学中、ホームステイを選択すると費用はより高くなる傾向があります。費用を抑えるなら、大学近くの学生寮がおすすめです。
〇生活費 約50万円
・交通費
・通信費
・娯楽費
など主に休日にかかる費用なので、自分のライフスタイルに合わせて予算をたててください。
〇渡航準備費 約40万円
・航空券
・海外留学保険
・ビザ代
カナダの大学進学にかかる費用の例:カレッジ
カレッジの学費は年間約85万円が目安です。4年制大学の学費と比べると、4分の1くらいに抑えられます。ユニバーシティにも言えますが、カレッジ入学に必要な英語力を満たしていない場合、入学前に語学学校での語学研修が必要になり、さらに費用がかかります。
カナダの大学で使える奨学金
カナダの大学留学にも使える奨学金制度があります。奨学金には「給付型」と「貸与型」がありますが、借りた後返済不要の「給付型」の奨学金をおすすめします。
給付型奨学金は主に4種類あります。
①日本政府が提供する奨学金
②日本の自治体が提供する奨学金
③日本の民間団体が提供する奨学金
④カナダ政府が提供する奨学金
①日本政府が提供する奨学金
日本政府が提供している「トビタテ!留学JAPAN」という奨学金プログラムです。対象は高校生、大学生の留学で、社会人留学には利用できません。カナダに留学する場合、奨学金で毎月の授業料(30万円)から現地での生活費(16万円)、留学準備金(25万円)まで支給されます。高校生、大学生で年齢が30歳以下という条件がありますが、当てはまる人はぜひ受給を検討してみてください。
【文部科学省】トビタテ!留学JAPAN - その経験が、未来の自信。
②日本の自治体が提供する奨学金
日本の地方自治体が、地域活性化、国際化を目的に学生を支援する奨学金プログラムです。自治体によって条件や金額が異なりますが、「トビタテ!留学JAPAN」プログラムと似て高校生や大学生で30歳以下の人を対象にしている場合が多いです。
③日本の民間団体が提供する奨学金
日本の民間団体や、民間企業が出資する奨学金プログラムです。公益財団法人として社会的に信頼された財団が行う、返済不要の奨学金がいくつかあります。学生だけでなく、社会人留学も対象とするプログラムもあるので、海外留学奨学金事業を行っている財団を探してみてください。
④カナダ政府が提供する奨学金
カナダ政府が留学生を対象に設けた奨学金プログラムもあります。有名なのが「高円宮記念クィーンズ大学留学奨学金」です。クィーンズ大学にかつて通われた高円宮殿下を記念して設立されました。日本の4年制大学に在学中で、クイーンズ大学の2年生か3年生に留学をする日本人学生が対象です。条件が厳しいですが、およそ320万円を給付型で受け取れるのは嬉しい制度です。
高円宮記念クィーンズ大学留学奨学金/ Prince Takamado Visiting Student Scholarship | 留学奨学金検索 | トビタテ!留学JAPAN | 文部科学省
他にも、カナダの大学が独自で行っている奨学金制度もあります。自分にあった奨学金を探すのが難しい場合は、留学エージェントに問い合わせすることをおすすめします。
カナダの大学進学・留学の費用を抑えるポイント
カナダの大学進学・留学は、隣接するアメリカの大学と比べると費用が安いことで知られています。とはいえ、日本の大学に通うよりかかる費用は多く、費用面での心配は大きいと思います。留学費用を抑えるポイントは、「授業料」にあります。
前におすすめした奨学金制度の利用以外で、カナダの大学進学・留学の費用(授業料)を抑えるポイントを4つご紹介します。
①都市部より地方のカレッジ・ユニバーシティを選ぶ
大学の授業料は、一般的に都市部より地方のほうが安く抑えられます。州によっては、学費が倍以上になるケースもあります。加えて地方のほうが物価が安いため、その他にかかる生活費全般を抑えられるメリットもあります。ぜひ都市部だけでなく、カナダ全土の大学を比較検討して学校を選びましょう。
②カレッジで経由で4年制大学へ編入する
4年制大学に通常の4年間通うよりも、カレッジに2年間通った後、その単位を使って大学の3年目に編入するほうが学費を節約できます。中にはカレッジに通うだけで、4年制大学と同等の卒業資格を取得できるプログラムもあります。
留学生としてカナダの大学(ユニバーシティ)に通う場合、高い英語力が求められます。その点、カレッジでは必要な英語レベルも4年制大学に比べると簡単で、通いやすいと言われています。初めの2年間は、カレッジで勉強しながら英語力をつけるのもおすすめの方法です。
③私立のキャリアカレッジプログラムを受講する
カレッジは大学(ユニバーシティ)よりも学費が安いです。私立のキャリアカレッジは、費用を抑えて専門スキルの習得と実習を同時に経験できるCo-opプログラムという制度がそろっています。
Co-opプログラムとは、専門学校での授業と有給インターンシップをセットで学べるカナダのカレッジ特有の制度です。ワーキングホリデービザとは違って、学生ビザでも有給で就労が可能なので、多少の生活費を稼ぐことができます。
④永住権を取得後の再進学を検討する
永住権を取得して大学に再進学をする場合、留学生としてではなくカナダ人と同じ学費で通えます。カナダでは、カナダ国内からの進学は留学生用の学費と比べると約4分の1に節約できます。
永住権の取得はハードルが高いのでは?と思うかもしれませんが、カナダで永住権を取得するのは、アメリカに比べると簡単です。
例えば永住権を取得するプログラムやカレッジを卒業した後、それに関する仕事を1年間続けるだけで、永住権の申請ができるという取り組みをしている州もあります。
日本国籍のまま一定の条件を満たせば、カナダ人と同じように学校へ通うことができます。カナダでの長期滞在を検討する人は、永住権の取得も視野に入れてみると良いでしょう。
まとめ
カナダの大学は世界的にも教育水準が高く、治安が良い自然豊かな環境で学べるおすすめの留学先です。今回は、そんなカナダの大学進学・留学の特徴と必要な費用について解説しました。
そして費用を抑えて留学を実現するためのポイントを、4つご紹介しました。
①都市部より地方のカレッジ・ユニバーシティを選ぶ
②カレッジで経由で4年制大学へ編入する
③私立のキャリアカレッジプログラムを受講する
④永住権を取得後の再進学を検討する
カナダの大学の特徴を活かせば、留学費用を抑えることができます。
カナダへの大学進学・留学をするなら、費用の心配なく有意義な学生生活を送れるよう、しっかりと事前準備をしておきましょう。
①経歴
中学2年生の時に初めてカナダのバンクーバーでホームステイを経験。もっと英語が話せるようになりたい!と思い独学で勉強を続けました。
大学で米シアトルの大学へ留学が、初めて長期間英語圏で生活をした経験です。
帰国後も留学生との交流に積極的に参加しました。
母になってからは子どもと「おうち英語」を実践して、ゆる~く普段から英語を使うように意識しています。
②資格
・英検準一級
・総合旅行業務取扱管理者
③留学経験
・ワシントン大学(米シアトル)に9か月間
④海外渡航経験
大学生の時に、NGO学生ボランティアとしてフィリピンのマニラへ
毎年長期休暇に訪れていました。
大学院の時にインターンシップでベトナム、ホーチミンに3か月滞在
卒業後、日系コンサルティング会社から再度ホーチミンに赴任。
1年ほど現地にて現地法人営業などを担当していました。
その他海外旅行で訪れたのは13ヵ国以上。
⑤自己紹介
1番好きな国は長く滞在していたベトナム、そしてフィリピンです。
東南アジアの食文化や雰囲気が大好きです。
海外渡航専門の旅行会社で手配業務を担当していることもあり、海外旅行の計画を立てることが趣味です。
興味のある分野
・海外渡航、海外移住、海外出張
・幼児教育、子育て情報
・言語教育(英語、日本語)
・訪日外国人受け入れ事業(観光・技術実習生など)