トリリンガルってどういう意味?マルチリンガルになる勉強法などをわかりやすく解説!

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グローバル化が進む現代社会では、複数の言語を操れる人の需要が高まっています。その中でも特に注目されているのが、3つの言語を使いこなすトリリンガルです。

トリリンガルになることで、キャリアの可能性が広がり、異文化理解が深まり、認知能力の向上も期待できます。

この記事では、トリリンガルの定義や習得パターン、具体的なメリット、効果的な学習方法について詳しく解説します。あなたもトリリンガルへの第一歩を踏み出してみませんか。

トリリンガルとは?

トリリンガルとは、3つの言語を使いこなすことができる人を指します。

語源はラテン語で、「Tri(3つの)」と「lingual(言語の)」を組み合わせた言葉です。英語読みでは「トライリンガル」とも表記されます。

言語習得者の呼び方は、習得している言語の数によって以下のように分類されます。

・バイリンガル(Bilingual):2言語を使いこなせる人
・トリリンガル(Trilingual):3言語を使いこなせる人
・クァドリリンガル(Quadrilingual):4言語を使いこなせる人
・ペンタリンガル(Pentalingual):5言語を使いこなせる人
・マルチリンガル/ポリグロット:複数の言語(一般的に3つ以上)を使いこなせる人

このように、言語習得の段階は2言語から5言語以上まで幅広く、それぞれに専門的な呼称が存在します。

トリリンガルの定義と基準

トリリンガルの定義については、言語学者の間でもさまざまな見解があります。一般的には以下の条件を満たす人をトリリンガルと呼びます。

【必要な言語能力の目安】

・3言語すべてが母語レベルである必要はない
・日常的なコミュニケーションが取れるレベルであることが重要
・ビジネスや学術の場面で活用できる程度の能力があること

【実践的な言語運用力】

・家庭、学校、職場など、異なる環境で言語を使い分けられる
・読む、書く、話す、聞くの4技能をバランスよく操れる
・各言語の文化的な背景も理解している

トリリンガルとは完璧な言語習得ではなく、実践的な運用力と文化理解を備えた多言語使用者を指します。

トリリンガルになる一般的なパターン

トリリンガルになるケースには、大きく分けて3つのパターンがあります。

●パターン1.家庭環境による自然習得

1つ目は、家庭環境による自然習得です。

例えば、日本人の母親とフランス人の父親を持つ子どもが、アメリカで生活するようなケースです。両親から日本語とフランス語を学び、生活環境から英語を習得するという形で、自然に3つの言語を身につけていきます。

このように、幼少期から複数の言語環境に置かれることで、ほぼ自然な形でトリリンガルになるケースが少なくありません。

●パターン2.教育や学習を通じた習得

2つ目は、教育や学習を通じた習得です。

例えば、日本語を母語とする人が、学校教育で英語を学び、さらに第二外国語として中国語を習得するというケースです。また、語学留学や海外での長期滞在を経験することで、実践的な言語力を身につけることもできます。

さらに、仕事や趣味の一環として意識的に言語学習に取り組み、トリリンガルになる人も増えています。

●パターン3.移住経験を通じた習得

3つ目は、移住経験を通じた習得です。

仕事や学業による海外移住、または家族の事情で複数の国での生活を経験する中で、自然と言語を習得していくケースです。

特にインターナショナルスクールで教育を受けた場合や、スイスやシンガポールのような多言語社会で生活することで、必然的に複数の言語を使いこなすようになることがあります。

これらのパターンは必ずしも独立したものではなく、複数の要因が組み合わさってトリリンガルになるケースも多くあります。

バイリンガルの家庭で育ち、さらに留学を経験することで3つ目の言語を習得するといったケースがあげられます。

トリリンガルになるメリットとは?

トリリンガル、つまり3つの言語を使いこなせる能力を持つことは、グローバル化が進む現代社会において大きなアドバンテージとなるでしょう。

その具体的なメリットについて見ていきましょう。

キャリアの可能性が大きく広がる

3つの言語を操れることは、ビジネスシーンでの活躍の幅を大きく広げます。特に日本企業のグローバル展開が加速する中、英語に加えて中国語や韓国語などのアジア言語を習得していることは、大きな武器となります。

例えば、日本企業と海外企業の橋渡し役として、重要な商談や国際会議で活躍できる機会が増えるでしょう。また、外資系企業での就職やキャリアアップ、海外転職なども、より現実的な選択肢となります。

文化理解が深まり、視野が広がる

言語は単なるコミュニケーションツールではなく、その背景にある文化や考え方を理解する鍵でもあります。

3つの異なる言語を習得することで、それぞれの言語圏の文化や価値観を深く理解することができます。

例えば、ビジネスにおける習慣の違いや、コミュニケーションスタイルの特徴など、言語を通じて得られる異文化理解は、グローバルな環境での円滑な人間関係構築に役立つでしょう。

脳の発達と認知能力の向上

複数の言語を操ることは、脳の発達にも良い影響をもたらすことが研究で明らかになっています。
参考:酒井研究室「マルチリンガルと脳の発達」

特に以下の能力の向上が期待できます。

・柔軟な思考力:複数の言語での表現を知ることで、物事を多角的に捉える力が育つ

・集中力の向上:複数の言語を切り替えて使用する経験が、注意力を高める

・記憶力の強化:新しい言葉を覚え、使いこなすことで、記憶力が向上する

・言語学習の効率化:複数の言語を学ぶ経験が、新しい言語の習得をスムーズにする

・脳の活性化:複数の言語の使用が、脳の異なる部分を刺激し活性化につながる

これらの能力は、トリリンガル環境で育つことによって得られるメリットとして広く認識されています。

生活の質の向上

日常生活においても、トリリンガルであることのメリットは多岐にわたります。

海外旅行や留学時の言語の壁が低くなり、より深い現地体験が可能になります。また、字幕なしで外国映画や海外ドラマを楽しんだり、原語で文学作品を読んだりすることができます。

さらに、SNSやインターネットを通じて、世界中の人々と直接交流する機会も広がります。

このように、トリリンガルになることは、キャリア面での優位性だけでなく、個人の成長や生活の質の向上にも大きく貢献するでしょう。

トリリンガルを目指すための学習法

トリリンガルへの道のりは、その人の言語環境や開始時期によって大きく異なります。ここでは、3つの代表的なケースに分けて、効果的な学習方法を見ていきましょう。

家庭環境による自然習得の場合

幼少期から複数の言語環境にある場合、自然な形で言語を習得できます。

例えば、家庭では父親とフランス語、母親と日本語を話し、現地の学校で英語を使うような環境です。この場合、特別な学習方法は必要ありませんが、各言語をバランスよく使用する機会を意識的に作ることが重要です。

バイリンガルからの第三言語習得

すでに2つの言語を使いこなせる場合、第三言語の習得には以下の4つのスキルを体系的に学ぶことが効果的です。

・文法:基本文法書を徹底的に学習
・語彙:日常生活での言い換え練習と単語帳の活用
・リスニング:音読、シャドーイング、ディクテーションの実践
・スピーキング:オンライン英会話などを活用した会話練習

これらのスキルをバランスよく学習することで、既存の言語経験を活かしながら効率的に第三言語を習得できます。

母語のみの環境から始める場合

ひとつの言語環境で育った場合、2つの外国語を習得するには継続的な学習が必要です。

まずはひとつの言語で日常会話レベルに達してから、次の言語の学習を始めることをおすすめします。

特に以下の点に注意を払いながら学習を進めるといいでしょう。

・毎日決まった時間に学習する習慣をつける
・ひとつの教材を完全にマスターしてから次に進む
・オンライン英会話などで実践的な会話練習を行う
・文化的な要素も含めて総合的に学ぶ

トリリンガルになる道のりは、開始時期や環境によって大きく異なります。ただし、いずれの場合も、目標言語に触れる機会を積極的に作り、継続的な学習を心がけることが成功への鍵となります。

特に現代では、オンラインツールやデジタル教材など、様々な学習リソースが利用可能になっており、より効率的な言語習得が可能です。

トリリンガルの子どもを育てる支援

トリリンガルの子どもを育てるには、家庭での方針(Family Language Policy)が非常に重要です。

単に「早期から複数の言語に触れさせれば良い」という単純な問題ではなく、家庭環境や子どもの状況に応じた適切な支援が必要です。

家庭での言語方針の重要性

トリリンガル育成の鍵となるのは、子どもが生まれる前からの計画的な言語教育方針です。

家庭で使用する言語、教育機関での使用言語、そして第三の言語をどのように取り入れていくか、具体的な計画を立てることが大切です。

例えば、父親とフランス語、母親と日本語を使い、学校教育は英語で受けるといった環境設定が考えられます。重要なのは、それぞれの親が自分の言語を一貫して使用し続けることで、子どもの自然な言語習得を支援することです。

言語習得の必要性を明確にする

子どもが複数の言語を習得し維持するためには、その言語を使用する必要性を実感できることが大切です。

例えば、「将来海外で暮らす予定がある」「親族とコミュニケーションを取るために必要」といった具体的な目的があると、子どもの学習意欲も高まります。

教育機関との連携

学校の教師は、子どもが持つ複数の言語能力を貴重な資源として認識し、その使用を制限するのではなく、むしろ活かす方向で支援することが望ましいでしょう。

家庭で使用している言語(複数の場合もあります)を学校でも活用することは、子どもの認知能力の発達新しい言語の習得にもプラスの影響を与えることが研究で明らかになっています。

例えば、日本語と中国語のバイリンガル環境で育つ子どもが、学校で英語を学ぶ場合、すでに持っている2つの言語の知識や言語感覚が、英語学習の助けとなります。

これは、複数の言語を操ることで培われた言語に対する感覚や理解力、そして異なる言語体系を理解する能力が、新しい言語の習得を支援するためです。

教師は、このような複数言語環境で育つ子どもたちの特性を理解し、その強みを活かした指導を心がけることが大切です。

まとめ

本記事では、トリリンガルの定義から具体的なメリット、習得方法、さらには子育て支援まで幅広く解説しました。

トリリンガルになるためには主に以下の3つの道筋があります。

1.家庭環境による自然な習得(国際結婚家庭など)
2.教育を通じた計画的な学習(学校教育や語学留学)
3.移住経験を通じた習得(海外赴任や留学など)

特に重要なのは、各言語を実践的に使用する機会を意識的に作り、継続的な学習を心がけることです。

まずは興味のある言語から、オンライン学習や語学教室など、自分に合った方法で始めてみましょう。

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