アイルランドといえば、アイリッシュコーヒー、アイリッシュビール、ロックグループのU2などが有名なところですね。
近年、アイルランドは英語学習の留学先としてもじわじわとその人気を高めているようです。
今回はアイルランドの基本情報やアイルランド英語留学の特徴やメリット・デメリットなど、さまざまな角度からわかりやすく解説・説明していきたいと思います。
アイルランドの基本情報
まずはアイルランドの基本的な情報をお伝えしましょう。
イギリスの西に浮かぶ島国
アイルランドは、ヨーロッパの西端、イギリスの西方にあるアイルランド島(Island of Ireland)の大部分を占める島国です。島の北東部の「北アイルランド」地域はイギリスの一部です。
以下、アイルランドの基本情報です。
首都:ダブリン(Dublin)
公用語:英語、アイルランド語
通貨:ユーロ(EUR)
人口:約530万人(2024年)
面積:約7万k㎡(北海道より少し小さいくらい)
日本との時差:マイナス9時間(夏季は8時間)例えば日本がお昼の12時の時、アイルランドは午前3時(夏季は午前4時)
首都ダブリンの緯度は北緯約53度。東京が約36度なので、ダブリンは東京よりも北にあります。
アイルランドは温帯海洋性気候に属し、年間を通して穏やかで雨の多い気候が特徴です。
夏は涼しく(平均気温15〜20℃)、冬も比較的温暖(平均5〜10℃)で、過ごしやすい気候と言われていますが、雨の量が多いことで知られています。
公用語は英語とアイルランド語
アイルランドの公用語は英語とアイルランド語(ゲール語とも呼ばれる)の2つです。
ただし、日常生活で使用されるのは主に英語で、アイルランド語は特定の地域や教育機関で話される程度です。
看板や標識は英語とアイルランド語の両方で表記されており、空港や駅でも見かけることができます。
アイルランド留学の特徴
次に、アイルランド英語留学の特徴をいくつかご紹介しましょう。
自然の美しさと文化の多様性
アイルランドは「エメラルドの島」と呼ばれるほど、美しい緑に覆われた風景が広がる国です。丘陵地帯に広がる緑豊かな牧草地や、海沿いの断崖などの絶景が有名です。
また、アイルランドはケルト文化の発祥地でもあり、古代の石造りの遺跡や歴史的な城、修道院などが点在しています。これらの歴史的建造物は、美しい自然と見事に調和し、訪れる人々を魅了し続けています。
公用語の一つであるアイルランド語は、古代ケルト文化を色濃く反映しており、伝統音楽や詩、ダンスなどの文化にも深く根付いています。
アイルランド留学では、英語学習を中心にしながらも、こうした文化的背景を直接体験できる点が大きな魅力です。特に伝統音楽が盛んなパブやフェスティバルに参加すると、アイルランド語のフレーズや歌に触れる機会もあります。
イギリス英語と独自のアクセントが学べる
アイルランドでは、イギリス英語をベースにした標準的な英語を学ぶことができます。特に首都ダブリン周辺では比較的聞き取りやすい英語が話されており、初めての留学生にも安心です。
一方で、地方都市ではより個性的なイントネーションや、アイリッシュ・スラングを耳にすることもあります。こうした環境は、リスニング力を鍛えるのに最適です。
また、日常会話で使われる表現を直に学べるため、教科書だけでは得られない「生きた英語」を身につけることができます。
多国籍な留学生コミュニティで国際感覚を養う
アイルランドはヨーロッパだけでなく、アジアや南米からも多くの留学生が集まる国際的な学びの場です。
特に首都ダブリンや西部の都市ゴールウェイ(Galway)の語学学校では、クラスメイトがさまざまな国籍のバックグラウンドを持っており、多文化交流の機会が豊富です。
授業だけでなく、学校主催の交流イベントや市内ツアー、パブでのソーシャルナイトなど、英語を使って他国の文化や価値観に触れることができます。
こうした体験は、英語の実践力を高めるだけでなく、異文化理解やコミュニケーションスキルを養う絶好の機会になります。
また、日本人留学生の比率が比較的低いため、英語漬けの環境でしっかりと英語を学びたい方にとってはいいかもしれません。
フレンドリーな学習環境
アイルランド人の国民性は、温かくフレンドリーだとよくいわれるようです。これが、学習環境の心地よさを高めている面もあるでしょう。
前述のように、授業中はもちろん、カフェやパブなどでも気軽に会話ができ、実践的な英語を使う機会が豊富ですね。
アイルランドで英語を学べる場所
次に、英語を学ぶ場所について、首都ダブリンと地方都市の違いなどをご紹介します。
首都ダブリンで刺激的な都市型留学
アイルランドの首都ダブリンは、語学留学の都市として人気が高まっています。語学学校の数も多く、短期集中型から長期プログラムまで、自分に合ったコースが選べるのが魅力です。
島の東海岸、イギリスに向かう形で位置するダブリンは国際色豊かで、英語学習だけでなく多文化に触れるチャンスも豊富。街中では歴史的な建築物とモダンなカフェやギャラリーが共存し、留学生活を彩ってくれますよ。
放課後には、アイルランド最古の国立大学トリニティ・カレッジや、有名なビール製造所であるギネス・ストアハウスなどの観光名所を訪れたり、パブで地元の人々と会話を楽しむこともできます。都市型留学を希望する人にとって、刺激的で学びの多い環境です。
地方都市でのんびり留学
アイルランドの地方都市、特に西部のゴールウェイ(Galway)や南部のコーク(Cork)は、落ち着いた環境で学びたい方にぴったりの留学先です。
ゴールウェイは「芸術の街」として知られ、音楽やアートイベントが豊富。街の規模が小さめで、地元の人々と交流しやすいのが特徴です。
コークは港町として栄え、美しい景観とフレンドリーな雰囲気が魅力。どちらの都市も、語学学校は少人数制のクラスが多く、一人ひとりの学習進捗に合わせた丁寧な指導が受けられます。
アイルランド留学のメリット
これまで述べてきた内容と少し重複するところもありますが、アイルランド留学のメリットをまとめました。
標準的な英語教育と豊富な語学プログラム
アイルランドでは、民間の語学学校、大学附属の語学研修センター、ホームステイなど、多彩な学習スタイルを選べます。
アイルランドの英語教育は、イギリス英語をベースにした標準的な英語が学べるため、初心者から上級者まで幅広い学習者に適しています。
語学学校では、日常英会話からビジネス英語、試験対策(IELTSやケンブリッジ英検など)まで多様なコースが用意されており、自分の学習目的に合ったカリキュラムを選択できます。
大学附属の語学研修センターでは、現地の学生と交流できるイベントやクラブ活動もあり、教室外での実践的な英語学習のチャンスが豊富です。質の高い教育環境と多彩なプログラムが、効率的に英語力を向上させるサポートをしてくれます。
さらに、ホームステイでは現地の家庭に滞在し、日常生活を通して英語を学べるため、より実践的な英語力を身につけられるでしょう。
安心して学べる環境
前述のように、アイルランドの人々は、温かくフレンドリーな国民性で知られており、留学生にとって安心できる環境が整っています。また、海外としては治安の良さも魅力で、女性の一人留学や初めての海外生活でも安心して過ごせるという声が多く聞かれます。
ヨーロッパ旅行の拠点にも
アイルランドは、自然美や歴史的建造物など国内の観光スポットが充実しているのに加え、ヨーロッパ各国へのアクセスの良さも大きな魅力のひとつです。 首都ダブリンには国際空港があり、ロンドン、パリ、アムステルダムなど主要都市へは飛行機で1〜2時間程度で行けます。留学中の長期休暇や週末を利用して、他のヨーロッパの国々を訪れることができ、異文化体験の幅が広がります。
アイルランド留学のデメリット
次に、アイルランド留学において注意すべき点などを挙げましょう。
雨の多い気候に注意
アイルランドは温帯海洋性気候で、一年を通して雨が多いのが特徴です。特に秋から冬にかけては曇りや霧雨の日が続き、晴天が少ない時期もあります。
短時間の小雨が頻繁に降るため、傘よりもフード付きのレインコートや防水ジャケットが重宝されます。
晴れていても突然天気が変わることが多く、「一日に四季がある」と言われるほど変わりやすい気候です。雨の多さから気分が沈みがちになる人もいるため、室内で楽しめる趣味や、カフェ巡りなどのアクティビティを見つけることも大切ですよ。
都市部では生活費や学費がやや高めの場合も
アイルランドは、他のヨーロッパ諸国と比べると、特に首都ダブリンでは生活費や学費がやや高めと言われています。一方、ゴールウェイやゴールウェイなど地方都市に滞在すれば、比較的費用を抑えられます。
学費も大学や語学学校のプログラムによって異なりますが、都市部では高めの傾向です。
留学前に事前の予算計画をしっかり立て、アルバイト等の可能性も検討するのがおすすめ。学生ビザを取得すれば、週20時間までのアルバイトが可能です。
独特のアクセントにとまどうかも
アイルランド英語は、標準的なイギリス英語をベースにしていますが、地域によっては独特のアクセントがあり、慣れるまでに少し時間がかかる場合があります。しかし、語学学校の講師や大学の教授はクリアで標準的な英語を話すため、授業自体の理解には問題ありません。
また、地元の人々と会話を重ねるうちに徐々に耳が慣れ、自然なコミュニケーションができるようになるでしょう。最初の戸惑いを乗り越えれば、むしろ多様な英語表現を学べるメリットにもつながります。
アイルランド留学に向いているのはどんな人?
これまで述べてきた内容を元に、どんな人がアイルランド留学に向いているかを、あらためてまとめてみました。「豊富な語学プログラム」「自然美」「歴史と文化」「フレンドリーな国民性」を大切にしたい人にとってはおすすめの国です。
英語力をしっかり伸ばしたい人
アイルランドの英語は、イギリス英語を基礎とし、訛りも比較的穏やかでクリアな発音のため、リスニング力を伸ばしやすい環境ではないでしょうか。
特にダブリンの語学学校や大学付属の語学研修センターでは、少人数制のクラスで発言の機会が多く、一人ひとりの英語力に合わせた指導を受けられます。
日常生活でも英語を使う機会が多く、買い物やパブでの会話、ホストファミリーとの交流など、教室の外でも実践的に英語を使いながら上達できます。真剣に英語をマスターしたい人にとって、質の高い学習環境が整っています。
国際交流を楽しみたいフレンドリーな性格の人
アイルランドは多国籍の留学生が集まる国際的な学びの場として知られています。特にダブリンやゴールウェイの語学学校には、ヨーロッパ諸国、アジア、南米などから多様なバックグラウンドを持つ学生が集まっています。
授業だけでなく、学校主催のイベントや地域の文化フェスティバル、週末のアクティビティを通じて、世界中の友人を作るチャンスが豊富です。
また、アイルランド人のフレンドリーな国民性も魅力の一つ。初対面でも気軽に話しかけてくれるため、人との交流が好きな方にはぴったりの環境です。
自然や文化を満喫しながら学びたい人
アイルランドは、美しい自然と豊かな歴史・文化を堪能しながら学びたい方に最適な留学先です。
さらに、世界的に有名な絶景スポットがあり、ケルト文化や伝統音楽、文学などの文化的な魅力も豊富。留学中にはパブでの生演奏や伝統音楽フェスティバルなど、特別な体験ができるでしょう。
歴史的建造物や博物館を巡ることで、アイルランドの歴史や文化への理解を深めることができます。学ぶだけでなく、自然や文化に触れながら心豊かな経験をしたい方には特にアイルランド留学はぴったりです。
まとめ
今回の記事では、アイルランドでの英語留学について、さまざまな角度からその特徴をご紹介しました。
英語を真剣に身につけたいという人から、ヨーロッパの文化や歴史を満喫しながら楽しく過ごしたいという人まで、いろいろな留学スタイルの中から自分に合ったものを選ぶことが可能です。英語留学を計画する際の候補地の一つに加えてみてはいかがでしょうか。

◇経歴
児童英語講師
オンライン英会話講師
NC英語アドバイザー
英語学習ライター
元大学教員
◇資格
TESOL/TEC(CANADA)
中学校教諭二級免許状(英語)
◇留学経験
アメリカ・サンディエゴに語学留学(2カ月)の経験あり
その後、オーストラリア・シドニーに大学院留学(2年)の経験もあり
◇海外渡航経験
25歳で初めて、短期間の語学留学をきっかけに本格的に英語の勉強を開始しました。
雑誌の編集・ライティング、テレビCMの企画・撮影等などの仕事が長く、英語を使っての海外取材や撮影経験も多く経験しています。また海外で日系新聞社の副編集長をしていたこともあります。
◇自己紹介
「英語学習に終わりはない」「継続は力なり」を実感し、50代半ばから毎日英語の勉強を続けて2000日近くが過ぎました。
「楽しく学ぶ!」をモットーに、僭越ながら私の異文化経験や英語の知識などをブログに織り交ぜながら、執筆することを心がけています!ネイティブキャンプのオンライン講師もしています。初心者・初級者限定ですが、ぜひ一緒に学びを続けましょう。