
アメリカ北東部に位置し、世界屈指の名門大学や博物館が多く存在する
学芸都市ボストン。
ボストンは留学先としてはもちろん、観光地としても一度は訪れたい人気の都市です。
本記事では、ボストンへの渡航の際に役立つ現地の気候事情について解説していきます。
アメリカの北部に位置するため、特に冬季に渡航する際の寒さ対策は必須です。
ボストンの気候の特徴や快適に過ごすためのおすすめの服装、季節ごとで楽しめるアクティビティについても詳しくご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
- ボストンの気温について:年間気候と観光のベストシーズン
- ボストンの年間気温と天気の特徴
- ボストンの月別平均気温
- ボストン旅行におすすめの服装と持ち物
- 季節ごとのおすすめアクティビティ:ボストン観光の楽しみ方
- まとめ
ボストンの気温について:年間気候と観光のベストシーズン
ボストンの気温について、どんなイメージをお持ちですか?
ボストンの気候は、日本と同じように春夏秋冬があります。
ボストンは一年中曇っている地域もあり、夏は暖かく過ごしやすい一方、冬は厳しい寒さと降雪が特徴です。
緯度で見ると、北海道の函館とほぼ同じで、年間の気温は-5℃〜28℃と変化します。ただし、最低気温が-13°Cを下回ったり、最高気温が33°Cを超えるようなことは稀です。
これらのことを踏まえ、ボストン観光やアクティビティに最適な時期は、気候の面から見て6月下旬〜9月中旬といえます。本記事では、世界の天気や気候データをもとに、ボストンの気温やおすすめの服装などを解説します。
ボストンの年間気温と天気の特徴
ボストン留学やボストン旅行を検討している場合、現地の気候は気になりますよね。
ボストンの年間平均気温と住宅構造
ボストンはアメリカの東海岸に属し、位置が近いためニューヨークと似た気候です。
日本と同じく四季があり、年間の平均最高気温が15℃、平均最低気温は6℃と、一年を通じて寒冷なのが特徴です。
東京とボストンを比較すると、夏はボストンの方が東京より涼しく過ごしやすいでしょう。
東京とは違い、湿度が低くカラッとした気候なので汗をかきにくく、エアコンなしの住宅も見られます。
一方、ボストンの平均最高気温は東京よりも低いため、現地の家やビルでは、セントラルヒーティングという建物内全体を温める構造が採用されており、部屋は常に暖かく保たれています。
そのため、室内ではTシャツ一枚など薄着で生活している人も多いです。日本では部屋ごとにエアコンで温めるのが一般的なので、部屋同士の温度差から、日本の冬の方が室内はより寒く感じるかもしれません。
ボストンの平均降水量と雨対策
日本との違いとして、ボストンでは雨が降っても、地元の人たちはあまり傘をさしません。
アメリカは日本より乾燥しているため、服が乾きやすいことなどから、雨をあまり気にしないのかもしれません。
雨で濡れるのが気になる方は、折りたたみ傘を持っていくことをおすすめします。
ボストンの降水量は、最も雨の多い月は10月で平均降雨量は99mmです。最も降雨の少ない月は1月で平均降雨量は57mmとなり、年間を通じて季節による降水確率の差は小さいです。
ただし、夏のシーズンはサンダーストームという激しい雷雨が起こりやすく天気が不安定になるため、天気予報はこまめにチェックしましょう。
ボストンの平均降雪量と冬の注意点
ボストンは冬が長く11月〜4月にかけて雪が降ります。
雪は1月が最も多く、平均降雪量は212mmで、これは年間の降雪量の約5分の1にあたります。
ボストンでは、積雪でバスや地下鉄などの公共交通機関が止まってしまう場合もあるので、1月〜2月に留学を検討している場合は、降雪の影響で学校が休校してしまうなどのリスクにも注意が必要でしょう。
ボストンの日の出と日の入り時間(サマータイム情報)
ボストンの一日の長さは季節によって変わります。
2025年で最も短い日は12月21日で、昼間時間は9時間5分です。反対に、最も長い日は6月20日で、昼間時間は15時間17分です。
ボストンのように緯度の高い北半球の地域ほど太陽仰角(地平線と太陽の角度)の高度が低く、昼の時間帯が短くなります。
ボストンは東京よりも緯度が高いため、一般的に冬は昼が短くなります。
季節によって昼の長さは当然変化しますが、ボストンなど緯度が高い地域ほど、昼の長さが夏と冬で大きく変わるのが特徴です。
例えば、6月のボストンは東京よりも昼が短くなりますが、12月頃にはボストンの方が東京よりも昼が長くなります。ただし、その差は夏ほど大きいものではありません。
ボストンで、日の出が最も早いのは6月中旬、日の入りが最も遅いのは6月下旬です。逆に、最も昼が短く、日の出が最も遅いのは11月初旬、日の入りが最も早いのは12月初旬となっています。
2025年は3月9日〜11月2日までがサマータイム期間となり、時計の時刻を一時間進めて生活するため、スケジュールなどしっかり把握しておきましょう。
ボストンの平均湿度と風速
ボストンでの体感湿度は、季節によって大きく異なりますが、一年を通じて最も湿度の高い期間は6月初旬〜9月下旬の間で、若干蒸し暑い日が続きます。
ボストンで最も高湿度な日が多い月は7月で、他の月よりも湿度が高く、ジメッとした蒸し暑い日が約10日あります。反対に、一年間で最も湿度の低いのは2月下旬です。
ボストンは、冬は風が強く、夏は風が穏やかなのが特徴です。風は一年を通じて西から吹き、風速が最も強くなる期間は10月〜4月までの間で、特に2月は風が強く、平均風速は時速14.6kmにもなります。風が穏やかなのは5月〜10月までの間で、7月が最も穏やかです。
ボストンの水温・雲量・成長季
・雲量: 年間を通じて雲量にやや変化があり、晴天率は9月が最も高く、6月〜11月にかけては比較的晴れやすく、それ以外の時期は曇りやすい傾向にあります。特に5月は曇りの日が多くなります。
・成長季: 植物が育つのに十分な暖かさがある期間を「成長季」と呼び、ボストンでは通常、4月4日から11月11日までの約7.2ヶ月が成長季となります。
「成長度日」は、植物がどれくらい成長するかを予測するための指標です。ボストンでは、成長度日をもとにすると、春先の開花は4月23日頃と予測されます。
ボストンの月別平均気温
では、ボストンの気温を月平均データをもとに表形式で簡単に解説しましょう。
| 月 | 月平均気温 | 最低気温 | 最高気温 | 気候の特徴 |
| 1月 | −2℃ | −5℃ | 3℃ | ボストンで一年で最も寒い時期。川が凍るほどの厳しい寒さ、防寒対策は必須。風が強く体感温度が下がるため注意。 |
| 2月 | −0℃ | −4℃ | 4℃ | 1月よりわずかに気温が上がるが、依然として寒い。風も強く体感温度は低く感じられる。 |
| 3月 | 3℃ | −1℃ | 8℃ | 冬から春への過渡期。気温は徐々に上昇も日中の寒暖差が大きい。朝晩は冷え込みが厳しい。 |
| 4月 | 9℃ | 5℃ | 14℃ | 春本番。日中は過ごしやすいが、朝晩はまだ肌寒い時期。 |
| 5月 | 14℃ | 10℃ | 19℃ | 気温が上昇し過ごしやすい。屋外アクティビティが楽しめるようになるが、朝晩の冷え込みに注意。 |
| 6月 | 20℃ | 15℃ | 25℃ | 夏に向けて気温が上昇し、本格的なアウトドアシーズンを迎える。日中は暑い日もある。 |
| 7月 | 23℃ | 19℃ | 28℃ | ボストンで最も暑い時期。湿度が高く蒸し暑いため、日陰で過ごすなどの暑さ対策は必須。 |
| 8月 | 22℃ | 18℃ | 27℃ | 7月と同様に暑いが、気温は少し下がり始める。海やプールで涼むのもおすすめ。 |
| 9月 | 18℃ | 14℃ | 23℃ | 夏の暑さが和らぎ、気温的にも過ごしやすい快適な気候。日中は暖かく、夜は涼しい。 |
| 10月 | 12℃ | 8℃ | 17℃ | 紅葉が見頃を迎える秋本番。日中は暖かいが、夜は冷え込む。 |
| 11月 | 7℃ | 3℃ | 11℃ | 気温が低下し冬が近づく。朝晩がとても冷え込み、日中との寒暖差が大きいため防寒対策が必要。 |
| 12月 | 2℃ | −2℃ | 6℃ | 日本と同様に本格的な冬が始まり寒さが厳しくなる。暖かい服装でクリスマスシーズンを楽しめる。 |
ボストン旅行におすすめの服装と持ち物
ボストンは四季の気温差が大きく、季節ごとに服装選びが大きく変わります。
旅行や留学を快適に過ごすために、時期に合わせた服装のポイントを押さえておきましょう。
ボストンの春(3〜5月)の服装
3月頃はまだ寒く、4月でも雪が降ることがあります。
日本の春のようなイメージのままでボストンに行くと、現地で寒さに凍えてしまうことも多いので、天気予報の確認を忘れないでください。
マフラー、パンツ(デニム、ズボン)、コート、スニーカー、防水ブーツ、カイロ
ボストンの夏(6〜8月)の服装
ボストンの夏は、半袖短パンなど、いわゆる日本で夏を過ごすような格好で問題ありません。
ただし、現地の施設内は冷房がしっかり効いていることが多く、朝晩には少し冷えることもあるため、温度調整ができるカーディガンや薄手の羽織ものを用意しておくことをおすすめします。
キャップ、Tシャツ/薄手のシャツ、短パン/スカート/ワンピース、カーディガン/薄手の羽織もの、サンダル/スニーカー、サングラス、日焼け止め
夏のボストンは紫外線指数がかなり高くなるので、サングラスや日焼け止めといった日差し対策をしましょう。
ボストンの秋(9〜11月)の服装
秋の始まりは、長袖に長ズボンのような格好で過ごすことができますが、朝晩は気温が下がりやすいので、ジャケットやパーカーなど軽いアウターを準備しておくことをおすすめします。
10月頃になると気温が下がりやすくなるので、薄手のコートなど上着を持っていると安心です。
薄手のコート、ジャケット/パーカー、トレーナー、長ズボン、スニーカー
ボストンの冬(12〜2月)の服装
厚手のダウンジャケットやニット帽、マフラーなど、厳しい寒さに備え、防寒対策は万全にしましょう。
雪対策には防水ブーツがおすすめです。室内は暖かいので、重ね着をして体温調節をしましょう。
厚手のダウンジャケット/厚手のコート、ニット帽、パーカー/トレーナー/セーター、マフラー、厚手のズボン、手袋、防水ブーツ
特に秋冬の衣服は厚みがあり、かなりの荷物になるため、布製圧縮袋などを使うとコンパクトにまとめやすく重宝するでしょう。
季節ごとのおすすめアクティビティ:ボストン観光の楽しみ方
ボストンは、豊かな歴史や文化、素晴らしい建築、街並み、四季による多様な変化を見せる、非常に魅力あふれるアメリカ最古の都市の一つです。
どの季節に訪れても、ボストンは充実感のある体験を提供してくれます。
そんなボストンの「ここだけはぜひ押さえておきたい!季節ごとのおすすめアクティビティ」を紹介します。
ボストンの春におすすめのアクティビティ(3月〜5月)
ボストンは春、雪解けとともに活気あふれる街に変わります。
・ボストン・フラワー・アンド・ガーデン・ショー: 春を告げる華やかな植物展。ガーデニング好きにはたまらないイベントです。
・ホエールウォッチング: 運が良ければ、ザトウクジラやナガスクジラに出会えるかもしれません。雄大な自然を体験できる貴重な機会です。
・チャールズ川でのアクティビティ: カヤックやカヌー、ボートツアーなど、さまざまなアクティビティが楽しめます。
・フェスティバル・バイ・ザ・レイク: 湖畔で開催される地域密着型のフェスティバル。
ボストンは春が雨季なので、雨具を忘れずに持って行きましょう。
ボストンの夏におすすめのアクティビティ(6月〜8月)
ボストンの夏は、花火やコンサートなど多くのイベントが楽しめます。
・ボストンのビーチ: 東海岸(コンスティテューションビーチ、リビアビーチ、カーソンビーチ)など、のんびり日光浴や海水浴を楽しめます。
・ニューベリー・ストリートでのショッピング: おしゃれなお店が並び、夏の散策にぴったり。
・夏の映画ショー / ボストンのウォーターパーク: 涼みながら楽しめるスポットも人気です。
ボストンは夏季は非常に混雑するので、宿泊やツアーの予約は早めに済ませましょう。
ボストンの秋におすすめのアクティビティ(9月〜11月)
ボストンの秋は、紅葉が美しく、さまざまなイベントが開催される魅力的な季節です。
・ボストン・パブリック・ガーデンを散歩: 美しい紅葉の中、ゆったりと散歩を楽しめます。
・ハロウィーンとゴーストツアー: 歴史的な場所を巡るスリル満点の体験。
・オクトーバーフェスト: 地ビールブランドによる醸造所ツアーや地ビールを楽しめるイベント。
・マーサズ・ヴィニヤード島への旅行: 島の美しい自然を満喫できます。
ボストンの冬におすすめのアクティビティ(12月〜2月)
冬のボストンは、雪景色と歴史的な建造物の美しいコントラストが楽しめます。
アイススケート、博物館巡り、劇場鑑賞など、多様なアクティビティが目白押しです。
・フリーダムトレイルを散策: ファニエルホールやクインシーマーケットなど、歴史的な建造物を巡りましょう。
・プルデンシャル スカイウォーク展望台からの眺望: 雪景色に包まれたボストンの街を一望できます。
・博物館巡り: ボストン茶会事件船と博物館、ボストン美術館、ボストン子供博物館など。
・劇場鑑賞: ボストンオペラハウス(バレエ/ミュージカル)、コロニアル劇場(ブロードウェイミュージカル)など。
冬のチャールズ川クルーズも防寒対策をしっかりすれば、ボストンのスカイラインを新たな視点から眺めることができます。
まとめ
今回は、ボストンの気温や服装、季節ごとのおすすめアクティビティについてご紹介しました。アメリカの中でもボストンは歴史豊かで、四季折々の活気あふれる都市です。ぜひ、この街を訪れてその魅力を体験してみてください。