イングランドはどこの国?アイルランドとの違いを留学目線で解説!

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サッカーなどのスポーツの国際大会でよく聞く「イングランド」は、実は独立した国家名ではありません。

アイルランドと混同されることが多く、イングランドがどこにあるのかわからない方もいるかもしれません。

今回は、イングランドがあるイギリスとアイルランドの違いに注目して、教育や文化、生活習慣などについて詳しく解説していきます。

また、留学先としての魅力についても解説いたします。

イギリスの概要|イングランドがある国

イギリスは、正式名称をUnited Kingdom of Great Britain and Northern Ireland、日本語では、英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)といいます。

UK、United Kingdom、Great Britainとも呼ばれるイギリスは、以下の4つの国で構成されている連合王国です。

1. イングランド(England)
2. スコットランド(Scotland)
3. ウェールズ(Wales)
4. 北アイルランド(Northern Ireland)

みなさんがご存知のイングランドは、イギリスの4つの国の1つです。

イギリスは英語発祥の地であり、首都ロンドンにはビッグ・ベンやタワーブリッジ、バッキンガム宮殿、ブリティッシュ・ミュージアムなどの歴史的建造物や博物館をはじめ、世界的に有名な観光地が数多くあります。

また、イギリスは世界有数の教育レベルを誇り、オックスフォード大学やケンブリッジ大学など、名門大学が多いことでも有名です。

国民性として、特に都市部の人たちは見知らぬ人との距離を保つ傾向があり、真面目で辛抱強いという特徴があります。

アイルランドの概要|ケルト文化が息づく

イギリスの西側にあるアイルランド島の大部分を占める国「アイルランド」は、イギリス領である北アイルランドと国境を接する共和国で、「アイルランド共和国」と呼ばれることもあります。

首都はダブリンで、ほとんどの人が英語で会話をしています。

アイルランド島は、「エメラルドの島」と呼ばれるほど自然が豊かで、ディープブルーの海や緑豊かな草原、渓谷が広がる美しい地域です。

アイルランド文化は、自然を信仰するケルト文化が色濃く反映されていて、独自の音楽や踊り、石で造られた古城など、歴史的な文化財や建物がたくさん存在します。

また、アイルランドは2007年ごろまでに「ケルトの虎」という異名がつけられたほどに急速な経済成長を見せたことで知られ、GoogleやAppleをはじめ多くの多国籍企業が拠点を置いています。

アイルランド人はフレンドリーで、ユーモアに富んだ国民性でも知られています。

おしゃべりが大好きで、パブにいるとすぐに周りのアイリッシュたちが話しかけてきます。

イギリスとアイルランドの言語、食、教育、宗教・伝統・文化を解説

イギリスとアイルランドは隣国同士ですが、両国間にどのような違いがあるのかを見ていきましょう。

ここでは、使用言語、食文化、教育、宗教・伝統・文化の視点で解説します。

【言語】使われている英語の違い

イギリスもアイルランドも英語の国であることは間違いありません。

しかし、その両者の英語には微妙に違いがあります。

【イギリス】
イギリス英語は、日本人が慣れ親しんでいる英語とは若干違います。

なぜなら、日本では中学校や高校でアメリカ英語を習うことが多いためです。

また、イギリスは、イングランド・スコットランド・ウェールズ・北アイルランドという4つの国からなるため、地域ごとの方言のような独自の英語が使われています。

・ヨークシャー(ヨークシャー訛り)
・グラスゴー(スコットランド英語)
・リバプール(スカウス)
・マンチェスター(マンキュニアン)など

これらはイギリス人同士でも聴き取るのが難しい場合があるようです。

【アイルランド】
実はアイルランドの第一公用語はゲール語(アイルランド語)で、英語は第二公用語です。

しかし実際には、ほとんどの人が共通語として英語を使用しています。

アイルランドはかつてイギリスに支配されていたこともあり、話されている英語も、イギリスの上流階級の人が話すと言われているクイーンズイングリッシュに近いアクセントです。

特徴としては、イギリスで話される英語よりも話すスピードが速く、発音がこもっていて訛って聴こえるため、日本人にとって慣れるまでは聴き取るのが難しいと言われています。

【食文化】一般的な食文化の違い

食文化は、ひとつの国のなかでも地域によって名物料理があるなど、さまざまな違いがあります。

ここでは一般的に広く知られる食文化で両国を比較してみましょう。

【イギリス】
イギリスの食文化は、フィッシュ&チップスやローストビーフなど、新鮮な魚介類や肉類、乳製品の食材を豊富に使用した伝統的な料理が多く存在します。

さらに、留学生が多い街では移民が多く、多彩な文化が広がっており、街中にはインド料理と中華料理レストランがたくさんあります。

また、イギリスは紅茶の国としても有名です。朝はモーニングティー、午後はアフタヌーンティーと、1日のうちで紅茶を楽しむ時間を重視しています。

ちなみに、日本でも人気があるアフタヌーンティーは、19世紀のイギリスで上流階級の人たちが夜からはじまる演劇やバレエ、ミュージカルなどを観に行く前に、少しお腹を満たしておく習慣からはじまっていると言われています。

【アイルランド】
アイルランド料理に欠かせない食材といえばジャガイモです。

アイルランドは世界でもっともジャガイモを食べる国とも言われています。

マッシュポテト、フライドポテト、ベイクドポテトなどはもちろん、ジャガイモのアレンジ料理は数えきれないほどです。

肉類や魚介類をよく使い、シンプルで素朴な料理方法でジャガイモと合わせて食べることが多いです。

また、アイルランドはビールとウイスキーの生産大国としても知られています。

中でもギネスビールは世界的なブランドとして、アイルランドのパブ文化の象徴となっています。

【教育】教育制度システムの違い

イギリスとアイルランドの義務教育を比較すると、教育制度システムに違いがあります。

【イギリス】
イギリスの教育制度では、小学校から中学校まで11年間の義務教育を学び、その後大学進学を見据えてシックス・フォームと呼ばれる、後期中等学校(日本での高校にあたる)へ進みます。

イギリスの大学入学は、A-Level=試験の成績や国際的な資格試験(IB、SATなど)の成績で判断されます。

加えて多くの場合、面接やエッセイの提出が必要です。

【アイルランド】
アイルランドの教育制度では、小学校から中学校(前期中等教育)まで6~16才の10年間の義務教育を受けた後、3年間の後期中等教育(日本での高校にあたる課程)に進みます。

その修了後の高等教育として大学に進学する場合は、後期中等教育修了資格の成績をもって、入学する学生が選ばれます。

【宗教・伝統・文化】歴史からなるそれぞれの違い

イギリスとアイルランドでは、それぞれの歴史に支えられた宗教や伝統・文化にも違いがあります。

【イギリス】
イギリスは王国であり、イギリス王室は国民の誇りです。

キリスト教のカトリック大国であるアイルランドに対して、イギリスにはプロテスタントに分類されるイギリス国教会があります。

長い歴史と伝統を持ち、歴史の重みを感じさせる建築物や伝統行事を大切にしながら、近代的なカルチャーや革新性を受け入れる風土が混じり合う魅力的な国です。

常に流行の発信地として、先進的な音楽、ポップなファッションやアートなどを生み出し続けて世界中に発信しています。

【アイルランド】
アイルランドには自然を信仰するケルト文化の伝統があります。

第一公用語としてゲール語が話されていますし、伝統的な職人技術や文化芸術がたくさん見られます。

また、アイルランドは人口の9割ほどがキリスト教のカトリックを信仰している国としても有名です。

アイルランド人は会話をとても大切にする国民性が特徴的で、おしゃべり好きな人が多く、社交的な印象があります。

どっちを選ぶ?イギリスとアイルランドの留学先の魅力

地理的にも近く、似通ったイメージがあるイギリスとアイルランド。

留学先の選択肢として考える場合、それぞれどのような特徴とメリットがあるのでしょうか。

ここからは、イギリスとアイルランドの留学先としての魅力の違いについて見ていきます。

【イギリス留学】のメリット

イギリスは大都市が多く国際色も豊かなので、さまざまな国の文化に触れることができて、留学生でも馴染みやすい雰囲気があります。

【教育レベルや留学生の様子】
イギリスは英語発祥の地として教育に長い歴史があり、語学学校の質や教育レベルもトップクラスです。

世界的に有名な名門大学が多く、格式高い上品なクイーンズイングリッシュを学ぶことが出来る上、芸術やビジネスにも秀でているため、語学以外の分野を学ぶために渡航してくる留学生も多いです。

日本人留学生は比較的多くないので、現地の人や他の国の留学生たちとコミュニケーションをとる機会も必然的に増えるでしょう。

※イギリスの語学留学ビザには、観光学生ビザ(11か月までの短期間を対象)と、大学や大学院への進学目的の学生ビザなどがあります。

【大学教育の特徴】
イギリスの大学の授業は講義形式で進められることが多く、学生は自分自身で学習や研究をすることが重視されます。

学生自身が自己管理しながら、問題を解決する能力を身につけていかなければなりません。

また、大学にはスポーツや演劇、文芸など、多くの分野のクラブ活動があります。

勉学以外の活動にも積極的に参加することで、将来につながる人脈を作ることが出来るでしょう。

【気になる留学費用】
ロンドンなどの大都市では家賃や物価が非常に高く、アイルランドと生活費を比較すると、イギリスの方が高額になる傾向があります。

学費に関しても、アイルランドよりも高く、留学費用の経済的な負担はイギリスの方が高くなるため、コストを抑えたい人にとっては魅力に欠けるかもしれません。

【アイルランド留学】のメリット

アイルランドは人口が比較的少なく、緑豊かで自然の多いのんびりとした国です。

留学生活においても、ゆったりとしている雰囲気があります。

【教育レベルや留学生の様子】
教育レベルはヨーロッパでもトップレベルの水準を誇ります。

ヨーロッパのEU諸国からの留学生が一番多く、次いでアジア、中南米、アフリカと、その国籍も多様です。

中でも日本人の比率は1割ほどと少ないのが特徴です。

アイルランドの大学は留学生のサポート体制も充実しています。

学生が安心して学べるように、大学内にはキャリアセンターやカウンセリングセンター、健康センターなどがあり、学生が抱える悩みや問題を解決するためのサポートを受けることができます。

※アイルランド留学は、基本的に90日までの滞在においてはビザ申請が不要です。90日を超えて滞在する場合は、現地での手続きで滞在許可の登録をします。

【大学教育の特徴】
アイルランドの大学ではコミュニケーションを重視する傾向があり、授業では教授や学生との議論や対話がディスカッション形式で頻繁に行われます。

音楽やダンス、スポーツなどのクラブ活動も盛んです。

【気になる留学費用】
アイルランドの物価は他のヨーロッパの国に比べて安いため、留学費用を抑えてヨーロッパ留学をしたい人にはおすすめです。

語学学校や大学の学費もリーズナブルで、その上、質の高い教育を受けることができ、生活費もイギリスと比較すると安価なので、イギリス留学よりも経済的な負担は少ないでしょう。

アイルランド留学前に知るべき【北アイルランド問題】

イギリスとアイルランドの関係には、歴史的に複雑な経緯があります。

アイルランド島にはアイルランドとイギリス領である北アイルランドが存在し、かつてはイギリスによる植民地支配やそれに対抗する独立運動が起こっています。

今でも北アイルランドの帰属を巡って、「北アイルランド問題」と呼ばれる対立が起きていて、長らく分離や独立を巡って衝突が続いています。

一部では過激なテロ活動が行われたこともあり、現地の人たちにとっては非常にデリケートな問題です。

従って、日本人留学生の立場から軽い気持ちでイギリスのことを話題に上げたり、両国を比較したりすることは、アイルランド人にとって気分の良いことではありません。

こうした歴史的背景があることを理解しつつ、アイルランドでイギリスについて話をする場合は注意が必要だということを認識しておきましょう。

まとめ

またここまで見て来たように、イギリスとアイルランドには言語や食習慣、教育、伝統文化などに違いがあり、留学生活においてそれぞれの魅力があります。

特にイギリスと言えば「ロンドンがあるイングランドは国じゃないの?」などという疑問の声があります。

イングランドは、イギリスという連合王国を構成する4つの国のひとつであることも、本記事でご紹介したとおりです。

留学目的でイギリスとアイルランドを比較する際は、生活費や物価の事情にも違いがあるので、留学費用を精緻に見積もることが必要です。

歴史的に、支配や独立運動など、今もなお問題を抱え続けるイギリスとアイルランドの関係ですが、留学先として比較するにはさまざまな条件を総合的に判断しなければなりません。

事前にしっかりと情報収集を行い、留学エージェントなどから集めた資料を参照しながら自分に合った留学プランを考えることが大切です。

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