海外に行ったときに戸惑ってしまうことのひとつが、
現地のお金事情ではないでしょうか。
日本人が旅行や留学、ビジネスなどで渡航することの多いアメリカも、日本とは全く通貨が異なるため、渡航時に困ることもあるでしょう。
ニュースなどでは「現在1セント何ドル」と聞くこともありますが、セントとドルが出てくると、混乱してしまいますよね。
そこでこの記事では、
アメリカのドルとセントについて深堀りしていきます。小銭が余った時の対処法も解説するので、アメリカに行く予定がある人は、ぜひ参考にしてくださいね。
アメリカの硬貨はドルとセント
まずアメリカには1ドル、5ドル、10ドル、20ドル、50ドル、100ドルの紙幣があります。
日本円をドルに両替したり、現地のATMで出金したりする際には、紙幣を受け取ることがほとんどですから、ドル紙幣には馴染みがある人も多いかもしれませんね。
ちなみに、50ドル以上の紙幣は一般的なお店やレストランではあまり使われておらず、受けとってもらえないこともあります。
では、硬貨はどうでしょうか。
アメリカの硬貨はドルではなく、
セントという単位のものが主流です。
ここからは、アメリカドルの硬貨の種類とその見た目などについて簡単にご紹介します。
「ペニー」と呼ばれる1セント
アメリカドル硬貨の中でも、1セントはかなり見分けがつきやすいはずです。なぜなら、ドル硬貨の中でブロンズ色なのは、1セント硬貨のみなのです。
アメリカドルの硬貨には通称があり、
1セントは「ペニー」とも呼ばれます。
ちなみにイギリスのポンド硬貨の一番価値の小さいものも「ペニー」です。ですが、イギリスの場合はこちら正式名称となっています。
アメリカドルは「セント」なのに、1セントが「ペニー」と呼ばれるのは、ひょっとするとアメリカの1セント硬貨の通称はイギリス由来なのかもしれませんね。
「ニッケル」と呼ばれる5セント
5セントは通称「ニッケル」と呼ばれています。
ちなみに5セント硬貨はそれより額面の大きい10セント硬貨よりも、大きさは少し大きいので、アメリカでコインを使う際には間違えないように気を付けましょう。
「ダイム」と呼ばれる10セント
10セントは「ダイム」とも呼ばれ、
コイン自体にも「10セント」ではなく「ダイム」と書かれています。
大きさ以外の特徴は5セント硬貨に似ているため、この2つは混同しやすいかもしれません。
描かれているのは、第32代アメリカ合衆国大統領、フランクリン・ルーズベルトです。
「クオーター」と呼ばれる25セント
ここまでは日本の硬貨と構成が似ているドル硬貨ですが、日本人にとって計算するのが難しくなりがちな硬貨があります。それは、25セント硬貨です。
慣れれば使いやすいものの、日本人からすると、ちょっと捉えづらいかもしれませんが、
25セントは「クオーター(4分の1)」と呼ばれています。
感覚的には100円玉のような使い方ができるイメージです。
描かれている肖像は、初代大統領、ジョージ・ワシントンのものです。
「ハーフダラー」と呼ばれる50セント
50セントは、ここまでご紹介したコインに比べるとあまり流通していないため、あまり見ることがないかもしれません。
「ハーフダラー」とも呼ばれるこちらのコインには、 ジョン・F・ケネディが描かれています。
あまり出会えない?1ドル硬貨
ドル硬貨には、一応1ドルのものもあります。ですが、こちらもあまり流通しておらず、たまに見かける程度。おそらく見ることはあまりないでしょう。
ここまでのドル硬貨に描かれている元合衆国大統領はすべて固定されていますが、1ドル硬貨だけは記念硬貨のような扱いなのか、発行された年によって描かれている人物が異なります。
1ドルは何セント?アメリカのお金の数え方
ここまでアメリカドル硬貨についてご紹介してきました。
アメリカのお金の数え方では、
1ドルは100セントとなっています。
そのため25セント硬貨が4分の1を意味する「クオーター」と呼ばれているんですね。
さて、アメリカでコインを使ってお会計をする際に、たとえば5.88ドルだった場合、やはり日本人の感覚だと25セント硬貨の使い方には悩んでしまうでしょう。
一見端数に見えるこのような場面では、25セント硬貨を2枚(50セント)を出し、残りを25セントよりも小さな価値の硬貨で支払うようにすると計算しやすくなります。
アメリカで小銭を使う場面
アメリカはクレジットカードやデビットカードでの支払いが、古くから主流となっているキャッシュレスの国です。そんなアメリカで小銭を使う場面があるのかどうか気になる人もいるでしょう。
基本的に現金払いはどこでも可能ですから、1ドルに満たない単位は小銭で払っても良いのですが、手間取ってしまって小銭を使えなかったり、面倒で紙幣だけで支払ってしまう場面も多いはず。
気づいたら財布の中にコインがたまって重くなっている…なんて経験をする人もいるかもしれません。
そこでここからは、アメリカで小銭を使いやすい場面をご紹介します。
チップを小銭で渡す
小銭がたまってしまったら、レストランやホテル、タクシーなどを利用する際にチップとして渡してしまいましょう。
しかし、レストランでの会計時にチップとして小銭を渡しても額によっては失礼にはなりません。
スーパーなどで買い物に小銭を使う
スーパーでは小額の小銭でも、割と支払いに使いやすいです。
普通に受け取ってもらえますし、スーパーによってはレジのところに1セント硬貨が用意されていて、小銭が足りなかったときにそれをプラスして支払いを完了させてくれるお店もあったりします。
日本でもドン・キホーテが同じようなことをしていますね。
また、スーパーに限らず、セルフレジだといくら小銭を入れても自由ですし、レジの担当者さんを待たせることがないため、ゆっくり小銭を数えたりもできます。
レストランなどでは紙幣中心で、スーパーでは小銭もしっかり使うというようにすれば、あまり小銭がたまらずにすむでしょう。
アメリカで小銭が余ってしまったときの対処法
アメリカ国内にいるときに小銭がたまってしまった場合は、使いどころもありますし、アメリカに住んでいて銀行口座がある人なら、銀行に入れてしまうという手もあります。
しかし、日本円に両替をしようにも、硬貨は基本的に両替できないため、これから日本に帰国するというときに小銭が余ると、困ってしまうでしょう。
日本円に両替をしようにも、硬貨は基本的に両替できません。
では、そんなときはどう対処すれば良いのでしょうか。
両替機で両替する
アメリカのスーパーや銀行には、硬貨を紙幣に両替できる機械があります。
1ドル何セントかと自分で考える必要がありませんし、アメリカドルの紙幣は1ドルから始まりますから、それほど大きな額に満たない場合でも、この両替機で硬貨を紙幣に両替することが可能です。
手数料がかかる場合もありますが、それでも硬貨が大量に余ってしまっている場合には、使い勝手が良いのではないでしょうか。
銀行で両替する
銀行で余った硬貨を紙幣に両替してもらうことも可能です。
窓口まで行く必要があるため、少々手間はかかりますし、同じ硬貨がたくさんたまってしまっている時にしか利用できませんが、帰国直前でも硬貨を紙幣に両替できる方法のひとつです。
募金する
余ってしまって、紙幣に両替もしづらい金額の硬貨や、両替が面倒な硬貨たちは、まとめて募金箱に入れてしまいましょう。
アメリカではスーパーの出入り口に寄付を求める人がいたり、レジ近くに募金箱が設置してあったりします。また、空港にも募金箱が設置してあることもあります。
余ってしまったら邪魔なだけ…と感じるなら、
積極的に募金してしまいましょう。たとえ硬貨が大量にあったとしても、募金なら喜ばれます。
ホームレスの方相手でも、大量に渡してしまって問題ありませんから、余ってしまって邪魔な小銭は、日本帰国前に全部募金することをおすすめします。
アメリカでの両替方法
日本からアメリカに渡航する際、ある程度ドル通貨を用意して渡航するかと思いますが、アメリカ滞在中に現金が足りなくなってしまった場合、アメリカ内で両替が必要です。
そこで最後に、アメリカでの両替方法についても簡単に触れておきます。
銀行の場合
日本円を持っていくなら、銀行で両替してもらえます。ただし、あまり地方すぎると日本円の取り扱いがないかもしれません。また、1セントが日本円でいくらという通貨のレートもあまりよくないことが多いです。
あまりおすすめできない方法ですが、他に方法がない場合は銀行に駆け込むと良いでしょう。
両替所の場合
訪問する地域にもよりますが、観光地や都市部なら、日本円の取り扱いがある両替所を見かけるはず。
街中の両替所は空港にある両替所や銀行よりレートが良いことが多いですし、必要になった時に手軽に利用できるため、使い勝手は良いです。
ただし両替してもらうためには、日本円の硬貨ではなく、紙幣が必要なことに注意しましょう。多額の現金を持ち歩きたくない場合や、長期滞在の場合には、あまり向いていません。
ATMの場合
アメリカで両替をするなら、どんな場合にも使い勝手が良いのがATMです。
デビットカードやクレジットカードがあれば、現地のATMから簡単にお金を引き出せます。
デビットカードの場合、お金を引き出した瞬間に日本の銀行からお金が差し引かれますから、キャッシュカードのような使い方になります。
ですから、アメリカのATMでお金を引き出すつもりなら、2枚はブランドの異なるカードを用意しておくと安心です。
まとめ
アメリカのドル・セント硬貨は日本の硬貨とはかなり構成が異なるため、慣れるまでに時間がかかるかもしれません。
また、上手に硬貨を使わなければ、かなり硬貨が余ってしまうこともあるでしょう。
ここでご紹介した硬貨の使い方や両替方法も参考にしつつ、効率よく硬貨を活用してくださいね。

◇経歴
・英日翻訳および翻訳校正
・Webライター(ジャンル:英語・留学・旅行など)
・英会話講師
・カスタマーサポート/コールセンター(イギリスおよび日本・英語使用)
・カフェ店員(イギリス)
◇資格
TOEIC935点
英検準1級
ケンブリッジ英検FCE合格
◇留学経験
・イギリス:約10ヶ月(ロンドン内語学学校)
・グアテマラ:約3ヶ月(アンティグア内語学学校)
◇海外渡航経験
・イギリス:合計5年弱(内1年10ヶ月ワーホリ)
・グアテマラ:合計9ヶ月
合計50カ国に渡航歴あり
◇自己紹介
国内外で翻訳者兼Webライターとしてフリーランスをしています。これまで手がけた記事は1万記事以上。翻訳経験は通算7年位になります。
21歳の頃語学留学で渡英し、その後ワーホリビザ等を取得し、数年ロンドンで働いていました。
グアテマラへのスペイン語留学経験もあります。