カナダの治安はどうなの?気をつけた方が良いエリアや生じやすい犯罪をご紹介

カナダの治安、オンライン英会話、ネイティブキャンプ

 

カナダへの渡航を検討するとき、治安も多くの人が気になるポイントです。

特に留学やワーホリでの長期滞在となれば、治安はカナダ国内での拠点選びの際にも重要な判断基準となるはず。

ここでは、カナダの治安について、エリアごとの情報を含め、気をつけたい犯罪やトラブルの概要、現地で犯罪に遭わないための対策についてまとめます。もしもの場合に役立つ情報もまとめているので、カナダ渡航前にチェックしてみてください。

カナダの治安の概要

世界的に治安がいいと言われるカナダは、オーストラリアに本拠を持つシンクタンク「経済平和研究所(Institute for Economics & Peace)」が出す世界平和度指数ランキングでも、2023年、2024年に163ヵ国中11位となり、上位にランクインしています。

ただし、外務省が2024年に出している情報によれば「犯罪発生率(人口10万人あたりの犯罪認知件数)日本の約10倍」です。

参考: IEP 世界平和度指数(Global Peace Index)(英語ページ)
外務省・海外安全ホームページ「カナダ 安全対策基礎データ」

治安がいいとされるカナダであっても、ひとたび日本を出たら、防犯意識を高く持つ必要があります。

スリやひったくりなどの窃盗、ギャングが絡む発砲事件や暴力事件、夜間に銃器や刃物で脅されたり、襲われたりするような強盗・傷害事件など、ちょっと気を抜けば思わぬ事態に巻き込まれてしまうことも十分ありえます。

夜の一人歩きはしないのはもちろん、多額の現金を持ち歩かないようにしたり、知らない人を安易に信じすぎないなど、行動指針を整えておくのが重要です。

また、カナダ国内でも、犯罪やトラブルが多い治安の悪いエリアもあるので、そうした情報にもアンテナを張り、犯罪に巻き込まれないよう心構えを持つこともとても大切になります。

カナダで気をつけるべき都市やエリア

留学先としても人気を集めるカナダでは、トロントバンクーバーモントリオールが特に人が集まる都市です。以下では、それら都市別の治安情報として、気をつけた方がいいエリアを紹介します。

バンクーバーの危険エリア

バンクーバーの東側にある「イースト・ヘイスティング・ストリート(East Hastings Street)」はカナダ人からも治安が悪いと注意を促されるエリアです。

ホームレスや麻薬常習者が多く、犯罪率も高く危険なエリアとされています。観光名所として有名な蒸気時計や、チャイナタウンに程近く、一本通りを間違えると一気に危険度が上がってしまうようなエリアです。

また、チャイナタウンも人が多く、スリや窃盗の被害が多く出ているエリアなので、注意が必要です。

レストランやお店、語学学校なども立ち並ぶロブソン・ストリート(Robson Street)も人通りが多い分、同様にスリなどの軽犯罪が多く発生する場所でもあります。人で賑わうところでは、貴重品などから目を離さないようにしましょう。

日中は人々の憩いの場として人気のスタンレーパーク(Stanley Park)も、夜は路上生活者や薬物依存が見られる人々が寝ていることもあり、あまり近づかない方がいい場所です。

トロントの危険エリア

トロント北西部、ジェーン・ストリート(Jane Street)とフィンチ・ストリート(Finch Street)が交差する一角は「ジェーン・アンド・フィンチ(Jane and Finch)」と呼ばれるエリアで、トロントで最も治安の悪いエリアと言われています。

ギャングが住むエリアとされ、発砲事件や暴行事件なども報告されています。足を踏み入れただけでなんとなく陰気な感じを覚える人も多く、用がない限り立ち入らない方がいいエリアです。

また、ガイドブックでもよく紹介されるケンジントン・マーケット(Kensington Market)はトロント中心街にある観光地の一つで、日中は人で賑わうエリアですが、夜は麻薬の売買が行われていたり、酔っ払いの溜まり場となっていたりと、治安の良くないエリアとなります。

他に、シェボーン駅(Sherbourne Station)やその近くのアラン庭園(Allen Garden)の周辺も、夜はドラッグの取引場所となっているようなので、近づかないようにするのが賢明です。

モントリオールの危険エリア

モントリオールもまた安全な街とされていますが、ベリーウカム駅(Berri-UQAM Station)の周辺は治安のよくないエリアと言われています。

昼間でもあまり雰囲気がよくなく、歩きスマホや女性の一人歩きは避けるようにしましょう。

人通りが多くなるダウンタウンのあたりは、やはりスリや置き引きなどが多く発生しているので、注意が必要です。

カナダで生じやすい犯罪やトラブル

都市別の要注意エリアでもいくつか起きやすい犯罪に触れましたが、ここからはより詳しく、カナダで起こりやすい犯罪やトラブルを解説します。

スリや置き引きなどの窃盗

人通りが多いところは、その分、犯罪が起こる可能性も高まります。空港やバスターミナル、ホテルのロビー、レストランやバー、クラブは、スリや置き引きの発生確率が高くなりやすい場所です。特に、旅行者は狙われやすくなる傾向があります。

少しの間だからと荷物を放置せず、パスポートや現金などの貴重品の管理には細心の注意を払うようにしましょう。万一、窃盗被害にあってしまった場合は、暴行などされないよう必要以上に抵抗しない方がいい場合もあります。

公共交通機関内での暴行

トロントのバスや電車、ストリートカーなどの公共交通機関内で、暴行事件が起こることもあります。

怪しい人と乗り合わせそうな場合は、思いきって1本便を遅らせるなど、安全を優先するようにするのがおすすめです。車内でのスリ被害も報告されているので、乗車中は寝ないなど、気を緩めすぎないよう気をつけましょう。

車上荒らしや車両の盗難

車上荒らしや車両の盗難もよくある犯罪の一つです。

カナダで車の利用を考えている場合は、鍵の閉め忘れだけでなく、車内に高価なものやブランドの袋を置いておかないなど、犯罪を誘発するような状況を作らないよう気をつけましょう。

大麻や違法ドラッグ

カナダでは大麻の所持や使用が一部合法化されています。

国外であっても日本の大麻取締法の適用が認められるため、カナダでの大麻使用は処罰の対象となる場合があることも十分留意しましょう。

また、ナイトクラブやバーで、目を話した隙に飲み物にドラッグを混入され、暴行被害や性犯罪につながるケースもあります。外出先では、自分の飲み物から目を離さないようにするのも重要です。

留学生やワーホリ滞在者をターゲットとした詐欺

カナダの行政機関を装った詐欺電話による請求被害や個人情報の抜き取り被害も発生しています。

留学生やワーホリ滞在中の人が、架空の物件を案内され、家賃を騙し取られる被害に遭っているケースもあるため、取引の際は十分に注意を払うことが必要です。

カナダで犯罪にあわないための対策

外務省のホームページ上でもカナダでの安全対策のため注意喚起していますが、外務省から最新の安全情報を受け取れる「たびレジ」に登録 しておけば、特に注意したい事件の情報だけでなく、デモや災害の注意情報も受け取れます。

参考:たびレジ

他にも留学エージェントを利用するなら、カナダの現地情報に詳しいカウンセラーより詳細な情報を教えてもらったり、カナダに留学・駐在していた人の体験談を参考にしたりするのもおすすめです。

そうした事前準備と合わせて、以下の現地での心構えも参考にしてください。

早朝や夜間は出歩かない

人通りが少ないところでは、暴行事件や性犯罪などに巻き込まれる危険性が高まります。

1人での行動は避け、どうしても早朝や夜間に移動しなければならない場合は、なるべく人通りが多く、街灯の多い明るい通りを歩くようにしましょう。移動距離がある場合は、タクシーを使うようにするのが賢い選択です。

貴重品の管理に気をつける

外出時は、必要以上の現金は持ち歩かず、パスポートも必要がなければセーフティーボックスに入れておくようにしましょう。

脱いだ上着のポケットに貴重品を入れたままにしたり、少しの離席でも荷物を離さないようにしたりするなど、常に貴重品の管理に気を配るのが重要です。

ホームレスや挙動のおかしい人には近づかない

街中でホームレスや麻薬中毒と思われる人がいたら、できるだけ近寄らないようにしましょう。お金が欲しいと相手から近づいてきた場合も、相手にせず、すぐにその場を離れるようにすべきです。

知り合ったばかりの人を安易に信用しない

観光や留学などでの滞在中、現地で親切にされるとうれしくなるものですが、犯罪を目的に近づいてくる人もいます。出会ったばかりの場合は、安易に家に行ったり、車に乗ったりすることのないよう気をつけてください。

カナダで犯罪にあってしまったときの連絡先

犯罪に巻き込まれないようしっかり対策を打っておくのが一番ですが、万一の場合に備えて、緊急の連絡先についても把握しておくのも大事なポイントです。

犯罪に巻き込まれた場合には、すぐに警察に届けましょう。警察との手続きで困った時には、在カナダ日本国大使館や日本国総領事館からのサポートが受けられるかも確認しましょう。

緊急連絡先一覧:

問い合わせ先 電話番号 住所
警察、消防、救急 (カナダ国内共通) 911 -
在カナダ日本国大使館 (1-613) 241-8541 255 Sussex Drive, Ottawa, Ontario K1N 9E6, Canada
在トロント日本国総領事館 (1-416) 363-7038 Suite 3300, 77 King St. W., Toronto, Ontario, M5K 1A1, Canada (P.O. Box 10 Toronto-Dominion Centre)
在バンクーバー日本国総領事館 (1-604) 684-5868 900-1177 West Hastings Street, Vancouver, B.C., V6E 2K9, Canada
在モントリオール日本国総領事館 (1-514) 866-3429 1 Place Ville Marie, Suite 3333, Montréal, Québec, H3B 3N2, Canada
在カルガリー日本国総領事館 (1-403) 294-0782 Suite 950 517-10th Avenue SW, Calgary, Alberta, T2R 0A8 Canada

※最新の情報は外務省・海外安全ホームページ「カナダ 安全対策基礎データ」のページを参照してください。

まとめ

カナダの地域別の治安情報や気をつけるべき犯罪、カナダ滞在中に意識したい防犯対策についてまとめました。

一歩日本の外に出たら、犯罪やトラブル回避のための心構えを強く持つことが重要です。カナダもコロナ禍の影響で一時治安が悪化したこともあり、今後また何かのきっかけで治安が悪くなる可能性もあります。

ちょっと気を抜いたことで凶悪犯罪に巻き込まれてしまうこともあるため、常に防犯意識を持ち、安全に楽しくカナダでの時間を過ごしましょう。

 

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