社会に出たあと、さらに勉強したい分野が出てきたり、留学への憧れが再燃することがあります。 自分で収入を得ていることから、留学費用についても自分で用意することが可能になり、より自由な選択肢があるでしょう。
この記事では、社会人が留学する場合の費用の目安と、留学スタイル別の費用をご紹介します。各国の生活費や留学スタイルなどを比較し、ご自身に合った留学を見つけるための参考になれば幸いです。
留学にチャレンジしてみたいと思っている社会人の方、ぜひ最後までお読みください。
社会人が海外留学するメリットとは?
「今さら留学なんて遅いのでは?」「キャリアを中断してまで行く価値があるの?」
社会人になってから留学を考えると、どうしてもそんな不安が頭をよぎりますよね。
ですが、実は社会人だからこそ得られる留学のメリットがたくさんあるんです。 ここでは、キャリアや人生観にプラスとなる「社会人留学の本当の価値」について、具体的に解説していきます。
社会人だからこそ実現できる留学スタイルがある
就労経験がある社会人だからこそ、参加できる留学があります。
たとえば、大学院留学やMBA留学は、職務経験が入学条件として求められるケースが多く、社会人のキャリアを活かせる代表的な留学スタイルです。
特にMBAでは、実務経験を前提としたディスカッションやグループワークが中心となるため、経験の浅い学生では対応が難しい場面もあります。
これはまさに、就労経験がある社会人だからこそできる留学のかたちです。
ワーキングホリデーやインターンでもキャリアが活きる
ワーキングホリデーや海外インターンといった「働くこと」が含まれる留学スタイルも、社会人経験があるからこそより有利になります。
過去の職歴や専門知識、資格などがあれば、現地での就業機会が広がり、単なる語学学習にとどまらない
「実践的な経験」が得られるのです。
キャリアチェンジや将来設計にもつながる
社会人留学は、単なる語学力向上にとどまらず、将来的なキャリアの見直しや、転職・独立といった新たな道を切り開くきっかけにもなります。
一度社会に出たからこそわかる「学び直し」の重要性や目的意識が、留学生活の質を高めることにもつながるでしょう。
社会人の留学に必要な費用の内訳
留学の費用には、出発前に発生する費用と、留学先到着後に発生する費用に分かれています。 具体的に発生する費用を以下にまとめていますので、参考にしてください。
出発前に発生する費用
・パスポート取得費用
・ビザ申請料
・留学エージェント使用料
・航空券代
・大学や留学プログラムへの出願費用
・留学保険料
・学費
・ビザ面接や空港までの交通費など
現地到着後に発生する費用
・食費
・家賃
・水道光熱費
・通信費(インターネット・SIMなど)
・交際費
・教材費
・医療費
・学校までの交通費など
学費は一般的に日本で納入していくことが多いです。
その理由は、入学予定の学校から発行される入学許可証がないと、ビザが発行されないことがあるからです。
手続きをスムーズに終わらせるためにも、日本で支払いを済ませておくと安心です。
家賃においては、住む場所や滞在スタイルによって大きく変わります。
ルームシェアやホームステイなどの滞在スタイルで、家賃をなるべく節約すると良いでしょう。
保険においては、留学保険に加入していても、歯の治療が対象外のものもあるので注意が必要です。歯の定期検診や虫歯治療は日本で済ませておくと安心です。
現地で生活を始めてから、「こんなところにもお金がかかるのか!」と気がつくことが多くあります。
余裕を持って留学資金を準備しておくと、心の余裕を保ったままで留学生活を送れるはずです。
留学スタイルによっても費用が変わる
人によって留学期間や目的はさまざまです。 留学の費用は、目的やスタイルによって変わりますが、「まだどのような留学をしたいのか決められていない」とお悩みの方は、以下の留学スタイルを参考にしてみてください。
短期語学留学
短期語学留学は、ビザの取得が不要であったり、滞在日数が少なかったりするため、長期留学に比べて費用は安くなります。
一般的なトラベルビザで通える語学学校は、1週間〜3か月までの短期プログラムが主流なため、短い期間でみっちりと語学を学びたい人におすすめの留学スタイルです。
費用は1週間で約10万円~40万円です。
海外の語学学校の基礎的なクラスは、日本の中学英語レベルぐらいであることが多いです。
日本人はリーディングや文法には問題がなくても、スピーキング力で下のクラスに入れられてしまう可能性があるため、短期でしっかりと語学力を高めたい方は、日本でスピーキング力を磨いておくと良いでしょう。特に日常会話や発音練習に力を入れておくと、留学先で自信をもって授業に臨むことができるでしょう。
なるべくレベルが上のクラスから始められると、短期間であっても留学生活が充実したものになるかもしれません。
ワーキングホリデー
現地に滞在しながら、アルバイトや語学学校に通うことが可能なワーキングホリデー。
一定の年齢制限(18歳から30歳(または35歳))はありますが、留学資金に不安がある方にはおすすめの留学スタイルです。
ただし、ワーキングホリデーで就学できる期間は決まっていますので、ビザの有効期間内みっちり学校に通いたいという方は学生ビザへの切り替えが必要になります。
留学費用は1年間で約100万円~150万円です。
就労が可能なビザと言っても、仕事が見つからない可能性や、現地での予期せぬ支出も考慮に入れて、余裕を持って資金を準備しておきましょう。
英語力が高ければ高いほど、高時給の仕事を手にすることができる可能性もあります。ワーキングホリデーで就労を目的としている場合は、出発前に語学力をブラッシュアップしておくことをおすすめします。
MBA
MBAとは経営学修士(Master of Business Administration)のことで、大学院で学位を取得します。
MBA留学コースはフルタイムで1~2年を要し、滞在期間も長くなるため、費用は高くなる傾向にあります。
勤めている会社によっては社費留学の制度を使って留学することができるかもしれませんので、会社の制度を確認してみましょう。費用が大幅に軽減できる上に、会社に籍を置いたまま留学できるため、キャリアを途切れさせることなく学びの機会を得ることができます。
ただし、会社によっては、留学後の就業契約について条件が設定されることがありますので、双方で確認・納得の上で留学生活を送ることが重要になります。必ず事前に確認しておきましょう。
MBA取得の留学費用は約700万円~2000万円です。
費用は留学先の国の物価やレートによって変わりますので、詳しい費用を知りたい方は留学エージェントなどに相談してみてください。
オンライン留学
「海外留学をしたいけど費用面が厳しい」「できれば会社を辞めずに留学したい」という方には、オンライン留学という方法があります。
物理的に海外に行く必要がないため、渡航費や滞在費の準備をする必要がありません。日本国外へ出る必要がないので、ビザの申請も不要です。
治安を気にする必要もなく、滞在費がかからないことにより、全体的な留学費用を節約できる点が大きな特徴です。
オンライン語学留学のメリットは、場所を選ばずに学べる柔軟性と、世界中から集まる生徒と直接交流できる点です。異文化理解を深めるためのディスカッションや、プロジェクトも取り入れられているため、日本にいながらもさまざまなバックグラウンドを持つ生徒と交流することができます。
ただし、このシステムは日本から授業を受けるため、時差に注意が必要です。選択する国によって時差は異なりますので、なるべく生活のペースを変えたくない方は時差の少ない地域のオンライン留学プログラムを選ぶと良いでしょう。
欧米圏へのオンライン語学留学は最短1週間から可能で、費用は約2〜7万円(1週間)です。
コスパを重視したい方はオンライン留学を検討してみてはいかがでしょうか。
国別に比較!社会人の海外留学に人気の国と費用の目安
ひとくくりに海外留学と言っても、留学先によって物価が異なり、それに伴い費用も変わってきます。
ここでは、社会人の海外留学先として人気の国別に総費用目安をご紹介します。
国 |
3ヶ月 |
6ヶ月 |
12ヶ月 |
アメリカ |
70〜100万円 |
150〜300万円 |
200〜600万円 |
イギリス |
150〜200万円 |
200〜400万円 |
300〜600万円 |
カナダ |
80〜100万円 |
100〜200万円 |
200〜500万円 |
オーストラリア |
80〜100万円 |
120〜200万円 |
200〜500万円 |
3ヶ月以上の留学になると、まとまった費用を準備する必要があります。
留学先で生活費に困らないためにも、余裕を持って準備しておくことをおすすめします。
社会人留学前に知っておきたい!人気国の特徴と違い
「英語圏の国ならどこでも同じなのでは?」と思っていませんか? 実は、アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリアといった人気国でも、英語の訛りや教育環境、生活費の違いは意外と大きいものなんです。
さらに、物価やサービスの習慣、現地の人の雰囲気まで含めると「思っていたのと違った…」と後悔してしまうことも。 ここでは、社会人に人気の留学先について、それぞれの特徴や違いをわかりやすく整理しています。 予算や希望する学び方に合った国を選ぶためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。
例えば、アメリカやイギリスは、教育の質やプログラムの充実度は高く、留学先として非常に人気の国ですが、一方で物価が高い点が難点だと言えます。
カナダで話されている英語は、全体的にクセがなく、標準的な英語です。
反対に、オーストラリアで話される英語は、訛りが強く、聞き取りにくいこともありますが、非常にフレンドリーな国民性で有名です。
生活費においては、カナダではチップを支払う習慣がありますが、オーストラリアではありません。そのことから、サービスを伴う場所では若干の物価の差が出てくるでしょう。
格安留学先の国として、フィリピン、マルタ、フィジーも人気です。
これらの国は、学費や生活費が比較的安価なため、欧米への留学費用の捻出が難しい場合は選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
下調べをしっかりとすることで、限られた予算内でも充実した留学生活を送れるはずです。
社会人留学は3年目に行くのがベスト!
社会人留学を検討しているなら、実は
「3年目」がベストタイミングだと知っていますか?
社会人3年目というのは、すでに基本的なビジネスマナーや業務スキルが身についており、それでいてまだ柔軟な思考や順応力も兼ね備えている時期。つまり、留学先の新しい環境や文化に適応しやすく、現地での学びを最大限に活かせる絶妙なバランスのタイミングなのです。
さらに注目すべきは、帰国後の転職市場での立ち位置。社会人3年目で留学やワーキングホリデーに出発すれば、帰国時はおおむね28歳前後。この年齢層は企業にとって非常に魅力的な人材とされており、ある程度の実務経験がある一方で、まだ若手としてのポテンシャルにも期待がかかります。
教育コストが抑えられるうえ、新しい視点や海外経験を持ち込んでくれる存在として重宝されやすいのです。
実際、転職支援の現場でも20代後半の書類通過率は高く、なかでも営業職などは特に評価されやすい傾向があります。もちろん、留学経験を「空白期間」ととらえる企業も一部にはありますが、なぜその選択をしたのか、何を得てどう活かしたいのかを自分の言葉で説明できれば、十分に武器になります。
3年間の社会人経験を経ての決断であることが、むしろ説得力を与えてくれるのです。
「今のタイミングで行っていいのかな」と迷っている方にとって、社会人3年目は迷いを行動に変える大きなチャンス。キャリアの軸を保ちながら、自分の可能性を広げる一歩として、海外留学を本気で考えてみても良い時期と言えるでしょう。
あなたに合わせた留学プランを!(まとめ)
この記事では、社会人の留学費用について詳しく解説しました。
社会人の留学は、キャリアや専門的な知識を発展させる素晴らしい機会です。また、社会人になると新しい友人ができづらくなりますが、海外留学を通じて日本にいたままでは出会えなかった、多様なバックグラウンドを持つ仲間ができることもあります。
こうした新しい出会いは日本に帰国したあとにビジネスチャンスに繋がることもあるので、自分に合った最適な留学プランを見つけて、海外留学に挑戦してみましょう。
留学前の語学の不安を少しでも減らすために、オンラインで語学を学べるネイティブキャンプにジョインしてみませんか?
柔軟なレッスンスタイルなので、英会話を学ぶだけでなく、留学先の国の最新情報を講師から教えてもらうこともできます。
まずは無料体験レッスンから始めてみてください!

◇経歴(英語を使用した経歴)
・オーストラリアのカフェで半年間勤務
・国内/国際線客室乗務員として5年間勤務
◇英語に関する資格(資格、点数など)
TOEIC、英検受験経験有り
アメリカのコミュニティカレッジにてEarly Childhood Educatorコース修了
◇留学経験
・オーストラリア シドニーへ1か月間の短期留学。
→週5日で語学学校へ通う。
・ワーホリでオーストラリア・ゴールドコーストに1年間滞在。
→Gold Coast Institute of TAFEの語学コースで学ぶ。
・2020年から4年間、家族の仕事でアメリカに滞在。
→州立のコミュニティカレッジでEarly Childhood Educationコース及びアカデミック英語コースを学ぶ。
◇海外渡航経験、渡航先での経験内容(仕事、留学、旅行など)
仕事→韓国、中国、台湾、香港などアジアを中心とした国
旅行→アメリカ(ハワイ、グアム、サイパン含む)、カナダ、
シンガポール、マレーシア、オーストラリア、ドイツ、イタリア、
ギリシャ、クロアチア、ベトナム、タイ、バハマ、オランダ領セント・マーティン島など
◇自己紹介
旅行、海外生活関連のwebライター。
最初の短期留学の経験のおかげで、人生が変わったと言っても過言ではないと感じています。海外に滞在することがきっかけで、人生の選択肢が大きく広がり、成長を続けていきたいと思うようになりました。海外での長期滞在・留学経験者の視点から、皆さまにわかりやすい記事を書いていきたいと思っています。