
国際線の座席ランクは、下位から順に、エコノミークラス、プレミアムエコノミークラス、ビジネスクラス、ファーストクラスがあります。
「上位のクラスに乗ってみたいけれど、本当に高い料金を払って乗る価値はあるの?」
「プレミアムエコノミークラスやビジネスクラスを、できるだけお得に予約したい」
など、飛行機の座席ランク選びでお悩みではありませんか?
本記事では、旅行会社勤務の経験を持つ筆者が、国際線の座席ランクについて徹底解説していきます!
同じ座席ランクの中でも複数ある予約クラス(運賃クラス)の秘密や、価格からみるおすすめの座席ランクもご紹介。
ぜひ参考にしていただき、次の航空券予約にお役立てください。
飛行機の座席ランクはどう違うのか?
国際線の飛行機に設定がある座席ランクは、エコノミークラス、プレミアムエコノミークラス、ビジネスクラス、ファーストクラスです。
座席ランクは、航空会社が独自に設定するので、常に4つのクラスがそろっているとは限りません。
路線や使用する機材によっては、ビジネスクラスとエコノミークラスの2ランクだけの飛行機もあります。
LCC(格安航空会社)は、基本的にエコノミークラスのみです。
座席ランクの違いは、料金設定、シートピッチ(広さ)とリクライニング機能、機内食や優先搭乗といったサービス面にあらわれます。
それぞれの項目において、どのような違いがあるのか詳しく解説していきます。
座席ランクと料金の違い
座席ランクによる料金の違いは、イメージしやすいのではないでしょうか。
通常は上位クラスになるほど、料金は高くなります。特に北米やヨーロッパなどの長距離国際線は、料金差が大きくなる傾向にあります。
具体的な料金設定は、航空会社や路線によって異なるので、都度確認が必要です。
一般的な料金感覚として、プレミアムエコノミークラスはエコノミークラスの1.5倍~2倍程度。ビジネスクラスはエコノミークラスの3倍~8倍程度です。
さらに上のファーストクラスは、飛行機の座席では一番高価な価格設定で安くても100万円以上はかかります。
航空券の運賃は、空席によって常に変動します。それぞれのクラスの中でも、いくつかの運賃タイプが設定されていて、空席が少なくなるほど高くなるという仕組みです。
エコノミークラスは満席に近いのに、プレミアムエコノミーの席がたくさん空いていることがあります。
そうすると高いエコノミークラスよりも、プレミアムエコノミーの割引運賃のほうが安くなるのです。各クラスの料金設定については、後でも詳しく解説します。
座席ランクとシートの違い
座席ランクごとに、使われている座席シートが異なる点も大きな特徴です。エコノミークラスのシートは、ご存じの方が多いのではないでしょうか。
プレミアムエコノミーは、エコノミークラスよりも足元が広く、座席幅も少し広めの設計になっています。
ビジネスクラスとファーストクラスは、エコノミーやプレミアムエコノミーとは違う特別なシートが採用されています。
ビジネスクラスを利用する1番の理由が、ワンランク上の快適な座席ではないでしょうか。最新のシートを導入すればアピールにもなるため、各社が競って力を入れています。
例えば、全日空やタイ国際航空などの一部機材で採用されている「スタッガードシート」。ドア付きの個室で全席通路側の「The Room」は、特に人気のシートタイプです。
日本航空でも、A350-1000という新しい個室タイプの座席が発売され話題になっています。
同じビジネスクラスでも、使用機材によってシートタイプが違います。各航空会社のホームページに掲載されている写真を見るのがおすすめです。
参考:
ANAビジネスクラスシート
JALビジネスクラスシート
座席ランクとサービスの違い
座席ランクによる料金の違いは、受けられるサービスの違いに直結しています。
一般的に料金が高い座席ランクのほうが、サービス内容も向上します。
航空会社ごとに異なる点はありますが、主に共通するサービスの違いについてまとめました。
下記の他にも、無料で受託できる手荷物量が、エコノミークラスよりもビジネスクラスのほうが2倍以上あります。
【座席ランクごとのサービスの違い】
| 座席ランク | 搭乗前サービス | 機内食 | 機内アメニティ |
|---|---|---|---|
| ファーストクラス | 専用カウンター、ファーストクラス専用ラウンジが利用可能 | アラカルト形式で自分のタイミングで注文可能 | ファーストクラス専属の乗務員がつくこともあり |
| ビジネスクラス | 専用カウンターでチェックイン、ラウンジの利用が可能 | コース形式の食事もあり、ドリンクの種類が豊富 | 専用パジャマがつくこともあり、エコノミーよりもエンタメが豊富 |
| プレミアムエコノミー | 専用カウンターでチェックイン、優先搭乗が可能 | エコノミーよりもワンランク上の食事内容 | エコノミーに加えてアイマスクや靴下がつくこともあり |
| エコノミークラス | 一般カウンターでチェックイン | 通常2種類ほどから選択 | 標準のアメニティ(毛布・イヤホンなど) |
飛行機クラス一覧とアルファベットの基本
航空業界では世界共通の認識を持つため、各座席ランクとその料金分けをアルファベットで表すルールがあります。
このアルファベットは「予約クラス」とも言われ、予約クラスの組み合わせで航空券全体の運賃が決まるという仕組みです。
使われるアルファベット表記は、航空会社によって若干異なります。
ここでは、航空券を予約する際に知っていると便利な、一般的なアルファベットの種類を解説します。
座席ランクの総称を表すアルファベット
ファーストクラス、ビジネスクラス、プレミアムエコノミークラス、エコノミークラスのそれぞれを表すアルファベットがあります。
これらF、C、W、Yはそれぞれのクラスのノーマル運賃をさす表記でもあります。
ノーマル運賃とは、割引のない各クラスで一番高い料金のことで、いわゆる普通運賃です。
航空券の変更や取消など、基本的にすべて無料でできる自由度の高いものですが、非常に高額です。
各予約クラス(運賃)を表すアルファベット
各座席ランクの中でも、複数のアルファベットで表される運賃タイプが存在します。
全日空と日本航空を例に、一般的なアルファベット表記をまとめてご紹介します。
【全日空(ANA)】
| 座席ランク | 予約クラス(アルファベット) |
|---|---|
| ファーストクラス | F・A |
| ビジネスクラス | J・C・D・Z・P |
| プレミアムエコノミークラス | G・E・N |
| エコノミークラス | Y・B・M・U・H・Q・V・W・S・T・L・K |
【日本航空(JAL)】
| 座席ランク | 予約クラス(アルファベット) |
|---|---|
| ファーストクラス | F・A |
| ビジネスクラス | J・C・D・I・X |
| プレミアムエコノミークラス | W・R・E |
| エコノミークラス | Y・B・H・K・M・L・V・S・O・Z・G・Q・N |
予約クラスの違いが表すこと
ご覧の通り、航空券には多くの運賃タイプがあることが分かります。
特にエコノミークラスは、運賃とそのルールが細かく設定されています。
予約クラスのアルファベットが表す違いは、主に運賃、運賃ルール、マイレージ積算の3つです。
予約クラスごとに運賃が違います。例えば全日空で、往路がL(¥50,000)、復路がS(¥60,000)の航空券の場合、その航空券は往復で¥55,000となります。
予約後の発券期限や変更料、取消料といった運賃ルールも異なります。
高い運賃のほうが自由度が高く、安い運賃になるほど変更不可や払い戻しが不可になり、ルールが厳しいです。
予約クラスによってマイレージの積算率が変わるので、マイレージをお持ちの方は注意が必要です。
さらに詳細を知りたい方は、各航空会社ホームページをご確認ください。
気になる座席ランクの値段の目安を紹介

気になる国際線の座席ランクごとの価格について、みていきましょう。
航空券の価格は、航空会社や路線、さらに予約のタイミングによっても大きく変動する時価で、一概に比較することはできません。
ここでは日系航空会社を例に、成田から北米(ロサンゼルスなど西海岸行き)の往復運賃の目安をご紹介します。
ANA(全日空)の座席ランクによる値段の目安
| 座席ランク | 料金目安 |
|---|---|
| エコノミークラス | 17万~40万円 |
| プレミアムエコノミークラス | 28万~60万円 |
| ビジネスクラス | 70万~120万円 |
| ファーストクラス | 150万~350万円 |
※航空券代金のみ(空港諸税等は除く)
国際線の長距離路線は、機内食やエンターテイメント、座席の広さなど提供サービスが多岐にわたります。
特にエコノミークラスとビジネスクラスを比較すると、実に3倍以上の価格になることが通常です。
JAL(日本航空)の座席ランクによる値段の目安
| 座席ランク | 料金目安 |
|---|---|
| エコノミークラス | 18万~40万円 |
| プレミアムエコノミークラス | 29万~60万円 |
| ビジネスクラス | 67万~130万円 |
| ファーストクラス | 150万~350万円 |
※航空券代金のみ(空港諸税等は除く)
エコノミークラスよりも座席ランクを上げたいけれど、ビジネスクラスは高すぎるという方におすすめなのが、プレミアムエコノミークラスです。
上記の価格を見ても、ビジネスクラスと比較するとリーズナブルで、手が届きやすいのではないでしょうか。
航空会社によってはプレミアムエコノミーは設置されていない場合もあるので、予約する際に確認してください。
飛行機の座席ランクを選ぶおすすめの基準は?
飛行機の座席ランクを選ぶおすすめの基準は、下記の3つです。
フライト時間で選ぶ
長時間のフライトになるほど、狭いエコノミークラスで過ごすのが辛くなります。
長距離を利用する場合は、席の広さやサービス内容を重視して、より快適な上のランクを利用するのがおすすめです。
個人差もありますが、フライト時間が8時間以上が長距離路線に該当します。
機内で睡眠をとることも増えるので、プレミアムエコノミーもしくはビジネスクラスの利用を検討しても良いでしょう。
目的地としては、北米、ヨーロッパ、中東、オセアニア、インドあたりが8時間以上の目安です。
旅の目的で選ぶ
旅の目的も、座席ランクを選択するうえで重要な点です。
ビジネス目的の出張であれば、出張費として会社で負担してもらえることもあるでしょう。
現地へ着いてすぐに仕事をする予定であれば、フライトでの疲労を少なくするために、ビジネスクラスがおすすめです。
ハネムーンなど特別な旅行へ行く場合は、思い出に残る非日常なサービスを目的にしたビジネスクラスはいかがでしょうか。
もしくは隣同士で広めの席を確保できる、プレミアムエコノミーも良いですね。
反対に、個人旅行の格安旅が目的であれば、エコノミークラスかLCC(格安航空会社)で十分かもしれません。
旅の予算で選ぶ
旅の中で最も費用がかかる項目が、航空券です。旅の予算に合わせて座席ランクを選ぶことは、とても重要になります。
前の項目で紹介した、座席ランクの値段の目安も参考にして、無理のない範囲で自分にあった座席ランクを選択してください。
エコノミークラスよりも少しだけ余裕が欲しいという方には、ビジネスクラスとの中間くらいで利用ができる、プレミアムエコノミーがおすすめです。
プレミアムエコノミーは、中距離以上の路線にしか設定されていない場合が多いので、利用予定のフライトで確認してください。
航空券をお得に手に入れる方法
航空券を実費で購入する方法以外にも、マイレージを貯めてお得に手に入れる方法があります。
マイレージを使って航空券を手に入れる方法は、下記の2つです。
マイレージだけで航空券を購入するには、多くのマイレージが必要になります。
アップグレード対象のエコノミークラス料金で航空券を購入し、プレミアムエコノミーもしくはビジネスクラスへ引き上げることができます。
アップグレードの場合は、より少ないマイレージでお得にビジネスクラスに乗れるのがメリットです。
アップグレード対象の座席は、必ず空いているとは限らないというデメリットもあります。
同じ航空会社を利用することが多い、年に何回か飛行機を利用する方は、ぜひマイレージ会員登録をしてみてください。
まとめ
飛行機の座席ランクについて、それぞれの特徴や値段を比較して解説しました。
座席ランクは料金の他にも座席シートの違いやサービスの質、無料受託できる手荷物量などさまざまな違いがあります。
どのランクを選ぼうか迷った場合は、フライト時間を目安にする方法がおすすめです。
8時間以上の長距離を行く直行便の場合、睡眠時間の確保が必要になります。
しっかり睡眠を取りたいのであれば、フルフラットシートを搭載した、ビジネスクラス以上が良いでしょう。
とはいえ、長距離になるほどビジネスクラスとエコノミーの料金差は大きくなります。それだけサービスが違うからです。
旅の予算も考慮しながら、自分にあった座席ランクで快適な空の旅をお過ごしください。
①経歴
中学2年生の時に初めてカナダのバンクーバーでホームステイを経験。もっと英語が話せるようになりたい!と思い独学で勉強を続けました。
大学で米シアトルの大学へ留学が、初めて長期間英語圏で生活をした経験です。
帰国後も留学生との交流に積極的に参加しました。
母になってからは子どもと「おうち英語」を実践して、ゆる~く普段から英語を使うように意識しています。
②資格
・英検準一級
・総合旅行業務取扱管理者
③留学経験
・ワシントン大学(米シアトル)に9か月間
④海外渡航経験
大学生の時に、NGO学生ボランティアとしてフィリピンのマニラへ
毎年長期休暇に訪れていました。
大学院の時にインターンシップでベトナム、ホーチミンに3か月滞在
卒業後、日系コンサルティング会社から再度ホーチミンに赴任。
1年ほど現地にて現地法人営業などを担当していました。
その他海外旅行で訪れたのは13ヵ国以上。
⑤自己紹介
1番好きな国は長く滞在していたベトナム、そしてフィリピンです。
東南アジアの食文化や雰囲気が大好きです。
海外渡航専門の旅行会社で手配業務を担当していることもあり、海外旅行の計画を立てることが趣味です。
興味のある分野
・海外渡航、海外移住、海外出張
・幼児教育、子育て情報
・言語教育(英語、日本語)
・訪日外国人受け入れ事業(観光・技術実習生など)