チュニジアは、地中海の太陽と古代遺跡のロマンが交差する魅力的な国です。
しかし、2011年の「ジャスミン革命」以降の政情不安や、過去に発生したテロ事件から、「チュニジアは安全に観光できるのか？」という疑問は尽きないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、最新の治安状況と、安心してチュニジアの旅を楽しむための具体的な対策を徹底解説します。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
- チュニジア観光の安全性はどうなの？
- チュニジアの治安は良いのか？
- 女性がチュニジアを旅行するときに注意したいポイント
- チュニジア旅行の感染症・衛生事情
- チュニジア観光は安全対策をすれば旅行できる
- まとめ
チュニジア観光の安全性はどうなの？
地中海の太陽と古代遺跡のロマンに溢れるチュニジアは魅力的な観光地ですが、過去の政情不安やテロ事件から治安への懸念をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
ここでは、チュニジア観光の安全性について詳しく解説します。
地域別治安レベル：テロの脅威と危険区域
チュニジアの治安状況は地域によって大きく異なります。外務省の危険情報を必ず確認し、安全なエリアを選んで観光することが大前提です。
渡航中止勧告（レベル3）エリア
アルジェリアやリビアとの国境付近、一部の山岳地帯では、テロ組織の活動リスクが高く、いかなる目的であれ立ち入りは厳禁です。
十分注意（レベル1）エリア
首都チュニスや主要な海岸沿いの都市（スース、ハンマメットなど）はこの区分です。テロの脅威は過去に比べ低下していますが、政府関連施設や観光客が多く集まる場所では、常に警戒が必要です。
旅行者が遭遇する一般犯罪と対策
主要都市や観光地では、旅行者を狙ったスリ、ひったくり、詐欺などの一般犯罪が多発しています。
・軽犯罪対策
旧市街（メディナ）や人混みでは、貴重品を分散し、バッグは身体の前に抱えるなど警戒を怠らないでください。
・詐欺行為への対応
親切を装って近づき、高額な支払いを要求する偽ガイドや、料金をぼったくるタクシーに注意が必要です。正規のガイドサービスを利用し、タクシーは乗車前に料金を確認するか、信頼できる配車アプリを利用しましょう。また、強引な勧誘には毅然とした態度で「No」と断ることが大切です。
チュニジアの治安は良いのか？
地中海に面し、古代カルタゴの歴史と砂漠のロマンが交差するチュニジアは、多くの観光客にとって魅力的な国でしょう。
しかし、治安を気にする声も少なくないのも事実です。ここでは、チュニジアの治安は良いのか？について、最新の情報をご紹介します。
治安改善への取り組みと観光地の現状
テロ事件以降、チュニジア政府は観光セクターの警備を大幅に強化しました。
主要なリゾート地やホテルの周辺、首都チュニスの主要な観光スポットでは、警察や軍による検問、パトロールが頻繁に行われており、治安維持への強い意志が見られます。
この努力の結果、近年、主要観光地における治安は安定傾向にあります。多くの旅行者は通常の注意を払えば問題なく観光を楽しめます。
旅行者が遭遇する日常的なリスク
テロの脅威が低下した一方、主要都市や観光地では、観光客を狙った一般犯罪が日常的に発生しています。
具体的には、人混みでのスリやひったくり、そして親切を装って金銭を騙し取る偽ガイドによる詐欺行為や、タクシーのぼったくりなどが多発する傾向にあります。
特に市場や旧市街（メディナ）ではこれらの犯罪発生率が高く、貴重品の管理と周囲への警戒が必要です。
女性がチュニジアを旅行するときに注意したいポイント
地中海とイスラム文化が融合するチュニジアは、女性一人旅でも魅力的な観光スポットですが、旅行を安全に楽しむためには、現地の文化や治安状況に合わせた準備と心構えが不可欠です。
ここでは、女性がチュニジアを安全に楽しむためのポイントについてご紹介していきます。
文化的な配慮：服装と振る舞いの詳細
チュニジアは北アフリカの中では世俗的な傾向がありますが、特に首都やリゾート地を離れると、イスラムの伝統が強く残っています。
この文化を尊重することが、円滑なコミュニケーションと安全に繋がります。
・服装の基本
肌の露出が多い服装（ノースリーブ、ショートパンツ、ミニスカート、胸元の開いた服など）は、無用な注目や不快な視線、トラブルの原因となるため避けるのが賢明です。
外出時は、肩、膝、胸元を覆う長袖のシャツやロングスカート、ゆったりしたパンツなど、控えめな服装を心がけましょう。
・モスク訪問時
イスラム教のモスク（寺院）を訪れる際は、肌の露出を最小限にし、髪を覆うスカーフやベールが必須となることが一般的です。入り口で借りられる場合もありますが、持参すると安心です。
・振る舞いの注意
公共の場での大声や派手な態度は避け、地元の人々の慣習を尊重した控えめな振る舞いを心がけましょう。特に地元男性との不用意な接触は避けるべきです。
女性特有のリスク
女性旅行者は、一般的なスリや詐欺に加え、痴漢、つきまとい、しつこいナンパといったセクシャルハラスメントの被害に遭う可能性があります。
・毅然とした拒否
しつこく話しかけてくる男性や、強引な勧誘に対しては、笑顔や曖昧な態度で対応せず、「No」や「La, Shukran (いいえ、結構です)」とハッキリと、強い態度で拒否することが大切です。
・夜間の移動の徹底
夜間や早朝は、人通りの多い場所でも一人歩きを避け、必ず信頼できるホテルタクシー、または信頼性の高い配車アプリを利用しましょう。
公共の交通機関や安価なタクシーでも、夜間は単独での利用を避けるのが安全です。
チュニジア旅行の感染症・衛生事情
地中海とアフリカ大陸の文化が交差するチュニジアは魅力的な国ですが、日本とは異なる衛生環境が存在します。
旅行中の健康を守るためには、飲食物を介した感染症（食中毒）への警戒と、特定の風土病に対する知識が不可欠です。
ここでは、安全にチュニジア旅行を楽しむための感染症対策や衛生事情についてみていきます。
飲食物を介した感染症：水と食事の徹底した注意
旅行者が最もかかりやすいのは、細菌やウイルスによる消化器系の感染症、いわゆる「旅の胃腸炎」です。
・飲料水の鉄則
水道水はそのまま飲まず、必ず市販のミネラルウォーター（ペットボトル） を利用してください。購入時には、キャップが未開封であるかを確認しましょう。
歯磨きの際も、うがいにはミネラルウォーターを使用することがおすすめです。
また、特に地方では、製氷に使われる水の衛生状態が保証されないため、飲み物に氷を入れない方が安全です。
・食事の注意点
加熱調理されていない食品、特に屋台の生ものや皮を剥いていないカットフルーツは避けましょう。
レストランやホテルであっても、生野菜やサラダは、洗浄に使われた水が安全でない可能性があるため、注意が必要です。
肉や魚は中心部まで十分に火が通ったものを食べ、食事の前には必ず石鹸またはアルコール消毒液で手指を洗浄しましょう。
風土病とその他感染症への警戒
チュニジアはマラリアのリスクが低い地域ですが、他の感染症には注意が必要です。
・A型肝炎
汚染された水や食品から感染する病気です。
長期滞在や、ローカルな地域での飲食機会が多い場合は、出発前のワクチン接種が最も効果的な予防策となります。
・狂犬病
野犬やノラ猫、その他の哺乳類が媒介する、発症すると致死率の高い感染症です。
野生動物には絶対不用意に触れたり、近づいたりしないでください。万が一噛まれたり、皮膚の傷口を舐められたりした場合は、すぐに傷口を洗い、ただちに現地または帰国後に医療機関を受診し、ワクチン接種を受ける必要があります。
・リーシュマニア症
特定のサシチョウバエによって媒介される感染症で、内陸部の砂漠地帯周辺で発生することがあります。
皮膚の病変や内臓に影響を与える重症型があるため、夕方から夜間にかけての虫除け対策（長袖、虫よけスプレーの使用）を徹底しましょう。
チュニジア観光は安全対策をすれば旅行できる
チュニジアは、国境付近などの危険区域を避け、適切な安全対策とリスク管理を徹底すれば、主要な観光地において快適に旅行することが可能です。
政府による観光地警備の強化も進んでおり、リスクを理解し賢く行動することが安全な旅の鍵となります。
ここでは、最後にチュニジア旅行を安全に楽しむための対策について、3つのポイントに絞ってご紹介します。
①地域別リスクの理解と危険区域の回避
チュニジアを安全に旅行する上で最も重要なのは、地域ごとのリスクレベルを正確に把握し、危険区域には絶対に立ち入らないことです。
・立ち入り厳禁エリア
外務省が渡航中止勧告（レベル3）を出しているアルジェリアやリビアとの国境付近、および一部の山岳地帯は、テロ組織の活動や地雷の危険性が極めて高く、いかなる理由があっても立ち入ってはいけません。
・警戒が必要な主要都市
首都チュニスやリゾート地（スース、ハンマメットなど）は、テロの脅威は低下していますが、政府施設や宗教施設周辺では常に警戒が必要です。
大勢の人が集まる観光地では、不審な状況を察知した場合、すぐにその場を離れる判断力も重要です。
②日常的な軽犯罪と詐欺への徹底対策
テロ以外にも、旅行者が日常的に遭遇する可能性が高いのは、観光客を狙った一般犯罪です。これらの犯罪の多くは「対策」によって防ぐことができます。
・スリ・ひったくり対策
人混み、特に旧市街（メディナ）や市場では、貴重品は分散して持ち、バッグは身体の前に抱え、ファスナーを確実に閉めましょう。無防備にスマートフォンを操作したり、高価な装飾品を身に着けたりすることは避けるべきです。
・詐欺行為への防御
親切を装って話しかけてくる偽ガイドや、相場以上の料金を請求するぼったくりタクシーに注意が必要です。正規のガイドサービスや、乗車前に料金を確認できる配車アプリを利用しましょう。強引な勧誘や不必要なサービスには、曖昧な態度を取らず、「ノー」と明確に意思表示することが肝心です。
③宿泊と移動の安全性確保
安全対策は、宿泊先と移動手段の選択から始まります。
・宿泊施設の選択
信頼性の高い国際的なホテルや、評価の高い宿泊施設を選びましょう。セキュリティ体制が整っているかを確認することが重要です。
・移動手段
夜間の単独行動は避け、特に夜間は信頼できるホテルタクシーや配車アプリを利用することが安全対策の基本です。
公共交通機関を利用する場合は、周囲への注意を怠らないようにしましょう。
まとめ
今回はチュニジアについてご紹介しましたが、いかがでしたか？
チュニジアは、テロ事件や政情不安の過去を持ちますが、現在の主要観光地は治安当局の努力により安定を取り戻し、適切な対策を講じることで十分に旅行が楽しめる国です。
事前の準備と現地での賢明な行動により、チュニジアの持つ歴史的な魅力と美しい風景を、安全かつ快適に満喫することができるでしょう。
今回ご紹介した内容を参考に、一度チュニジア観光を視野に入れてみてはいかがでしょうか？
◇経歴
国際系学部出身
◇資格
英検1級、TOEIC900点以上
◇留学経験
アメリカ・ワシントン大学に半年間留学経験あり
◇海外渡航経験
旅行と留学のみ。アメリカ、オーストラリア、シンガポール、カナダに渡航経験あり
◇自己紹介
「暗記」よりも「理解」を意識した記事作成を心がけております。海外経験がなくても、オンライン英会話を活用すれば英語は話せるようになります。私自身もそうでした。一緒に楽しみながら英語を学んでいきましょう！
