
フランス旅行を計画していて方のなかには、
と考えている方もいるでしょう。
ナンシーは“アールヌーヴォー発祥の地”として知られ、美しい建築や芸術文化が色濃く残る魅力的な街です。
美術館巡りや歴史的な旧市街散策に加え、名物スイーツ「マカロン・ド・ナンシー」などのグルメも楽しめます。
この記事では、ナンシーの基本情報や歴史的な背景を詳しく紹介します。
また、観光を満喫するために知っておきたい主要スポットや、地元のグルメにも触れているので、ぜひ参考にしてください。
フランス・ナンシーの基本情報

ナンシー(Nancy)は、フランス東部ロレーヌ地方にあるムルト=エ=モゼル県の県庁所在地です。
街の中心には、ユネスコ世界遺産に登録された「スタニスラス広場」があり、優雅なバロック様式の建築が並びます。
また、ナンシーはアール・ヌーヴォー発祥の地としても知られ、ガラス工芸や装飾芸術が盛んな街です。
ダウム、ガレ、マジョレルといった著名なアーティストの作品を、美術館や街中で鑑賞できます。
気候は温帯で、冬は寒く、夏は比較的穏やかです。
冬季には冷え込む日もありますが、春から秋にかけては過ごしやすく、観光にも最適なシーズンが多い傾向にあります。
芸術と文化が息づくナンシーは、美しい建築と落ち着いた街の雰囲気を楽しめる、フランスでも特に魅力的な都市のひとつです。
ナンシーの歴史的背景
ナンシーは、古代から現代にかけて多様な文化の影響を受けながら発展してきた、歴史ある都市です。
紀元前800年頃にはすでに人々が暮らしており、鉄鉱石が豊富で交通の要衝でもあったこの地には、小さな要塞都市「ナンシアクム」が築かれました。
中世になると、ナンシーはロレーヌ公国の中心都市として繁栄します。
12世紀には城壁で囲まれた要塞都市となり、政治や経済の中心地としての地位を確立しました。
1477年にはブルゴーニュ公シャルルが戦死した「ナンシーの戦い」が起こるなど、ヨーロッパ史の転換点となる出来事の舞台となりました。
18世紀には、ポーランド王スタニスラス・レクチンスキがナンシーを統治し、街の景観整備を推進。
彼の治世に造られた「スタニスラス広場」は、現在もナンシーを象徴する存在です。
スタニスラス公の死後、1766年にナンシーは正式にフランス領となり、以降フランス文化が深く根付いていきました。
20世紀に入ると、第二次世界大戦で被害を受けながらも戦後復興を遂げ、教育と文化の中心都市として発展を続けます。
また、ナンシーはアール・ヌーヴォー運動の拠点としても知られ、エミール・ガレやドーム兄弟など多くの芸術家が活躍しました。
彼らの作品は今も街の建築や美術館で見ることができ、ナンシーの芸術的な魅力を伝え続けています。
このように、ナンシーは古代からの歴史と豊かな文化遺産が見事に調和した、美しい芸術都市として多くの人々を魅了しています。
ナンシーまでの行き方
日本からナンシーへ行く場合は、パリ経由が一般的です。
成田や羽田からパリのシャルル・ド・ゴール空港へ飛行し、そこからTGV(高速鉄道)で約1時間半でナンシーに到着します。
また、メス・ナンシー空港を利用するルートも可能です。
パリから国内線で移動し、空港からはバスやタクシーで市内へアクセスできます。
費用を抑えたい場合は、パリから長距離バスを利用する方法もありますが、所要時間は約4時間とやや長めです。
旅行の目的やスケジュールに合わせて、最適な行き方を選びましょう。
ナンシーのおすすめ観光スポット
ナンシーを訪れるなら、街の魅力を余すところなく楽しみたいですよね。
歴史と文化が色濃く残るナンシーには、華やかな広場や美しい美術館、中世の趣を感じられる門や旧市街など、訪れる価値のあるスポットがたくさんあります。
ここでは、ナンシーを存分に満喫できるおすすめの観光スポットを4つご紹介します。
歩くだけで街の歴史やアート、文化を体感できる場所ばかりなので、ぜひ旅の参考にしてください。
1.スタニスラス広場 (Place Stanislas)
スタニスラス広場(Place Stanislas)は、ユネスコ世界遺産にも登録されている、ナンシーを代表する美しい広場です。
この広場は、ロレーヌ公でありポーランドの元国王でもあったスタニスラス・レスチンスキーの命により、1752年から1756年にかけて建設されました。
彼は義理の息子であるフランス王ルイ15世を称えるために、この壮麗な広場を設計したといわれています。
広場は縦106メートル、横124メートルの広さを誇り、バロック様式とロココ様式が見事に融合した建築が並びます。
周囲には市庁舎やオペラハウス、美術館が建ち並び、まるで絵画のような美しい景観が印象的です。
金色に輝く門や噴水、北側にそびえる凱旋門「アーク・エレ」などが、広場全体を華やかに彩っています。
中央にはスタニスラス公の像が立ち、旧市街と新市街を結ぶナンシーの象徴的な存在となっています。
また、夜には光と音のショー「ランデヴー・プラス・スタニスラス」などのイベントが開催され、昼間とは違った幻想的な姿を見せます。
芸術と歴史が調和するこの広場は、訪れる人々に深い感動を与える、ナンシー観光のハイライトです。
2.ナンシー美術館(Musée des Beaux-Arts de Nancy)
ナンシー美術館(Musée des Beaux-Arts de Nancy)は、1793年に設立された歴史ある美術館です。
ナンシー駅からはバスや徒歩で簡単にアクセスできるため、観光の合間にも立ち寄りやすいスポットです。
館内には、14世紀から21世紀までのヨーロッパの絵画が幅広く展示されており、ルーベンス、カラヴァッジョ、ドラクロワ、マネ、モネ、ピカソといった名だたるアーティストの作品も揃っています。
さらに、ナンシーならではの魅力として、ダウム(Daum)のガラス工芸コレクションも充実しており、繊細で美しい作品はフランス国内でも高く評価されています。
定期的に開催される特別展では、現代アートや歴史的テーマに基づいた展示が楽しめるのも魅力です。
なかには日本のアーティストの作品が紹介されることもあり、国内外問わず多彩なアートに触れられます。
ナンシー美術館は、その豊富なコレクションと建物の美しさから、アート好きはもちろん、初めて訪れる旅行者にとっても感動的な体験を提供してくれるスポットです。
3.ポルト・ド・ラ・クラフ(Porte de la Craffe)
ポルト・ド・ラ・クラフ(Porte de la Craffe)は、ナンシー旧市街の北端に位置する中世の城門で、街を象徴する歴史的建造物のひとつです。
起源は14世紀にさかのぼり、15世紀に現在見られる円筒形の2つの塔が増築されました。
尖った円錐形の屋根が印象的で、ゴシック建築の美しさを今に伝えています。
この門は、かつて城壁の一部として街を守る重要な役割を担っており、通行の監視や防御の拠点として使われていました。
内部は現在一般公開されていませんが、外観だけでも迫力があり、写真映えするスポットとして人気です。
また、夜には周囲の街灯に照らされて幻想的な雰囲気に包まれ、昼間とは違った表情を楽しめます。
ナンシー駅からは徒歩で約20分、または市内バスでアクセスでき、旧市街散策の途中に立ち寄るのに最適な観光スポットです。
4.ナンシーの旧市街(Ville Vieille)
ナンシーの旧市街(Ville Vieille)は、かつてロレーヌ公国の首都として栄えた歴史と風情を今に伝えるエリアです。
狭い石畳の路地や趣ある広場が点在し、歩くだけで中世ヨーロッパの雰囲気を感じられることが魅力です。
このエリアには、ロレーヌ公宮殿やサン・エヴル教会など、歴史的建造物が数多く残っています。
特にサン・エヴル教会は、光を受けて輝く美しいステンドグラスで知られています。
また、14世紀に築かれたナンシー最古の城門「ポルト・ド・ラ・クラフ」も見どころのひとつです。
通りには個性的なショップやカフェ、レストランが立ち並び、昼は落ち着いた雰囲気、夜は活気に満ちた表情を見せます。
特に人気の「グランド・リュ(Grande Rue)」は、ショッピングや食事を楽しむのにぴったりの通りです。
マルシェ(市場)では、地元の特産品やスイーツを味わうこともできます。
ナンシーならではの名物・グルメ
ナンシーは美食の街としても知られ、地元ならではの名物やグルメが楽しめます。
特におすすめの料理やスイーツは以下の通りです。
・キッシュ・ロレーヌクリーミーな卵とベーコンを使ったパイ。
サクサクの生地と濃厚なフィリングが絶妙で、地元で味わうと格別です。
・マカロン・ド・ナンシー
平べったくひび割れた外見が特徴のナンシー特有のマカロン。
香ばしいアーモンドの風味が楽しめ、「メゾン・デ・スール・マカロン」で購入可能です。
・ベルガモットキャンディ
1857年に誕生したナンシー名物のキャンディ。
ベルガモットの香りが高く、甘さと酸味のバランスが絶妙です。
・ミラベル
ロレーヌ地方特産の甘酸っぱい果実。
デザートやジャムに使われ、ナンシーならではの味覚を楽しめます。
・ナンシー風ココット入り卵
地元の特産品を使ったクリーミーで風味豊かな料理。
ナンシーの味覚を存分に感じられる一品です。
ナンシーを訪れた際は、ぜひこれらの名物料理やスイーツを地元のレストランやカフェで味わってみてください。
ナンシー観光のポイント・注意点
ナンシーを観光する際には、魅力を存分に楽しむためのポイントと、事前に知っておきたい注意点がいくつかあります。
ナンシーは比較的治安が良いものの、夜間や人混みの多い場所では貴重品の管理に気をつけましょう。
また、観光中にバスやトラムなどの公共交通機関を利用する場合は、運行時間を事前に確認しておくと安心です。
美術館や観光施設の多くは月曜日や火曜日に休館することがあるため、訪問前に開館日をチェックすることをおすすめします。
さらに、冬は寒く雨が多い季節もあるため、天候に合わせた服装を準備しておくと快適に観光できます。
これらのポイントと注意点を押さえておくことで、ナンシーでの滞在をより充実したものにできるでしょう。
まとめ
ナンシーは、歴史と芸術、文化が見事に融合した魅力あふれる都市です。
スタニスラス広場やナンシー美術館、ポルト・ド・ラ・クラフ、旧市街など、街歩きだけでも中世の趣やアール・ヌーヴォーの美しい建築を存分に楽しめます。
また、キッシュ・ロレーヌやマカロン・ド・ナンシー、ベルガモットキャンディといった名物グルメも、訪問の楽しみをさらに広げてくれます。
観光を快適に楽しむためには、治安や交通手段、施設の開館日、天候などのポイントを事前にチェックすることが大切です。
旅行前には英会話の準備もおすすめです。
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ナンシーの美しい景観と文化、グルメを体験し、フランス旅行の思い出をさらに豊かにしてください。
◇経歴
・アメリカLAにてアパレル勤務
・英会話スクールに10年ほど勤務
◇留学経験
アメリカのLAのコミュニティカレッジに入学・卒業。
OPT VISAを取得し、LAのアパレル会社に1年間勤務。
次なる目標は、娘との親子留学。
◇海外渡航経験
留学:アメリカのLAに4年間留学
海外旅行:ドイツ・フランス・スイス・メキシコ・イタリア・グアムなど
◇自己紹介
英語関連の記事を中心に執筆するWebライター。中学生で日本を出ることを決意し、高校卒業後に渡米。アメリカではさまざまな国の学生と、濃い海外生活を送る。現在は関東の田舎でのんびり生活。今後の目標は、娘との親子留学と夫婦でのクルーズ旅行。