
スペインといえば、世界遺産がたくさんあることで知られる、見どころ盛りだくさんの国です。世界遺産について言えば、建築や美術、自然など、さまざまなジャンルの遺産が登録されています。
たとえばガウディの傑作で溢れるバルセロナや、アンダルシア地方のイスラム文化を感じる建築物。そしてヨーロッパお馴染みの歴史ある古都まで、すべて制覇しようと思うと、時間が足りないでしょう。
この記事では、スペインの世界遺産をエリア別にわかりやすくご紹介します。スペインで世界遺産を見たい人は、ぜひこちらを参考にプランニングしてくださいね。
- スペインは“世界遺産大国”!登録数とジャンルの特徴
- 【バルセロナ】ガウディ建築群|サグラダ・ファミリアを中心に巡る
- 【アンダルシア】イスラムとキリスト教が融合する歴史的世界遺産
- 【中部スペイン】古都トレド&セゴビアで時代を旅する
- 【北部スペイン】自然×歴史の世界遺産も見逃せない
- 世界遺産を旅の目的地に!効率よく回るためのヒント
- まとめ
スペインは“世界遺産大国”!登録数とジャンルの特徴
スペインは非常に世界遺産が多い国のひとつで、観光には事欠かない土地です。まずはスペインの世界遺産の数や傾向を簡単にご紹介します。
スペインの世界遺産登録数と内訳
スペインは2025年10月時点で、ユネスコ世界遺産の登録数が50件となっています。数だけ聞くと、それがどのくらいすごいかわからないかもしれませんが、この数は世界第5位となっています。
日本が合計26件で11位なので、スペインはその倍の世界遺産を有していることになります。
スペインの世界遺産は、文化遺産が44件と最も多く、その歴史の濃さや深さがうかがえます。しかし、その他にも4件の自然遺産、2件の複合遺産を有しており、バリュエーションも豊富です。
こちらのデータは2025年10月時点のものですが、登録数は年々増加しているため、今後もスペインの世界遺産登録数は続々と増えていくことでしょう。
スペインの世界遺産の特徴
前述のとおり、スペインの世界遺産は圧倒的に文化遺産が多いです。
地域によりその雰囲気や傾向は異なりますが、たとえばバルセロナはガウディの傑作が世界遺産に登録されています。
また、グラナダならイスラム教を感じる建築物が楽しめ、またスペイン各地に旧市街・古都が点在しています。ヨーロッパではよくある大聖堂や修道院もたくさん世界遺産に登録されています。
エリアによって、抱えて来た歴史が異なるのを感じられるのが、スペインの世界遺産の特徴と言えるでしょう。
旅人にとっての魅力
スペインの世界遺産は、そのほとんどが今も人が暮らす街の中にあるのが魅力です。世界遺産として特別に保存されているというより、日常の風景としてそこにある感じなので、街歩きをしながら世界遺産を楽しめるところが多いです。
たとえばバルセロナでは、ガウディ建築が街の一部になっています。バルセロナに住んでいたら、日常的に目にすることになるでしょう。グラナダなら、歩いているだけで、「ここはスペイン?」と思ってしまいそうなほど、イスラム文化の雰囲気に浸れます。
また、トレドやセゴビアでは、中世の街並みがそのまま残っており、まるでタイムスリップをしたような気分になれますが、やはりそこでも普通に人が暮らしています。
自分の興味に合わせて、芸術や歴史、宗教、自然など、行く場所を選べるのも、スペインの世界遺産の特徴です。そのすべてを網羅するのは難しいですが、旅のテーマを決めて巡れば、充実した旅行となるでしょう。
【バルセロナ】ガウディ建築群|サグラダ・ファミリアを中心に巡る
ではここからは、エリア別にスペインの世界遺産とその巡り方についてご説明していきます。まずは、サグラダ・ファミリアをはじめとしたガウディの建築群で知られるバルセロナについてみていきましょう。
代表的なガウディ建築
バルセロナには、アントニ・ガウディが手がけた建築が点在しており、その多くが世界遺産に登録されています。
中でも有名なのは、サグラダ・ファミリア。1882年に着工され、今だに未完なこの建築物は、バルセロナのシンボルとも言えるでしょう。
そのほかにも、波打つ外観が印象的なカサ・ミラや、カラフルなカサ・バトリョ、自然と芸術が融合するグエル公園など、見逃せないスポットがたくさんあります。
芸術や建築物に興味がある人なら、バルセロナの世界遺産は外せないでしょう。
世界遺産の見どころ
サグラダ・ファミリアは外から見ても荘厳ですが、ゆっくり時間が取れるなら、内部の見学もおすすめです。ステンドグラスから差し込む光が美しく、その幻想的な光景にうっとりしてしまうでしょう。
グエル公園では、バルセロナの街を一望できるテラスへ。世界遺産を楽しみながら、リラックスできる場所なので、観光中の休憩にもおすすめです。
カサ・バトリョは夜のライトアップが必見。昼と夜でまったく別の顔を見せる光景を楽しみましょう。ちなみに時期によっては、ナイトツアーも行われています。
バルセロナの巡り方
代表的なガウディ建築は、地下鉄やバスで簡単にアクセスできるので、網羅するのもそう難しくはありません。
まずは、絶対に見逃せないサグラダ・ファミリアを午前中に見学して、午後からゆっくりグエル公園やカサ・ミラ
を巡るのが良いのではないでしょうか。バルセロナは観光客が多く、人気スポットはどこも混み合いやすいので、絶対に見たいスポットは事前予約をしておくと安心です。
世界遺産だけではなく、バルセロナはカフェやビーチも楽しい街ですから、ガウディ建築を楽しみつつ、まるで現地の人になった気分で街を歩いてみましょう。
【アンダルシア】イスラムとキリスト教が融合する歴史的世界遺産

南スペイン・アンダルシア地方は、かつてイスラム王朝が栄えた地域です。そのため、イスラムを感じさせる雰囲気と、ヨーロッパの雰囲気が混じりあっていて、その不思議な街並みにうっとりしてしまうことでしょう。
グラナダ:アルハンブラ宮殿
まずご紹介するのは、グラナダのアルハンブラ宮殿。アルハンブラとは「赤い城」という意味だそうで、その名のとおり、少し赤っぽい土でできているのが特徴です。
イスラムを感じる繊細な装飾や幾何学模様が美しく、どこを歩いてもフォトジェニックな様子が続いています。また、丘の上から街を見下ろすロケーションも綺麗です。
かなり人気のスポットですから、訪れる際には予約をしていきましょう。
コルドバ:メスキータ
コルドバのメスキータは、かつてモスクとして建てられ、のちにカテドラルへと改修されたという、イスラム教とキリスト教の要素が共存する大聖堂です。
赤白ストライプのアーチが並ぶ光景は、写真などで見たことがある人もいるでしょう。イスラム教からキリスト教へと流れた歴史をさまざまと感じさせられる世界遺産です。
セビリア:大聖堂とヒラルダ
セビリアの大聖堂は世界で3番目に大きい大聖堂。ですが他の大聖堂とは少し異なり、モスクの跡地に建てられたゴシック聖堂で、こちらもイスラム教との交わりを感じ、文化遺産として高く評価されています。
隣接するヒラルダの塔からは、セビリアの独特な白い街並みを一望できます。
アンダルシアの巡り方
ここでご紹介した3都市はいずれも鉄道でつながっているため、行き来は容易です。どこかを拠点にして巡るのも良いですし、全都市に1〜2泊ずつぐらいして巡るのもいいですね。
どの都市も夜のライトアップが素敵ですから、夜の風景が見たい場合は、全都市に泊まるのがおすすめです。
【中部スペイン】古都トレド&セゴビアで時代を旅する
中部スペインの世界遺産であるトレドとセゴビアは、マドリードから日帰りで行ける場所に位置します。まるで過去にタイムスリップしたような気分になれるその街並みは、たくさんの観光客を魅了しています。
トレド:スペイン屈指の古都
スペインの世界遺産の中でも非常に人気の高いトレドは、歴史的にキリスト教、イスラム教、ユダヤ教が栄えた街で、ヨーロッパ最大級の史跡遺産です。
他では見ることのできない独特の街並みの中に、たくさんの見どころが点在しており、丘の上から望む旧市街の眺めには息を呑んでしまうでしょう。
セゴビア:旧市街とローマ水道橋
セゴビアでは、巨大なローマ水道橋が街のシンボルとなっています。映画のセットかとも思うほどの、その荘厳かつ歴史を感じさせる街並みは、まるで街全体が美術館のようですね。
アクセス
マドリードからトレドへは高速鉄道で約30分、セゴビアへは約1時間と、どちらもマドリードからの日帰り旅行が容易です。ですが、夜景を楽しみたいなら、泊まるか、日が落ちるのが早い冬に訪れるのが良いでしょう。
【北部スペイン】自然×歴史の世界遺産も見逃せない
北部スペインは、スペインの中でも観光客がやや少なめ。しかし、自然と信仰が結びついた独特の雰囲気があり、自然が好きな人や、スペインに行くのが2回目以降という人におすすめです。
サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路
中世から続くキリスト教の聖地であるサンティアゴ・デ・コンポステーラまでの巡礼路が、世界遺産に登録されています。
全行程を歩くのは、時間も体力も必要ですが、一部区間だけを体験するプチ巡礼が観光客から人気です。
ピレネー山脈のオルデサ渓谷
こちらはスペインの世界遺産の中では少数派である自然遺産。
フランス国境に近い場所に位置する自然公園で、ハイキングにぴったりです。雄大な自然を楽しみながら、山登りをしたいなんて人なら、かなり楽しめるでしょう。
世界遺産を旅の目的地に!効率よく回るためのヒント
ここまでご紹介したとおり、スペインは世界遺産のある見どころが点在しています。そのため、限られた日程で出来るだけ多くの世界遺産を楽しむためには、プランニングが大事。
ここでは世界遺産を効率よく巡れるルートや、スペイン国内の移動についてご説明します。
世界遺産を巡るルート例
定番なのは、バルセロナとマドリードを拠点に、バルセロナの世界遺産とトレドやセゴビアを巡るルート。
飛行機によっては、バルセロナから入ってマドリードから抜けるチケットがありますから、それを使えば効率的に巡れます。
日程の関係でトレドかセゴビアどちらかを選ぶなら、トレドがおすすめです。
イスラム教の雰囲気や、スペインにイスラム王朝があったという歴史を感じたいなら、コルドバ・グラナダ・セビリアを巡るルートがおすすめ。
この3都市を巡るだけでも、最低1週間は必要です。
自然を楽しむなら、北部でプチ巡礼をしつつ、ビルバオからピレネー山脈へ。ですがこちらのルートは、すでに何度かスペインに行ったことがある人や、巡礼をしたい人、自然がとても大好きな人におすすめのルートです。
2週間程度時間があるなら、バルセロナ・マドリード・アンダルシア地方というルートも可能。たくさん見どころのあるスペインですから、じっくり観光するのも良いですね。
スペイン国内の移動
都市間の移動は高速鉄道AVEがとても便利です。チケットはオンライン購入ができます。これを使えば、短期間でも効率よくたくさんの世界遺産を堪能できるでしょう。
時間があるコスパ重視派には、鉄道よりずっと安いバスがおすすめです。都市同士が近い場合、バスでもそう時間はかかりませんから、高速鉄道と組み合わせて使うのも良いでしょう。
まとめ
スペインは世界遺産が多数あるだけではなく、観光スポットにも事欠かず、さらには食文化も楽しめるとても魅力的な国です。世界遺産を目当てに訪れる場合でも、さまざまな側面から楽しめるでしょう。
次回の海外旅行には、ぜひスペインの世界遺産巡りを検討してみてくださいね。
◇経歴
・英日翻訳および翻訳校正
・Webライター(ジャンル:英語・留学・旅行など)
・英会話講師
・カスタマーサポート/コールセンター(イギリスおよび日本・英語使用)
・カフェ店員(イギリス)
◇資格
TOEIC935点
英検準1級
ケンブリッジ英検FCE合格
◇留学経験
・イギリス:約10ヶ月(ロンドン内語学学校)
・グアテマラ:約3ヶ月(アンティグア内語学学校)
◇海外渡航経験
・イギリス:合計5年弱(内1年10ヶ月ワーホリ)
・グアテマラ:合計9ヶ月
合計50カ国に渡航歴あり
◇自己紹介
国内外で翻訳者兼Webライターとしてフリーランスをしています。これまで手がけた記事は1万記事以上。翻訳経験は通算7年位になります。
21歳の頃語学留学で渡英し、その後ワーホリビザ等を取得し、数年ロンドンで働いていました。
グアテマラへのスペイン語留学経験もあります。