
永遠の都ローマを訪れる観光客にとって、
トレビの泉は絶対に見逃せない名所の一つです。
この美しい噴水は、単なる観光スポットを超えて、ローマの歴史と文化を象徴する存在として世界中の旅行者を魅了し続けています。
映画の舞台としても有名なこの場所では、多くの人々がコインを投げて願いを込める光景が日常的に見られます。
トレビの泉とは?

トレビの泉(イタリア語:Fontana di Trevi)は、ローマ市内中央部に位置する世界最大級のバロック様式の噴水です。
この壮大な建築物は、ポーリ宮殿の壁面と一体化した設計となっており、高さ約26メートル、幅約50メートルの圧倒的なスケールを誇ります。
泉の名前「トレビ」は、古代ローマ時代の水道システム「アクア・ヴィルゴ」が3つの道(tre vie)から流れ込んでいたことに由来するとされています。
現在でも古代から続く水道からの新鮮な水が流れており、ローマの都市機能と美術が融合した傑作として知られています。
建築の特徴
トレビの泉の中央には、川や海、湖を司る海神ネプトゥーヌス(ポセイドン)が祀られています。
その左には、ギリシア神話の海の神トリトン、右側には健康の女神サルースが建てられています。サルースは薬や水を入れる盃と、1匹の蛇を従えています。
筆者が実際に現地を訪れた感想では、彫刻が想像以上に大きく、壮観な景色でした。
トレビの泉へのアクセス
ローマの中心地に位置するトレビの泉へのアクセスは、それほど難しくありません。
ローマの公共交通機関を利用すれば、市内の主要な観光地からスムーズに移動できます。
スパーニャ駅からはスペイン広場を経由するルートもあり、複数の名所を効率よく回ることができます。
バスでのアクセス
バスを利用する場合は、52番、53番、62番、63番、71番、80番、85番などの路線が便利です。
「Tritone」停留所で下車すれば、そこから歩いて数分でトレビの泉に到着します。ローマ市内を巡る観光バスツアーでも必ず訪問する場所として組み込まれており、ガイド付きで詳しい説明を聞きながら見学することも可能です。
徒歩での散策ルート
ローマ中心部の他の観光スポットから徒歩でアクセスする旅行者も多く見られます。
パンテオンからは徒歩約15分、スペイン広場からは徒歩約10分ほどの距離にあり、石畳の美しい通りを歩きながら到着できます。
途中にはカフェやレストラン、お土産店も点在しており、ローマの街歩きを満喫できるでしょう。
おすすめの時間帯
トレビの泉は、ローマの中で最も混雑する観光スポットの1つです。
それ以外の時間帯では、かなりの混雑が予想され、日中では前に進むのも難しいほどの行列となることもあります。
筆者が訪れたのは、朝6時半ごろでしたが、既に写真を撮るのに列ができているほど混雑していました。
TikTokには、真夜中3時ごろまで混雑し、午前4時から5時の間一瞬混雑がなくなるといった動画が投稿されていました。このような時間帯は治安にも気をつける必要がありますが、少なくともゆっくり観光したい方は、人混みを避けた時間に訪れるのがオススメです。
周辺の観光スポット
トレビの泉だけではなく、周辺にある観光地も併せて調べておきましょう。
徒歩圏内には古代ローマ時代の神殿であるパンテオンがあり、その見事な建築技術に驚かされることでしょう。
また、高級ブティックが立ち並ぶコンドッティ通りでのショッピングも楽しめます。
さらに、バロック様式の美しい聖堂や歴史ある広場なども点在しており、ローマの街並みを存分に堪能できる絶好のロケーションとなっています。
現地のガイドブックや日本語の情報サイトでも、これらのスポットを効率的に回るルートが紹介されているため、事前に計画を立てておくと良いでしょう。
トレビの泉が歩んできた長い歴史
現在の場所には紀元前19年に建設された「アクア・ヴィルゴ」という水道の終点があり、ローマ市民の貴重な水源として機能していました。
この古代の水道システムは現在でも稼働しており、トレビの泉に絶え間なく水を流し続けています。
中世から近世にかけて、この場所には簡素な泉が存在していましたが、現在見ることができる壮麗な噴水が完成したのは18世紀のことです。1732年にクレメンス12世の命により建築家ニコラ・サルヴィが設計を担当し、30年の歳月をかけて1762年に完成しました。
建設時代の背景
18世紀のローマは、バロック芸術が花開いた時代でした。
教皇庁は都市の美化に力を入れており、トレビの泉はその中の一つとして建設されました。当時の建築家や彫刻家たちは、古代ローマの偉大さを讃えつつ、キリスト教的な価値観も表現した作品を数多く生み出しています。
工事期間中は度々資金不足に悩まされましたが、市民からの寄付や教皇庁の支援により、最終的に完成を見ることができました。完成当時から現在まで、多くの修復工事が行われており、2015年には大規模な修復プロジェクトが実施されました。
泉にまつわる逸話・伝説
トレビの泉には数多くの伝説や逸話が語り継がれており、それらの物語が観光客の興味を引きつける要因の一つとなっています。
この伝説は映画「ローマの休日」で広く知られるようになりましたが、実際にはそれ以前から存在していた民間伝承です。18世紀頃から旅行者の間で語られていたと言われているそうです。
映画との関係
1954年の映画「ローマの休日」では、オードリー・ヘプバーンとグレゴリー・ペックが泉を訪れるシーンが撮影され、世界中にトレビの泉の美しさが伝えられました。
また、1960年の映画「甘い生活」(ラ・ドルチェ・ヴィータ)では、アニタ・エクバーグが泉に入って踊るシーンが話題となり、トレビの泉は映画の聖地としても知られるようになりました。
これらの映画の影響により、トレビの泉は恋愛を象徴する場所としてのイメージも定着し、現在でも多くのカップルが訪れる人気スポットとなっています。
トレビの泉の見どころ
トレビの泉の最大の見どころは、何といっても圧倒的な彫刻群の迫力です。
ポーリ宮殿と一体化した建築デザインも見逃せません。宮殿の壁面に刻まれた彫刻や装飾は、噴水と調和して一つの巨大な芸術作品を形成しています。特に夕方から夜にかけてのライトアップされた姿は息をのむ美しさです。
水の流れと音響効果
トレビの泉では、水の流れ方にも工夫が凝らされています。
複数の段差を利用して水が流れ落ちる設計により、心を癒す美しい水の音が周囲に響きます。この音響効果は、都市の喧騒の中にあっても訪問者に癒しをもたらしてくれます。
筆者が訪問した際も、駅を降りてしばらく歩くと、少し離れた場所からも泉の水の流れの音が聞こえてきました。
また、泉の水は透明度が高く、水底に投げ込まれたコインがきらめく様子も美しい光景の一つです。日中の太陽光や夜間のライトアップにより、水面に映る建築物の反射も楽しむことができます。
撮影スポットとベストタイム
写真撮影を楽しむ観光客にとって、トレビの泉はマストで外せない観光地です。
最も美しい写真が撮れるのは、早朝または夕方の時間帯です。
朝の時間帯は観光客が比較的少なく、落ち着いた雰囲気の中で撮影できます。夕方から夜にかけては、ライトアップされた幻想的な姿を収めることができ、特にカップルや家族連れに人気の時間帯となっています。
撮影の際は、泉の正面だけでなく、様々な角度から建築の美しさを捉えることをおすすめします。また、混雑時には他の旅行者への配慮も忘れずに行いましょう。
投げる数によって願いが異なる?禁止の噂は?トレビの泉のコイン投げ
トレビの泉で最も有名な体験といえば、コイン投げです。
投げるコインの枚数によって、違う願いが叶うという言い伝えもあります。
ここ数年、トレビの泉でコイン投げが禁止されているという噂がインターネット上で流れています。しかし、これは事実ではなく、2025年現在もコイン投げは正式に許可されています。
2025年9月に訪れた筆者も無事コイン投げをしてきました。
コイン投げのマナーと注意点
コイン投げを行う際は、他の観光客の迷惑にならないよう配慮しましょう。
強引な割り込みはせず、順番を守って行動することが求められます。また、投げるのはコインのみとし、その他の物を投げ入れることは禁止されています。
また、トレビの泉にはどの時間帯でも多くの観光客が訪れます。
圧倒的な景色に見惚れる事は仕方ありませんが、チャック付きのカバンを持参するなど、スリ対策には充分気をつけましょう。
泉に集まったコインは定期的に回収され、ローマ市の慈善団体「カリタス」に寄付されています。年間で約150万ユーロ(約2億円)もの金額が集まり、恵まれない人々のための食料や医療支援に活用されています。
コイン回収の実情
コインの回収作業は通常、早朝に行われます。
専門のスタッフが特殊な道具を使用して慎重に作業を進めており、この様子を見学できることもあります。回収されたコインは種類別に分類され、適切に処理された後、慈善事業に役立てられています。
まとめ
トレビの泉は、ローマを代表する観光名所として世界中の旅行者に愛され続けています。
古代ローマ時代から現在まで続く長い歴史、美しいバロック建築、そして数々の伝説や映画との関わりなど、この場所には多くの魅力が詰まっています。コイン投げの伝統は今後も受け継がれていくことでしょう。
イタリア旅行の際は、ぜひこの素晴らしい噴水を訪れ、その壮大な美しさを実際に体感してみてください。
◇経歴
海外営業の仕事を2年間経験
◇資格
TOEIC850点
◇留学経験
経験なし
◇海外渡航経験
旅行でスペインなど4カ国
◇自己紹介
海外旅行、英語でいろんな人とコミニケーションを取るのが好きです。英語に関連した面白いと思ってもらえる記事を書いていきますので、よろしくお願いします!