
この記事では、これから旅行や移住、ビジネスでタイを訪れる方に向けて、
タイの物価を徹底解説します。
食費や交通費をはじめとした旅行計画の予算プランに役立つ情報から、光熱費や家賃など実際の生活コストの見通しに役立つ情報まで紹介します。
数年前と比較して物価が上昇したと言われているタイ。
筆者の在住経験をもとに、現地での物価について日本円に換算して解説します。
タイの通貨に関する概要
このセクションでは、タイの通貨「タイバーツ」について、通貨の概要、そして日本円からタイバーツへの両替のコツについて紹介します。
タイバーツの紙幣とコイン
タイではクレジットカードが使えるお店もありますがその多くは最低金額が決まっていたり、現金のみしか使えないお店 *も多いです。
例えば、街中どこにでもあるセブンイレブンではクレジットカード利用時の最低金額は200バーツ(≒920円)です。
タイ旅行またはタイ生活を送る上では現金を持ち歩く必要があります。
* タイの銀行口座があれば、口座と紐づいたキャッシュレス決済を行うことが可能
タイ通貨は日本円と同じく、紙幣と硬貨があります。
紙幣は5種類、硬貨は5種類あります。
特に紙幣について、日本の紙幣は色が同じですが、タイバーツでは、1,000バーツ(オレンジ色)、500バーツ(紫色)、100バーツ(赤色)、50バーツ(水色)、20バーツ(緑色)、と色が分かれており、一度色に慣れてしまえばとても扱いやすい紙幣です。
日本円からタイバーツへの両替のコツ
日本円からタイバーツへの両替は一般的に日本国内で行うよりも、タイに到着後に行う方がお得に両替することができます。
また、観光で訪れる場合、クレジットカードによっては、キャッシングをした方が手数料も含めてお得な場合があります。
ほとんどの銀行ATMが海外クレジットカード対応をしています。
ATMは、VISAやMasterCardのロゴがあるものを探しましょう。
円安・為替がタイの物価に与える影響
日本人がタイに旅行に行った際に「タイの物価が上がったな」と感じる要因は2つあります。
ひとつは、近年、毎日のようにニュースになっている円安の影響により、タイバーツに対する日本円の価値が上昇(タイバーツ高)していること。
もうひとつがタイでは国の発展に伴う経済成長に伴い、物価上昇が続いており、タイでの物価自体が上がっていることです。
こうした状況により、10年ほど前までは1バーツ≒2.9円ほどだったレートが、現在は1バーツ≒4.6円ほどまでに上昇しています。
例えばバンコクではミネラルウォーター1本が7バーツで売られているので、単純計算でも20.3円から32.3円となり、日本円に対しては約1.6倍ほど値段が上がっています。
バンコクと地方都市の物価の違い
首都であり、バンコクと比較すると、地方都市では物価上昇は比較的緩やかです。
バンコク市内や人気観光地のある地方都市はタイの中でも最も多くの外国資本や外国人観光客が訪れる地域であるため、バンコク市内>リゾート地や観光地(プーケットやパタヤ)>地方都市(チェンマイやカンチャナブリ)>農村エリア(観光客がほとんど訪れない)、の順で物価が高くなります。
【カテゴリ別】タイの物価
このセクションでは、最も多くの人が目的地とするバンコクを基準に、各サービスを利用したり買い物をしたりするときの目安の価格を解説します。
食費
食費に関しては「料理」と「営業形態」によって大きく異なります。
例えば、日本食レストランや観光客向け飲食店を選べば、日本国内で飲食するよりも割高になります。
一方、現地のタイ人が主に利用するローカルな屋台で食事を楽しめば、日本では考えられないほどお手頃な価格でタイ料理が楽しめます。
【表:レストランの種類ごとの費用の目安】
| 食事場所 | 目安の費用 | 日本円(1THB≒¥4.6) |
| 観光客向けレストラン(リバーサイドなど) | 400バーツ以上 | 1,840円以上 |
| タイ料理レストラン | 130~250バーツ | 598~1,150円以上 |
| 日本食レストラン | 250~400バーツ | 1,150~1,840円 |
| フードコート | 70~100バーツ | 322~460円 |
| ローカルの屋台 | 40~60バーツ | 184~276円 |
| 大学の学食 | 35~70バーツ | 161~322円 |
▶予算を抑えたいけど、屋台のご飯の衛生面が気になる…という方には、ショッピングモールに入っているフードコートを利用してみましょう。
フードコート利用で節約もしながら、滞在中数日は高級レストランで食事を楽しむ、なんていうのもおすすめです。
また現地の大学の学食潜入も一味違う旅の思い出にもなります。
交通費
公共交通機関である電車やバス、タクシーはとても安いです。
一方、バンコクから郊外に出ると途端に公共交通が少なくなり、移動するには車をチャーターする必要が出てきます。
著者がバンコクで生活していた時の1か月の交通費は約2,600バーツ(≒11,960円)です。
毎日バンコク市内を電車またはタクシーで移動していましたが、日本で生活している場合と比較してかなり安く済んでいます。
【表:交通費の目安】
| 交通手段 | 目安の費用 | 日本円(1THB≒¥4.6) |
| 電車(1駅分) | 16バーツ | 73.6円 |
| バス(エアコン付か否かで料金が異なる) | 8~20バーツ | 36.8~92円 |
| タクシー(初乗り) | 40バーツ | 184円 |
▶タイ国内で必要になる交通費はそれほど大きくありません。
そのため、交通費を抑えたいのであれば、日本からバンコクへ向かう航空券を工夫しましょう。
渡航時期と航空会社の種類によって大幅に異なります。
また、観光でバンコク以外の郊外を訪れるならツアーを予約した方がお得な場合もあるので一度旅行サイトを見てみましょう。
宿泊費
宿泊費は、ホテルのグレードによって大きく異なりますが、基本的には日本国内と比較するとかなり安価で宿泊することができます。
例えば、私はちょうど半年前に、駅から徒歩8分、プール付きのホテルに当日予約し、宿泊しましたが料金は1万円弱でした。
【表:宿泊費の目安】
| 交通手段 | 目安の費用 | 日本円(1THB≒¥4.6) |
| ラグジュアリーホテル・リゾートホテル | 10,000~15,000バーツ | 46,000~69,000円 |
| スタンダードホテル | 2,000~3,000バーツ | 9,200~13,800円 |
| ゲストハウス | 700~800バーツ | 3,220~3,680円 |
▶安価なホテルを選ぶ際には「公共交通機関からどのくらい離れているか」「歩道でアクセスできるか」をマップで事前に確認するようにしましょう。
駅から離れすぎていると、治安がよくなかったり野良犬が歩いていることもあります。
また、スーツケースを抱えてタイのでこぼこの道を歩くのはとても大変です。
家賃
バンコクでは様々な形態の住宅があり、家賃の価格帯はさまざまです。
ここでは一般的に日本人が選択するコンドミニアム(日本で言うタワーマンションの位置づけにあり、厳重なセキュリティ、ジムやプールがついているのが特徴です)について解説します。
物件のサイズや場所によっても異なりますが、駅近で便利な場所であるほど家賃は高くなり、東京とあまり変わらないこともあります。
【表:1か月の家賃の目安(日本人人気エリアスクンビットエリアの場合)】
| 住宅の種類 | 目安の費用 | 日本円(1THB≒¥4.6) |
| コンドミニアム(スタジオ) | 17,000~23,000バーツ | 78,2000~105,800円 |
| コンドミニアム(1ベッドルーム) | 25,000~30,000バーツ | 115,000~138,000円 |
| コンドミニアム(2ベッドルーム) | 38,000~45,000バーツ | 174,800~207,000円 |
| アパート | 7,000バーツ | 32,200円 |
▶ホテルと同様に価格だけで物件を探すと、駅からかなり遠く毎回駅までバイクタクシーやタクシーを使う必要も出てきます。
またほとんどの物件には家具がついていますが、家具を一から揃えなくてはいけない物件もあります。
結果的にコストがかさむ場合もあるので、これらにも注意しながら物件選びをしましょう。
光熱費
タイでの光熱費を左右するのは「エアコンをどの程度利用するか」にかかっているといっても過言ではありません。
一方、水道代はとても安いのが特徴です。
タイの光熱費は行政が設定する価格とコンドミニアムなどビルのオーナーが設定する価格があり、アパートでは比較的安価に、コンドミニアムではこの価格が高くなる傾向にあります。
【表:水道代と電気代の目安】
| 光熱費 | 目安の費用 | 日本円(1THB≒¥4.6) |
| 水道代 | 100バーツ | 460円 |
| 電気代(アパートの場合) | 350~500バーツ | 1,610~2,300円 |
| 電気代(コンドミニアムの場合) | 1,000~2,000バーツ | 4,600~9,200円 |
※価格は筆者がバンコクで暮らしていた時に実際にかかった価格を参考にしています。
▶出費を抑えるには日本と同じように、エアコンの設定温度や使用時間を工夫するようにしましょう。
観光・レクリエーション費
観光スポットやタイならではの体験にかかる費用は日本の観光地での体験費用と大きく変わりません。
特にタイでは多くの場所で外国人料金の設定があり現地の人の物価ではなく、インバウンドの物価に合わせて料金設定がされています。
【表:観光にかかるの目安】
| 目的地・サービス | 目安の費用 | 日本円(1THB≒¥4.6) |
| 寺院入場料(外国人料金) | 500バーツ | 2,300円 |
| 博物館入場料 | 200バーツ | 920円 |
| ローカルショップでのマッサージ(チップ込み) | 350~450バーツ | 1,610~2,070円 |
| ラグジュアリースパでのマッサージ(チップ込み) | 3,000バーツ | 13,800円 |
▶出費を抑えるには有名観光地のみを周るのではなく、バンコクの街並みそのものを楽しむ街歩きや現地の人の生活が味わえるローカルなマーケットを訪れるのもおすすめです。
まとめ
今回の記事では、タイバーツの基本情報から、タイで旅行・生活する際にかかる費用について実際の物価をもとに詳しく解説しました。
「物価が東京と近くなってきた」と言われるタイですが、うまく工夫することで、日本で生活するよりもかなり低コストで生活することが可能です。
ローカルの生活も楽しみつつ、時には贅沢な体験をするなど、メリハリをつけることでタイの様々な魅力を体験することができますよ!
①経歴
日本の公立中高を卒業後、理系の大学に進学。
現在は、タイの大学院に留学しています。
②資格
・TOEIC 805点
・IETLS Academic 6.0
③留学経験
・オーストラリア(2週間)→中学3年次にホームステイ
・タイ(1年)→修士課程に在学中
④海外渡航経験
長期でのんびりと滞在する旅行スタイルが好きで、シンガポール(1か月)、タイ(1年)、アメリカ(1か月)に滞在。
ほかにも、マレーシア、カナダ、オーストラリア、韓国、台湾、香港などを旅行しました。
⑤自己紹介
これまで長期の語学留学経験はなく、日本の公立中高に通いながら、ほぼ独学で英語を学んできました。英語を使うことで、世界中の最新の研究やデザインに触れる機会が増え、自分の視野が大きく広がったと感じています。特に東南アジアの都市が好きで、現在はタイの大学院で学んでいます。この経験を活かしながら、多くの方に英語を学ぶ楽しさや魅力を伝えていけたらと思っています。