
タイへの入国手続きが変わり、デジタル版のTDAC登録が必須になりました。
「TDACって何?」
「どうやって申請するの?」
など、タイの入国カードについての疑問や不安も多いでしょう。
この記事では、TDACの申請方法、入力項目、空港での流れ、よくある失敗例や質問まで、タイ入国に関するすべてを詳しく解説します。
事前準備をしっかり整えることで、空港で慌てることなくスムーズに入国できるので、ぜひ参考にしてください。
- TDACとは?申請が必要なケース・不要なケース
- TDACの登録方法と登録に必要なもの
- TDACの入力項目
- 空港でのTDACのQRコード提示の流れ
- TDACに登録における注意点とよくある失敗例
- TDACに関するよくある質問 | タイ乗り継ぎの場合・有効期限など
- まとめ
TDACとは?申請が必要なケース・不要なケース
TDAC(Thailand Digital Arrival Card)とは、外国人がタイへ入国する際に提示が必要なシステムです。
現在タイでは、従来の紙の入国カード(TM6)の廃止に伴い、デジタル版のTDACが導入・運用されています。
TDAC申請の必要性は、あなたの国籍によって決まります。
TDACが必要なケース・不要なケースを、以下の表で確認ください。
| 対象者 | TDAC申請 | 備考 |
| タイ国籍を持たないすべての外国人旅行者 | 必要 | ビザ免除での短期滞在(観光目的)、長期滞在ビザ(リタイアメント、教育、DTV等)など、すべてのビザ形態が対象 |
| タイ国籍者・タイパスポート保有者 | 不要 | TDAC登録の対象外 |
つまり、タイのパスポートを持たない限り、どの国籍・どのビザ形態であっても、すべてのタイへの入国者がTDAC申請を行う必要があるということです。
TDACの登録方法と登録に必要なもの
TDAC登録はタイ政府の公式サイトからオンラインで無料登録できます。
登録は、タイへの到着予定日の3日前(72時間前)から可能です。
TDAC登録方法
まず、タイ政府の公式TDACサイトを開いてください。
- 「人間であることを確認します」にチェック
- 画面右上の国旗ボタンを日本にして日本語に変更
- 入国記録をクリック
- 個人情報を入力
- 観光情報を入力
- 宿泊情報を入力
- タイ入国の2週間前までの滞在国を入力
- 確認ページにメールアドレスを入力
- メールアドレスをチェック
メールにQRコードが付いたバウチャーが送付されます。
TDAC登録に必要なもの
TDAC登録では、以下の情報が必要です。
申請前に手元に準備しておくことで、スムーズに手続きを進められます。
・パスポート
パスポート番号、姓名(ローマ字)、生年月日などの個人情報が必要です。
パスポート番号は誤入力しやすいため、記載されている通りに1文字ずつ慎重に確認しながら入力してください。
・航空券またはeチケット
タイへの搭乗便情報は必須です。
出国便(帰路)についても入力欄はありますが、未確定の場合でもTDAC登録自体は可能です。
ただし、チェックイン時や入国審査で出国航空券の提示を求められることがあります。
・宿泊情報
タイでの宿泊先の英語名と住所を入力します。
複数の宿泊先がある場合は、最初の宿泊先を記入してください。
ホテルやAirbnbの予約確認書から、正確な名前と住所を確認しておきましょう。
・TDAC受信用のメールアドレス
登録完了後、QRコード付きの確認メールがこのメールアドレスに届きます。
普段使用しているメールアドレスで問題ありません。
これらの情報を揃えておけば、登録自体は10分程度で完了する簡単な手続きです。
TDACの入力項目
TDACの申請フォームでは、4つのページに情報入力が必要です。
以下が各ページの主な入力項目です。
【個人情報ページ】
姓(ファミリーネーム)
名(ファーストネーム)
ミドルネーム:ある人のみ
パスポート番号
国籍:日本の場合はJPN
生年月日
職業
性別
ビザ番号:ビザ保有者のみ
居住国:日本の場合はJAPAN
居住都市:都道府県名
電話番号:国番号+81の後、最初の0を除いた番号
【観光情報ページ】
到着日
搭乗した国/地域:日本の場合はJAPAN
渡航目的:観光はHOLIDAY、ビジネスはBUSINESS、教育はEDUCATIONなどを選択
入国時と出国時の移動手段:空路はAIR、陸路はLAND、海路はSEAから選択
交通手段 定期便はCOMMERCIAL FLIGHTを選択
飛行機便名/車両便名
出発日
【宿泊情報ページ】
タイでの宿泊タイプ:HOTEL、YOUTH HOSTEL、GUEST HOUSEなどから選択
県
地区、エリア
サブディストリクト、サブエリア
郵便番号
住所:宿泊先名と住所を入力
【健康診断書ページ】
タイ入国の2週間前までに滞在していた国を入力
最後に「プレビュー」ボタンをクリックすると、確認ページが出てきます。
入力内容に誤りがないか確認後、メールアドレスを入力してください。
その後、利用規約にチェックを入れて「送信」ボタンを押せば申請完了です。
空港でのTDACのQRコード提示の流れ
タイの空港に到着したら、案内表示に従って「Immigration(入国審査)」または「International Arrivals(国際線到着)」へ向かいます。
入国審査カウンターで、パスポートとTDACのQRコードを審査官に提示します。
審査官がQRコードを読み取り登録情報を確認した後、滞在目的や期間、宿泊先などの質問に答え、スタンプが押されて入国許可となります。
メールに届いたQRコードは、事前にスマホの画面にスクリーンショットで保存するか、印刷して紙で持参しておくとスムーズに提示できます。
TDACに登録における注意点とよくある失敗例
TDAC登録は簡単な手続きですが、いくつかの注意点と失敗しやすいポイントがあります。
このセクションでは、登録時に気をつけるべき点と、よくある失敗例を紹介します。
TDAC登録時の注意点
もっとも重要なことは、TDACはかならずタイ入国管理局の正規サイトで登録してください。
インターネット上には、非公式の有料サイトが存在し、以下のようなトラブルが報告されています。
・10~30USDの手数料を請求される
・クレジットカード情報を入力させられる
・発行されたQRコードが無効で入国に使用できない
・個人情報が流出するリスク
またパスポートや航空券・宿泊先についても注意が必要です。
・パスポートの有効期限:タイ入国時に6か月以上残っていることが必須。
6か月未満だと飛行機の搭乗やタイでの入国が拒否されます。
・宿泊先が複数の場合:フォームには最初の宿泊先を入力してください。
・帰路便情報は推奨(入国時は必須):TDACの申請自体は、帰路便が未確定でも完了可能です。ただし、出発時のチェックイン(搭乗手続き)やタイでの入国審査では、不法滞在でないことを証明するため、出国航空券または第三国行き航空券の提示が求められます。
よくある失敗例
TDACでは、以下のような失敗例が報告されています。
・スマホのバッテリーが切れてQRコードが表示できない。
・空港Wi-Fi環境が不安定でメールを開けられない。
・入力内容が間違っていて、入国審査官がTDACの情報とパスポートを照合できず、手続きに時間がかかる。
・到着3日前より早く登録しようとしてフォームがエラーになる。
これらの失敗を防ぐため、出発前に日本でTDAC登録を完了し、QRコードをスクリーンショット、メール保管、印刷した紙の持参など複数管理しておくといいでしょう。
パスポート情報は1文字ずつ慎重に確認し、宿泊先は正式名称と正確な英語表記の住所を記入してください。
何より、公式サイト以外の有料サイトは絶対に利用しないことが重要です。
TDACに関するよくある質問 | タイ乗り継ぎの場合・有効期限など

TDAC登録について、旅行者からよく寄せられる質問をまとめました。
Q1:複数回TDACを提出することはできますか?
はい。正しい情報であれば何度でも提出が可能です。
最後に提出した登録内容が正式なものとなります。
Q2:登録情報を間違えてしまった場合はどうしますか?
TDACトップページ「入国記録カードの更新」を選択し、渡航日や滞在先などの情報を編集して修正できます。
修正が難しい場合は、新たに登録し直してください。
Q3:飛行機が遅延して搭乗便や到着日が変わった場合は?
すでに登録している情報の変更または新規登録が必要です。
Q4:タイで乗り継いで第三国に行く場合、TDAC登録は必要ですか?
乗り継ぎでタイの空港内にとどまり、イミグレーション(入国審査)を通過しない場合は不要です。
しかし空港の外に出る場合は必要です。
Q5:子どもと一緒に登録できますか?
ひとつのアカウントで家族分をまとめて登録することはできません。
子どもも個別にTDAC登録が必要です。
Q6:再入国する場合もまた登録が必要ですか?
はい。タイから一度出国して戻る場合、その都度TDACの再登録が必要です。
同じTDACは1回限り有効で、毎回の入国時に新しいQRコードが必要です。
Q7:登録後にパスポートを更新したら?
新しいパスポート情報でもう一度TDACに登録してください。
古いパスポートにビザや再入国許可がある場合は、入国時に旧パスポートも一緒に持参すると安心です。
Q8:スマホがない場合はどうしますか?
パソコンがあれば、事前にTDACに登録してQRコードをPDF保存し、印刷して持参するのがもっとも確実です。
タイ到着時に空港の専用登録機で登録もできます。
ただし混雑時は時間がかかる可能性があるため、事前にパソコンで登録・印刷しておくことを強くおすすめします。
まとめ
タイの入国カードのデジタル版TDACについて説明しました。
比較的新しい制度で戸惑う方も多いかもしれませんが、事前に必要な情報を準備し、正しい手順で申請すれば、手続きはそれほど難しくありません。
出発前にパスポートの有効期限を確認し、QRコードをスマホに保存するか印刷して保管しておくことが重要です。
公式サイトから無料で登録できることを忘れず、事前準備を万全に整えて安心してタイ旅行をお楽しみください。
◇経歴
日本の大手英会話スクール講師
オーストラリアで現地ツアーガイド
マレーシアの日本人学校で英会話講師
マレーシアの現地企業にて正社員勤務
◇留学経験
イギリス 1年 Wimbledon collegeなど
オーストラリア(ワーキングホリデー中) 1か月 Bond University
◇海外渡航経験、渡航先での経験内容
留学→アメリカ、イギリス、オーストラリア
旅行→イギリス、ヨーロッパの各国、アメリカ、オーストラリア、東南アジア各国など
仕事→オーストラリア、マレーシア
◇自己紹介
Webライターの大井にいなと申します。
独身時代に留学を経験し、国際結婚を機に多民族国家のマレーシアに住んでいます。
私の子供は生まれたときから複数の言語で育ち、オーストラリアの大学に留学して就職しました。
大人になってから英語を学び始めた自分との違いを実感しています。
自身の経験から、早期の言語習得の重要性や大人になってからの英語学習で必要なことなどを、できるだけわかりやすくお伝えしたいと考えています。どうぞよろしくお願いします。