
みなさんは、「香港料理」と聞いて、どのようなイメージを持ちますか?
四川料理や広東料理といった中華料理なら聞いたことがあるけれど、香港料理というものはあまりよくわからない…という方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回の記事では、そんな香港料理に焦点をあててご紹介したいと思います。
具体的には、香港料理が持っている特徴、香港の食文化、点心、ご飯・麺料理、肉・海鮮料理、スイーツといったジャンルごとのおすすめ香港料理、さらに香港で楽しみたい飲茶のマナーやポイントについてわかりやすくていねいに解説します。
これから香港に行く予定のある方はもちろん、アジアの料理や香港の食文化に興味があるという方などは、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてくださいね。
香港料理の特徴は?
そもそも、「香港料理」ってなに?という方も多いのではないでしょうか。
そこで、まずは香港料理とはどんなものなのか、どういった特徴を持っているのかを一緒にチェックしていきましょう!
香港料理は広東料理に含まれる
中華料理の系統は、大きく分けて「四川料理」「北京料理」「上海料理」「広東料理」の4つにわけられます。
そのうち、香港料理は系統として広東料理に属しています。そのため、基本的には広東料理と同じような伝統料理があります。
広東料理の特徴としては、素材の味を活かした調理方法であるということ。
北京料理や四川料理と比較すると、辛さ・塩味・油分などが控えめであっさりとした味わいなので、日本人にとっても食べやすい料理といえるでしょう。
西洋の影響を受けた料理も
香港はイギリスの植民地支配を受けていたという歴史的背景があります。
このことから、料理に関してもイギリス、西洋の影響を受けたもの、影響を受けて香港で独自に発展したものなどがあります。
なお、香港の人口はほとんどが中国系ですが、インドから働きに来ている人も多いため、インド料理も食べられます。
海に面した立地を最大限活かしている
香港は海に面しているため、シーフードもおいしいものが多いです。
後ほどご紹介する具体的な料理にも、魚のすり身、つみれ団子、エビなどがトッピングとして使われているものもたくさんありますよ。
奥が深い香港の食文化
続いて、奥が深い香港の食文化についてご紹介していきましょう!
「食べることは幸せ」という考え方
香港は「美食の楽園」と呼ばれることもあるほど、おいしい料理がたくさんあります。
そんな料理を、「ただ食べて終わる」のではなく、みんなでワイワイしながら楽しんで食べる、じっくり味わうということを香港の人々は大切にしています。
実際、「食得係福」(食べることは福につながり幸せである)というフレーズもあるほどです。
また、お祝いごとや特別な日、記念日、誕生日などは、家族や友人同士で集まってフルコースを食べるということも多いようです。
さらに、香港の人々は、日常的なあいさつとして「こんにちは」の代わりに「吃飯了馬」(もうご飯は済みましたか?)と聞くことも多いとか。
これには、まだ食べていないのであれば一緒にごはんを食べましょう、というお誘いの意味も込められているそうです。
健康を意識した食生活
香港には、「薬食同源」という考え方があります。
これは、食べものと薬はもともと源が同じであり、日常の食生活を大切にすることで健康が維持されるという意味です。
この考え方のとおり、香港では健康を意識した食生活を送っている人が多いです。
たとえば、消化に良いものを食べる、身体を温める効果のあるものを食べる、栄養のバランスを考える、お肉には野菜が必ず添えられるなどが挙げられます。
また、中華料理というと脂っこいイメージがあると思いますが、意識のしっかりしたレストランなどでは、動物油ではなく落花生油を使ったり、高温でさっと炒めたり、さっと揚げたりといった工夫がされています。
おすすめ香港料理
ここからは、おすすめの香港料理をジャンルごとにご紹介していきたいと思います!
点心
点心とは、中華料理で「軽食」や「間食」を広く指す言葉です。
主食・汁物以外を指し、蒸す、焼く、揚げるといったさまざまな調理法で作られ、点心にはお菓子なども含まれます。
人気の点心は、餃子、シュウマイ、小籠包などが挙げられます。具材はお肉だけでなく、プリプリとしたエビが含まれているのが香港風です。
小籠包には、アツアツの肉汁がたっぷり入っています。一口サイズなので食べやすく、お店によって形が違ったりすることもあります。
また、香港はちまきもユニーク。具材に味付けした豚肉やたまごが入っていたり、砂糖や醤油などをつけて食べることもあるそうです。
魚蛋河(ユーダンホ)という魚のすり身をお団子状にした点心も人気です。海に面した香港らしさが感じられる一品です。麺料理のトッピングに使われることも多いです。
ご飯・麺料理
香港の人々の朝ごはんの定番が「中華粥・広東粥」です。
1日の始まりに、しっかりと身体を温めてくれる一品です。香港のお粥の特徴は、お米の形がなくなるくらいとろとろに炊き上げていること。
ダシも香港らしく、魚から取っています。「油條(ヤウティウ)」という細長い揚げパンを一緒に注文し、お粥に入れたりつけたりして食べるのが香港風です。
「焗豬扒飯(ゴッツィーパーファン)」は香港風のドリアで、西洋の影響を受けて発展した料理です。
チャーハンやごはんのうえにお肉を乗せ、そのうえにチーズやトマトソースなどをたっぷり乗せてオープンで焼き上げます。
イギリス統治時代の歴史的背景が感じられる香港ならではの一品です。
香港料理のなかでも特に人気なのが「ワンタン麺」です。
たっぷりのエビや豚肉がつまったワンタンと、細くてコシのある麺、風味豊かなスープの組み合わせは絶品です。
いろいろなお店で注文することができるので、一軒だけでなくいろいろと食べ比べてみるのもおすすめです。
「牛腩麺 (アウナムミン)」もぜひ食べてほしい麺料理です。
じっくり煮込んだ柔らかい豚バラ肉がたっぷり乗っているのが特徴です。スープや麺はお店によってバラエティ豊かです。
肉・海鮮料理
香港名物のガチョウ料理が「ローストグース」です。
ガチョウをスパイスにつけ込み、高温でカリッと焼き上げます。パリパリの皮と、柔らかくジューシーな身の食感が楽しめます。
「白灼蝦(バイジュオシャー)」というエビの料理も人気があります。
香港で獲れたエビをさっと茹で、塩をかけていただきます。エビ本来の味が感じられ、ちょうどよい塩気があるのでお酒との相性も良いですよ。
スイーツ
香港を代表するスイーツといえば「エッグタルト」です。
ほどよい甘さのカスタードクリームと、サクサクのタルト生地が楽しめます。
ポルトガル発祥の料理といわれ、支配下にあったマカオを経由し香港に伝わったといわれています。
「マンゴープリン」は香港発祥のスイーツで、新鮮なマンゴーの甘さとやさしいミルクプリンの味わいが楽しめる一品です。
冷たさやつるつるとした食感も相まって、特に暑い日には多くの人に食べられています。
香港で楽しみたい飲茶のマナー・ポイント
最後に、香港に行ったらぜひ楽しんでほしい飲茶について、知っておきたいマナーやポイントをご紹介します。
そもそも飲茶とは
飲茶は、先ほどご紹介したような蒸し餃子や小籠包、シュウマイといった点心をいただきながら、お茶を楽しむものです。
街なかのレストランやホテル内のレストランなどで楽しむことができます。
中国の広東省や香港が本場であり、お昼前から飲茶を提供しているお店も多く、常に多くの人でにぎわっています。
入店から注文まで
庶民的なお店の場合、ほかの人と相席ということも多いです。
席に着いたらまずお茶の種類を聞かれます。あらかじめ決めておくとスムーズですが、迷った場合は定番のプーアル茶(広東語で「ポーレイチャ」)がおすすめです。
点心はワゴン式とオーダー式があります。ワゴン式の場合は、点心が乗ったワゴンが近くにきたらワゴンをとめて注文します。
オーダー式の場合は、テーブルに置かれているオーダーシートがあるので、希望する点心名の下に数を記入して店員さんに渡します。
マナー
お茶は全員にそそぐのが一般的なマナーです。
自分が誰かにそそいでもらった場合は、そのカップの横あたりで、人差し指と中指を使い机をコンコンと2回叩き、感謝の気持ちを伝えましょう。
これは、会話をさえぎることなく、さりげなくそそいでくれた人へのありがとうの気持ちを示すことができる方法なのです。
まとめ
今回の記事では、日本からも近くて行きやすく。旅行先として常に人気を集めている「香港」の料理について詳しくご紹介していきました。
具体的には、香港料理が持っている特徴、香港の食文化、点心、ご飯・麺料理、肉・海鮮料理、スイーツといったジャンルごとのおすすめ香港料理、香港で楽しみたい飲茶のマナーやポイントなどについてわかりやすく解説していきました。
記事のなかでもご紹介したとおり、香港には豊かな食文化とおいしい料理があります。
特に飲茶はぜひ現地で体験してほしい食文化ですが、楽しむために知っておいた方がいいことやマナー、注意点がたくさんあります。
ぜひ、この記事でご紹介した内容を参考にしてみてくださいね。
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◇経歴
新卒入社した会社ではオーストラリア人上司のもと働いた経験があります。
海外クライアントとのメールや電話でのやりとりは日常茶飯事でした。
現在はWebライターのほか、英日翻訳者としても仕事をしています。
◇資格
TOEIC、TOEFL、IELTSなどの受験経験あり
◇留学経験
学生時代、イギリスのハル大学に1か月半語学留学をしました。
◇海外渡航経験
学生時代にイギリス留学を経験したほか、アジアを中心にさまざまな国に旅行に行ったり、フィールドワークをしたりしました。
フィールドワークでは英語を使ってインタビューをした経験もあります。
2019年よりイギリス在住で、現在は毎日英語を使っています。
◇自己紹介
子どものころはアメリカ人の先生の英会話教室に通い、大学ではイギリス留学を経験、新卒入社した会社ではオーストラリア人上司を持つなど、英語とは色々な接点を持ってきました。
英語はもっぱらリーディングが得意で、毎日洋書を読んでいます。大学で経験したイギリス留学では、語学クラスでさまざまな国の留学生と交流しました。また、英語で大学の歴史の講義を受けたり、現地の小学校でのボランティア活動も行いました。
よろしくお願いします!