
リゾート地として有名な
フィリピン・セブ。
ですが、実はビーチやリゾートホテルが連なっているのは、セブ島ではなく「マクタン島」です。
この記事ではマクタン島にある公園
「マクタンシュライン」をご紹介します。
ビーチとは異なる落ち着いた雰囲気を味わいたい方、フィリピンの歴史や文化に触れたい方は、ぜひ参考にしてみてください!
マクタンシュラインってどこ?
マクタンシュラインはマクタン島にある公園です。
そもそも、「マクタン島」という名前に馴染みのない方もいるかもしれませんが、マクタン島は、セブ国際空港(マクタン・セブ空港)がある島のこと。
セブ島とは2本の橋でつながっています。
セブ島からのアクセスも良好なので、セブ島+マクタン島を総称して「セブ」と呼ぶこともあります。
マクタン島はビーチリゾートとして開発が進められており、有名なリゾートホテルがマクタン島に集結しています。
このマクタン島、実はフィリピンの歴史のなかでも重要な場所です。
フィリピンの英雄ラプラプ王が、探検家で有名なフェルディナンド・マゼラン率いるスペイン艦隊を打ち破ったのは有名な話。
それを記念して作られたのが「マクタンシュライン」です。
マクタンシュラインは、マクタン島のPunta Engano Rd(プンタエンガーニョ通り)に面しています。
人気の5つ星ホテル、シャングリ・ラ マクタン リゾート&スパ セブからは徒歩10分、マクタン・セブ空港からは車で15分です。
有名な場所なので、タクシードライバーに「マクタンシュライン」と言えば、連れて行ってくれます。
帰りはマクタンニュータウン(マクタンシュラインから徒歩10分)まで行けば、バイクやタクシーを拾いやすいでしょう。
<マクタンシュラインの場所>
| 名称 | マクタンシュライン(Mactan Shrine) |
| 住所 | Mactan Shrine, Lapu-Lapu, Cebu, Philippines |
| 営業時間 | 公園なので24時間入れるが、夜間は要注意 |
| 料金 | 無料 |
マクタンシュラインのラプラプ像とマゼラン記念碑
マクタンシュラインは、1521年にマゼランとラプラプ王とが戦った「マクタンの戦い」の舞台です。
フィリピンを代表する歴史的な地として、ラプラプ像とマゼランの記念碑が建っています。
主な歴史的背景
大航海時代に世界一周をしていた探検家のマゼラン。
フィリピンに到着したマゼランは、スペイン政府の命令を受け、当時イスラム教が主流だったフィリピンにキリスト教を広めようと布教活動を行います。
しだいに武力を使って強制的に従わせようとします。
これに反発したのがマクタン島の当時の首長、ラプラプ王。
マゼランに戦いを挑みます。
そして、「マクタンの戦い」のすえ、ラプラプ王は見事勝利しました(マゼランは戦死)。
その歴史を後世に伝えるために建てられたのがマクタンシュラインです。
マクタン島の戦いは、植民地化への抵抗の象徴としてフィリピンの人々にとって誇り高い歴史の一場面となっており、ラプラプ王は英雄として語り継がれています。
ちなみに、マクタンシュラインのある市は、ラプラプ王の名前をとって「ラプラプ city」と名付けられました。
また、このエリアで獲れる日本では「高級魚」とされる魚は「ラプラプ」と言います。
正確な由来は不明ですが、一説にはラプラプ王の名にちなんで名づけられたともいわれています。
それほど、ラプラプ王は、フィリピンの生活や文化に根付いた、国民的英雄と言えるでしょう。
ラプラプ王とマゼランの記念碑
マクタンシュラインには、ラプラプ王をたたえるための銅像があります。
ブロンズ製で高さは約6m。
ラプラプ王の持つ槍や盾はフィリピンの伝統的な武器をモチーフにしています。
その堂々たる雄姿を写真に収めようと、多くの観光客がラプラプ王の銅像の周りで記念撮影をしています。
一方のマゼランの記念碑は、この地で命を落としたマゼランを追悼するために作られた石造りの塔です。
1866年にスペインの植民政府によって建てられました。
高さは約9m。
ヨーロッパの建築様式を取り入れたオベリスク調のデザインです。
記念碑の下部には、スペイン語でマゼランの航海の功績やマクタンの戦いに関することが刻まれており、歴史的背景を後世に伝える重要な史跡となっています。
ラプラプ像とは対照的なマゼランの石碑。
2つを敢えて並べて配置することで、「勝者」「敗者」の異なる立場から歴史を見つめ直すきっかけを与えてくれます。
マクタンシュラインの公園エリアの見どころ
マクタンシュラインには記念碑だけでなく、ゆったりと散策できる公園も整備されています。
自然に囲まれながら観光できるので、史跡めぐりとリフレッシュを同時に楽しめるのが魅力的です。
ここでは公園エリアの見どころをご紹介します!
芝生広場
公園内はきれいに整備されており、芝生の緑が広がっています。
海に面しているので海風が心地よく吹き抜けます。
ベンチや木陰も多く、観光だけでなく散歩にも◎。
地元の人たちにとっても憩いの場となっています。
海に面している場所には桟橋があり、その先にはマングローブの湿地帯が広がります。
マングローブは、フィリピンの自然の豊かさと美しさを映し出す象徴です。
遊歩道からは自然の様子をじっくりと観察することができます。
鳥のさえずりを聞きながら…。
潮風を感じながら…。
心も身体も癒されるでしょう。
干潮や満潮によって雰囲気が変わるので、時間を変えて訪れても楽しいですね。
戦勝の碑
マクタンシュラインには、The LapuLapu Monument Houseがあり、この記念館の中に「戦勝の碑」(The Victory Maker)が展示されています。
表面にはラプラプ軍の功績をたたえ、以下のように記載されています。
「1521年4月27日、この地でラプ=ラプとその部下たちはスペインの侵略者を撃退し、彼らの指導者フェルディナンド・マゼランを討ち取りました。
こうしてラプ=ラプは、ヨーロッパの侵略に立ち向かった最初のフィリピン人となりました。」
また、裏面にはマゼランの死とマゼラン死後の様子が、以下のように書かれています。
「この場所で、フェルディナンド・マゼランは1521年4月27日、マクタン島の首長ラプ=ラプの兵士たちとの戦いで負傷し、命を落としました。
マゼランの船のひとつ「ヴィクトリア号」は、フアン・セバスティアン・エルカーノの指揮のもと1521年5月1日にセブを出航し、1522年9月6日にサンルーカル・デ・バラメダに帰還しました。
これにより、人類初の世界一周航海が達成されました。」
この記念碑は、「ダブルサイド モニュメント」ともいわれており、両面に異なる視点の物語を刻んでいます。
勝者だけでなく、敗者であるマゼランについても記録されているのが特徴です。
Double Side Monument とパノラマ壁画
戦勝の碑の後ろには、マクタンの戦いを描いたパノラマ壁画が設置されています。
マクタン島の戦いの様子をリアルに表現しており、一方にはラプラプ王の勇ましい姿、もう一方にはマゼランの姿が描かれ、緊迫した戦場の様子が伝わってきます。
当時の戦争の激しさを物語っており、「歴史の重み」を感じることができるでしょう。
夜のライトアップも見る価値あり
マクタンシュラインは、夜になるとライトアップされます。
昼間とは違った幻想的な雰囲気を楽しむことができるため、地元の方にも人気です。
柔らかな光に包まれながら静かに浮かび上がるラプラプ像は見る価値あり!ライトアップされたラプラプ像を背景に撮れば、写真映えも抜群です。
時間に余裕があれば、ぜひ夜にも訪れてみてください。
ただ、マクタンシュライン周辺は比較的治安は良いとされていますが、それでも日本にいるときと同じ感覚で過ごすのは危険です。
夜にマクタンシュラインを訪れる場合は、リュックを前に抱える、人通りの少ないエリアには立ち入らないなどを心掛けましょう。
マクタンシュライン周辺でできること
観光スポットを見学したあとは、周辺での過ごし方もぜひチェックしておきましょう。
ショッピングや食事、地元の人との交流など、観光以外も楽しみましょう!
お土産物屋さんでお土産探し
マクタンシュラインの周辺には、たくさんのお土産屋さんがあります。
屋台のような小さなお店が集まっており、見て歩くだけでも楽しめます。
ラプラプ像のミニチュアや、貝殻やココナツを使った小物やアクセサリー、ミサンガやエスニック風のパンツなど、どれも可愛くて魅力的なものばかり。
マクタン島の特産であるギターも、ギターのミニチュアもあります。
色々あるのでどれにしようか迷ってしまうでしょう。
しかも価格はショッピングモールよりもリーズナブル。
交渉次第で値引きに応じてくれるお店もあります。
簡単な英語でやり取りができるので、ぜひ話しかけてみましょう。
お店の人たちは皆フレンドリーなので、おすすめ商品や雑談ができるかも…!ぜひローカルと触れ合ってみてください。
マクタンシュラインで写真撮影をした後は、ぜひお土産物屋さんへ。
観光の記念に、家族や友達へのお土産に。
気軽に立ち寄ってみましょう。
マクタンニュータウンで食事&ショッピング
マクタンシュラインから徒歩10分程度で着くのが「マクタンニュータウン」です。
マクタンニュータウンは現在開発中の街なので、街並みが綺麗。
カフェや雑貨店も充実しています。
特に、どこで食べるか迷ってしまうほど、レストランの数が豊富です。
シーフードレストランで高級魚のラプラプを食べたり、中華料理やイタリアン、日本食などの多国籍の料理を楽しんだり、地元フィリピン料理を味わったり…。
食べ歩きをしても良いですね。
タクシーもたくさん待機しているので、帰りに寄ると良いでしょう。
まとめ
マクタンシュラインはフィリピンの歴史に触れることのできる公園。
500年以上前の出来事を肌で感じることができます。
また、緑が多く、綺麗に整備されているので、現地の人からも愛される公園です。
「セブ=リゾート」だけでなく、もうひとつ魅力を体験できるマクタンシュライン。
歴史好きだけでなく、静かな時間を楽しみたい方にもおすすめです。
ぜひ訪れてみてください。
きっと心に残る時間になるでしょう。
◇経歴
幼少期に1年、30代で1年、アメリカに滞在
◇資格
実用英語技能検定準一級
TOEIC860点
◇留学経験
渡航先:アメリカ
(幼少期は現地のelementary schoolに、30代では現地のcommunity collegeに通学)
◇海外渡航経験
旅行:アメリカ、カナダ、オーストラリア、メキシコ、クロアチアなど。
◇自己紹介
海外旅行が好きなWebライター。なかでもアメリカが好きで、10回以上渡航しています。
またアメリカに行けるように、現在はオンライン英会話でレッスン中です。
分かりやすい記事をお届けできるよう頑張りますので、よろしくお願いいたします!