
語学留学先として有名なセブ島には、動画サイトやNetflixのドキュメンタリー番組などで世界的に有名になった「囚人ダンス」を見学することができる刑務所ツアーがあります。
なんと、本物の刑務所に行って、受刑者たちがダンスを披露するのを見学したり、一緒に踊ったりすることができるのです。
実はこのダンスは、刑務所のリハビリテーションの一環で行われていて、事前予約をすれば留学生や観光客も気軽に見学することができます。
この記事では、他の場所ではなかなかできないユニークな経験ができる囚人ダンスについて、その特徴や予約方法、見学時の注意点などについて詳しく解説していきます!
セブ島の刑務所は誰でも行ける?
セブ島の刑務所で「囚人ダンス」が開催されているのは毎週土曜日です。
刑務所というと、犯罪を犯した人がいて危険なイメージが強いですが、このプログラムは市長が観光名所化を目指して力を入れているプロジェクトの1つで、安全面にも配慮しながら開催されています。
ここではまず、現地の雰囲気や安全対策についてご紹介します。
観光客や留学生も参加できる新しい観光名所
囚人ダンスはセブ島の刑務所に収監されている受刑者が観光客向けに披露しているダンスのプログラムです。
毎週土曜日、日本人でも観光や語学留学でセブ島を訪れている間に見学することができます。
コロナ禍前は月に一度開催されていましたが、2022年に再開された後は週ごとに開催されるようになりました。
セブ島を旅行する人にとって、新しい週末のおすすめ観光スポットになっています。
更生プログラムとしてのダンス
囚人ダンスは観光客に向けた単なるパフォーマンスではなく、リハビリテーションの一環として実施されています。
それというのも、受刑者たちは毎日2時間の練習をしていて、その成果を毎週土曜日に披露しているのです。
刑務所に収監されている受刑者たちはそれぞれ罪を犯したことがある人たちですが、観光客に対して笑顔を向けてくれる人も多いです。
安全面への配慮と見学環境
さてやはり危ないというイメージがする刑務所ですが、安全面はどのように配慮されているのでしょうか?
まずダンスの見学は金網で囲まれた2階の展望デッキから行われるため、物理的に距離が保たれた形になります。
また、パフォーマンスの後に広場で囚人たちと一緒に踊るタイミングでは、ライフル銃を持った監視員が同伴しています。
受刑者は様々な過去を持っている人たちですが、意外にも見学中はおだやかな雰囲気で、安全面の管理もされています。刑務所という特殊な環境でも安心して見学を楽しむことができるはずです。
セブ島の刑務所で話題の「囚人ダンス」とは?
囚人ダンスが見られるセブ島の刑務所は、他の場所ではなかなか見学できないユニークな行き先なので、普通とは違う経験がしたい人におすすめですし、すでに何度もセブ島を訪れている人も楽しめるアクティビティの1つになっています。
ここからは少し、囚人ダンスがどうして始まったのかということや、特徴などについて紹介していきたいと思います。
ダンスのきっかけは受刑者のおふざけ?
セブ市にある刑務所・CPDRC(Cebu Provincial Detention and Rehabilitation Center)で、受刑者の更生プログラムとしてダンスが取り入れられたのは2006年です。
当時、受刑者のリハビリテーションについて検討を行っていたセブ政府の安全保障顧問が、受刑者が掃除の最中にふざけてよく踊っているところに注目しました。
ここからダンスが正式に刑務所の更生プログラムの1つとして取り入れられるようになり、現在の囚人ダンスへと発展しました。受刑者のおふざけがきっかけなんて、ちょっとびっくりしますね。
YouTubeとNetflixで世界的に有名に
でも、囚人ダンスはどうして世界的に有名になったのでしょうか。
実はこのダンスが一躍脚光を浴びたのは、YouTubeに投稿された、囚人達がマイケル・ジャクソンの「スリラー」を踊ったダンス動画がきっかけです。
再生回数は驚きの5,000万回超えとなり、世界中から注目が集まりました。
さらにその後の2019年にはNetflixのドキュメンタリー作品「Happy Jail」の中でも紹介され、世界中の人が知るようになりました。
コロナによる中止も・・・
ただ、人気を集めていた囚人ダンスも2019年の新型コロナウイルスの拡大の影響を受けて、一時的に中止されていました。
2年の中止期間を経て、2022年に再開されてからは毎週土曜日に一般公開されています。
セブ島・囚人ダンスの予約の流れ・行き方
世界で話題となっている囚人ダンスですが、当日に思い立ってすぐ参加できるというわけではありません。事前の予約をする必要があります。
初めて行くという人は少し緊張してしまうかもしれませんが、手順がわかっていればスムーズに参加することができます。
ここでは予約の流れや当日の行き方について詳しく解説していきます!
予約サイトはFacebook!
フィリピンはFacebookを利用している人が多いとよく言われますが、囚人ダンスの予約もFacebookから行います。
まず、「Cebu Provincial Tourism Office」のFacebookページにメッセージを送り、空き状況を確認します。
その後、テンプレート形式の予約フォームを受け取ることができるので、必要事項を記入してから返信すると予約完了となります。
返信が遅いこともありますし、人気なので行きたい日の1週間くらい前から連絡を取っておくと安心です。ちなみにツアーは無料です。
集合場所はキャピトル
予約が確定したら当日はセブ市内にある「キャピトル」と呼ばれる、政府機関の建物が集合場所になります。午後3時が集合時間です。
一般の人が利用できる駐車場がないので、車やバイクを使って行く時には近隣の駐車場を利用するか、オンラインタクシーなどの利用がおすすめです。
集合時間に遅れてしまうと参加できなくなるので、時間の余裕を持って到着する必要があります。
シャトルバスで刑務所へ移動
点呼の後、必要な書類にサインをしたらシャトルバスで刑務所に向かいます。市街地からは20分ほど車に揺られた先に刑務所があります。
もしこのバスに乗り遅れてしまったら、せっかく予約していても囚人ダンスを見ることができなくなってしまうので、時間には気をつけて集合場所に向かうようにしましょう!
セブ島・囚人ダンスの見学方法
囚人ダンスは見学するだけではなく、一緒に踊ることもできる体験型のアクティビティです。
刑務所という場所にドキドキしてしまうかもしれませんが、最初に流れがわかっていたら安心です。
次に、刑務所に到着してからどのようにパフォーマンスを見学するのかという一連の流れについて見ていきましょう。
圧巻のダンスを見学!
刑務所に到着するとまず、建物の入口でオリエンテーションが行われます。
ここで1日の流れや写真・動画撮影のルールなどについて説明があります。それが終わったらいよいよダンスを見学します。
ダンスを見学する時は、2階にある金網で囲まれた展望デッキに案内されて、下の広場で踊る受刑者たちを見下ろす形で鑑賞します。
パフォーマンスはフィリピンの国歌斉唱から始まって、約30分間のダンスパフォーマンスが続きます。
150人近い受刑者たちは周りと動きを合わせたダンスや、フォーメーションの移動など、プロのようなダンスを踊るので、会場全体がとても盛り上がります。
観客もダンスに参加できる
メインのパフォーマンスが終わった後は、希望者だけが広場に降りて受刑者と一緒に踊る時間です。
インストラクター役を務める受刑者のマネをしながら、観光客も受刑者の動きに合わせて3~4曲ほど一緒に踊って盛り上がります。
ルールを守れば写真・動画の撮影もできるので、思い出を残しながら楽しむことができるはずです。
手作りのお土産コーナー
ダンスの見学が終わったら、最後にお土産コーナーに案内されます。
ここではTシャツやアクセサリー、刺繍作品などの受刑者が制作した商品が置かれていて、売り上げは全て受刑者やその家族への支援に使われます。観光の記念品という意味だけではなく、社会貢献にもなっています。
パンやソフトドリンクといった軽食もあるので、日本に持ち帰る時に荷物になってしまう物は買いたくないという人でも、支援の気持ちを込めて何か購入するのがベターです。
セブ島・囚人ダンスを見学する際の注意点
本物の刑務所という特別な場所で行われている以上、囚人ダンスを見学する際には守るべきルールや注意点もあります。
ここでは参加前に知っておきたいポイントを整理してみたいと思います。
事前の予約を忘れずに!
まず一番重要なのは、囚人ダンスを見学するためにはあらかじめ予約する必要があるということです。
すでに紹介したようにFacebookを通じて予約をしなくてはいけません。
参加できる人数が限られているので、短期間の旅行や留学の最中に見学したい場合には早めに予約しておいた方が安心です。
開催日と時間を守って行動!
囚人ダンスを見学する刑務所ツアーは毎週土曜日の午後3時に、集合場所のキャピトルに集まってスタートします。
点呼やサインの手続きもあり、バスに乗り遅れてしまったら予約していても見学できないということになってしまいます。
ちなみに午後5時過ぎにキャピトルへ戻るというスケジュールなので、事前のスケジュール調整も忘れないようにしておきましょう。
写真撮影にもルールがある
刑務所に到着した後のオリエンテーションでも説明されることですが、刑務所内の写真撮影の際にはルールがあります。
特に注意しなくてはいけないのが、囚人に自分のスマートフォンやカメラを渡して撮影を依頼するのがNGということです。
これは安全上の配慮から決められたルールなので、写真・動画を撮影したい時には自分自身で撮影するか、家族・友達などに撮影してもらうようにしましょう。
まとめ
この記事では、セブ島の刑務所で行われている囚人ダンスについて紹介してきました。
刑務所ツアーは毎週土曜日に開催されていて予定に組み込みやすく、観光客や留学生におすすめのとてもユニークな体験型のアクティビティです。
また、刑務所でお土産を購入することで社会貢献にもつながります。セブ島に行く時にはぜひ参加してみてはどうでしょうか?
◇経歴
教育系企業で国際交流事業をサポートする仕事をし、英語でメールや会議をしていました。
◇資格
・英検(実用英語技能検定) 1級
・TOEICスコア 940
・TOEFL iBTスコア 78
◇留学経験
マレーシアのクアラルンプールにある語学学校に1年間留学して勉強しました。また、高校生の時にニュージーランドの現地の高校に2週間滞在して英語研修を受けたこともあります。)
◇海外渡航経験
マレーシア留学中にシンガポール、タイ、ベトナム、ブルネイ・ダルサラーム王国、オーストラリアに旅行しました。その他、大学生の時に国際交流事業に参加して中国に行ったこともあります。
◇自己紹介
私は中高生時代、自分が留学するなんて考えられないくらい英語が苦手でした。高校の語学研修も後ろ向きな気持ちで行ったのを覚えています。
でも大学入学後に留学生の友達ができてから国際交流に興味を持ち、英語の勉強に前向きに取り組めるようになりました。今でも勉強自体は苦手ですが、海外の友達とのコミュニケーションツールとして使いたいという思いをモチベーションに変えて、頑張っているところです。
英語が苦手な人の視点に立てるライターとして、皆様に楽しんで読んでいただける記事をお届けします!