
大小多数の島々からなる国、フィリピン。海に囲まれた島に暮らす人々は、先住民から代々受け継がれたレシピから、アメリカ、スペインの影響を受けた料理まで、多様な食文化を持つ国です。とはいえ、「フィリピンのデザートと言えば?」と聞かれても、すぐに頭に浮かぶ人は少ないのではないでしょうか。
この記事ではフィリピンの有名なデザートについて解説します。フィリピンに行ったら一度は食べたい有名スイーツから、ローカルデザートまでジャンル別に紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
- フィリピンでは甘い味付けが多い
- フィリピンの有名なデザート:冷たい系
- フィリピンの有名なデザート:揚げ物系
- フィリピンの有名なデザート:その他
- フィリピンの地域ごとのデザート事情・文化
- おまけ:お土産にもおすすめのフィリピンお菓子
- まとめ
フィリピンでは甘い味付けが多い
フィリピンは7,600を超える島々からなり、その食文化も地域によってさまざまです。しかし、フィリピン料理に共通するのは、「甘い味付け」。常夏の国、フィリピンでは、暑い気候の中でエネルギーを必要とするためか、さっぱりした口当たりや甘い味付けを好む人が多くいます。
料理にも飲み物にも砂糖が入っており、レストランでアイスティーをオーダーすれば、既に砂糖やシロップが入った状態で提供されます。甘い飲み物が定番のフィリピンでは、食事のお供にシェイクを飲むことも普通なのです。ブラックコーヒーを注文しても、砂糖があらかじめ投入された状態で提供されるため、甘いドリンクが苦手な人は、「No sugar, please!」と事前に伝えておきましょう。
また、調味料自体も甘い味付けになっていることが多く、特にフィリピンで有名な「バナナケチャップ」は、フィリピンではポピュラーな調味料です。トマトではなく、バナナを原料としたケチャップは、フルーティーで美味しいとフィリピンの人から愛されています。
このように、フィリピンでは甘い味付けを好む傾向が強く、スイーツのみならず、普段の料理でもその影響が色濃く表れています。甘い味付けはまさに、フィリピンならではの食文化だと言えますね!
フィリピンの有名なデザート:冷たい系
ここでは暑いフィリピンでぜひ食べたい「冷たいスイーツ」をご紹介します。
ハロハロ(Halo-Halo / Haluhalo)
フィリピンのデザートといえば「ハロハロ(Halo-Halo)」という名前を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか?一時期日本のコンビニでも販売され、話題になったことがあります。「ハロハロ」はタガログ語で「混ぜる」という意味を持ち、甘く煮た豆やトロピカルフルーツ、練乳、ゼリー、アイスクリームやかき氷をまぜこぜにした食べ物です。暑い日にぴったりのこのデザートは日本人観光客にも大人気です。
レチェ・フラン(Leche flan)
日本のプリンのフィリピン版と言われる「レチェ・フラン」は、コンデンスミルクやエバミルク(練乳)を使用して作られるため、ねっとりと濃厚な味わいが特徴です。大量に練乳を使うことで常温下でも保存できるよう、冷蔵庫が普及していなかった時期に人々が工夫したと言われています。元はスペイン料理がルーツで、フィリピンに伝わって独自のアレンジが加えられました。「レチェ・フラン」はフィリピンでは結婚式やパーティーなどのイベントに欠かせないデザートなのです。
フィリピンの有名なデザート:揚げ物系
トゥロン(Turon)
バナナを春巻きの皮で包んで揚げたホクホクのデザートが「トゥロン」です。こちらはフィリピンの屋台などで10~15ペソで気軽に買える定番おやつ。レストランでは、揚げたてのトゥロンにアイスクリームやチョコレートソースをかけてアレンジしたものもあるそうです。
バナナキュー
「バナナキュー」はトゥロンとは違い、バナナをそのまま揚げて砂糖をまぶしたスイーツです。こちらはねっとり濃厚なバナナを使用しており、バナナの周りのクランチーな食感の砂糖とのコンビネーションがお口の中に幸せをもたらします。こちらも屋台で10ペソ~で売られていますので、ぜひチェックしてみてください。
フィリピンの有名なデザート:その他
タホ
「タホ」はタガログ語で「豆腐」を意味する言葉で、クセのない絹ごし豆腐が使われたスイーツです。温かい豆腐にサゴ(フィリピンのタピオカのようなもの)を加え、黒蜜をかけて出来上がりです。暑い日には温かいタホを冷たくして食べるなど、アレンジも可能。フィリピンの街中には「タホ売りのおじさん」がタホを売って歩いているそうですよ。
ポルボロン
スペイン発祥のお菓子、「ポルボロン」はフィリピンで大人気。バター、砂糖、小麦粉などから作られており、口の中でホロホロと崩れる食感が特徴のショートブレッドです。フィリピンでは地域によって、この「ポルボロン」の見た目が違うというから面白いですよね。他にもフレーバー付きのものがあったり、個包装のものがあったりするため、どこでも買える「ポルボロン」はお土産としてもおすすめです。
パンデココ(Pan de Coco)
「パンデココ」はフィリピンで親しまれている甘いパンです。パンデココはスペイン語で「ココナッツパン」を意味し、ココナッツを甘く煮詰めたフィリングが入っています。フィリピンでは、国民的なパン、「パンデサル」と並んで朝の食卓に登場します。
ウベ(Ube)を使ったデザート
フィリピンで有名な「ウベ」は紫芋のことで、その鮮やかな紫色が特徴の芋です。「ウベアイス」や「ウベケーキ」など、さまざまなスイーツに使われています。自然な甘みとクリーミーな食感で「スーパーフード」とも言われているウベですが、何といっても写真映えする鮮やかな色が魅力です。
フィリピンの地域ごとのデザート事情・文化
ここまでフィリピンのメジャーなデザートについて紹介しました。「ご当地デザートも気になる!」という人に、地域ごとのデザート事情を解説します。
ダバオ地方
カカオ豆の産地として有名なダバオ地方では、チョコレートのほかにも有名なスイーツがあります。中でも香りに特徴のあるドリアン(Durian)を使ったスイーツは、珍しいグルメ体験ができるとして、日本人観光客にも人気です。ドリアンアイスクリームやドリアンケーキなど、日本ではなかなか食べられないレアなスイーツをぜひチェックしてみてください。
ネグロス島
ネグロス島はサトウキビの産地で、マスコバド糖と呼ばれるフィリピンの黒糖を使用したスイーツが有名です。小麦粉で作られた生地にマスコバド糖を煮詰めたフィリングが入った「ピアヤ」というスイーツは、素朴な味で地元の人たちに愛されています。ピアヤ専門店のほかにも、スーパーで冷凍のものを手に入れることもできるので、気軽に楽しめるスイーツです。
セブ島
セブ島はリゾート地として有名ですが、ローカルグルメにも注目してみてください。セブを代表するスイーツは「オタップ」と呼ばれるサクサクのクッキーパイのようなお菓子。どことなく日本のうなぎパイを想像してしまうような食感と見た目ですが、メーカーによって味や見た目が大きく違うため、色々なフレーバーを試したくなってしまうお菓子です。
現地在住の日本人のおすすめは「シナモン味」とのことですが、他にも「ウベ味」や「マンゴー味」などが展開されています。オタップはスーパーで購入ができるので、見かけたら試してみてくださいね。
ボホール島
一度食べたら手が止まらなくなるボホール島発祥の「ピーナッツ・キス」。生地にピーナッツと砂糖を混ぜこんで作られたピーナッツ・キスは、どこか懐かしい味がして老若男女問わずウケの良いお土産です。値段もリーズナブルなので、バラマキ土産にも最適!ただし、ナッツアレルギーの人には注意してくださいね!
おまけ:お土産にもおすすめのフィリピンお菓子
海外に行くと必ず買うものが「お土産」です。しかし、何を買ったらいいのか迷う人も多いでしょう。そんな人は必見!お土産に選びたいフィリピンのお菓子を紹介します。
バナナチップス
バナナを揚げて砂糖や塩をまぶしたバナナチップスは、小腹がすいたときに最適なおやつです。フィリピンのバナナチップスはココナッツオイルで揚げられているのが特徴で、軽くてサクサクした食感がやみつきになるはず!
ドライマンゴー
フィリピンで育まれた甘いマンゴーを乾燥させたドライマンゴーはお土産の定番です。中でも知名度が高いのは7Dマンゴーですね!他にもチョコレートにディップさせたものや、砂糖がまぶされたものまで種類もたくさんあります。お好みによって選んでみてくださいね!
チョコレート
日本ではあまり知られていませんが、実はフィリピンではカカオが取れるんです!主な生産地はミンダナオ島(ダバオ地方)で、そこで取れたカカオを使ったブランドチョコレートが販売されています。スーパーでは子供向けの駄菓子的なチョコレートが売られていますが、お土産にするなら、フィリピン産のブランドチョコレートを選んでみてはいかがでしょうか?
インスタントドリンク
スーパーで売られている甘い飲み物をお土産にしてみるのもひとつのアイデアです。フィリピンではブラックコーヒーを注文しても砂糖を入れた状態で出てくるほどの甘党な国民性。スーパーで売られているドリンク類も甘いものがたくさんあります。
その中でもおすすめなのが、水やお湯を注いだだけでできるインスタントドリンクです。コーヒーやティーに加えて、粉とお水を混ぜただけでできるマンゴードリンクやパイナップルドリンクなどもあります。気軽に渡しやすいお土産なので、スーパーの飲料コーナーをチェックしてみてくださいね。
まとめ
フィリピンのデザートはさまざまな文化が融合し、非常に多彩で華やかなものが多く存在します。フィリピンのトロピカルな気候が育んだフルーツをふんだんに使っていたり、スペインやアメリカの影響を受けたものがあったりと、その食べ物のルーツを知りたくなる魅力がたくさんあります。
フィリピンのデザートは砂糖を多く加えられたものが多いですが、見た目も味も日本人に馴染みやすく、一度食べたらやみつきになること間違いなし!フィリピン旅行でグルメに挑戦する際は、「What local dessert do you recommend?」と、地元の人との英会話を楽しみながら、グルメ旅行をするのもおすすめです。この記事を参考にして、フィリピンのスイーツを堪能してくださいね!
◇経歴(英語を使用した経歴)
・オーストラリアのカフェで半年間勤務
・国内/国際線客室乗務員として5年間勤務
◇英語に関する資格(資格、点数など)
TOEIC、英検受験経験有り
アメリカのコミュニティカレッジにてEarly Childhood Educatorコース修了
◇留学経験
・オーストラリア シドニーへ1か月間の短期留学。
→週5日で語学学校へ通う。
・ワーホリでオーストラリア・ゴールドコーストに1年間滞在。
→Gold Coast Institute of TAFEの語学コースで学ぶ。
・2020年から4年間、家族の仕事でアメリカに滞在。
→州立のコミュニティカレッジでEarly Childhood Educationコース及びアカデミック英語コースを学ぶ。
◇海外渡航経験、渡航先での経験内容(仕事、留学、旅行など)
仕事→韓国、中国、台湾、香港などアジアを中心とした国
旅行→アメリカ(ハワイ、グアム、サイパン含む)、カナダ、
シンガポール、マレーシア、オーストラリア、ドイツ、イタリア、
ギリシャ、クロアチア、ベトナム、タイ、バハマ、オランダ領セント・マーティン島など
◇自己紹介
旅行、海外生活関連のwebライター。
最初の短期留学の経験のおかげで、人生が変わったと言っても過言ではないと感じています。海外に滞在することがきっかけで、人生の選択肢が大きく広がり、成長を続けていきたいと思うようになりました。海外での長期滞在・留学経験者の視点から、皆さまにわかりやすい記事を書いていきたいと思っています。