
海外旅行などで、
「ダンキンドーナツ」という名前のドーナツチェーンショップを見かけたことがある方も多いのではないでしょうか?
日本では見かけることがないダンキンドーナツですが、実は過去に日本に出店していたこともあります。
発祥の国アメリカをはじめ、海外では多くの人たちに愛されるブランドになっています。
本記事では、アメリカの人気ドーナツブランド「ダンキンドーナツ」の歴史と日本との関係について詳しく解説します。
また、現在日本にあるドーナツショップについても紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
- ダンキンドーナツとは?アメリカを代表するドーナツブランド
- 日本初上陸の背景と展開の歴史(1970〜1998年)
- ダンキンが直面した日本の「ドーナツ文化」とミスドの壁
- なぜ撤退したのか?日本市場での失敗要因を探る
- 日本にあるドーナツショップと状況
- まとめ
ダンキンドーナツとは?アメリカを代表するドーナツブランド
ダンキンドーナツはアメリカ・マサチューセッツ州に本社を置く企業であり、2025年現在で世界最大のドーナツチェーンです。
ここでは、ダンキンドーナツの誕生秘話や歴史、近年の経営戦略まで詳しく解説します。
ダンキンドーナツの誕生と名前の由来
ダンキンドーナツは1948年に、「Open Kettle(オープンケトル)」という名前のドーナツ専門店としてスタートしました。
1950年に「ダンキンドーナツ」へ社名変更し、フランチャイズとしてチェーン展開を開始しました。
ダンキンドーナツの名前の由来は、ドーナツをコーヒーやミルクにDunkする(浸す)という欧米の習慣から名付けられたといわれています。
グローバル展開で世界最大級のドーナツブランドへ
1970年代にはグローバル市場への展開に注力し、現在では世界約40ヶ国に約14,000店もの店舗数を誇ります。
コーヒーの販売量はスターバックスに次ぐ世界第2位ともいわれており、「ドーナツといえばダンキン」というイメージを確立したといえるでしょう。
ドーナツだけじゃない!米ダンキンの近年の経営戦略とは?
もともとダンキンはドーナツ専門店としてスタートしたため、主力商品はドーナツであり、種類の豊富さとそれぞれの商品力が強みでした。
しかし、近年高まっている健康志向の流れから、ヘルシーな朝食メニューの開発に力を入れています。
また、2019年に社名を「ダンキンドーナツ」から「ダンキン」へと変更し、コーヒーなどの飲料をメインに、ドーナツを含むファストフード全般を取り扱うという方針へ舵を切っています。
日本初上陸の背景と展開の歴史(1970〜1998年)
「ダンキンドーナツって日本にはないみたいだけど、過去に一度も上陸していないのかな?」と気になっている方も多いでしょう。
実際には、今から約65年前にダンキンドーナツが日本に上陸していたという過去があります。
ここでは、ダンキンドーナツが日本上陸した背景と展開の歴史について詳しく解説します。
1971年:初の海外店舗として日本に上陸
今や世界中に店舗を構えるダンキンドーナツですが、実は初めての海外進出先として選ばれたのは日本でした。
1971年、東京・銀座に海外1号店を構え、当初はセゾングループ傘下の「レストラン西武」が運営していました。
しかし、ほぼ同時期に最大のライバルとなる「ミスタードーナツ」もアメリカから上陸し、日本のドーナツ市場は激化していきます。
1988年:吉野家と合併する
1988年にダンキンドーナツ事業部が吉野家と合併し、株式会社吉野家ディー・アンド・シーとなります。
合併後、ドーナツだけではミスタードーナツに太刀打ちできないと判断し、サンドイッチなどの軽食事業も展開していきました。
1998年:業績不振によりドーナツ事業より撤退
ダンキンドーナツがさまざまなテコ入れを行うものの、競合であるミスタードーナツとの圧倒的なシェア格差が広がっていきました。
牛丼事業が好調な吉野家のノウハウはダンキンドーナツで活かされず、1998年にドーナツ事業から正式撤退しました。
ダンキンが直面した日本の「ドーナツ文化」とミスドの壁
ダンキンドーナツは1998年に日本から撤退という結果となりましたが、その主な原因として「日本とアメリカのドーナツ文化の違い」が挙げられます。
また、日本人お気に入りのドーナツブランド、「ミスタードーナツ」という障壁もありました。
ここでは、日本とアメリカのドーナツ文化の違いや、競合ミスタードーナツの戦略について詳しく解説します。
日本とアメリカのドーナツ文化の違いとは?
アメリカでのドーナツは「コーヒーと一緒に食べるもの=朝食」のイメージが強く、現在も出勤前にドーナツショップへ寄る人が多いです。
早朝から開店している店舗が多く、基本的にアメリカ人は甘党のため、朝からドーナツを食べることが一般化しています。
一方、日本では「おやつやデザート」のイメージが強く、甘いものを家族や友人と楽しむためにドーナツを選ぶ傾向があります。
また、日本では甘さ控えめのスイーツが好まれることも、ダンキンが日本市場で苦戦した一因といえるでしょう。
ミスタードーナツのローカライズ戦略
ミスタードーナツが日本で成功した背景には、日本市場に合わせた「ローカライズ戦略」があります。
日本人の口に合うように設計されたレシピや、100円で買える定期的なキャンペーン、ポイントを集めるともらえるオリジナルグッズなど、リピーターの獲得に注力していきました。
その結果、日本のドーナツ文化と合致したミスタードーナツが急速にシェアを伸ばしていったのです。
なぜ撤退したのか?日本市場での失敗要因を探る
現在も世界的に人気のダンキンドーナツですが、日本では残念ながら撤退という道を辿りました。
「日本とアメリカのドーナツ文化の違いはわかったけれど、日本市場でうまくいかなかった原因はなんだろう?」と気になる方も多いのではないでしょうか。
ここでは、ダンキンドーナツが日本市場撤廃となった主な失敗要因を3つ解説します。
日本市場に適応できなかった
日本では「おやつ」としての位置付けだったドーナツは、アメリカのように「朝食=主食」として定着することが困難でした。
一方、競合のミスタードーナツでは、「ミスター飲茶」などの食事メニューが開発され、「ミスタードーナツはドーナツだけではない」というイメージ戦略に成功しました。
また、日本の菓子市場も流行のサイクルが非常に早く、主力商品がドーナツメインだったダンキンは消費者に飽きられてしまい、日本市場に適応できなかったといわれています。
品質と味を保てなかった
アメリカのダンキンドーナツの強みは、「できたてから4時間経過すると廃棄」という新鮮さでした。
しかし、セントラルキッチンでドーナツを作って、それを各店舗に配送するという手法を取った結果、強みである新鮮さが失われてしまったのです。
さらに、従来18分で廃棄していたコーヒーの管理も緩くなったことで、ドトールやスターバックスなどの高品質なコーヒー豆を取り扱う専門店の台頭により、味の魅力も低下してしまいました。
経営体制に問題があった
西武百貨店の子会社であったことで、ダンキン部門の責任者の異動が多く、一貫したリーダーシップを取ることが不可能でした。
また、吉野家の傘下に入ったダンキンは、利益率の高い牛丼事業と比較され、将来性の無さから撤退という結果につながったといわれています。
一方で、ドーナツ事業より撤退した吉野家は牛丼事業へ集中できるようになったため、その後大きな躍進を遂げたといわれています。
日本にあるドーナツショップと状況
日本に現存するダンキンドーナツは、横須賀米軍基地などの在日米軍施設内のみです。
しかし、ドーナツビジネス自体は今も活発であり、魅力的な商品が次々と生まれているほか、SNSの発達により「進化系」ドーナツも多数見られます。
ここでは、現在日本にあるドーナツショップ、およびドーナツ商品の状況について詳しく解説します。
シェアトップのミスタードーナツ
ミスタードーナツは国内ドーナツ市場のトップシェアを維持しており、「ドーナツといえばミスド」という確固たる地位を築いています。
甘いデザート系ドーナツはもちろん、近年では惣菜系ドーナツやパイ、麺類などの「ミスドゴハン」シリーズや、カフェインレスコーヒーやアレルギー特定原材料不使用ドーナツなどの「からだににじゅうまる」シリーズも好評です。
国内店舗数1,047店もの大型チェーンながら、今もショップでドーナツを手作りしているこだわりによって、子どもから大人まで幅広い年代に愛されています。
クリスピー・クリーム・ドーナツのブームと現在
クリスピー・クリーム・ドーナツは2006年に新宿1号店をオープンしたアメリカ企業で、ドーナツブームの火付け役となりました。
イーストドーナツをグレーズでコーティングした「オリジナル・グレーズド」が人気ナンバーワン商品で、製造工程の見える店舗が特徴です。
現在ではブームが落ち着き、日本でも定番のドーナツショップとして多くのファンに支えられています。
コンビニスイーツとしてのドーナツの台頭
SNSの発展により、生ドーナツなどの「進化系映えドーナツ」が増えてきています。
その中でも、セブンイレブンなどのコンビニエンスストアがドーナツ事業に力を入れており、100円台で手頃な価格と24時間買える利便性を活かしたビジネスを展開しています。
また、セブンイレブンでは「7プレミアム もっちりとしたぼーるドーナツ」などのドーナツ風スイーツも販売しており、新しいスイーツとしての進化が魅力です。
まとめ
本記事では、アメリカの人気ドーナツブランド「ダンキンドーナツ」について紹介しました。
日本では見かけることのないダンキンドーナツですが、その背景にはさまざまな歴史や挑戦が存在しています。
隣国である韓国では、ダンキンドーナツは非常に人気のあるドーナツチェーンであり、現在もハイレベルな新商品が続々と発売されています。
また、ほかの国でもローカライズされた独自の商品が販売されているので、その国ならではの味を楽しめるという点も大きな魅力です。
ダンキンドーナツが気になる方はぜひ本記事を参考にして、海外旅行の際には現地店舗へ訪れてみてくださいね!
◇経歴
・英米文学科卒業
・George Brown College卒業(カナダ・トロント)
・カナダ現地のパティスリーにてパティシエとして働く
・現在はWebライターのほか、SNS運用やコンテンツクリエイターとして活動しています。
◇資格
IELTS General 6.0
◇留学経験
・ニュージーランド(2週間)
→高校留学でホームステイ体験
・カナダ(13年)
→ワーキングホリデー→カレッジ留学→現地就職→永住権取得
◇海外渡航経験
長期滞在:カナダ、韓国(3ヶ月)
旅行:ニュージーランド、オーストラリア、アメリカ、
イタリア、タイ、インドネシア、シンガポールなど
◇自己紹介
英語学習や留学に関する記事を書いているWebライターです。
幼少期から英語や海外に興味があり、子ども英会話教室に通ったり、ニュージーランドへ短期留学したり、大学は英米文学を専攻したりと英語に関わる人生を過ごしてきました。
現在はカナダ在住13年め、海外で子育て奮闘中です。
英語学習や海外生活に興味のある方に、役立つ情報をお届けできたらと思っています。どうぞよろしくお願いします!