海外の大学進学を検討されている方で、学費がどれくらいかかるのか、どの国が留学先としておすすめなのかといった情報が見つからず、お困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、海外大学への留学を検討されている方のために、留学にかかる費用を徹底的に解説し、そのコストを賢く抑える方法をご紹介します。
学費が安い国の特徴とメリット
ヨーロッパで学費が安い国々
アジアで学費が安い国々
学費以外の費用と生活コスト
奨学金や支援制度の活用方法
海外留学を楽しむには、事前の情報収集が欠かせません。
充実した滞在のためにも、ぜひ最後までお読みください。
学費が安い国の特徴とメリット
海外留学には、語学力の向上はもちろん、異文化理解やグローバルなネットワーク構築など、多くのメリットがあります。
しかし、渡航費や家賃、現地での生活費など多くの費用がかかるため、費用面が大きなハードルとなります。
そこで注目されるのが、学費や生活費が比較的安い国々です。
これらの国を選ぶことで、留学費用を抑え、海外での学びを実現する道が開かれます。
学費が安い国とは?
海外大学の学費は、国や地域によって大きく異なります。
一般的に、アメリカやイギリス、オーストラリア、カナダなどの人気留学先は学費が高額になる傾向があります。
例えば、アメリカの私立大学では年間数百万円になることも珍しくありません。
一方で、ヨーロッパやアジアの一部の国には、学費が非常に安い、あるいは学費自体が無料という大学も存在します。
例えば、ドイツやノルウェーの国公立大学は、留学生であっても学費が無料または非常に安価です。
また、ポーランドやハンガリー、イタリア、スペインなど中央ヨーロッパや南ヨーロッパの国々も、他の欧米主要国と比較して学費が格段に安い傾向にあります。
アジアでは、フィリピンやマレーシアが特に学費が安いことで知られています。
シンガポールや香港、韓国なども国際化が進み評価が高まっていますが、これらの国・地域の学費は比較的高い傾向にあります。
このように、学費が安い国とは、主にドイツやノルウェーのように学費無料の制度がある国や、フィリピンや中央・南ヨーロッパの国々のように授業料自体が低く設定されている国を指します。
学費が安いメリットとは?
留学先として学費の安い国を選ぶ最大のメリットは、留学にかかる費用総額を大幅に抑えられることです。
高額な学費の心配が軽減されることで、留学への一歩を踏み出しやすくなります。
学費を抑えることで、現地での生活費やその他の活動に予算を充てることも可能です。
これにより、金銭的な心配を減らし、より余裕をもって留学生活を送れます。
学費が安いだけでなく物価も安い国を選べば、日々の生活費や交際費、国内旅行にかかる費用も節約できます。
さらに、ヨーロッパのシェンゲン協定加盟国のように、周辺国へのアクセスが良い国を選べば、留学中にパスポートやビザなしで気軽に他国へ旅行することも可能です。
ヨーロッパで学費が安い国々
ヨーロッパには、他の英語圏の国々(アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダなど)と比較して、学費や物価が安い留学先がいくつかあります。
ここでは、大学留学を中心に学費が安いとされるヨーロッパの国々をいくつかご紹介します。
ノルウェー
ノルウェーの国公立大学は、留学生を含め学費が無料という点が最大の特徴です。
これは留学生にも適用されるため、学費の負担をゼロに抑えることが可能です。
ただし、ノルウェーはヨーロッパの中でも物価が非常に高い国であり、滞在費や生活費は月12万円以上を見込む必要があります。
生活費の高さがネックとなりますが、留学生にも週20時間までのアルバイトが認められており、収入を得ながら学んだ言語を実践する機会を持つことができます。
ポーランド
ポーランドは、学費と物価がどちらも安いという点で、大学留学の穴場として注目されています。
年間の学費相場は25万円からと非常に安価で、入学金も無料です。
さらに、ヨーロッパの中では物価が低く、学生寮に滞在して自炊などをすれば、月3〜5万円ほどの生活費で暮らせるとされています。
また、ポーランドの大学には、英語だけで学位が取れるプログラムもあるため、英語での大学教育を希望する学生にも良い選択肢になります。
ハンガリー
ポーランドと同様、中央ヨーロッパのハンガリーも大学留学先として魅力的です。
学費と物価の安さはポーランドとほぼ同等か少し高くなる程度とされています。
ハンガリーの大学にも英語で授業が受けられるプログラムがあり、特に医学教育の質が高いことから、近年は医学部への留学が人気を集めています。
首都ブダペストは「ドナウの真珠」とも呼ばれる人気の観光都市で、ハプスブルク帝国時代の豪華な街並みを堪能できます。
生活費の目安は月額約6万〜11万円、学生寮なら月額約1.6万円未満と報告されています。
また、ハンガリー政府が提供する「ハンガリー奨学金」があり、授業料免除や月額奨学金、学生寮の無償提供などの手厚い支援を受けられる可能性があります。
アジアで学費が安い国々
アジアにも、学費や物価が安く、留学費用を抑えられる国々があります。
特にフィリピンやマレーシアは、費用を抑えたい学生にとって魅力的な選択肢です。
オーストラリアも学費が安い国として挙げられることがありますが、他のアジア諸国や一部のヨーロッパ諸国と比較すると高めです。
フィリピン
フィリピンは、安価に、かつ短期間で英語力を向上させたい学生から絶大な人気を集めています。
語学留学にかかる費用が他の国に比べて大幅に安く、学費(寮費込み)は1ヶ月あたり12万〜18万円、高い学校でも25万円ほどとされています。
これは、日本で語学学校に通う場合や他の主要な留学先と比較しても非常に低価格です。
費用が安い理由の一つに、物価が日本の5分の1ほどと非常に安いことが挙げられます。
生活費も抑えられるため、全体的な留学費用を節約できます。
公共交通機関が発達しており運賃が安いことも、現地の交通費を抑える上で有利です。
大学留学先としても注目されており、国公立大学の学費は年間わずか5万円から、私立大学でも15万円からと、圧倒的な安さを誇ります。
また、フィリピンはアジアで最も英語が使用されている国の一つであり、大学の授業はもちろん、日常生活でも英語を使う機会が多くあります。
語学学校ではマンツーマンレッスンが主流で、英語初心者でも集中的に学べます。
学校によっては食事付きの寮があり、海外生活に慣れない学生にはありがたいサポートです。
リゾート地としても知られており、英語学習とリフレッシュを両立させることも可能です。
マレーシア
マレーシアは、特に大学留学先として近年注目度が高まっています。
学費の安さに加え、他国の大学と提携した編入システムが豊富なことが大きな特徴です。
欧米諸国の大学の分校や、マレーシアの大学で学び始めた後に提携校へ編入するツイニングプログラム、マレーシアと提携大学両方の学位を取得できるデュアルディグリープログラムなどがあり、費用を抑えつつ欧米と同等レベルの質の高い教育を受けたり、欧米大学の学位を取得したりすることが可能です。
マレーシアの大学の年間学費は60万円から90万円ほどとされており、アメリカ(約100万〜500万円)やイギリス(約150万〜600万円)と比較すると大幅に安価です。
マレーシアの大学は、欧米大学に比べて入学条件となる語学力レベルが若干低い点も魅力です。
大学側で英語力をつけるための語学コースを提供している場合もあり、欧米諸国に比べて大学入学のハードルが低めと言えます。
ただし、近年は物価の上昇幅が大きくなっており、生活費については日本と変わらない程度を見込む必要があるという報告もあります。
学費以外の費用と生活コスト
留学にかかる費用は学費だけではありません。
渡航費、滞在費、現地での生活費、保険料、ビザ関連費用など、様々な費用が発生します。
これらの費用を把握し、適切に計画することが、留学費用を抑える上で非常に重要です。
費用の内訳
留学を実現するためには、学費だけでなく、様々な費用が発生することを理解しておくことが重要です。
これらの費用は渡航前、現地での出費、その他の3つに分類され、留学先や期間、個人のライフスタイルによって大きく変動します。
まず、渡航前には航空券代(往復)、留学保険、そしてビザ申請費用がかかります。
航空券は留学先や時期によって価格が大きく異なり、LCCなどを活用すれば費用を抑えられる場合があります。
海外での医療費は高額になることが多いため、万が一に備えて留学保険(海外旅行保険)には必ず加入しておくべきでしょう。
ビザは留学期間や国によって申請が必要となり、申請料や関連費用が発生します。
次に、現地での出費は留学費用の大部分を占めます。
これには、学費の他に、入学金や教材費などの学校費用が含まれます。
滞在形態によって大きく変動する滞在費用(宿泊費)も重要な要素で、寮、ホームステイ、シェアハウスの家賃などが挙げられます。
そして、食費、交通費、通信費、交際費、お小遣いといった生活費は、日々の生活に欠かせない出費です。
特に、大都市や物価の高い国では生活費も高額になる傾向があるため、留学先の国や都市、個人のライフスタイルによって大きく異なります。
さらに、その他の費用として、携帯電話やインターネットにかかる通信費、プライベートで楽しむ娯楽・旅行費、そして教科書やノートPCといった教材費も考慮に入れる必要があります。
実際に大学留学を検討する場合、学費(年間)は国や大学によって大きく異なるものの、それに加えて年間数十万円から百万円以上の生活費が必要となるのが一般的です。
例えば、アメリカの大学留学では学費以外に年間約300万円〜585万円、カナダでは年間約165万円〜330万円の生活費がかかる目安が示されています。
奨学金や支援制度の活用方法
海外留学には多額の費用がかかることがありますが、奨学金制度や様々な支援制度を活用することで、費用の負担を軽減し、留学を実現できる可能性が広がります。
奨学金は、日本国内で申請できるものと、留学先の国や大学で申請できるものがあります。
日本で申請できる奨学金とは
日本で利用できる奨学金制度は、政府、財団、自治体など、多岐にわたる団体が提供しており、留学の経済的ハードルを下げる大きな助けとなります。
奨学金には大きく分けて貸与型と給付型の2種類があります。
貸与型は、資金を借りる制度であり、将来的な返済義務が生じます。
有利子か無利子かは制度によって異なりますが、給付型に比べて募集団体が多く、採用基準が比較的低い傾向があるため、給付型が難しい場合の現実的な選択肢となります。
一方、給付型は、返済の必要がないため、将来の経済的負担がないという非常に大きな魅力があります。
しかしその分、募集人数が限られていたり、学業成績や家庭の収入など、採用基準が厳しかったりする傾向があります。
日本で申請できる奨学金の例として、以下のようなものがあります。
・海外留学支援制度(日本学生支援機構 JASSO)
・グルー・バンクロフト基金
・中島記念国際交流財団の奨学金
・ロータリー財団グローバル補助金
・吉田育英会の奨学金
・柳井正財団海外奨学金プログラム
これら以外にも、様々な団体が独自の奨学金制度を提供しています。
応募には、通常、特定の条件を満たし、書類審査や面接などの選考を通過する必要があります。
まとめ
この記事では、海外大学の留学費用や費用の安い国について解説しました。
学費が安い国での留学は、費用総額を抑え、留学への一歩を踏み出しやすくします。
ドイツやフィリピンなど学費が無料・安価な国は、物価も安く、生活費を節約可能です。
高水準な教育を受けつつ、周辺国へのアクセスも良く、多様な文化に触れる充実した留学体験が期待できます。
ヨーロッパ留学なら、ノルウェー、ポーランド、ハンガリーが学費を抑えられます。
アジアでは、フィリピンやマレーシアが学費を抑えられます。
留学費用は学費に加え、航空券、滞在費、生活費、保険、ビザ代などがかかります。
日本や留学先の国・大学が提供する奨学金を活用すれば、費用負担を軽減し留学を実現できます。
事前にしっかりと計画を立て、費用を抑える方法を検討することで、充実した留学生活を送れます。
自分にあった留学プランを選びましょう。