マレーシア就職やマレーシア移住を検討しているなら、「現地の平均年収は?」「日本人の駐在員や現地採用の給料は?」「生活費と収入のバランスは取れるの?」といった疑問を持つ方も多いでしょう。このブログでは、以下の3つのポイントに絞って、マレーシアの年収事情をわかりやすく解説します。
・マレーシアの平均年収と月収の現状
・日本人駐在員と現地採用の給与比較
・マレーシア現地の生活費
「マレーシアで働いてみたい」「海外移住に興味があるけど、収入面が不安」という方は、この記事を読むことで、現地のリアルな収入と生活水準がつかめるはずです!
マレーシア基本情報
首都 | クアラルンプール |
時差 | 日本より1時間おくれ |
通貨 | リンギット(MYR、RM)※RM1≒31~33円前後(変動あり) |
公用語 | マレー語(英語も広く公用) |
主要民族 | マレー系(約69%)、中華系(約23%)、インド系(約7%)など |
マレーシアは東南アジアに位置し、日本からは直行便で約7〜8時間で到着します。
熱帯モンスーン気候に属し、雨季と乾季がありますが、年間を通して温暖で、ほぼ一年中半袖で過ごせる気候です。
マレーシアは多民族国家で、主にマレー系、中華系、インド系のマレーシア人で構成されています。国教はイスラム教で、多くのマレー系住民が信仰しています。そのため、豚肉やアルコールを避けたハラル料理が一般的で、女性がヒジャブ(スカーフ)を身につける文化も見られます。
公用語はマレー語ですが、異なる民族間では英語での会話が一般的です。そのため、都市部を中心に多くのマレーシア人が英語を話すことができます。
また、複数の文化・宗教が共存しているため、他人の価値観や違いを受け入れる寛容な国民性もマレーシアの大きな特徴です。
マレーシアの平均年収と月収の現状
マレーシア統計局が発表した「Salaries & Wages Survey Report 2023」の調査によると平均月収と平均年収は以下のようになります。
平均月収:RM3,441(約117,000円)
平均年収:RM41,292(約1,600,000円)
一方、日本の労働者の給与については、厚生労働省が公表している「毎月勤労統計調査」によると次の通りです。
平均月収(正規雇用者):約333,000円
平均年収(正規雇用者):約4,000,000円
このように比べてみると、マレーシアの平均年収は日本よりも低めではありますが、物価も抑えられているため、収入と生活費のバランス次第で十分に快適な生活が可能です。
業界別の給与水準
マレーシアでは、業界によって給与水準に差が見られます。以下は、主な職種の平均月収を日本円換算でまとめたものです。
業界別 | 平均月収(RM) | 日本円 |
企業経営(管理業) | 8,705 | 約298,500円 |
情報技術 | 5,937 | 約203,000円 |
金融業 | 5,157 | 約176,400円 |
法律関連 | 4,635 | 約158,500円 |
会計業 | 4,218 | 約144,300円 |
とくにIT業界や金融関連の職種は、マレーシア国内でも比較的高収入の傾向があります。
近年は、デジタルノマドビザの発行が始まるなど、IT・テック系の海外人材を積極的に受け入れる動きも強まっており、これらの分野でのキャリア展開を考えている方にはチャンスが広がっています。
日本人駐在員と現地採用の給与比較
日本人駐在員の場合
マレーシアには、たくさんの日系企業が進出しています。
日本から派遣される駐在員として働く場合の年収は、会社や役職によってかなり差がありますが、日本よりも手当や補助が充実していて、トータルの待遇は良くなることが多いです。
たとえば、以下のような手当があります。
住宅補助(家賃の全額負担や、日本からの引っ越しサポートなど)
生活補助(運転手付きの車の支給、家具購入の補助など)
帰国費用、海外保険など
現地採用の場合
現地採用とは、マレーシアにある会社に現地スタッフとして直接雇われて働く形です。日系企業や外資系企業など、いろいろな会社がありますが、基本的にはマレーシアの法律にそって働くことになります。たとえば、給与制度や退職時の手続きが日本とは違う場合もあるので、あらかじめ確認しておくのがおすすめです。
なお、マレーシアで働くには就労ビザが必要ですが、その条件として月収RM5,000(約17万円)以上が必要です。そのため、最低でも年収はRM60,000(約205万円)程度からになります。給与は、職種や英語力によって大きく差が出るのが現地採用の特徴です。
英語不問の仕事に就きたい場合
「英語力に自信はないけど、まずは海外で働いてみたい」と思っている方も多いですよね。そんな人に人気なのが、日本語で対応するカスタマーサポートの仕事です。
これは、日本人のお客さんからの問い合わせに、電話やチャットで対応するお仕事で、英語を使う場面はほとんどありません。英語ができなくても比較的高いお給料がもらえるのが魅力です。また、長く働いてリーダーやマネージャーに昇格すれば、さらに年収アップも目指せます。
給与の目安:
月収:RM7,000〜RM8,000(日本円で約239,000〜273,000円)
年収:RM84,000〜RM96,000(日本円で約2,870,000〜3,280,000円)
ただし、カスタマーサポート職の求人の多くは外資系企業が募集しているため、社内の手続きや日常生活では英語が必要になることもあります。日常会話レベルの英語ができると、仕事も生活もスムーズになります。
英語がビジネスレベルで話せる場合
もし英語が得意で、専門的なスキルやマネジメント経験があるなら、さらに高収入を目指せます。特に、以下のような条件を持っていると有利です。
営業やIT、マーケティングなどの専門スキルがある
マネージャーやリーダー職に応募できる
英語で会議や資料作成が問題なくできる
英語がビジネスレベルで使えると、応募できる仕事の幅がかなり広がります。
給与の目安:
月収:RM7,000〜RM12,000(日本円で約239,000〜410,000円)
年収:RM84,000〜RM144,000(日本円で約2,870,000〜4,920,000円)
生活費と年収のバランス
マレーシアで暮らすうえで気になるのが、「生活費はどのくらいかかるのか?」という点です。ここでは、マレーシアと日本の物価を比較しながら、現地での生活費の目安や収支のバランスについて紹介します。
日本より安価なもの
マレーシアでは、食事や交通費などの日常的な出費が日本よりも抑えられる傾向があります。たとえば、日本と比べて約2分の1から3分の1ほどの費用で済むことが多く、生活費を大きく節約できます。
・公共交通機関
クアラルンプールの電車の初乗り料金は約RM1〜(約35円〜)で、日本の都市部の初乗り運賃(150〜200円)と比べて、約5分の1程度の価格です。
・500mlのミネラルウォーター
約RM1〜2(約35〜70円)で購入できます。日本では同じサイズの水が100〜150円で売られているため、こちらも約3分の1ほどの価格で購入できます。
日本と同じくらい、日本より高価なもの
一方で、日本と比べて高く感じるものもあります。
・お酒
マレーシアは世界で3番目に高いアルコール税がかかっています。そのため、缶ビール1本がRM10〜15(約341〜512円)ほどになることもあり、日本より高めです。
・日本の食品
マレーシアのスーパーでも日本の調味料や食品は手に入りますが、輸入品のため、価格は2〜3倍になることがあります。
・家賃
一人暮らしの場合、家具・家電付きのコンドミニアムに住むのが一般的です。首都クアラルンプールでは、2024年時点で平均家賃がRM2,863(約9.7万円)です。東京の同程度の物件に比べると割安ですが、マレーシアでの生活費全体で見ると高めの出費です。こうした支出も考慮して、生活費全体をバランスよく管理することが大切です。
マレーシアの生活費
現地採用されて、月収RM7,000(約24万円)を想定した場合の生活費のおよその内訳です。
項目 | およその支出割合 | 金額(目安) | 日本円 |
住居費 | 30〜40% | RM2,100〜2,800 | 約71,800円〜約95,800円 |
食費 | 20〜25% | RM1,400〜1,750 | 約47,900円〜約59,900円 |
交通費 | 10〜15% | RM700〜1,050 | 約23,900円〜約35,900円 |
光熱費(電気・水道) | 5〜10% | RM350〜700 | 約11,900円〜約23,900円 |
通信費(ネット・携帯) | 5〜7% | RM350〜490 | 約11,900円〜約16,800円 |
その他 | 10〜15% | RM700〜1,050 | 約23,900円〜約35,900円 |
所得税(非居住者の場合) | 30%(源泉徴収) | RM2,100 | 約71,800円 |
マレーシアでの所得税
マレーシアでは、滞在期間によって税制が異なります。
・滞在期間183日未満の場合
30%の一律課税が適用されます。月収がいくらでも30%の税金がかかりますが、必要な申請をすれば、税金が返金される場合があります。最初は少し高めの税金が引かれますが、後から戻ってくる可能性があるため、ご安心ください。
・滞在期間183日以上の場合
累進課税が適用され、収入に応じて税率が0%〜30%の間で決まります。
たとえば、月収RM7,000(約239,400円)の場合、183日未満なら所得税はRM2,100(約71,800円)かかりますが申請を通じて、過剰に支払った税金が返金される可能性があります。初年度は税金が少し高く感じるかもしれませんが、しっかり管理すれば問題なく生活できるでしょう。
まとめ
今回のブログでは、以下のポイントについて詳しく解説しました。
・マレーシアの平均年収・平均月収の最新データ
・日本人駐在員の給与事情や、現地採用で高収入が期待できる仕事の特徴
・マレーシアでの生活費とその内訳
マレーシアでの就職や移住を検討している方は、年収や生活コストのバランスを理解することがとても大切です。この記事を参考に、信頼できる情報をもとに準備を進めてくださいね。「英語力が不安…」という方は、ネイティブキャンプなどのオンライン英会話を活用して、実践的な英語力を高めておくのがおすすめです。
※RM1=34.2円(2025年5月5日現在)にて計算しております。