地中海の宝石として知られる、マルタ。
青い海と歴史的な街並みが魅力ですが、語学留学や旅行前に気になるのが言葉の壁ではないでしょうか。
実はマルタには二つの公用語があり、その一つが英語なんです。
この記事では、マルタの公用語である英語とマルタ語について解説するとともに、現地の語学事情や、英語がどの程度通用するのかを具体的にご紹介します。
渡航前に知っておくことで言葉の心配をせずに、より安心してマルタを楽しめるはずです。
マルタの公用語は何語?
マルタの公用語は、マルタ語と英語の2つです。この2つの言語は、教育や公共サービス、日常生活の多くの場面で使われています。
特に教育現場においては、幼少期から英語を学ぶことがスタンダードとなっており、英語を流暢に話せる国民が多いのが特徴です。
マルタ語は97%の国民が母語としていますが、89%が英語を話すことができるといわれています。
英語は主にビジネスシーンや観光業で広く使用されており、特に観光客が訪れるレストランや公共交通機関では英語が主流です。
一方で、地域社会ではマルタ語が頻繁に使用され、家族や地元住民同士での会話には欠かせない存在となっています。
マルタ語は、マルタ共和国の公用語の一つであり、国民のアイデンティティを象徴する重要な言語です。
また、アラビア語に由来したユニークな言語であり、ヨーロッパで唯一のセム語系言語として知られています。
地中海の中央に位置するマルタは、古くからヨーロッパ各国が交差する地として大きな影響を受けてきました。
そのため、マルタ語は数千年の歴史の中で多くの異文化に触れて進化してきました。
マルタ語の語彙にはアラビア語由来の単語が多くあり、ラテン系言語の影響も色濃く見られるため、ヨーロッパと中東の文化の橋渡しの象徴とも言える存在です。
また、長い間イタリアと密接な関係にあったため、マルタ語にはイタリア語由来の語彙や表現が多く含まれています。
実際、20世紀前半まではイタリア語が教育や行政の場で使用されることが多かった歴史もあります。
また、フランスの支配下にあった短い期間も、マルタの文化と言語に影響を与えました。
その結果、マルタ語にはイタリア語やフランス語の痕跡が色濃く残っています。
マルタ語と英語はどう違う?現地での使い分け方
マルタは独自の歴史と文化を持つ島国で、その言語環境にも特色があります。
公用語はマルタ語と英語ですが、それぞれの使用場面や役割には違いがあります。
マルタ語は地元の文化と言語のアイデンティティを象徴すると同時に、英語は国際的なコミュニケーションや教育で重要な役割を担っています。
まず、マルタ語は主に家庭や地域社会での日常的な会話や宗教的な行事で使われます。
マルタはカトリックが国教であり、宗教教育が学校カリキュラムの重要な部分を占めています。
この背景から、祈りや聖書の言葉など、カトリックの影響がマルタ語と密接に結びついています。
また、観光業が盛んなマルタにおいて、観光地の名前や伝統的な産業、地元料理にはマルタ語が頻繁に使われています。
例えば、観光客が訪れるバレッタやゴゾ島では、マルタ語の看板や地元の方言が観光体験の一部となっています。 これにより、訪問者はマルタ語を通じてその地域固有の文化に触れることができます。
一方で英語は、学校教育、ビジネス、観光業など国際的な交流が必要な場面で広く用いられています。
多くのマルタ人は幼少期から英語を話せる環境で育つため、流暢な英語を話す人が多いことも特徴的です。
それでもマルタ語も日常生活に深く根付いており、地域社会では重要なコミュニケーション手段となっています。
また、英語にはゆっくりとした抑揚があり、マルタ独特のイントネーションやアクセントが含まれる点が興味深い特徴です。
このように、教育やビジネスシーンでは英語が主流ですが、マルタ語は文化的なつながりを強める言語として大切にされています。
マルタを訪れる際には、この二つの言語の相互補完的な使い分けを理解することで、よりマルタの多文化的な魅力を体感できるでしょう。
マルタ島の言語環境をリアルに紹介|英語は通じる?
マルタ島は、観光客や留学生にとって英語でのコミュニケーションが他の英語圏以外のヨーロッパの国々と比べて非常にスムーズな国です。
日常生活では、レストランのメニューや公共交通機関の案内板など、ほぼ全てが英語で表記されています。
旅行者に対しても非常に親しみやすい環境と言えるでしょう。 加えて、現地のホストファミリーやスタッフ、駅員、バスの運転手も英語を話すことができるため、特別な準備なしに英語だけで快適に過ごせることが多いです。
英語の種類としてはイギリス英語に近く、学びやすいという特徴があります。
一方で、マルタの多文化的な背景から、マルタ語も生活の中で重要な役割を果たしています。
現地では、マルタ語由来の看板や会話が目立つ地域もあり、英語が必ずしもどこでも通じるわけではありません。
特に地方や高齢者の方々との交流では、マルタ語の理解が役立つ場面があります。
マルタにはイタリア語やフランス語を話せる人も多く存在するため、特定の状況下では他の言語が役立つこともあります。
これらの背景から、滞在中にマルタ語を少し学んでおくと、現地での交流がより豊かになります。
また、親近感を持たれ友達ができやすくなったり、思わぬ出会いにつながる事もあることがあるので、渡航前にはマルタ語での簡単な挨拶を学んでおくことをおすすめします。
マルタで英語が公用語の理由
マルタで英語が公用語として使用されていることには、歴史的な経緯と独特の文化的背景があります。
マルタは長い間、多くの国や帝国から支配を受けてきた地域であり、その中でもイギリス統治時代の影響が特に強く残っています。
イギリスによって行われた英語教育の普及と、行政言語としての英語の使用は、現代まで続くマルタの言語環境を形成する重要な要素となっています。
英語がマルタで公用語として定着したもう一つの要因として、教育制度の役割が挙げられます。
マルタでは幼少期から英語による教育が行われており、多くのマルタ人が高い英語能力を身につけています。
このバイリンガル教育を通じて、特に若い世代は日常生活や国際的な場面で英語を流暢に話せる環境が整っています。
さらに、マルタは地中海の中心に位置し、観光業や留学プログラムが盛んな国でもあります。
このグローバルな環境は、英語を公用語として維持することの重要性を後押ししています。
このように、英語がマルタで公用語として認められている理由には、歴史的な英語教育の浸透、教育政策、そして観光や国際交流の需要といった要因が組み合わさっています。
マルタの公用語と英語教育事情
マルタではマルタ語と英語が公用語として使用されています。このユニークな言語環境は、国の歴史や文化的背景と深く結び付いています。
特に教育においては英語が中心的な役割を果たしており、幼少期から英語を学ぶ機会が整備されていることが特徴です。
このため、多くのマルタ人が日常的に英語を使用できる高度なバイリンガル社会を実現しています。
英語教育が盛んな背景には、かつてマルタがイギリスの植民地であった歴史が関係しています。
イギリス統治時代には英語が優勢な言語となり、その影響は現在もマルタの教育システムに強く根付いています。
学校ではほとんどの授業が英語で行われるため、学生たちは日常的に英語に触れながら学びます。
また近年、移民増加がマルタの社会に与える影響が大きくなりつつあります。
マルタの公用語であるマルタ語と英語は、これまで多文化共存を支える中心的な役割を担ってきました。
しかし、多様な背景を持つ移民が増えることで、追加の言語対策や政策が求められています。
例えば、移民の子どもたちが学校でスムーズに学べるよう、英語だけでなく母語教育の導入が議論されています。
これにより、マルタ語を次世代に継承しつつ、多文化社会での統一感を保つことが課題となっています。
そして、英語教育とは異なりますが、マルタで行われているユニークな語学教育の一例として、イタリア語も教育の一環として選択肢に含まれていることが挙げられます。
マルタは歴史的にイタリアの影響を強く受けた地域であり、多くのマルタ人がイタリア語を比較的容易に習得できる環境にあります。
また、地理的にイタリアに近いことや観光業での需要から、イタリア語を話せることはキャリア形成においても有利とされています。
一部の学校ではイタリア語が選択科目の一つとして提供されており、生徒たちは三言語を並行して学ぶ機会を持っています。
とはいえ、マルタはマルタ語の保護と育成にも努めており、公用語としてのバランスを保つ工夫がされています。 マルタ語も学校教育における重要科目の一つであり、幼少期からの学びを通じて次世代に引き継がれています。
このような教育政策は、英語を主に使用する中でもマルタのアイデンティティを維持することが目的とされています。
また、マルタ語文学や詩の創作活動を促進することで、文化遺産を守り続ける努力も行われています。
まとめ
マルタではマルタ語と英語が公用語とされており、多文化共存を象徴する国となっています。
その独特な言語環境は、過去の植民地としての歴史や地理的条件から生まれたもので、多くのヨーロッパ言語が影響を与えています。
また、留学先としても人気があるマルタは、英語教育が非常に充実しているため、多くの外国留学生がこの地を留学の拠点として選んでいます。
マルタ語と英語の二言語が共存する環境は、留学生にとっても文化的交流を深める貴重な機会となっています。
マルタを訪れる際は、公用語であるマルタ語と英語、それぞれの魅力を体感しながら過ごしてみましょう。

◇経歴
高校は日本国内の文部科学省グローバル教育指定校に通学。
高校卒業後、タイの国立タマサート大学に1年間正規留学。
その後、転入先であるチェコの国立マサリク大学で政治とメディア学を専攻。
イギリスの企業でマーケティングインターンを経験し、その後ジュニアマーケターとして採用され、英語での実務経験もあります。
◇資格
・TOEIC 800(高校2年次取得
・ IELTS 6.5(高校3年次取得
・ CEFR C1 (大学2年次取得)
◇留学経験
・アイルランド・ダブリンで2週間のホームステイ (高校2年次)
・タイ国立タマサート大学(1年間正規留学)
・チェコ国立マサリク大学(現在3年目で政治とメディア学専攻)
◇海外渡航経験
・25カ国訪問済み(例:ギリシャ、ベトナム、アルバニアなど)
・現地での留学やインターンシップの経験あり
・現在は30歳までに30カ国訪れることが目標
◇自己紹介
旅行が大好きで、異文化交流や新しい経験を大切にしています。これまでの経験を活かし、留学の良さを伝えていけたらと嬉しいです。