ペソはどこの国で使用されているの?ペソを使用する国々:歴史と現在の通貨事情

ペソ、どこの国、ネイティブキャンプ、オンライン英会話国によって文化や生活スタイルに大きな違いがあったりしますが、 そんな、国によって全然違うものの一つが「お金の単位」です。

例えば、日本のお金は「円(yen)」
アメリカは「ドル(dollar)」
イギリスは「ポンド(pound)」という感じですね。

海外旅行や留学を考える際、その国で使用されている通貨は何か、また、日本円をその国の通貨に変える(いわゆる「両替」する)時に、いくらの日本円がその国ではいくらになるのかということを知っておくのはとても大事です。

また、ちょっとややこしいことに、同じ名前の通貨単位が複数の国で使われていることもあります。

例えば、「ドル」はアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドといった複数の国の通貨の単位です。

ただし、呼び名は同じでも全く別の通貨であり、両替する時の両替レートも異なります。

今回、この記事で取り上げるのは、「ペソ(peso)」という通貨単位です。

この「ペソ」も複数の国で使用されていて、同じ「ペソ」でも国によって価値や使い方が大きく異なることがあります。

そのため、目的地の通貨事情をあらかじめ理解しておくことで、滞在中の支払いトラブルを避け、より安心して現地生活を楽しむことができます。

この記事では、「ペソ」という通貨の起源から、現在どの国で使われているのか、そしてそれぞれの国における特徴や為替レートの違いについて解説していきます。

また、旅行者や留学生にとって役立つ情報や注意点も紹介します。

ペソの起源と歴史的背景

 

「ペソ」という通貨名は、スペイン語で「重さ」を意味する言葉に由来しています。

その歴史は、16世紀のスペイン帝国にまでさかのぼります。

スペインが新大陸を征服し、植民地支配を広げていく中で、銀を基盤とした貨幣制度が築かれました。

その中心となったのが、「ペソ」(英語圏での呼び名は「スペイン・ドル」)と呼ばれる銀貨です。 これが現在の通貨単位である「ペソ」の原型です。

当時、スペイン領であったアメリカ大陸では、大量の銀が産出されており、それをもとに鋳造された「ペソ」は、新大陸やアジアなどの広範な地域で使用されました。

その後、19世紀に入って各植民地が独立を果たすと、それぞれの国が独自の通貨制度を整えていきます。

しかし、多くの国では引き続き「ペソ」の名称が採用されました。

これは、スペインの通貨制度が長年にわたり定着していたこと、そして「ペソ」という言葉自体が広く認識されていたことが理由として挙げられます。

現在では、スペインではすでに「ユーロ(euro)」が導入されているものの、中南米やアジアの一部の国々では「ペソ」が依然として公式通貨の名称として使用されています。

これらの国々では、スペイン統治時代の名残が通貨名にも色濃く残っており、通貨の歴史はその国の歴史とも深く結びついているのです。

 

ペソを公式通貨とする国々の一覧

 

現在、「ペソ」を公式通貨として採用している国は、主に中南米とアジアにあります。

これらの国々では、それぞれ異なる経済状況や貨幣制度のもとで独自の「ペソ」が流通しており、同じ名前でも通貨の価値や使い方には違いがあります。

以下が、現在ペソを公式通貨単位として使用している主な国々です。

・フィリピン
・メキシコ
・アルゼンチン
・チリ
・コロンビア
・キューバ
・ドミニカ共和国
・ウルグアイ

(2025年4月時点)

なお、国によっては「ペソ」が公式通貨として使われていても、同時にアメリカのドルなど他の通貨も併用されている場合があります。

また、かつて「ペソ」が使われていたものの、現在は別の通貨に移行した国や地域もあります。

 

各国のペソの特徴と為替レートの違い

 

「ペソ」という通貨名は共通していても、その価値、流通量、デザイン、経済的背景は国ごとに大きく異なります。

旅行や留学などでペソ圏の国を訪れる際には、それぞれの国の通貨事情を事前に把握しておくことが大切です。

 

為替レートの違いに注意

 

「1ドル=145円」など、ある国の通貨が別の国の通貨ではいくらになるのかを示したものが「為替レート」です。

「両替レート」「両替率」などといわれることもあります。

ペソは国によって為替レートが大きく異なるため、例えば同じ「100ペソ」であっても、フィリピンとアルゼンチンでは現地での価値に大きな差があります。

また、通貨の価値だけでなく、通貨記号や通貨単位の表記にも違いがあります。

例えば、フィリピンでは「₱(ペソ記号)」が使われる一方、メキシコでは「$」とアメリカドル(米ドル)と同じ記号が使われるため、混乱を招くこともあります。

 

紙幣や硬貨のデザインもさまざま

 

各国のペソ紙幣には、歴史的人物、国の象徴、自然風景などが描かれており、それぞれの文化や国民性が反映されています。

 

使いやすさと現地事情

 

国によっては、ペソ以外の通貨、例えば米ドルなどが広く流通しているケースもあります。

キューバでは公式にはキューバ・ペソが使われていますが、観光地などでは米ドルが好まれることもあります。

それでは以下に、「ペソ」が使われる主な国ごとに、その特徴を解説しましょう。

なお、以下にご紹介する為替レートは2025年4月初旬の情報を基にしていますが、渡航前には最新情報の確認をおすすめします。

 

フィリピン

 

フィリピンの公式通貨は「フィリピン・ペソ」です。

通貨記号は「₱」です。

日本の通貨単位は「円」しかありませんが、例えばアメリカでは「ドル」の下の小さい単位として「セント」があります。

イギリスだと「ポンド」の下に「ペンス」があります。

こうした小さい単位は「補助通貨」とも呼ばれます。

フィリピンの「ペソ」の下の小さな単位は「センタボ」です。 ただし、使われる機会は減ってきています。

1フィリピン・ペソ ≒ 2.56円です。(2025年4月4日)

例えば、日本円で1000円は約390フィリピン・ペソに相当します。

フィリピンは全体的に物価が日本よりも低めで、外食や交通費、日用品などは比較的手頃です。

例えばローカルレストランでの食事は100ペソ前後、ショッピングモール内の中級レストランでは300〜500ペソほどです。

乗合バスの初乗り料金は10数ペソです。

両替は日本の銀行・空港、または現地でとなります。

マニラやセブなどの都市部には多くの両替所があり、レートも比較的良好です。

空港内のレートは街中より不利な場合があるため、必要最小限の額のみ空港で両替し、残りは市内で行う人が多いようです。

 

メキシコ

 

メキシコの公式通貨は「メキシコ・ペソ」です。

通貨記号は「$」

米ドルと同じ記号が使われていますが、当然ながらまったく別の通貨です。

現地では区別するために「Mex$」「MXN$」などと表記されることもあります。

1メキシコ・ペソ ≒ 7.07円です。(2025年4月6日)

例えば、日本円で1000円は約141メキシコ・ペソに相当します。

メキシコ・ペソの価値は中南米諸国の中では比較的安定しているといわれています。

メキシコは地域によって差があるものの、全体としては日本よりも物価が安めです。

例えば、ローカルレストランでは100ペソ以内で食事ができ、タコスなら1つ10〜20ペソ程度。

公共交通機関の利用料も安価で、地下鉄は1回5ペソ程度と非常にリーズナブルです。

両替については、手数料の観点からは、現地での両替がコストを抑える方法といえます。

都市部の空港やショッピングモールには信頼性の高い両替所が多数あり、比較的安心して利用できます。

通貨記号が米ドルと同じため、例えば「$100」と書かれている時、米ドルなのかメキシコペソなのかを確認せずに支払いをすると誤解やトラブルの元になることもあります。

価格表記に注意し、場合によっては店員に確認することが大切です。

 

アルゼンチン

 

アルゼンチンの公式通貨は「アルゼンチン・ペソ」です。

通貨記号は「$」で、メキシコ同様、米ドルと同じ表記を使用します。

でも全く異なる通貨なので注意が必要です。

1アルゼンチン・ペソ ≒ 0.13円です。(2025年4月6日)

例えば、日本円で1000円は約7500アルゼンチン・ペソに相当します。

アルゼンチン・ペソは為替レートの変動が激しく、国際的信頼度が低いとされています。

また、日本円から直接アルゼンチン・ペソに両替するのが難しい場合もあるため、アルゼンチン旅行時などは米ドルを持っていくのが無難とされています。

 

チリ

 

チリの公式通貨は「チリ・ペソ」です。

通貨記号は「$」で、メキシコやアルゼンチンと同様に、米ドルと同じ記号が使われていますが、全く別の通貨である点に注意が必要です。

1チリ・ペソ ≒ 0.15円です。(2025年4月4日)

例えば、日本円で1000円は約6500チリ・ペソに相当します。

チリは中南米の中では比較的経済が安定している国の一つで、物価も地域によって差がありますが、首都サンティアゴでは日本と同等かやや安い水準です。

ただし、レストランなどによってはランチに数千円かかるような場合もあります。

 

コロンビア

 

コロンビアの公式通貨は「コロンビア・ペソ」です。

通貨記号は、やはり米ドルと同じ「$」ですが、必要に応じて「COL$」「COP$」と表記されることもあります。

なお、桁数が非常に大きい通貨であるため、初めて店頭の値札を見る人は、物の値段のゼロの多さに驚くかもしれません。

1コロンビア・ペソ ≒ 0.035円です。(2025年4月4日)

例えば、日本円で1000円は約2万9000コロンビア・ペソに相当します。

日常生活では1万〜5万ペソ単位の取引が一般的です。

ゼロが多い通貨なので、例えば「10,000ペソ」「100,000ペソ」を見間違えると大変です。

価格を確認する際は慎重に桁数をチェックするクセをつけると安全です。

 

キューバ

 

カリブ海に浮かぶ島国、キューバ。 キューバの公式通貨は「キューバ・ペソ」です。

通貨記号はやはり米ドルと同じ「$」ですが、他の通貨と区別するために「CUP$」や単に「CUP」と表記されることもあります。

キューバでは、米ドルなどの外貨も一部の店舗や施設で広く流通しており、事実上の多通貨経済といえる状況です。

1キューバ・ペソ ≒ 6.08円です。(2025年4月4日)

例えば、日本円で1000円は約164キューバ・ペソに相当します。

ただし、キューバでは公式レートの他に非公式レートもあります。

非公式レートの方がかなり得な場合もありますが、だまされたりする危険性もありますので注意が必要です。

日本で米ドルに両替し、キューバの空港や政府認可の両替所でペソに両替するのが安心です。

現地の物価は、観光客向けと現地住民向けで大きく異なります。

ローカルのカフェでは数十ペソで軽食が取れる一方で、観光客が訪れるレストランでは1000ペソ以上かかることもあります。

例えば、ピザ一枚が80ペソ程度の店もあれば、ホテルのレストランではその数倍になることも珍しくありません。

 

ドミニカ共和国

 

ドミニカ共和国も、キューバ同様、カリブ海に浮かぶ島国です。

ドミニカ共和国の公式通貨は「ドミニカ・ペソ」です。

通貨記号は「RD$」または単に「$」と表記されることがあります。

混乱を避けるため、現地では「RD$」と記載されることが一般的です。

1ドミニカ・ペソ ≒ 2.31円です。(2025年4月4日)

例えば、日本円で1000円は約430ドミニカ・ペソに相当します。

ドミニカ共和国の物価は、飲食も交通費も、日本に比べて安めの水準です。

両替はやはり米ドルからの両替がおすすめです。

また、米ドルは広く受け入れられており、一部のホテルやツアー会社ではドル建てでの支払いも可能です。

 

ウルグアイ

 

ウルグアイの公式通貨は「ウルグアイ・ペソ」です。

通貨記号はやはり「$」ですが、米ドルや他の中南米諸国と区別するため「UYU$」「$U」などと表記されることもあります。

1ウルグアイ・ペソ ≒ 3.45円(2025年4月4日)

例えば、日本円で1000円は約290ウルグアイ・ペソに相当します。

ウルグアイ・ペソは中南米の中では比較的安定した通貨で、為替の急激な変動は少ないといわれています。

ウルグアイは中南米の中でも物価が高めの国として知られています。

特に首都モンテビデオやリゾート地のプンタ・デル・エステでは、食事や宿泊費が日本と同等か、それ以上に感じられることもあります。

やはり米ドルを持参し、現地で両替するのが一般的です。

 

旅行者向けのペソに関する情報と注意点

 

ここでは、既にご紹介している情報も含め、旅行者にとって役立つ情報と注意点をまとめました。

 

為替レートを常にチェック

 

ペソを使用する国の中には、為替レートが安定している国もあれば、インフレや為替変動が激しい国もあります。

旅行前には必ず最新の為替レートを確認し、日本円や米ドルからどのくらいの価値になるのかを把握しておきましょう。

 

両替する場所は国によって考慮する

 

同じペソでも、どの国の通貨であるかによって、両替する場所を考慮した方がいい場合もあります。

羽田空港や成田空港でも日本円から両替できるペソとできないペソがあります。

日本国内の銀行の場合、すぐ両替できるものもあれば予約が必要なものもあります。

現地で両替する場合、空港は利便性が高いですが、一般的に手数料が高い傾向にあります。

また、国によっては日本円からの両替に時間がかかったりする場合がありますので、日本で米ドルに両替し、現地で米ドルから現地ペソに両替するのがスムーズな場合もあります。

 

クレジットカードと現金の併用が安心

 

国によってクレジットカードの普及度が異なります。

ほとんどの支払いがクレジットカードでできる国もあれば、現金しか受け付けないところもあります。

カードと現金の両方を用意しておくと安心です。

また、ATMから現地通貨を引き出す方法もありますが、ATMは安定して稼働しているか、どれくらいの手数料がかかるのかなど、事前に確認しておくとよいでしょう。

 

通貨記号の混乱に注意

 

既にご紹介したように、多くのペソ圏の国では、通貨記号として「$」が使われています。

これは米ドルと同じ記号であるため、価格表示だけを見るとどの通貨か判断がつきにくいことがあります。

特に、観光地などではドル建て価格と現地通貨価格が混在して表示される場合もあるため、支払いの前に通貨単位を確認する習慣を持つことが大切です。

 

桁の多い通貨に注意

 

コロンビアなどペソの桁が非常に大きい国では、「10,000」「100,000」といった金額が日常的に登場します。

ゼロの数を間違えて大きな金額を支払ってしまうことがないように、桁数の感覚に慣れるまでゆっくり確認しながら支払うのがポイントです。

 

まとめ

 

「ペソ」は複数の国で使用されている通貨でありながら、国ごとにその価値や使用環境が大きく異なる通貨でもあります。

また、それぞれの国におけるペソには、歴史的な背景や経済状況に基づいた独自の特徴があります。

ペソについて調べていると、人間の歴史の一端を垣間見るようで、とても興味深いです。

世界のそれぞれの国の通貨にまつわる知識を持つことは、単に実用面で役に立つだけでなく、その土地の文化や経済をより深く理解する第一歩にもなるのではないでしょうか。

 

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