アメリカにはどんな宗教がある?主な宗教や多文化社会で暮らす際の注意点

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日本に暮らしていると、自分が何の宗教に属するのか意識する機会が少ないです。

しかし、多文化社会であるアメリカには、さまざまな宗教を信じる方が暮らしています。

今回の記事では、アメリカの宗教について詳しくまとめました。

多様な宗教が存在する国で暮らす際の注意点も説明するので、アメリカで生活する予定がある方はぜひ最後までご覧ください。

 

 

 

アメリカにはどんな宗教があるのか

日本は世界的に宗教色が薄く、「自分は無宗教である」と考える方が多い国です。

しかし、米国はさまざまなルーツを持つ人々が集まる国であり、宗教の自由も保障されています。

日本人の感覚からすると、驚くほど信仰心が強い方が多いのです。

 

多くのアメリカ人はキリスト教を信仰している

アメリカでは、半数以上の国民がキリスト教を信仰しています。

特に熱心なクリスチャンが多く、他の国々から集まった人々がアメリカで新たなコミュニティを築いているのです。

また、それぞれの宗派については後半の章で説明します。

アメリカで信仰されるキリスト教以外の宗教

アメリカでは、キリスト教の他に次のような宗教も信仰されています。

ただし、どの宗教もキリスト教と比較すると非常に割合が少ないと言えるでしょう。

  • ユダヤ教

  • モルモン教

  • イスラム教

  • ヒンドゥー教

  • 仏教

  • その他

世界的に信者が多いイスラム教も、アメリカでは少数派になるのです。

 

アメリカではキリスト教信者が減っている?

現在アメリカでは、キリスト教の信者が急激に減少し、無宗教の人が増えています。

具体的には、2011年に75%であったアメリカのキリスト教信者は、2021年までの10年間で63%まで減ったという調査結果があるのです。

さらに「宗教には関心がない」「宗教には属さない」と言う考えを持つ人々も増え続けています。

特に減少幅が大きいクリスチャンの宗派はプロテスタントであり、時代の変化とともに人々の考えが変わってきていると言えるでしょう。

いずれアメリカも日本のように、宗教に興味を持たない方の方が多くなる可能性があります。

 

アメリカの「無宗教者」は?

2023年にアメリカで実施された調査では、アメリカの約28%の人々が「信仰する宗教はない」と回答しました。

2007年に実施された調査では16%であった無宗教者が、年々増えていることが分かります。

 

無宗教者の定義とは

無宗教者にアンケートを実施したところ、神の存在に対する考え方には次のような違いがありました。

  • 神は存在しないと考える「無神論者」:約17%

  • 神がいるかどうかは人知では知り得ない「不可知論者」:約20%

  • 特に何もない「無関心者」:約63%

ピュー・リサーチによる調査では、無神論者・不可知論者は高度な教育を受けた50歳未満の年齢層・無関心者は平均的な成人よりも学歴が低い傾向がある50歳未満の年齢層に多いと明らかにしています。

 

無宗教者は宗教に敵対的なのか

アメリカの無宗教者は宗教に敵対的なのではなく、多くの方は全ての事柄に科学的な説明があるべきだと考えています。

また、宗教に基づいた道徳意識ではなく、独自の道徳的な価値観を持つのです。

ただし、アメリカのクリスチャンは、「無宗教者の急激な増加により、アメリカの国民生活に何らかの影響が出るのではないか」と考えている方が多いです。

 

アメリカのクリスチャンも色々な宗派がある

キリスト教は世界中で信仰される宗教であり、さまざまな宗派が存在します。

キリスト教の宗派は歴史・教義・組織・制度・儀式などの違いで区別されるのです。

代表的なキリスト教の宗派であるカトリック・プロテスタント・正教会は、「3大宗派」と呼ばれ、さらに枝分かれしていきます。

宗派が変われば、考え方や救いの条件も異なるため、宗派ごとの特徴を理解しておきましょう。

 

プロテスタント【福音派:Evangelicals】

副音派はプロテスタントの中でも保守層のことを指しており、聖書の副音書を重視します。

プロテスタントの中でも福音派は、アメリカ国内の人口の4分の1を占める巨大宗派です。

このような理由から宗教票が多く、アメリカの政治・社会では副音派が大きな影響力を持つことを知っておきましょう。

副音派が政治と距離を近づけたことで、1980年にロビー活動が本格化した事実も知っておくべきです。

 

カトリック

カトリックローマ教皇を教会のトップとしたピラミッド型の組織を持つ宗派です。

全世界に13億人以上、アメリカには約7000万人の信者がおり、全アメリカ人の約22%がカトリックです。

プロテスタントとカトリックでは、ローマ教皇の扱いが異なります。

プロテスタントでは「人間は神様以外同じである」と考える一方で、カトリックは「ローマ教皇は特別な存在である」と考えます。

また、カトリックでは日曜に教会に集まることを「ミサ」、プロテスタントは「礼拝」と呼びます。

 

プロテスタント【アーミッシュ:Amish】

アーミッシュはアメリカやカナダに存在するドイツ系移民の宗団体です。

アメリカのアーミッシュはアメリカ入植時の生活を現在も続けており、農業をしながら近代以前の生活様式を守っています。

プロテスタントの中でも、他のグループから離れた特別に保守的な一派だと考えてください。

アーミッシュは「オルドゥヌング」と言う独自の戒律を持ち、快楽・娯楽・身だしなみ・教育などを厳しく制限します。

代表的な制限の例は、以下を参考にしてください。

  • 交通手段は馬車であり自動車は使わない

  • 商用電源・ガスを使わない

  • アーミッシュから離脱した家族は絶縁しなければいけない

  • 怒る・喧嘩をしてはいけない

  • 読書禁止

  • 讃美歌以外の歌を聞くことを禁止

  • 義務教育以上の高等教育を受けてはいけない

  • 離婚してはいけない

  • 派手な服を着る・化粧をしてはいけない

 

モルモン教(末日聖徒イエス・キリスト教会)

モルモン教はキリスト教から派生した宗教であり、宗教学上ではキリスト教系の新宗教に分類されます。

場合によっては、モルモン教はプロテスタントの一派と考えることもあるようです。

アメリカでは600万人以上がモルモン教を信仰し、特に本拠地であるユタ州のソルトレイクシティは、住民の60%がモルモン教信者です。

モルモン教では、アルコール・コーヒー・お茶・紅茶・タバコの摂取が禁止されており、毎週日曜日は礼拝のために集まります。

 

宗教に関して日々の生活で気をつけるべきこと

アメリカには、新興宗教も含めてさまざまな宗教があることを知っておきましょう。

アメリカで生活を送る時には、次のような点に注意するべきです。

相手の信仰を軽視しない姿勢を意識してください。

 

ホストファミリーや友人が信仰する宗教を理解する

宗教によっては、食事・飲み物・行動に一定の制限が存在する可能性があります。

例えばホストファミリーが信仰する宗教がある場合は、その宗教で禁じられている食品は食卓に現れません。

また、食事の前にお祈りの習慣がある家庭も多いでしょう。

第三者である日本人がお祈りを強制されることは稀ですが、お祈りのポーズを求められる可能性はあります。

相手の宗教や考えを理解・尊重することが大切です。

 

他の宗教を絶対に批判しない

自分が無宗教の方でも、他の宗教を批判してはいけません。

そもそも特定の宗教を信仰しない限り、その宗教について完璧に理解することはできません。

外から一部分・外側だけを見て相手の信仰対象を批判する行為は、失礼かつ相手を傷つける・不快にさせるでしょう。

もちろん、他の宗教に対する批判はアメリカに関わらず日本でも行うべきではありません。

特に親しい人の宗教について疑問を抱いている場合には、相手の信仰心を傷つけないように、質問してみると良いでしょう。

それが、相手と相手の宗教への理解につながります。

 

宗教を怖がる・避けることをしない

宗教への関心が低い日本で暮らしていると、「宗教は何だか怖いもの」というイメージを持つ方も多いです。

しかし、宗教は相手を陥れたり無理矢理信者にしたりするような怖いものではありません。

信者の方は特定の宗教を信じ、各宗教のルールや教えに沿って生活をしているだけです。

宗教を無駄に怖がったり避けたりする必要はないことを、知っておいてください。

 

宗教的な行動に意見しない

お祈りや宗教独自の考え・ルールは、その宗教の中で生まれ信者が理解しているものです。

そのため、自分なりの意見があったとしても、部外者が口を出すべきではありません。

特にアメリカでは個人の自由は尊重されるべきであると考えられており、他人の行動を正そうとしたり変えさせようとしたりすることは、避けた方が良いでしょう。

 

他の宗教の人に出す・一緒に食べる食事に注意する

宗教によっては、口にできるものに厳しいルールが存在する可能性が考えられます。

例えばイスラム教では、神聖な存在である豚を口にしてはいけません。

豚肉はもちろん、豚肉のエキスが入ったお菓子や調味料も同様に禁止されているのです。

日本人は宗教的なルールに慣れていないことから、悪気なく豚肉エキスが入った食べ物をプレゼント・勧めてしまう可能性があります。

親しい相手の宗教の食べ物のルールは、把握しておきましょう。

 

宗教の勧誘に注意する

宗教を恐れる必要はないとお伝えしましたが、宗教の勧誘には注意しなければいけません。

自分がその宗教に興味がある・信者になりたいと考えていないのに、「断りにくくて信者になってしまった」などのトラブルも少なくないのです。

特にあまり知らない相手から親切にされた場合には、宗教への勧誘の可能性を警戒しましょう。

 

自分の宗教について説明できるようにしておく

アメリカでは、何らかの宗教を信仰している人・無宗教の人の両方が宗教に関してしっかりとした意見を持っているケースが多いです。

「なんとなく無宗教」「親が〇〇教徒だから」という理由では、相手と自分の信仰や考えを話し合えないでしょう。

いざ宗教に関する質問を受けた時には、英語で自分の意見を伝えられるようにしておいてください。

 

まとめ

多様な人種や民族が生活しているアメリカには、さまざまな宗教が存在します。

相手が信仰する宗教を尊重するためには、最低限の知識を得ておきましょう。

特にホームステイを予定している方は、ホームステイ先の家族の宗教を知っておくべきです。

この記事を参考に、アメリカの宗教について学んでください。

 

 

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