
車社会のアメリカでは、車の免許は必要不可欠です。
アメリカで運転することが初めての場合、車のハンドルの位置や走行車線、運転ルールが違うことに驚く方が多いかもしれません。
運転免許の取得方法や、取得可能年齢も日本とは異なります。州ごとにルールが異なることもあるため、運転前にしっかりと理解しておく必要があります。
この記事では、アメリカの運転免許事情を総合的に紹介します。アメリカで運転する魅力から、運転免許を取得する方法、日本との違い、交通ルール、万が一事故に遭ってしまった場合の対処法についてもくわしく解説します。
旅行や留学、駐在などで車の運転をする予定がある人は、ぜひ最後までお読みいただき、アメリカの免許事情を知っておきましょう。
- アメリカで車を運転する魅力と注意点
- アメリカで車を運転できる免許は2種類:国際免許とアメリカの運転免許証
- アメリカで運転免許を取得する方法(日本の免許の有無別)
- アメリカと日本の運転免許制度の主な違い
- アメリカでバイクに乗るには?
- 知っておきたいアメリカの交通ルール、日本との違い
- アメリカで交通事故に遭った時の対応
- 知っておくと役立つ運転に関する英単語
- まとめ
アメリカで車を運転する魅力と注意点
広大な国土を持つアメリカは「車社会」とも呼ばれており、車を運転する魅力は多くあります。
まずは、アメリカで運転する主なメリットを紹介します。
雄大な自然を楽しめるドライブ体験
アメリカで車を運転する最大の魅力は、車内から美しく雄大な景色を楽しめることです。
地平線まで続くような一本道や、見渡す限りの荒野など、日本ではなかなか見られないスケールの大きい光景は圧巻です。
まるで映画のワンシーンに入り込んだような気分で、開放感のあるドライブを楽しめます。
高速道路が原則無料で移動費を節約できる
アメリカでは、原則として高速道路(フリーウェイ)は無料で利用できます。
燃料税や車両税、道路利用者税などで整備費用を賄っているため、日本のような料金所は基本的にありません。
長距離移動だとしても、費用をそこまで気にする必要がないのは大きなメリットです。
ただし、高速道路の一部の区間では「トールロード」と呼ばれる有料道路もあります。
また、カリフォルニア州の一部のように、曜日・時間帯・方向によって料金が変わる料金変動制を導入している区間もあるため、事前に確認しておくと安心です。
道路や駐車場の幅が広く運転しやすい
アメリカの道路は幅が広く、運転や駐車がしやすい点も魅力です。
特に大都市近郊の高速道路は、片側3車線や4車線が当たり前で、場所によっては5車線や6車線もあります。
最初は車線の多さに戸惑うかもしれませんが、運転に余裕を持てるため徐々に慣れていくでしょう。
駐車場も広いので、車の出し入れも楽に感じられます。
また、一般的にガソリン代も日本より安めです。
これは、アメリカ国内で石油が産出されていることや、ガソリンスタンドが無人(セルフ式)の場合が多く人件費が削減されていること、そしてガソリン税が日本より安いことなどが理由として挙げられます。
アメリカで車を運転できる免許は2種類:国際免許とアメリカの運転免許証
日本人がアメリカで車を運転するには、当然ながら免許が必要です。 アメリカで運転できる免許は、主に以下の二種類に分けられます。
国際運転免許証(International Driving Permit)
国際免許とも呼ばれる免許証は、正式名称を「国外運転免許証」といいます。
有効な日本の運転免許証を所持していれば、お住まいの自治体の免許センターや運転免許試験場で発行できます。
アメリカに到着後、すぐに運転する可能性がある場合は、日本で発行して持って行きましょう。
■ 日本の免許証のみでの運転について
実は、法律的にはアメリカでは国際免許証がなくても、日本の免許のみで運転ができる州もあります。
しかし、日本語表記のため、万が一事故やトラブルがあった際に、現地の警察官が免許証の確認に時間がかかるというデメリットがあります。
このため、国際免許証を取得しておく方がスムーズな対応が可能です。
また、レンタカー会社によっては、免許証翻訳サービスを提供していることもあり、これを使えばレンタカー利用の場合は国際免許証を取得する必要がない場合もあります(一部の州で例外があります)。
アメリカの運転免許証
国際運転免許証は旅行や出張など、短期滞在者に有効な免許です。
一方、アメリカに住所を移す場合や、1年以上滞在する長期滞在予定の方は、現地の運転免許証を取得する必要があります。
このルールは州によって異なりますが、例えばカリフォルニア州では「州内に住居を定めた日から10日以内」、ワシントン州では「州内に住居を定めた日から30日以内」に州の運転免許証を取得しなければならないという規定があります。
外国からの転居のみならず、他州からの引っ越しにも適用されるため、アメリカ国内で引っ越しをした場合も新たに引っ越し先の州の免許を取得しなければなりません。
■ 身分証明書としての利便性
アメリカの運転免許証は、運転ができるだけでなく、身分証明書(ID)としての機能も持っています。
買い物や公的な手続きの際などに提示を求められることが多いため、現地で生活する上で非常に便利です。
アメリカで運転免許を取得する方法(日本の免許の有無別)
アメリカで免許を取得する際、日本の免許を持っているかどうかでプロセスが大きく異なります。
①日本の免許を持っている場合(切り替え・簡易取得)
すでに日本の有効な運転免許証を所持している場合は、比較的簡単にアメリカの免許を取得できます。
多くの州で、日本の免許を優遇する制度があるため、以下の流れで申請を進めます。
1. 必要書類を揃える
免許申請に必要な書類は、パスポート(Visa)、SSN(ソーシャルセキュリティーナンバー)、住所がわかる書類(2点)、申請書・申請料です。
SSNがなくても申請は可能ですが、Real ID(より厳格な身分証明)として免許を提示することはできません。
2. 居住している州のDMVに予約を入れる
DMV (Department of Motor Vehicles) は、アメリカ版の運転免許センターです。
州ごとにDMVの公式サイトが異なるため、必ずお住まいのエリアのDMVに予約を入れましょう。
3. 筆記試験を受ける
筆記試験の内容に特化したテストアプリや、無料で配布されている問題集で勉強しておきましょう。
基本的に選択問題形式で、パソコンで受験し、その場で合否がわかります。
4. 実技試験を受ける
筆記試験のみで免許が取得できる州もあれば、実技試験(路上試験)が必要な州もあります。
日本の免許保持者であっても実技試験が必要な場合があるため、管轄のDMVで事前に確認することが重要です。
実技試験では、自分や家族、知人などの保険に加入している車で試験を受けます。自分の車がない場合は借りる必要があります。
5. 視力検査、写真撮影
6. 仮免許が発行され、後日正式な免許証が郵送される
仮の免許証(薄い紙の場合が多い)は、正式な免許証が手元に届くまで有効ですので、必ず持ち歩きましょう。
②日本の免許を持っていない場合(一からの取得)
日本の免許を持っていない人は、アメリカで運転技術の習得から始める必要があります。
1. 筆記試験に合格し、仮免許(Learner's Permit)を取得
筆記試験の合格プロセスは上記と同様です。合格すると仮免許が発行されます。
2. 運転技術の習得(練習)
仮免許があれば、免許を持つ人が助手席に乗っている場合に限り、練習のために公道で運転することが許可されます。
日本のようなドライビングスクールに必ず通う必要はなく、免許を持つ家族や友人に教えてもらうのが一般的です。
教習所内の決められたコースではなく、初めから一般道を走りながら練習するため、より実践的な運転を学べます。
3. 実技試験を受ける
ある程度運転に慣れてきたら実技試験を受けます。
例えばカリフォルニア州の場合、実技試験を受ける際は、25歳以上の免許保持者が運転する自動車(保険加入済み)で試験場に向かい、助手席に試験官を乗せてテストを受けます。
実技試験では、車に何らかの不備がある場合(ライト切れ、ミラー破損など)、試験を受けることはできません。DMVに向かう前に、必ず車両チェックをしておきましょう。
4. 合格後の手続き
合格した後のプロセスは上記と同様で、正式な免許証が後日郵送で届きます。
日本と比べると、非常に簡単に免許を取得できることがわかりますが、その分、自発的に交通ルールや運転技術を学習・練習することが求められます。
アメリカと日本の運転免許制度の主な違い
ここからは、アメリカと日本の運転免許制度における大きな違いを解説します。
免許取得が可能な年齢が早い
日本では原則18歳からですが、アメリカでは、州によって差はあるものの、基本的に16歳から運転免許を取得できる州が多いです。
例外として14歳から条件付き(農地内限定など)で取得できる州もあります。
これは、国土が広く、車がないと学校にも通えない場所があることや、治安の面から徒歩通学よりも車通学が推奨されているといった、アメリカ特有の事情によるものです。
免許取得にかかる費用が安価
免許取得にかかる費用も、日本と比べて安価です。
日本では教習所に通うため20〜30万円程度かかることが多いですが、アメリカでは基本的な費用だけであれば1〜2万円程度で済みます。
運転練習は家族や友人に協力してもらえればほとんどお金がかからず、プロのインストラクターに頼む場合でも日本より費用をかけずに取得が可能です。
試験の難易度・言語
日本の運転免許の試験は特に厳しいと言われますが、アメリカの免許試験は日本と比べてシンプルで簡単です。
筆記試験は○×クイズ形式の簡単なものが多く、その場で合否がわかります。
また、試験を受ける言語について、都市部などでは複数の言語(日本語、スペイン語など)のなかから選べたり、辞書の持ち込みが可能な場合もあります(州によっては英語のみのケースもあります)。
ただし、日本語での翻訳精度が追いついていない場合や、不自然な表現で出題される場合もあるため、英語で基本的なルールや標識の内容を学び、理解しておくことがスムーズな免許取得のために重要です。
運転免許の有効期限
日本の運転免許の有効期限は全国一律で5年ですが、アメリカは、住んでいる州によって異なります。
例えば、ニューヨーク州では4年と8年の更新期間を選べたり、ワシントン州では6年など、州ごとに独自のルールがあります。
アメリカでバイクに乗るには?
車ではなくバイクでアメリカの道路を走りたい場合は、バイクの免許が必要です。
日本同様、アメリカでも車の免許のみではバイクを運転することができません。
アメリカのバイクの免許はM1(Motorcycle1:スクーターやモーターサイクル)とM2(Motorcycle2:小型バイクや電動付き自転車)の二種類に分かれています。
こちらも免許取得のプロセスは自動車とほとんど変わりませんが、実技試験がバイクに特化した内容になります。
具体的な内容は管轄のDMVに問い合わせてみてください。
知っておきたいアメリカの交通ルール、日本との違い
日本とアメリカでは交通ルールが大きく異なります。現地で安全に運転するため、以下の違いを運転前にしっかりと頭に入れておきましょう。
走行車線と追い越しルール
日本の交通ルールでは車は左側通行ですが、アメリカでは右側通行です。
ハンドルも左側になります。
特に右左折や高速道路の出口(右側にあることが多い)で戸惑うことがあるかもしれません。
追い越しは左車線で行うのが基本で、左側の車線が最も速い車両用のレーンとなっています。
慣れるまでは人通りの少ない場所で運転の練習をするとよいでしょう。
赤信号の右折(RTOR)ルール
アメリカの多くの州では、右折車線にいる場合、赤信号であっても一時停止と安全確認をすれば右折することができます。
ただし「NO TURN ON RED」(赤信号での右折禁止)という標識がある交差点では右折できません。
近年、特に都市部を中心に、安全の観点から赤信号での右折を禁止する交差点も増加傾向にあるため、標識を必ず確認した上で進みましょう。
信号のない交差点(ALL WAY STOP)
アメリカには信号のない交差点が多くあり、どちらか一方の道が一旦停止、または全ての道が一旦停止(ALL WAY STOPまたはSTOP ALL WAY)することが義務付けられています。
全ての方向で一旦停止になっている場合、交差点に先に進入してきた車から順番に進むという決まりがあります。割り込まず、順番を確認してから進みましょう。
スクールバスの乗降中の規制
アメリカの登下校の時間帯には黄色のスクールバスがたくさん走っています。
スクールバスが停車して、子どもたちが乗降車しているときは、バスから「STOP」のサインが出てきます。
この際、バスの後ろを走る車だけでなく、対向車線側の車も(間に分離帯がない場合)必ず停止しなければなりません。
子どもが乗り降りしているときは、運転者は必ずバスが発車するまで待機しておきましょう。
スクールバスを追い越すと、重大な交通違反になりますので注意が必要です。
距離と速度の表示
アメリカでは、距離や速度がマイル表示となります。
日本のキロメートル表示とは異なるため、感覚が狂わないよう注意が必要です。
特定の車両専用の車線(HOVレーン)
大きな道路や高速道路の一部には、特定の車両のみ通行できるHOV(High-Occupancy Vehicle)レーンがあります。
この車線は道路上に菱形のマークが描かれており、複数人(州によって人数規定あり)が乗っている車だけが通行できます。
渋滞を避けられることも多いため、利用できる場合はぜひ活用してみてください。
ただし、このレーンを一人乗りの車で走行すると、高額な罰金(300ドルなど)が科せられる可能性があるため、注意しましょう。
他にも細かいルールや規制がたくさんあります。
マニュアルを読み、筆記試験に向けてしっかりと勉強しておきましょう。
交通違反をした場合、日本と同様、違反金の支払いや、違反ポイントの加算が実施されます。
アメリカで交通事故に遭った時の対応
慣れない土地で運転すると、思わぬ事故に巻き込まれる可能性があります。
アメリカで交通事故に遭った場合は、焦らず、以下のような対応を行いましょう。
海外で交通事故に巻き込まれてしまうと、言語の問題もあり、不安が大きくなるでしょう。
焦らず対応するために、スマートフォンには警察や保険会社、ロードサービスの緊急連絡先を必ず入れておくと安心です。
知っておくと役立つ運転に関する英単語
最後に、アメリカで車を運転するにあたって知っておくと役立つ運転に関する英単語をご紹介します。
日本語のカタカナ語のままでは通じない場合があるため注意が必要です。
■ 車に関する英単語
| 日本語 | アメリカ英語(通称) | 補足 |
| ハンドル | (steering) wheel | 「steer(操縦する)」+「wheel(輪)」 |
| ウィンカー | turn signal / blinker | イギリス英語では "indicator" |
| サイドブレーキ | parking brake / emergency brake | イギリス英語では "handbrake" |
| アクセル | gas pedal | ‐ |
| クラクション | car horn | ‐ |
■ 交通・道路に関する英単語
| 日本語 | アメリカ英語(通称) | 補足 |
| 交差点 | intersection | イギリス英語では "crossroad" や "junction" |
| 横断歩道 | crosswalk / pedestrian crossing | イギリス英語では "zebra crossing" |
| 迂回路 | detour | ‐ |
| 路肩 | shoulder | ‐ |
| 合流 | merge | ‐ |
| 一時停止 | STOP sign |
これらに加えて、前述の交通ルールに関連する標識名(例:「NO TURN ON RED」、「ALL WAY STOP」)なども覚えておくと非常に役立ちます。
まとめ
アメリカに長期滞在予定の場合は、現地の運転免許証をぜひ取得しましょう。
アメリカで堂々と運転できるだけでなく、身分証明書としての機能を持つため、日常生活においても非常に便利です。
アメリカは車社会のため、車を使って自由に移動できることはさまざまな利便性を享受できるでしょう。
しかし、アメリカにはアメリカの運転ルールがあり、そのルールに則って安全に車を走らせることが重要です。
運転免許を取得する前に、しっかりと現地のルールを勉強し、安全で快適なアメリカでのカーライフを送りましょう。
◇経歴(英語を使用した経歴)
・オーストラリアのカフェで半年間勤務
・国内/国際線客室乗務員として5年間勤務
◇英語に関する資格(資格、点数など)
TOEIC、英検受験経験有り
アメリカのコミュニティカレッジにてEarly Childhood Educatorコース修了
◇留学経験
・オーストラリア シドニーへ1か月間の短期留学。
→週5日で語学学校へ通う。
・ワーホリでオーストラリア・ゴールドコーストに1年間滞在。
→Gold Coast Institute of TAFEの語学コースで学ぶ。
・2020年から4年間、家族の仕事でアメリカに滞在。
→州立のコミュニティカレッジでEarly Childhood Educationコース及びアカデミック英語コースを学ぶ。
◇海外渡航経験、渡航先での経験内容(仕事、留学、旅行など)
仕事→韓国、中国、台湾、香港などアジアを中心とした国
旅行→アメリカ(ハワイ、グアム、サイパン含む)、カナダ、
シンガポール、マレーシア、オーストラリア、ドイツ、イタリア、
ギリシャ、クロアチア、ベトナム、タイ、バハマ、オランダ領セント・マーティン島など
◇自己紹介
旅行、海外生活関連のwebライター。
最初の短期留学の経験のおかげで、人生が変わったと言っても過言ではないと感じています。海外に滞在することがきっかけで、人生の選択肢が大きく広がり、成長を続けていきたいと思うようになりました。海外での長期滞在・留学経験者の視点から、皆さまにわかりやすい記事を書いていきたいと思っています。