
「イギリスの学校って、日本と何が違うの?」
「映画やドラマで見るイギリスの学校生活、実際はどうなの?」
イギリスの学校制度は日本とは大きく異なる特徴を持っています。
学年の始まりや学期制度、学校の種類や進学の流れなど、日本の教育システムに慣れていると、違いに驚くことも多いでしょう。
さらに、階級社会のイギリスならではの名門寄宿学校や、社会階級が教育環境に与える影響などについてもご紹介します。
本記事では、イギリスの学校制度や学校生活の特徴、進学の仕組みから、教育における階級格差の実情までをわかりやすく解説。
イギリスへの留学を検討している方、教育に関心がある方に役立つ情報をお届けします。
イギリスの学校制度とは
イギリスの教育制度は、日本との違いも多く、留学を検討する方にとっては特に知っておきたい内容です。
この章では、基本的な学校の種類と、教育制度の流れついて解説します。
イギリスの学校の種類
イギリスの学校は大きく公立学校(ステートスクール、もしくは、ガバメントスクール)と私立学校(インディペンデントスクール)の二つの大きなカテゴリーに分けられます。
これは基本的に日本と同じですが、イギリスらしい特徴として挙げられるのが、全寮制の寄宿学校(ボーディングスクール)です。
これは私立学校に多く見られる形態で、生徒が寮で生活しながら学校に通います。
特に伝統的な名門私立校では、何代にもわたって上流階級の子弟が通うことが多いとされています。
イギリスの教育制度の流れ
イギリスでは、基本的に5歳から16歳までが義務教育期間とされます。
また、イングランドでは18歳の誕生日まで、全日制教育・見習い(アプレンティスシップ)・就労+パートタイム教育のいずれかへの参加が法的に求められます。
日本と同じく小学校・中学校・高校に相当する段階がありますが、学年の区切りや学校の構成、進学の仕組みには独自の特徴があります。
イギリスの教育制度は主に以下のように構成されています。
また、学年の始まりは9月で、1年間は3学期制(秋学期、春学期、夏学期)になります。
各学期の間には「ハーフターム」と呼ばれる1週間程度の休みがあり、夏休みは6週間程度と、日本と比べて短めです。
地域によって細かな制度の違いはあるものの、イングランド・スコットランド・ウェールズ・北アイルランドの各国で大枠は共通しています。
イギリスの学校生活の特徴
イギリスの学校生活には、日本とは異なる文化や習慣が多く見られます。
以下に代表的な特徴をご紹介します。
イギリスの学校生活は、学問だけでなく人間的成長を促すさまざまな仕組みが整っており、幅広く学べるのが特徴です。
イギリスの大学と進学制度
イギリスには100を超える大学が存在し、その多くが国公立です。
世界的に名高い大学が多数存在し、日本からの留学先としても人気があります。 ただし、イギリスの大学進学制度は、日本とは大きく異なるプロセスをとります。
イギリスの大学進学において必要な試験やステップについて解説します。
Aレベル(Advanced Level)
イギリスの高校生が大学進学を目指す場合、「Aレベル(Advanced Level)」と呼ばれる中等教育修了資格の取得が基本となります。
Aレベルは高校最後の2年間(16〜18歳)で履修し、3〜4科目を選んで専門的に学習します。
現在のAレベルは原則「線形(linear)」で、最終試験の結果で資格が確定します。
ASレベルは任意の単独資格として実施される場合があり、Aレベルの一部段階という位置づけではありません。
成績評価はA*(最高)からE(最低)までの6段階評価で、この成績が大学入学に大きな影響を与えます。
難易度の高い大学を目指す場合は、Aレベルで高得点をとることが求められます。
UCAS(大学出願システム)
日本では大学によって出願方法が異なりますが、イギリスの大学出願は、UCASという統一システムを利用して行われます。
このシステムによってひとつのサイトからイギリスのすべての大学に出願することができます。
最大5校(学部)まで出願可能で、各大学からの合否通知を受け取ることができます。
医学・歯学・獣医学・獣医看護系は最大4コースまでという但し書きがあります。
なお、オックスフォードとケンブリッジは併願不可能で、どちらかを選ぶ必要があります。
オックスブリッジ(Oxbridge)
オックスブリッジとは、イギリスの大学の最高峰であるオックスフォード大学とケンブリッジ大学を指す言葉です。
この2校を視野に入れる学生は、早い時期からそれぞれの入試プロセスを念頭に置いて、試験準備を進める必要があります。
なぜなら、オックスブリッジは他の大学とは異なる下記のような独自の選考プロセスを行うためです。
このように、成績だけではなく学生自身のパーソナリティーも重要視されます。
あるケンブリッジの学生の体験談によると、事前に提出したパーソナルステートメントをもとにしたディスカッションを通じて、自分の意見を述べたり、難しいテーマについてのアプローチの仕方を聞かれる内容だったそうです。
また、ケンブリッジの理系の学生によると、面接の場で数学の問題を与えられ、面接官である教授にデモンストレーションをしながら問題を解くというような内容だったといいます。
この場合、わからない場合はヒントを求めたり、質問することも許されており、問題を解けるかというよりも、学生の問題解決のアプローチを観察して選考に生かすようです。
”Cambridge admission interview”、”Oxford admission interview”と検索すると、大学の公式のアドミッションズオフィスによる情報だけでなく、実際の学生のリアルな体験談を参考にすることができます。
イギリスの教育における階級問題
イギリスの教育制度を語るうえで欠かせないのが、「階級社会」と教育の関係です。
日本ではあまり意識されない社会的階層が、イギリスでは今も根強く残っており、教育格差の大きな要因となっています。
階級による教育機会の差
イギリスは法律上の身分制度はないものの、国民は次の3つの階級に分けられます。
上流階級に生まれた子どもは、名門私立大学や寄宿学校に入学し、良質な教育を受けて名門大学へ進学するチャンスに恵まれます。 オックスブリッジへの進学率が高いのも、名門私立学校です。
一方、労働階級に生まれた場合、良質な教育へのアクセスの機会が少なく、労働階級から抜け出すことがとても困難になります。
このように、家庭の経済力や出身階級によって、受けられる教育の質や将来の進路の幅が大きく異なるのがイギリスの現実です。
社会階級によって、学校だけでなく、居住エリア、職業、そして日用品の買い出し先までが異なるため、階級を超えた交流が少なく、社会的流動性の低さが課題です。
アクセントにも階級差がある
イギリスでは、地方の方言に加えて、社会階級により話すアクセントが異なります。
上流階級のイギリス人の話し方は、ポッシュ(posh)と呼ばれ、上品・エリートな印象を与えるとされる一方、労働者階級のアクセントは地域性が強く、時に偏見や差別の対象になることもあります。
実際、労働者階級出身でイギリス首相まで上り詰めたマーガレット・サッチャーは、上流階級の話し方に矯正するため、スピーチコーチを雇ったという話もあります。
このように、発音の仕方ひとつで相手の教育レベルや階級的な背景が伝わってしまい、与える印象を大きく左右するのが階級社会イギリスの特徴です。
まとめ
イギリスの学校制度は、日本とは学期制や進学システムなど、大きく異なる点があります。 また、学校生活では制服の着用や給食のスタイル、寄宿制度など独自の文化があります。
さらに、階級社会という歴史的背景が教育にも色濃く影響を与え、教育の機会が左右される点もイギリスの特徴の一つです。
イギリスへの留学や教育制度に関心がある方は、こうした制度の違いや背景を理解することで、より現実的かつ適切な進路選択につながります。
ぜひ今回の情報をきっかけに、自分に合った学びの形を見つけてください。
◇経歴
海外在住5年目
◇資格
英検1級
◇留学経験
イギリスの大学で交換留学
◇海外渡航経験
学生の交換留学から海外現地採用。現在ヨーロッパにて現地就職
◇自己紹介
大学時代の留学を機に、今はご縁がありヨーロッパでOLしています。