フランスに旅行ではなく「暮らしてみたい」と思ったことはありませんか?滞在費を稼ぎながら1年間生活することができるワーキングホリデー制度がおすすめです。
フランスにはエッフェル塔やルーブル美術館のある首都パリを始め、南方の人気リゾート地ニースなど魅力あふれる場所がたくさんあります。加えてチーズやワイン、スイーツなどグルメも見逃せません。
今回解説するフランスワーホリのビザ申請情報や注意点を確認し、ぜひ憧れのフランス暮らしを叶えてください。
- フランスのワーホリ制度概要
- フランスのワーホリの魅力・特徴
- フランスのワーホリビザ申請条件
- フランスのワーホリビザの申請方法
- フランスのワーホリにかかる費用目安
- フランスのワーホリビザの注意点
- ワーホリ制度を使ってフランスで生活してみよう!
フランスのワーホリ制度概要
まず始めにフランスワーホリの概要を説明します。
目的は、フランスと日本の若者(18歳以上31歳未満)が休暇を利用して互いの文化の違いに触れ、理解を深めることです。
そのために1年間の滞在期間が与えられ、就学・就労が認められています。ただし、滞在中に滞在期間の延長やビザ変更をすることはできません。また海外県や海外領土は含まれず、フランス本土のみが対象です。
年間のワーホリビザ発給上限数は1800(2025年現在)。外務省公式ホームページを随時ご確認ください。
フランスのワーホリの魅力・特徴
フランスワーホリの特徴は就学・就労に特に制限がなく自由度が高いことです。1年間の滞在期間があれば、じっくりとフランスの魅力を体験することができます。以下、フランスでワーホリするからこそ得られるメリットを見ていきましょう。
ネイティブなフランス語が学べる
他国の言語を身に付ける方法はたくさんありますが、やはり現地で生活するのが1番早いでしょう。
勉強したことを生活の中で実践し、ネイティブスピーカーの表現や発音を学ぶことでより自然なフランス語を話せるようになります。
またフランス語が必要な環境に自分を置くことで常に学ぼうという意識を保つことができるでしょう。
さらにある程度フランス語が話せるようになれば、フランス人の友達を作ることも可能になります。海外に長期滞在するなら、現地の友達作りは1つの醍醐味ではないでしょうか。
グルメが楽しめる
フランスには多彩なグルメがあります。まずフランスと言えばパンを思い浮かべる方も多いかもしれません。
昔からパン文化の深いフランスには多くのベーカリーがあり、定番のフランスパンを始め、クロワッサンやパン・オ・ショコラなど絶品パンが楽しめます。
またスイーツも有名ですよね。日本でも大人気のマカロンもフランス発祥。スイーツ好きならパティスリー巡りもおすすめです。
その他チーズやワインの豊富さも圧倒的で、近くの大きめのスーパーに行けばかなりの種類があるので驚きます。
気軽にヨーロッパ内他国への旅行ができる
フランス国内旅行ができることはもちろん、隣接するスペイン・ドイツ・イタリア・スイスなどに簡単に行くことができます。
鉄道を使うこともできますし、飛行機を使っても料金はリーズナブルです。格安航空会社(LCC)を使えばさらに費用を抑えてヨーロッパ周遊もできるでしょう。
また日本人はヨーロッパ内のシェンゲン協定を結ぶ国へ行く際、ビザ取得の必要なく90日以内の滞在が可能です。
日本から旅行でヨーロッパを周るとなると、1回で移動費からホテル代などかなりの高額出費になります。
ワーホリ中にお金を稼ぎながら、1年かけて周遊すれば大幅な節約になるでしょう。
フランスのワーホリビザ申請条件
フランスワーホリのビザ申請をするのに必要な条件は以下の通りです。
・フランスへの理解を深めることが目的である且つ働く意思があること
・過去にフランスでのワーキングホリデービザを取得していない
・子どもの同伴は不可
・日本もしくはフランスの銀行(申請者名義)に、帰国時の航空券代を含まず、3,100ユーロ以上(相当する額の日本円)の残高があること
ただし、ビザ要件や規定は突然内容が変更されることもあるため、申請を考える方は在日フランス大使館公式ホームページのワーキングホリデービザを必ずご確認ください。
フランスのワーホリビザの申請方法
続いてフランスワーホリビザの申請方法をお伝えします。ちなみにビザ申請費用は一切かかりません。
1.申請日の予約
ビザの申請は郵送やオンラインでは受け付けていません。そのため在日フランス大使館に申請書類を直接持って行き、提出しなければなりません。したがってまずはビザ申請予約ページから申請日の予約が必要です。受付時間が短い上に、年明けや学期始めなど混雑する時期はさらに予約が取りづらいので、余裕を持って計画しましょう。また最低でも出国予定日の1カ月前までに申請することが推奨されています。(フランス入国予定日の3カ月前から予約可)
2.予約日にフランス大使館へ行く
ビザの申請手続きができるのは本人のみです。申請者は予約日に必要な提出書類を持って、東京にある在日フランス大使館に行きます。また申請書類と共にパスポートを預けるので覚えておいてください。
3.ビザ発給を待つ
提出書類を基に大使館が審査をし、パスポートが郵送で返却されます。パスポートにビザが貼られていれば無事取得できたということです。後は渡航日までの準備を進めます。
フランスのワーホリビザ申請に必要な書類
・申請書類チェックリスト(在日フランス大使館公式ホームページから入手)
・長期ビザ申請書1部(France-VISASにアカウントを登録し、ウェブ上で長期ビザ申請書を作成、印刷)※英語はありますが、日本語ページはないため分からない部分は翻訳が必要になるでしょう。
・ビザ申請書に貼る証明写真1枚(パスポート規定、35×45mm。正面・無帽・薄い色の背景。スキャン写真不可)
・10年以内に発行されたパスポート(申請するビザの期間の最終日から3カ月以上の有効期間があり、ビザ用のページが見開き2ページ以上あるもの。個人情報と署名のページをコピーする)
・申請動機作文(在日フランス大使館ホームページからダウンロード可。英語かフランス語で作成)
・滞在中の計画書および履歴書(フリーフォーマット。英語かフランス語で作成)
・申請者名義の3100ユーロ以上の残高証明書(原本+コピー。日本またはフランスの銀行から発行。日本の場合、相当する額の日本円が必要。帰国時の航空券代は含まない)※申請日から1カ月以内に発行されたものが必要です。
・ワーキングホリデービザ宣誓書(在日フランス大使館ホームページからダウウンロード可)
・健康診断書(原本+コピー。申請日から1カ月以内に医師から発行され、健康ということが証明されているもの。英語・日本語どちらも可)
・海外旅行保険加入証明書(原本+コピー。病気・ケガ・入院に対応していて、フランス入国予定日から1年間有効なもの。クレジットカード付帯保険は不可。英語かフランス語)
・レターパックプラス(赤)※氏名・住所を記入。パスポート返却時に使用されます。
申請書類は上記の順番に並べて提出しましょう。コピーが必要な書類は全てA4指定です。
また英語かフランス語で記入しなければならない書類に関して、自身での翻訳に不安がある人は、プロに頼むのが安心でしょう。
申請書類に不足があったとしても後日提出を受け付けないようなので、慎重に書類の準備をしてください。
準備している段階で不明点がある場合は、在日フランス大使館ビザセクションの問い合わせフォームから質問しましょう。ちなみに電話での問い合わせは不可とのことです。
フランスのワーホリにかかる費用目安
フランスでワーホリするのにかかる費用の目安は、大体140〜200万円です。
選ぶ都市や滞在方法、語学学校に通う期間などケースごとに必要な金額は変わりますが、大体の目安を知っておくと計画しやすいでしょう。
現地でお金を稼げるとはいえ、仕事が見つかる速さには個人差もあります。リスク回避のためにも余裕を持った資金を用意しておきましょう。
すでに語学力に自信がある方は必要ないかもしれませんが、多くの方が現地での生活に慣れるためや仕事探しのために語学学校に通います。
多く見られるワーホリ例は以下です。
・語学学校への通学期間(3カ月)
・ホームステイ2カ月、その後10カ月間シェアハウスなど
・アルバイト(9カ月、週35時間)
出国前・現地でかかる見積もり費用から、現地で働いて得る予想収入を差し引き、必要資金を考えてみましょう。※下記はあくまでも一例で個人差があります。設定為替レートは162円ですが、随時変動があります。
【出国前にかかる予想費用】
エージェント利用料 | 0円(無料の場合) |
ビザ申請費用 | 0円 |
往復航空券 | 20万円 |
海外旅行保険代(1年間) | 26万円 |
語学学校費用(12週間) | 68万円 |
滞在費(ホームステイ2カ月、1日2食付き) | 50万円 |
合計 | 164万円 |
語学学校費用は12週間分の授業料に加え、空港出迎え料や入学費、教材費などを含みます。エージェントに依頼するサポート内容や会社によっては、利用料や手数料がさらにかかるでしょう。
航空券に関しては片道だけ購入して帰国分の支払いは後に回すこともできますし、海外旅行保険料も会社やプランによって節約することは可能です。
【現地でかかる予想費用】
シェアハウス家賃(10カ月) | 90万円 |
生活費等(1年) | 80万円 |
合計 | 170万円 |
家賃・生活費も個人差があるかと思いますが、上記例ではシェアハウス9万円/月、生活費は食費・交通費・交際費・インターネットなど含め1年80万円ほどの見積もりです。
【収入】
現地でのパートタイム(9ヶ月) | 約187万円 |
仕事を始める時期や職場によって変動はありますが、上記例では時給11.65ユーロ(1887円)1日6時間・週5日×9カ月(39週)で見積もりました。
出国前にかかる費用(164万円)+現地でかかる費用(170万円)=334万円-収入(187万円)=147万円
つまり最低でも150万円程の資金を用意しておかないと、安心はできないのです。
またお伝えした費用例はあくまでも目安であり、それぞれのプランや時期、場所など様々な要因によって前後します。
せっかくフランスに長期滞在するのであれば、仕事三昧の毎日になってはもったいないですし、仕事がすぐに見つからず帰国せざるを得なくなっても後悔することになります。
なるべくゆとりのある費用を用意しておきましょう。
フランスのワーホリビザの注意点
フランスワーホリのビザ取得に関して注意したいポイントは「申請動機作文」と「滞在中の計画書」。
「なぜフランスでワーホリをし、どんなことをするのが目標か」と納得させる文章を作成しなければなりません。また英語かフランス語指定です。
それぞれ作成時のポイントをお伝えします。
申請動機作文
フランスにワーホリしたい理由を述べます。観光・勉強・文化・仕事などメインにする内容は自由。
ポイントは自己分析を踏まえて、具体的な目標を記すことです。また滞在中の計画書の内容と矛盾しないようにしてください。例えば観光が主な目的なのに、計画書では1年間学校に通うと書くと不自然でしょう。
滞在中の計画書
滞在計画書は、動機文の目標を達成するために具体的にどのように行動をするかを知るためのものです。
したがって動機文に書いたことを実現するための1年間の行動計画を、自分なりに考えて示せば問題ありません。フリーフォーマットなので、作成形式も自由です。
ワーホリ制度を使ってフランスで生活してみよう!
ワーホリでフランスに行くことができれば、1年間ゆっくりと生活を楽しみながら滞在費を稼ぐこともできます。滞在中にヨーロッパ旅行に気軽に行くことだって叶うのです。
そして日本で勉強するよりも圧倒的なスピードで自然なフランス語が身に付くでしょう。
ビザ申請方法や注意点を確認し、計画的に準備をすることで、確実にフランスワーホリ生活を手に入れてください!