
北米のカナダには、中世ヨーロッパが丸ごと入っているといっても過言ではない城塞都市があります。
この城塞都市はケベック旧市街の歴史地区と言われ、カナダにありながら中世ヨーロッパが色濃く残り、今も多くの方が住んでいる、城壁に囲まれた都市です。
生きた中世都市として、世界文化遺産に1985年に登録されています。
今回は、なぜこのような特徴的な都市が残っているのか、このケベック旧市街の歴史、見どころ、そして絶景スポットなどをご紹介します。
アメリカ大陸でヨーロッパを味わう貴重な機会です。 近くまでお越しの際は、ぜひお立ち寄りください!
- カナダのケベック旧市街が誇る歴史と世界遺産
- 旧市街観光で絶対に外せない人気スポット5選
- 効率よく名所を巡るおすすめのモデルコース
- 滞在を充実させるホテル選びやグルメ情報
- ケベックシティで世界遺産を見よう
カナダのケベック旧市街が誇る歴史と世界遺産
カナダのケベック旧市街は、北米に位置しているにもかかわらず、大陸の違うヨーロッパの中世時代の都市を丸ごと城壁に閉じ込めた、珍しい街です。
まずはこの都市の、歴史をご紹介いたします。
世界遺産に登録された理由や歴史的な背景
カナダのケベック旧市街は、元々はアルゴンキン系先住民が住んでおり、交易が盛んな土地でした。
そもそも“ケベック”とは、先住民の言葉で「川が細くなる場所」という意味です。
その名の通り、川が細まり交易や交流が盛んなこの土地は、貿易にも防衛にもとても適した場所だったのです。
後にヨーロッパ人が訪れた際、特にフランスとイギリスは、「城塞都市に最適だ!」とこの土地に目をつけることになります。
1600年初頭には、フランスが植民地化し、この都市は城塞都市として正式に動き出します。その際、ヨーロッパ式都市の骨格である、教会、修道院、石造建築や街路構造などが整備されました。
この時、上町・アッパー・タウンには要塞や行政、そして下町・ロウアー・タウンには、港や商業が生まれました。
城塞都市は、このように二つに分かれ、それぞれの役割を担いながら発展しました。
この一番古い城塞都市としての構造、建築が、その後も長きに渡りケベック旧市街の基本構造となります。
この城塞都市は、世界的観点から見ると要の場所にあったため、その後フランスとイギリスにより争奪戦が続きます。戦いが起こるたびに城塞は強化され、ますます強固なものとなっていきます。
最終的に、1759年の戦いでイギリスが勝利し、1763年には正式にケベックはフランスの手を離れ、イギリスのものとなります。
しかしイギリスはフランスの文化を排除することなく、そのままの形で要塞も使用していきました。
その後19世紀に、世界の多くの城塞都市が解体されていく中、ケベック旧市街は「この街は歴史そのものだ」という保存活動が起き、城壁も旧市街の街並みも壊されることなく、現在に至るまで、中世のフランス文化を失わずに保存されている文化遺産として、世界遺産に登録されました。
フランス文化が色濃く残る街並みの成り立ち
ケベック旧市街に見られるフランス文化として挙げられるのは、まずはフランス語が公用語であることです。
街には、フランス語の看板がひしめき合っています。イギリス領になっていた歴史を鑑みると、これは世界的に稀な例です。
それ以外にも、多くのフランス的特徴が街並みに溢れています。
まず挙げられるのが、教会です。
カトリック教会はフランスの国教であり、教会のデザインにもフランスらしさがあふれています。
正面からの左右対称デザイン、ステンドグラスの構成など、教会の建造物の特徴としてフランス文化が色濃く残っています。
次に、町全体の構造としてもフランスらしさが多く見られます。
まず、坂が多い事。そして道がまっすぐではなく、上町、下町に分かれる構造もフランス西部の港町に多く見られる構造です。
道路は、石畳ですが、これもフランス技術から得ているものです。荷馬車、雨、雪に耐えるための舗装は、フランスのノルマンディー地方によく見られる建造物です。
このようにフランス文化を色濃く残した街並みは、フランスが植民地化した当初より積み重ねてきた歴史的重みに他なりません。
旧市街観光で絶対に外せない人気スポット5選

次に、このケベック旧市街地では絶対に外せない人気のスポットをご紹介します。
実際のアクセスの方法についてはこちらの記事も合わせてご覧ください。
カナダはどこにある?周辺国や地域の特徴、日本からの行き方を解説 - ネイティブキャンプ英会話ブログ | 英会話の豆知識や情報満載
シャトー・フロントナック(フェアモント)
ケベックの象徴とも言われるもの、それがシャトー・フロントナックです。
正式名称は「フェアモント・ル・シャトー・フロンテナック」と言います。
ケベック旧市街のシンボルともいえるこの古城風観光ホテルは、多くの著名人を魅了してきた素晴らしいホテルです。
一度は宿泊してみたい豪奢なホテルですが、こちらは宿泊せずとも、レストランやカフェの利用が可能で、かつホテル内のガイドツアーなどもあります。
宿泊をせずとも、ぜひ一度は訪れたいケベック旧市街の代表的な建造物です。
ここから見下ろすセント・ローレンス川を含めた景色は、おすすめの絶景スポットです。
テラス・フロント(フロント/テラス)
テラス・フロントは、川に面している高台に位置するテラスのことを指します。
ケベック旧市街でテラス・フロントと言えば、その美しい中世時代の景観の中の、まさに要の部分にある、セント・ローレンス川に面したテラスです。
このテラスの中心は、デュフェラン・テラスという名前の有名な遊歩道です。
フランスとイギリスの植民地時代は、重要な要塞の上に作られていたこの高台のテラスは、その見晴らしが圧巻のため、いまでも景観的にケベック旧市街地の要と言えるでしょう。
現在では、遊歩道は穏やかな散歩道となり、多くの地元民、そして観光客に愛されています。
夏には大道芸人のパフォーマンスや、ミュージシャンが演奏するなど、にぎやかな場所です。
セント・ローレンス川やロウアー・タウンを見下ろし、対岸の景色を楽しみながら歩くのにぴったりです。
シタデル(要塞)とアッパー・タウン
アッパー・タウンには今も要塞や行政の建築物が多く残されています。
アッパー・タウンを訪れると、歴史を感じることができます。
その中でも一番の観光名所となっているのは、シタデルと呼ばれる星形の要塞です。
このシタデルは、北米最大級の現役の要塞です。ケベック旧市街地を統治するため、イギリスが作り1850年に完成した要塞であり、現在まで使われています。
よって自由な観光は不可能なのですが、1時間程度のツアーがあります。申し込みをして参加することが可能です。
アッパー・タウンでぜひ訪れてみたいのは、やはり北米最古級の石造カトリック大聖堂でしょうか。
ステンドグラスに特徴があり、静謐で美しい大聖堂です。息づいているフランスの国教カトリック教の息吹を感じられます。
そして、ネオ・フレンチ・ルネッサンス様式として知られている壮麗な建築物、州会議事堂もぜひ見ておくべき素晴らしい建物です。
さらに今は広い公園となっていますが歴史的戦いのあったアブラハム平原も一見の価値ありです。
最終的にイギリスが勝利したその場所が、そのまま残っていることは賞賛に値します。
ロウアー(Old Quebec)の石畳とナック階段
ロウアー・タウンを訪れると、そこを歩くことで、生活の息吹を感じることができます。
まずは石畳の美しさに目を奪われるでしょう。
まさにフランスのイメージ通りの石畳が続く街並みは、歩くだけで五感を刺激し楽しませてくれます。
カラフルな石造りの家々、壁画アートもあります。
ナック階段とは、アッパー・タウンとロウアー・タウンを繋ぐ長い階段です。
1635年に作られた、最も古い階段となります。「首折り坂」という物騒な呼び名もありますが、現在では写真スポットとして親しまれています。
その呼び名の由来は諸説あります。
そのあまりの急勾配に、落ちたら首を折る、と言われたり、見上げたり見下ろしたりするのに首を折り曲げることから言われたり、と、諸説あります。
ですがその階段の上から見下ろした景色はまるで絵葉書のようで、観光客に大人気のスポットとなっています。
プラス・ロワイヤル/植民地時代の建築群
プラス・ロワイヤルは、まさにケベック旧市街地が生まれたその誕生の場所です。
フランスの植民地時代そのままの建築物が集合しており、イギリス統治下も破壊されることなく現存しています。
植民地時代の建築群は、特徴的で、今でも明確にフランス文化を組んでいると判断が可能です。
現在では、教会や小規模な博物館、展示施設などがあります。
歴史的建築群は基本的に、石造りの家、白色やベージュの壁で作られており、小さめの窓がついていて屋根は急勾配で雪対策がとられています。
さらに、建物が広場を囲む形で建築されており、この建築技術、美的特徴、および都市計画すべてフランス本国の特徴を受け継いでいるのです。
この建築群が、そのまま北米に残っていること、そしてその最初の場所であったプラス・ロワイヤルは世界遺産の旧市街地の中でもやはり絶対訪れるべきポイントです。
効率よく名所を巡るおすすめのモデルコース
実はこのケベック旧市街地は、アッパー・タウンとロウアー・タウンに分かれていても、小さな城壁都市のため、アッパー・タウンの有名な観光地だけならば、1日あれば駆け足で回ることができます。
例えば、まずケベック旧市街地に到着するのは、美術館のようなネオフランススタイルの建造物、州議事堂の城壁の外となります。
観光バスの発着場所となります。そこから、門を通り、城壁都市の内部へ入ります。
ぜひ訪れたいシャトー・フロンテナックへ向かいながら、フランスを感じる北米の街を歩き、撮影などを楽しめます。
ゆっくり歩いても、20分程度で到着することでしょう。
シャトーから、フロント・テラスまではほぼ目の前なので、2〜3分で着きます。
川を見下ろしながら、季節によっては演奏も楽しめて、立ち止まる良い時間となるでしょう。
旧市街地の重厚感から、今度はアブラハム平原へ向かうことで解放感を感じられます。
15分から20分程度で着くでしょう。
その後、シタデルを上から眺めつつ、最後はノートルダム大聖堂へ向かうことも可能です。
大聖堂までは15分ほどかかり、教会内部をざっと見学しても10分程度の追加で楽しむことができます。興味がある方はぜひ。
そこからナック階段へ向かいます。ナック階段までは、10分もせずにつくでしょう。
ロウアー・タウンの景観を楽しみ、最後にロウアー・タウンでお茶をする、という最高のモデルコースが完成です。
移動のみの時間としては1時間半程度で、すべて徒歩で可能です。
いくつか行きたい場所をピックアップして、ゆっくりと歩いたとしても、アッパー・タウンは1日で満喫できることでしょう。
そこから、もう一泊して、ロウアー・タウンを楽しむというのがより満足度を高められるコースかもしれませんね。
ぜひ、行きたい場所を決めて、自分だけの素敵な観光コースを作ってみてください。
滞在を充実させるホテル選びやグルメ情報
最後に、ホテル情報と、食べるべきグルメのおすすめをご紹介します。
名門ホテルへの宿泊や周辺エリアのホテル事情
一番の憧れのホテルと言えば、やはりシャトー・フロンテナックになるのではないでしょうか。
しかしながら、世界のセレブが訪れるこちらのホテルは、予約が埋まっていることも多く、何より設備も体験も、そして価格も豪華です。
ケベック旧市街地には、それ以外にも豪華なものから、リーズナブルなものまで多くのホテルがあります。
アッパー・タウンにもロウアー・タウンにも、たくさんのホテルがありますので、観光プランに合わせて選ぶと良いでしょう。
そもそもケベック旧市街地近辺では、100以上の宿泊施設が登録されており、やみくもに探すのではなく、どこに泊まるかを先に決めてから探すのがおすすめです。
宿泊費もそれぞれのため、予算と相談しながら決めることが可能です。
ですがやはり、なるべく早めに予約をすることをおすすめします。
滞在計画と予算と合致する、素晴らしいホテルに出会える可能性は、とても高い観光地です。
現地で味わうべき郷土料理の人気店を紹介
ケベック旧市街地は、北米のカナダにあり、フランス文化とイギリス文化を融合させた非常にユニークなグルメが楽しめます。
代表例としては、ひき肉とジャガイモの入ったミートパイの“トルティエール”、フライドポテトの上にチェダーチーズをかけ、グレービーソースを加えた“プーティン”、そしてメープルシロップをかけた伝統的なスイーツの「シロップ漬けのおじいちゃん」などが挙げられます。
郷土料理の人気店はこちら:
■ Aux Anciens Canadiens(オー・ザンシャン・カナディアン)
石造りの古風な雰囲気の、伝統郷土料理のお店。
■ L’Antiquaire Buffet(ル・ビュッフェ・ド・ランティケール)
伝統的なケベックの家庭料理を提供するカジュアルレストラン。
■ Restaurant Poutineville Vieux Québec(レストラン・プーティンヴィル・ヴュー・ケベック)
様々なトッピングを楽しめる人気のプーティン専門店。ぜひ、一度お立ち寄りください。
気になる物価に関しては、ぜひこちらの記事も合わせてご覧ください。
【2025年版】カナダの物価はどれくらい?日本と比較してみました! - ネイティブキャンプ英会話ブログ | 英会話の豆知識や情報満載
ケベックシティで世界遺産を見よう
いかがでしたでしょうか。
北米にあるフランス文化に彩られた生きる歴史遺産、城壁都市のケベック旧市街地について、その歴史からおすすめグルメまでを、ご紹介してきました。
歴史的に類を見ない、一歩足を踏み入れるだけで丸ごと違う文化の街は、その歴史的意義も多いのはもちろんですが、現在もそこで生活をし、文化が継承され、息づいていること自体に感動できる場所です。
歴史的建造物や自然を見るのはもちろん、そこの継承され続けた食事、言語、そして人々のリアルな生活を楽しみながら、ぜひ世界遺産を五感で堪能してください。
◇経歴
国際色豊かな環境で学び、その後ホテル業界、秘書、食品企業など様々な仕事を体験しました。
結婚・出産をきっかけに、英語を教える業界に飛び込み、現在は環境保護などのNPO法人で活動しつつ、親子から高校生、大人まで幅広く英語を教えています。
◇英語に関する資格
英検一級
TOEIC945
IELTS7.5
◇留学経験
ヨーロッパにてアメリカンスクール在学、スコットランドのエジンバラ大学に留学
◇◇海外渡航経験、渡航先での経験内容
ヨーロッパで10年ほど過ごし、諸国を旅行。最近始めてアメリカにNBA見に行きました!
◇◇自己紹介
高校まで10年間ほどヨーロッパで過ごした帰国子女です!大学ではエジンバラ大学へ留学。現在は子育ての傍ら英語講師となり日々英語の奥深さを痛感しています!