世界三大美術館とは?それぞれの場所・特徴から有名な貯蔵作品まで解説

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世界三大美術館をご存じでしょうか。世界には数多くの美術館がありますが、その中でも特に評価されている3つの美術館があります。

この記事では、世界中の人々を魅了する三大美術館について解説していきます。

世界三大美術館とは?

世界三大美術館は、一般的にルーブル美術館メトロポリタン美術館エルミタージュ美術館の3つの美術館を指しています。

ですが、実はこれに明確な定義はありません。この3つの美術館は、規模や収蔵品の質や歴史的価値、美術館の建物自体の価値、訪れる人々の数など多数の要因が組み合わさり、世界三大美術館として認知されるようになりました。それぞれの美術館ごとに特徴を見ていきましょう。

世界三大美術館1:ルーブル美術館の特徴と有名作品

ルーブル美術館(Musée du Louvre)は、フランスのパリに位置する世界最大級の美術館であり、その歴史は非常に古く、12世紀にまで遡ります。

当初は、フィリップ・オーギュスト王によってパリを防衛するための要塞として建設されました。この要塞は、後にフランス王の宮殿へと改築され、特にフランソワ1世の時代に大規模な増改築が行われました。

1793年、フランス革命の影響を受けて、ルーブルは国民に公開され、美術館としての役割を果たすようになりました。以来、ルーブル美術館は、王室のコレクションや、革命後に収集された芸術作品を展示する場となり、現在では約38万点以上の美術品を所蔵しています。

ルーブル美術館の特徴は、その広大な収蔵作品と多様な展示内容にあります。美術館は、古代エジプトの遺物から19世紀の作品まで、さまざまな時代と地域の芸術を網羅しています。

また、ルーブル美術館はその建築様式も見所です。中世の要塞から始まり、ルネサンス、バロック、近代の様式が融合した建物は、訪れる人々に強いインパクトを与えます。特に、ガラスのピラミッドは、1993年に完成し、現代的な美術館の象徴として知られています。

さらに、ルーブル美術館は、年間の来館者が1,000万人を超える世界で最も訪問者の多い美術館でもあり、国際的な文化交流の場としても重要な役割を果たしています。

モナ・リザ

イタリアの巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチによって描かれた油彩画で、1503年から1506年の間に制作されたとされています。上半身のみが描かれた女性の肖像画であり、特にその微笑みと神秘的な表情が人々を魅了しています。

ミロのヴィーナス

紀元前2世紀ごろに古代ギリシアで制作された女性像の彫刻です。愛と美の女神アフロディテを表現しており、その美しさは多くの神秘を秘めています。ちなみに、ミロのヴィーナスの「ミロ」とは、画家のミロのことではなく、彫刻が発見されたミロス島にちなんで名付けられました

民衆を導く自由

フランスの画家ウジェーヌ・ドラクロワによって1830年に描かれた絵画です。この作品は、フランス7月革命を象徴する重要な作品として広く知られています。

ナポレオンの戴冠式

フランスの画家ジャック=ルイ・ダヴィッドによって1805年から1807年にかけて制作されました。この作品は、ナポレオン一世が皇妃ジョゼフィーヌに王冠を授ける瞬間を捉えたもので、当時のフランスの権力と栄光を表現しています。

サモトラケのニケ

古代ギリシアの彫刻であり、勝利の女神ニケを表現した像です。この彫像は紀元前190年頃に作られたと考えられており、1863年にエーゲ海のサモトラケ島で発見されました。

世界三大美術館2:メトロポリタン美術館の特徴と有名作品

メトロポリタン美術館(The Metropolitan Museum of Art)は、アメリカ、ニューヨークに位置する世界最大級の美術館です。

その設立は1866年に遡り、アメリカ独立記念日を祝うためにパリで集まったアメリカ人たちの会合で提案されました。

美術館は1870年に正式に開館し、当初はアメリカ国民に芸術と教育を提供することを目的としていました。

設立当初は、収蔵品がほとんどない状態から始まりましたが、寄贈や購入を通じて、徐々にそのコレクションは増加しました。特に、19世紀末から20世紀初頭にかけて、アメリカの富裕層やコレクターからの寄贈が多くなされ、現在では300万点以上の作品を所蔵しています。

メトロポリタン美術館では、古代エジプトの美術から近代美術まで、様々な時代や地域の作品を収蔵しています。特に、ヨーロッパの絵画、アメリカの美術、エジプトの遺物など、多様なコレクションが揃っています。また、私立美術館でありながら、公共の教育機関としての役割も果たしています。

さらに、セントラルパークの東側に位置し、壮大な外観を持つこの美術館は、訪れる人々に圧倒的な印象を与えます。年間の来館者は500万人ほどで、世界中から多くの人が訪れています。

水差しを持つ女

オランダの画家ヨハネス・フェルメールによって1660年代初頭に描かれた作品です。この絵は、女性が水差しを手にしている姿を描いており、日常の中に潜む美しさが表現されています。

糸杉のある麦畑

オランダの画家フィンセント・ファン・ゴッホによって描かれた絵画です。この作品は1889年、ゴッホがフランスのサン=レミで療養していた時期に制作され、彼の代表作の一つとされています。

睡蓮

印象派の巨匠クロード・モネによる作品で、彼の庭を描いた作品群の一つです。モネは、1893年に自らの庭に池を掘り、睡蓮を植えたことからこの作品が生まれました。

フアン・デ・パレーハの肖像

スペインの画家ディエゴ・ベラスケスによって1650年に描かれた作品で、ベラスケスのムーア人の奴隷であり、工房の助手であったフアン・デ・パレーハを描いています。フアン・デ・パレーハは、ただのモデルではなく、彼の友人であり、信頼できる助手でもありました。

聖母子と二人の天使

フィリッポ・リッピによって1440年頃に制作された絵画で、聖母マリアと幼子イエスを中心に、二人の天使が描かれています。ルネサンス期の重要な作品の一つとなっています。

世界三大美術館3:エルミタージュ美術館の特徴と有名作品

エルミタージュ美術館(Hermitage Museum)は、1764年にロシアの女帝エカチェリーナ2世によって設立されました。

彼女はドイツの画商ゴツコフスキーから美術品を購入し、これが美術館のコレクションの始まりとなりました。美術品は最初、エカチェリーナの私的なコレクションとして、彼女の王宮に隣接する離れに展示されていました。

美術館は、1917年のロシア革命後に一般公開され、貴族から没収されたコレクションが加わることで、さらにその規模を拡大しました。現在では、約300万点のコレクションを誇り、展示室は400室以上にまで及びます。

全室を回ると、その距離は約27キロメートルにもなるとも言われています。美術館のコレクションには、レンブラント、ルーベンス、ファン・ダイクなどの名作が含まれており、特に西洋絵画の重要な作品が多く展示されています。

建築はバロック様式で、美しい内装や豪華なホールが訪れる人々を魅了します。特に、階段の天井に描かれたガスパロ・ディツィアーニの絵画『オリンポス』は、エルミタージュ美術館のコレクションの中で最大の絵画として知られています。

ブノアの聖母

レオナルド・ダ・ヴィンチによって1478年に制作された絵画で、聖母マリアと幼子イエスを描いています。この作品は、ルネサンス期の若き画家たちに多大な影響を与えました。

コネスタビレの聖母

巨匠ラファエロ・サンティによって1504年に制作された絵画です。聖母マリアが幼児キリストを抱いている姿を描いており、特に小型のトンド(円形の絵画)として知られています。

うずくまる少年

ミケランジェロが1530年代初めに制作を始めたとされ、未完の状態で残されています。彫刻は、少年がうずくまる姿勢をとっており、その背中の筋肉や体のラインが非常に美しく表現されています。

聖セバスティアヌス

ティツィアーノ・ヴェチェッリオによって1570年頃に描かれました。聖人が矢で射抜かれた姿を描いており、彼の肉体美と苦悩が見事に表現されています。

ダンス Ⅱ

アンリ・マティスの代表作の一つで、躍動感あふれる人々が円を描いて踊る姿を描いています。音楽やダンスのリズムが視覚的に表現されています。

その他の候補とされる美術館:プラド美術館

プラド美術館(Museo del Prado)は、1819年11月19日に「王立美術館」として開館しました。この美術館の設立は、スペインのフェリペ2世とフェリペ4世が築いたコレクションを基にしています。

もともとは1785年にカルロス3世によって自然科学に関する博物館として設計されましたが、後に美術館としての機能が強化されました。

1868年の9月革命後、現在の「プラド美術館」という名称に改称され、以降はスペインの国立美術館となっています。ここでは、歴代のスペイン王室が収集した約8700点の作品を所蔵しており、に、ディエゴ・ベラスケス、フランシスコ・ゴヤ、エル・グレコなどの巨匠の代表作が数多く所蔵されています。

美術館の建物自体も、フアン・デ・ビジャヌエバによって設計されたネオクラシック様式の建築であり、その美しさも訪れる人々を魅了しています。

その他の候補とされる美術館:国立故宮博物院

国立故宮博物院は、台湾の台北市に位置し、中国の歴代王朝が収集した美術品を収蔵する博物館です。

博物院の起源は、清朝末期に遡ります。1912年に中華民国が成立した後、北京の故宮にあたる紫禁城から多くの文物が移されました。

ここから日本軍の満州侵攻や国共内戦などを経て、最終的に台湾へと貴重な文物が移送されていきました。1965年に現在の台北郊外の外双渓に新しい建物が完成し、博物館として正式にオープンしました。

国立故宮博物院は、約70万点以上の所蔵品を有し、その中には中国の歴代皇帝が収集した美術品や工芸品が含まれています。特に、故宮博物院の「三大至宝」として知られる「翠玉白菜」「肉形石」「毛公鼎」は、精緻な技術と美しさを誇り、故宮博物院の象徴的な存在となっています。

まとめ

一般に世界三大美術館と呼ばれる、ルーブル美術館、メトロポリタン美術館、エルミタージュ美術館、そのほか世界的に有名なプラド美術館、国立故宮博物院について解説しました。

どの美術館も独自の特徴を持ち、優劣があるわけではありません。この記事で紹介していない魅力的な美術館も非常にたくさんあります。様々な国の芸術や歴史、文化に触れる機会を探しに出かけてみてはいかがでしょうか。

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