
「世界三大美術館」という言葉を聞いて、すぐに具体的な館名が思い浮かぶ方は多くありません。
耳にしたことはあっても、「どこが含まれるのか」「なぜその美術館が特別なのか」と疑問に感じる方もいるでしょう。
一般的に、ルーブル美術館、メトロポリタン美術館、エルミタージュ美術館の3館が
“世界三大美術館”と呼ばれています。
では、なぜこの3つが選ばれているのか。他にも有名な美術館がある中で、どういった理由があるのでしょうか。
この記事では、それぞれの特徴や選ばれた背景を整理し、旅行先の検討にも役立つ情報をお届けします。
- そもそも世界三大美術館はどこにある?
- ルーブル美術館|名作と歴史が詰まった“芸術の殿堂”
- メトロポリタン美術館|アメリカ最大のアートワールド
- エルミタージュ美術館|ロシアが誇る豪華絢爛な宝箱
- 他にもある“世界級”の美術館
- まとめ|一度は行ってみたい世界の名美術館
そもそも世界三大美術館はどこにある?
世界三大美術館という言葉は耳にしても、実際にどの美術館を指すのか知らない人も多いのではないでしょうか。
ここではまず、世界三大美術館がどこにあり、どんな特徴を持っているのかを解説していきます。
どんな美術館が選ばれてるの?
「世界三大美術館」として広く知られているのは、
です。いずれも自国を代表する歴史的・文化的価値の高い美術館であり、所蔵作品は古代から近現代まで多岐にわたります。
展示点数や作品の質、ジャンルの幅において世界屈指の規模を誇り、美術に詳しくない人でもその名前を一度は耳にしたことがあるでしょう。
なお、「三大」という呼称は国際的に定められた公式な基準ではなく、美術史や文化的評価において世界的に高く認められている3館を総称した表現です。
なぜこの3館が「世界三大」なの?選ばれた理由をチェック!
この3つの美術館が“三大”と称される理由には、いくつかの共通点があります。
まず、所蔵コレクションの規模と多様性です。
古代文明の遺物から、ルネサンス、印象派、現代美術に至るまで、時代と地域を超えた幅広い作品を収蔵しています。
次に、建築そのものの価値です。
ルーブル美術館はかつて王宮として使用された歴史を持ち、エルミタージュ美術館はロマノフ王朝の冬の宮殿として建てられました。
メトロポリタン美術館も壮麗なクラシック様式の外観が特徴で、建物自体が文化財としての魅力を放っています。
さらに、いずれも世界中から年間数百万人規模の来館者を集めており、その人気と国際的評価が揺るぎないものであることを示しています。
ルーブル美術館|名作と歴史が詰まった“芸術の殿堂”
フランス・パリにあるルーブル美術館は、世界中から多くの観光客が訪れる美術の聖地です。
歴史的価値の高い建物と、圧倒的な数の名作が一堂に会する空間をのぞいてみましょう。
モナ・リザだけじゃない!圧倒的スケールの展示数
ルーブル美術館と聞くと、多くの方が真っ先に思い浮かべるのは「モナ・リザ」かもしれません。
確かに世界的に有名なこの名画は館内でも特に人気がありますが、ルーブルの魅力はそれだけではありません。
館内には約3万5,000点以上の作品が展示されており、その内容は古代エジプト美術から近世の絵画、彫刻まで、時代もジャンルも多岐にわたります。
レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ドラクロワ、フェルメールといった巨匠の作品を、教科書ではなく実物で鑑賞できる環境は圧巻です。
また、館内は非常に広く、全ての展示を1日で見て回るのは困難です。
限られた時間で効率よく鑑賞するためには、事前に見たい作品やエリアを決めておくことが推奨されます。
ルーブルならではの「雰囲気」を味わうポイント
ルーブル美術館の魅力は、展示作品だけにとどまりません。
もともと王宮として建設された建物は、広大な空間や荘厳な天井、石造りの床など、建築そのものが歴史的価値を持っています。
展示室に足を踏み入れるだけで、当時の王宮の雰囲気を感じ取ることができます。
また、館の象徴的存在であるガラスのピラミッドも見逃せません。
館内から外に出て、光が差し込むピラミッドの下に立つと、建築美と空間の開放感が相まって、印象的な光景が広がります。
ルーブルは単に芸術作品を鑑賞する場ではなく、
訪れる人が「芸術空間そのもの」に包まれる特別な場所です。
この独自の雰囲気こそが、多くの人々を惹きつけ続ける理由の一つと言えるでしょう。
メトロポリタン美術館|アメリカ最大のアートワールド
アメリカを代表する巨大な文化拠点であるメトロポリタン美術館では、多彩なジャンルの作品を通じて、世界中の歴史と文化に触れられます。
超巨大な美術館で世界の文化を横断しよう
セントラルパークの東側沿いに位置する「メトロポリタン美術館(通称:The Met)」は、アメリカ最大規模を誇る美術館であり、世界的にも高い評価を受けています。
展示スペースは約20万平方メートルに及び、東京ドーム約4個分の広さを持つ世界有数の規模です。
収蔵品は西洋絵画だけでなく、アジア美術、アフリカや中東の考古遺物、近代アート、ファッション、武具、家具など多岐にわたります。
館内には古代エジプトの神殿が丸ごと展示されているほか、京都の茶室を再現した空間もあり、まるで世界各地の文化を横断する旅をしているような感覚を味わえます。
初めて訪れる際は、全てを回ろうとせず、あらかじめ興味のあるテーマやエリアを絞って鑑賞するのが効果的です。
あの名画も!押さえておきたい定番作品はこれ
メトロポリタン美術館の見どころのひとつは、充実した西洋絵画のコレクションです。
ルネサンスから印象派、現代美術に至るまで、歴史的価値の高い作品が幅広く展示されています。
特に注目されるのは、フェルメールの『リュートを調弦する女』やゴッホの『自画像』。
さらにルノワール、モネ、ドラクロワ、エル・グレコといった巨匠の名作も数多く並びます。
展示室は作家や時代ごとに分けられており、体系的に鑑賞できる構成になっています。
また、同館は美術鑑賞初心者でも楽しめる工夫が随所に施されている点も魅力です。 専門的な知識がなくても、直感的に目を惹く展示や演出が多く、幅広い層がアートに親しめる環境が整っています。
エルミタージュ美術館|ロシアが誇る豪華絢爛な宝箱
エルミタージュ美術館は、宮殿そのものが美術品といわれるほど豪華な造りが魅力です。
世界中から集められた膨大なコレクションが、訪れる人を圧倒します。
まるで宮殿!?アートと建築の融合に感動
ロシア・サンクトペテルブルクに位置する「エルミタージュ美術館」は、世界三大美術館のひとつに数えられる、世界有数の規模と収蔵数を誇る美術館です。
展示面積は約6万平方メートル、所蔵作品数は300万点以上にのぼります。
もともとはロシア皇帝の冬の宮殿として使用されていた建物を活用しており、館内は豪華な宮廷建築そのものです。
大広間にはシャンデリアが輝き、壁面には金箔装飾、天井には精緻な彫刻や絵画が施されています。
建築空間そのものが芸術作品のようで、来館者は美術品と建物の両方を同時に楽しむことができます。
ダ・ヴィンチからマティスまで!豪華な展示作品
エルミタージュ美術館の最大の魅力は、その圧倒的な収蔵数と作品の質です。
所蔵品は300万点を超え、常設展示されているのはごく一部ですが、それでも見応えは十分です。
特に人気が高いのは、レオナルド・ダ・ヴィンチの『リッタの聖母』をはじめ、ラファエロ、ルーベンス、レンブラントなどヨーロッパ美術史を代表する巨匠の作品群です。
近代美術ではマティスやピカソ、セザンヌの名作も展示されており、多彩なジャンルと時代を網羅しています。
さらに、ヨーロッパ美術だけでなく、東洋の工芸品やエジプト・ギリシャの古代遺物なども収蔵しており、その幅広さは「世界中の美の集大成」と称されるほどです。
訪れる人は、自分の興味や感性に響く作品と必ず出会えるでしょう。
他にもある“世界級”の美術館
三大美術館以外にも、世界的に高く評価される名館は数多く存在します。
ここでは、旅行先としても人気の高い“世界級”美術館をいくつかご紹介します。
「四大」「五大」とも呼ばれる候補たちを紹介
「世界三大美術館」といえば、ルーブル美術館・メトロポリタン美術館・エルミタージュ美術館の3館がよく挙げられます。
しかし、世界的に高い評価を受けている美術館はほかにも存在し、「四大」「五大」といった呼び方に含まれることもあります。
代表的な例が、スペイン・マドリードのプラド美術館です。
ベラスケス、ゴヤ、エル・グレコといった巨匠の作品が豊富に収蔵され、特にスペイン絵画のコレクションは世界随一と評されています。
また、イギリス・ロンドンの大英博物館も外せません。
美術品だけでなく人類史を網羅する膨大な収蔵品を誇り、その規模はルーブル美術館と並ぶか、あるいはそれ以上ともいわれます。
その他の例としては、
三大美術館にこだわらず、こうした館を訪問先に加えるのも魅力的な選択肢です。
日本から行きやすい?国立西洋美術館にも注目!
東京・上野にある国立西洋美術館も、世界的に評価される美術館のひとつです。
設計を手掛けたのは近代建築の巨匠ル・コルビュジエで、その建築群は世界文化遺産に登録されています。
収蔵品には、モネ、ロダン、ゴッホ、ルノワールなど西洋美術を代表する巨匠の作品が含まれ、国内にいながら本格的な西洋美術を鑑賞できる環境が整っています。
海外の美術館に憧れるのも魅力的ですが、まずは身近な場所で名作に触れることから始めるのも一案です。
日本国内にも、世界に誇れる文化資産が存在していますので、一度訪れてみる価値はあります。
まとめ|一度は行ってみたい世界の名美術館
世界三大美術館は、その名にふさわしく規模も内容も圧倒的!
館内に足を踏み入れた瞬間から、数百年、時には数千年の時を超えて受け継がれてきた人類の感性と出会えます。
美術の知識がなくても大丈夫。
「これはすごい…!」という直感だけで十分楽しめますし、むしろ予備知識がないほうが、純粋に作品の迫力や美しさに圧倒されることも少なくありません。
ヨーロッパ旅行やニューヨーク観光の合間に立ち寄るのもよし、
「今回は美術館巡りをメインにした旅にしよう」とテーマを決めて訪れるのもおすすめです。
どちらにしても、きっと忘れられない時間になるはずです。
なお、近年は多くの美術館で事前のオンライン予約が必要になっているため、旅行前の下調べは入念に。
少し準備を整えるだけで、当日の鑑賞体験がぐっと快適になります。 アートに触れることで、旅の疲れも不思議と和らぎ、新しい活力が湧いてくるもの。
次の旅では、そんな“心の充電時間”を計画に組み込んでみてはいかがでしょうか。
◇経歴
海外向けデバイスのソフト設計開発、関連資料翻訳
◇資格
TOEIC 900点
◇留学経験
ワーキングホリデーにてカナダ、オーストラリアに滞在経験あり
◇海外渡航経験
ワーキングホリデーでは、ホテルやレストランで仕事をしていました。
◇自己紹介
普段は翻訳などの仕事をしていますが、Webライターとしても活動しています。
興味の幅が広く、様々なテーマで記事を書いています。
皆様にとってわかりやすく面白い記事を書けるよう頑張ります。
よろしくお願いいたします。