ニューヨークは世界最高水準の世界都市・金融センターとして知られています。
世界の政治や経済のみでなく、ファッション・エンターテイメントに大きな影響を与える大都市だと言えるでしょう。
ただし、世界各国から観光客が集まるニューヨークは犯罪率が高い場所としても知られています。
特に危険なエリアに行くと、巧妙な手口で詐欺・窃盗・脅迫などの被害にあう可能性があるのです。
この記事では、ニューヨークの治安事情や気をつけるべきエリアについて、詳しく解説します。
ニューヨークに渡航予定がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
ニューヨークの治安事情
日本と比較してニューヨークは、治安が悪い状態であると言えます。
特に近年はニューヨークでの凶悪犯罪の件数が増え、アメリカの他の地域よりも犯罪率が高くなっています。
ニューヨークと東京の重犯罪発生件数
ここでは、ニューヨークと東京で2023年に発生した重犯罪発生件数を表にしました。
犯罪の種類 | 東京 | ニューヨーク |
殺人 | 94件 | 391件 |
強盗 | 235件 | 16,910件 |
不同意性交 | 395件 | 1,455件 |
ニューヨークは観光地として有名であるため、旅行者が犯罪の被害にあうケースも多いです。
重犯罪件数の違いを見てわかるように、ニューヨークは東京よりも治安が悪いと言って良いでしょう。
ニューヨークで比較的治安が良い地域
ニューヨークの治安はエリアごとに大きく異なります。
各エリアの特性や治安を理解しておけば、観光や留学時の安全を確保しやすくなるでしょう。
マンハッタン(Manhattan):アッパーイーストサイド・アッパーウエストサイド
マンハッタンは、ニューヨーク東部のハドソン川下流域にある島で、ニューヨークの中心街です。
5番街やタイムズスクエアなどの繁華街を有し、世界中から多くの観光客が訪れます。
ニューヨークの一般的なイメージは、マンハッタンを指すと言って良いでしょう。
特にアッパーイーストサイド(Upper East Side)・アッパーウエストサイド(Upper West Side)は、良好な治安が維持されています。
【マンハッタンの代表的な観光地】
・タイムズスクエア(Times Square)
・エンパイアステートビルディング(Empire State Building)
・セントラルパーク(Central Park)
・メトロポリタン美術館(The Metropolitan Museum of Art)
クイーンズ(Queens):フォレストヒルズ・アストリア
クイーンズは、ニューヨークの中でも最も大きな行政区であり移民が多い地域です。
都市的な地域と長閑な地域の両方が存在します。
中でも閑静な住宅街であるフォレストヒルズ(Forest Hills)やアストリア(Astoria)は、安心して暮らせる地域として知られています。
【クイーンズの代表的な観光地】
・フラッシングメドウズコロナパーク(Flushing Meadows Corona Park)
・ルイ・アームストロングの家(Louis Armstrong House Museum)>
・アストリア・ギリシャ人街(Astoria)
ブルックリン(Brooklyn):ウィリアムズバーグ・パークスロープ
ブルックリンは、ニューヨーク南部に位置する住宅地です。
ニューヨークで最も人口が多いキングス郡と同じ地域を指し、250万人もの人が暮らしています。
特に家族向けの住宅地が多いパークスロープ(Park Slope)は治安が良く、安心して暮らせる地域だと考えられています。
また、アーティストや若者にはウィリアムズバーグ(Williamsburg)も人気です。
【ブルックリンの代表的な観光地】
・ブルックリン橋(Brooklyn Bridge)
・ウィリアムズバーグ(Williamsburg)
・ブルックリン美術館(Brooklyn Museum)
ニューヨークで気をつけるべき地域
ニューヨークで安全に観光・留学を楽しむためには、気をつけるべき危険な地域に近づかないことが大切です。
このような地域は治安が悪く、特に単独で動く外国人は犯罪のターゲットにされる可能性があるでしょう。
どうしても以下の地域に行く予定がある方は、ニューヨークに詳しい方・慣れている方に同行してもらってください。
マンハッタン(Manhattan):ロウアーイーストサイドの一部・ハーレム
経済の中心地であるマンハッタンには、治安が悪いエリアも存在します。
マンハッタン最北の地域であるハーレムは昔から非常に治安が悪い地域として知られており、少し前まではニューヨーカーですら立ち入りを躊躇していました。
しかし現在は治安改善対策が進み、治安は良くなったという意見もあります。
また、ロウアーイーストサイド(Lower East Side)の一部も、治安が悪い地域として知られています。
これらの地域には、夜間に近づかないようにしましょう。
ブルックリン(Brooklyn):イーストニューヨーク・ブラウンズビル
治安が良い地域でもあるブルックリンにも、危険な地域はあります。
イーストニューヨーク(East New York)とブラウンズビル(Brownsville)は、犯罪率が高い地域として知られており、訪問時には十分な注意が必要です。
特にブラウンズビルは貧困層が多く、ドラッグや強盗などの犯罪が蔓延しており、近年発生した乱射事件では非常に多くの犠牲者を出しました。
ブロンクス(Bronx):サウスブロンクス
ブロンクスにあるサウスブロンクス(South Bronx)はニューヨークヤンキースの本拠地として有名ですが、非常に治安が悪い地域です。
麻薬取引や重犯罪の発生件数が多く、特に注意するべきです。
野球観戦のためにサウスブロンクスに行く場合は、試合終了後すぐに帰宅することが大切です。
ニューヨークの地下鉄での安全対策
地下鉄はニューヨークの中でも治安が悪い場所に該当します。
特にコロナ禍以降は地下鉄の駅・電車内での事件が増えており、リモートワークを希望する方も増えているほどです。
しかし、ニューヨークで地下鉄を使わずに通勤・通学することは難しいと言えるでしょう。
この章では、ニューヨークの地下鉄での安全対策について解説します。
地下鉄を待つ時は周囲の状況に気を配る
ニューヨークの地下鉄乗車では、次のような事故が起こっています。
・地下鉄を待っている間に背後から襲われて暴行・強盗される
・線路に押し出されて怪我をする
このような被害に遭わないためには、
また、奇声や悲鳴が聞こえたら、声がする方向から離れてください。
独り言を言っている・視線が定まらないなど挙動がおかしい人を見つけたら、目を合わせずに離れます。
地下鉄駅構内にはネズミがいる場合も多いため、不用意に周囲のものには触れない方が良いです。
地下鉄に乗車する際は車両選び・乗車後のスペース確保
地下鉄に乗車する際には、短い時間で的確に安全な車両を探します。
例えば、人が異様に少ない車両には、ホームレスや挙動がおかしい人が乗っている可能性があるでしょう。
中央部の車両は車掌が乗車しているケースが多く、安心感があります。
特に最後尾・先頭車両への乗車は避けてください。
地下鉄乗車中は安全確保に専念する
地下鉄の中は密室であり慎重に行動しなければいけません。
日本の電車のように適当な席に座って居眠りをする感覚では、すぐにターゲットにされてしまうでしょう。
席は安全そうな席を厳選するか、立っていた方が良いケースもあります。
スマホを見続けたりイヤホンをつけたりせず、常に周囲の状況を察知できる状態を維持してください。
乗車後の車両に別の駅で挙動がおかしい人が乗ってきたら、次の駅で下車して別の車両に移動しましょう。
また、アメリカ人は他人との接触を嫌う傾向があります。体はもちろんバッグなども、人に当たらないように注意してください。
バックが触れてしまった・押してしまったなどの些細な理由で、トラブルが起きる可能性があります。
ニューヨークで被害にあいやすい犯罪
ニューヨークで被害にあいやすい犯罪には、次のようなものがあります。
事前に頻度が高い犯罪を知っておき、必要な対策を考えましょう。
ひったくり・スリ
観光客はひったくり・スリの被害にあいやすいです。
特に観光客が多く混み合っているエリアに行く時には、財布・スマホ・パスポートに細心の注意を払ってください。
バッグで席をとる・バックを置いてトイレに行くような行動をしてはいけません。
また、貴重品が盗まれにくいバッグを用意し、不用意に財布を出さないようにしましょう。
詐欺・恐喝
観光客は詐欺や恐喝のターゲットにもされやすいです。
具体例としては、観光客に意図的にぶつかって荷物が壊れた・メガネが壊れたなどの主張をし、弁償を求めてきます。
また、着ぐるみや路上パフォーマンスをしている人から写真撮影を促された結果、多額の撮影代を請求されるケースもあります。
自分は常に狙われていると意識することが大切です。
クレジットカードのスキミング
ニューヨークに限らず外国では、クレジットカードのスキミング被害が多発しています。
クレジットカード自体を盗まれるのではなく、街中のATMに細工をしてクレジットカード情報が抜き取られるケースが多いです。
ニューヨークでATMを活用する場合には、高いセキュリティーが確保された場所を選んでください。
性犯罪
女性は性犯罪に十分注意して行動するべきです。
人通りが少ない場所に行かない・一人で地下鉄に乗らないなどを意識し、なるべく人と行動するようにしましょう。
エレベーターのような密室も非常に危険です。
ヘイトクライム
特定の人種への嫌がらせ・暴行・脅迫にあう可能性も考えられます。アジア人が対象になるケースも多いです。
日本人は、突然知らない人から憎まれる・馬鹿にされるという状況に驚いてしまうものですが、自分の身を守ることに徹してください。
まとめ
日本と比較してニューヨークは治安の悪い場所であると考えるべきです。
十分な調査と準備をして行けば、トラブルに巻き込まれるリスクを最小限に減らせるでしょう。
基本的な取り組みとして、不用意に夜のニューヨークをうろつかない・危険なエリアには行かない・甘い誘いに応じない・貴重品は肌身離さず持ち歩くなどのポイントを意識してください。
また、あまり着飾らずラフな格好で過ごすことも、犯罪に巻き込まれるリスクを減らすために効果的です。
この記事を参考に、安全にニューヨークを楽しめるようにしましょう。