「小銭がたまりやすくて困らない?」
アメリカ留学や旅行を控えた方は、現地のコインシステムについて不安を感じているのではないでしょうか。
日本と異なり、アメリカでは自動販売機やコインランドリー、公共交通機関など、コイン・硬貨が必要な場面が多くあります。
そのような方に向けて、「アメリカのコイン・硬貨の種類と特徴」や「効率的な使い方」、「現地での両替方法」を実践的な情報を交えながら詳しく解説します。
この記事を読めば、アメリカでのコイン・硬貨の扱い方がわかり、現地でも安心して支払いができるようになりますよ。
- アメリカではコイン・硬貨と紙幣が使われている
- アメリカで使われているコイン・硬貨の種類一覧
- 州の記念コインがある
- アメリカのコイン・硬貨の使い道
- アメリカのコイン・硬貨の見分け方
- アメリカのコイン・硬貨の両替方法
- アメリカでコイン・硬貨をうまく使い切る方法
アメリカではコイン・硬貨と紙幣が使われている
アメリカの通貨は、コイン(セント)と
紙幣(ドル)です。
クレジットカード社会と言われるアメリカですが、コインや紙幣も流通しており、場面に応じた使い分けが必要です。
・紙幣の特徴と役割
・コイン・硬貨はあまり使われない?
それぞれ詳しく見ていきます。
紙幣の特徴と役割
アメリカドルは7種類(1ドル、2ドル、5ドル、10ドル、20ドル、50ドル、100ドル)の紙幣がありますが、流通しているのは2ドル以外の6種類です。
紙幣の中でも、
20ドル札以下の紙幣が日常生活で多く使われます。
タクシーやレストランなどでは50ドルや100ドルは受け付けてもらえない場合もあるので注意しましょう。
また、1ドル紙幣は、チップや小額支払いの多い場面でも安心して対応できるので、多めに持っておくのをおすすめします。
アメリカの紙幣は、1ドルのような少額紙幣から50ドル紙幣など高額なものまで幅広く揃っています。旅行や留学中は、用途に応じた紙幣の準備が大切です。
コイン・硬貨はあまり使われない?
アメリカでは、日本と比べて小銭を使う場面が少なく、日本的な「お釣りをきれいにする支払い方」はほとんど通用しません。
例えば、日本で685円の支払いで1,185円を渡し、500円玉のお釣りを期待する場面を考えてみてください。
アメリカのレジでは、「多すぎるよ」と185円分の小銭を返されてしまいます。このため、小銭がどんどんたまっていきます。
ただし、例外的に25セント硬貨(クォーター)は活躍する場面がいくつかあります。
有料駐車場のメーターやコインランドリー、古いタイプの自動販売機などでは、クォーターが支払いに欠かせません。
アメリカでは、必要な25セント硬貨を確保しつつ、それ以外の小銭を持ちすぎないよう心がけることで、スムーズな生活や旅行が楽しめるでしょう。
アメリカで使われているコイン・硬貨の種類一覧
ここでは、以下の3点からアメリカのコインを詳しく解説します。
・主要なコイン・硬貨の種類と絵柄
・ハーフダラーや1ドルコインは使われる?
・アメリカコインの知識|表と裏の意味
コイン・硬貨の種類や絵柄は知れば知るほど興味深く、おもしろいですよ!
主要なコイン・硬貨の種類と絵柄一覧表
アメリカで主に使われるコインはペニー(1セント)・ニッケル(5セント)・ダイム(10セント)・クォーター(25セント)の4種類で、それぞれ異なる特徴と用途を持っています。
コイン名 | 額面 | 材質 | 絵柄 |
ペニー | 1セント | ブロンズ | 表面:エイブラハム・リンカーン 裏面:リンカーン記念館または盾 |
ニッケル | 5セント | ニッケル合金 | 表面:トーマス・ジェファーソン 裏面:モンティチェロ |
ダイム | 10セント | 銀色 | 表面:フランクリン・D・ルーズベルト 裏面:松明、オリーブの枝、オークの枝 |
クォーター | 25セント | 銀色 | 表面:ジョージ・ワシントン 裏面:州ごとの記念デザインまたはハクトウワシ |
コイン・硬貨の特徴を正しく理解し、用途に応じて使い分ければ、アメリカでの生活がより快適になりますよ。
ハーフダラーや1ドルコインは使われる?珍しい?
ハーフダラーや1ドルコインはアメリカでレアな存在で、日常生活で使われることは少ないです。
ハーフダラーは50セント硬貨として製造されていますが、日常的な使用頻度は低く、観光地やコレクター市場で目にする場面が多いです。
また、1ドルコインはクレジットカードやモバイル決済が一般的になった現代では、実用的な支払い手段として使われることがほとんどありません。
流通目的よりも記念品や収集品としての需要が高いコインです。
コイン名 | 特徴 | 見た目 | 入手方法 |
ハーフダラー | ケネディ大統領の肖像が描かれ、歴史的・象徴的な意味を持つ。記念品として人気が高い。 | 銀色で大きめ、重厚感があるデザイン | 観光地やコインショップなど |
1ドルコイン | 歴代大統領の肖像やネイティブアメリカンのサカガウィアを描いたシリーズがあり、教育的価値もある。 | 金色が特徴的で、裏面にアメリカのシンボルやデザインがある | 観光地、コレクター市場、コインショップなど |
ハーフダラーや1ドルコインはアメリカでの利用頻度は少ないものの、アンティークコインとしての価値や記念品の需要が高いコインです。
観光地で見つけたときには、コレクションしてみるのもおすすめです。
アメリカコインの知識|表と裏の意味
アメリカのコインには、表面と裏面の絵柄が異なり、国の歴史や文化、価値観を反映しています。表面には、歴史的なリーダーや重要な人物の肖像が描かれています。
例えば、
・5セント硬貨(ニッケル)にはトーマス・ジェファーソン
が描かれています。
これらのデザインは、アメリカの発展に貢献した人物を称えるものです。
一方、裏面にはアメリカの象徴や地域の誇りが反映されたデザインが特徴です。
10セント硬貨(ダイム)には、自由や平和を象徴する松明やオリーブの枝が、
25セント硬貨(クォーター)の記念版では、自由の女神のような各州のシンボル
が描かれています。
アメリカのコインに描かれたデザインには、深い意味と背景があります。表面や裏面のデザインに注目すれば、アメリカの価値観や地域ごとの特色を知る楽しみが広がります。
州の記念コインがある
州の記念コインは、アメリカ全50州の象徴がデザインされた記念コインで、コレクションとして人気があります。
50州クォーターは1999年から2008年までの10年間で実施され、毎年5州分ずつクォーターが発行されました。
各コインには州の設立年や特徴が刻まれており、デザインの多様性がコレクター心をくすぐります。
入手方法は、通常の流通コインとして現金取引で手に入れるほか、銀行やコインショップ、インターネットのコレクター向け販売サイトでの購入も可能です。
50州クォーターの例をまとめました。
ニューヨーク州:自由の女神像とGateway to Freedomが刻まれ、アメリカの民主主義の象徴を感じられる
ハワイ州:カメハメハ大王の姿と州のモットーUA MAU KE EA O KA' AINA I KA PONOの文字が刻まれている
カリフォルニア州:自然保護の象徴であるヨセミテ国立公園とジョン・ミューアが描かれた、環境意識を感じさせるデザイン
アラスカ州:州の象徴であるグリズリーベアと鮭が描かれ、自然豊かなアラスカを表現
デラウェア州:馬に乗るシーザー・ロドニーがデザインされ、独立戦争での彼の貢献を称えた歴史的なコイン
50州クォーターは、コレクションとしての魅力と歴史的価値を兼ね備えた記念コインです。旅行や日常の中で50州クォーターを見つけた場合は、コインについて詳しく調べてみるとおもしろいでしょう。
アメリカのコイン・硬貨の使い道
アメリカではコイン・硬貨を使う機会は少ないものの、以下のような場面で使い道があります。
コイン・硬貨名(愛称) | 額面 | 主な用途 |
1セント(ペニー) | $0.01 | 少額の支払い、お釣り |
5セント(ニッケル) | $0.05 | 少額の支払い、お釣り |
10セント(ダイム) | $0.10 | 少額の支払い、お釣り |
25セント(クォーター) | $0.25 | 自動販売機、コインランドリー、駐車メーターなど |
50セント(ハーフダラー) | $0.50 | カジノ、記念硬貨 |
1ドル硬貨 | $1.00 | 記念硬貨、自動販売機 |
クォーターは特に自動販売機やコインランドリーでの支払いに重宝され、日常生活での使用頻度が高い硬貨です。一方で、50セント硬貨や1ドル硬貨は流通量が少なく、主に記念硬貨や特定の用途で使用されます。
また、アメリカでは小銭がたまった際に「Coinstar(コインスター)」という両替機を利用するケースが一般的です。Coinstarでは硬貨を流し入れると、現金やeギフトカードと交換できます。現金化には手数料がかかりますが、eギフトカードへの交換は手数料が無料でAmazonなどのギフトカードと交換可能です。
なお、アメリカではチップの支払いには硬貨ではなく紙幣を使用するのが一般的であるため、旅行の際には1ドル札を多めに用意しておくと便利です。
アメリカのコイン・硬貨の見分け方
アメリカのコイン・硬貨は日本の硬貨と異なり、サイズや色、刻印が必ずしも額面と一致しないため、初めての方には見分けが難しいです。以下に、主に流通している4種類の硬貨の見分け方を表にまとめました。
1¢ | 5¢ | 10¢ | 25¢ | |
愛称(英語) | ペニー(Penny) | ニッケル(Nickel) | ダイム(Dime) | クォーター(Quarter) |
色 | 銅色 | 銀色 | 銀色 | 銀色 |
サイズ・厚さ | 小さめ | やや大きく厚め | 最も小さく薄い | 最大サイズで重みあり |
縁の特徴 | 滑らか | 滑らか | ギザギザ | ギザギザ |
表面の肖像 | リンカーン | ジェファーソン | ルーズベルト | ワシントン |
裏面の表記 | ONE CENT | FIVE CENTS | ONE DIME | QUARTER DOLLAR |
備考 | 唯一の銅色硬貨で見分けやすい | 厚みと滑らかな縁が特徴 | 小さいが10セント、慣れが必要 | 自販機やランドリーでよく使用される |
特に注意が必要なのは、10セント硬貨のダイムです。サイズが最も小さいにもかかわらず、額面は5セントよりも高く裏面には「ONE DIME」と記載されており、金額が明示されていません。また、1セント硬貨のペニーは唯一の銅色で、他の銀色の硬貨と区別しやすいです。
25セント硬貨のクォーターはサイズが大きく縁がギザギザしているため、触感でも識別可能です。また、裏面には「QUARTER DOLLAR」と刻まれており、額面が明確に示されています。
アメリカのコイン・硬貨の両替方法
アメリカではコイン・硬貨を効率よく両替するために、両替方法の特徴を把握しておくのが重要です。ここでは、アメリカのコイン・硬貨両替方法で、主流の3つを紹介します。
・両替所
・マネーバンク
・銀行
それぞれ詳しく見ていきます。
両替所
両替所は空港や観光地の近くに多く設置されており、営業時間が長いため、手軽に利用できるのが特徴です。
店舗によってはレートや手数料が高くなる 場合もあります。
また、海外では不正が横行しているケースもあるため、信用のある両替所を選び、明確なレート表示がされているのを確認して利用しましょう。すぐに現金を手に入れたいときにはおすすめです。
マネーバンク
マネーバンクは、事前に申し込みをおこない、外貨を自宅や渡航先に発送してもらえるサービスです。
通常、銀行や両替所よりも手数料やレートがよい場合が多く、計画的に利用すればコストを抑えられます。
申し込みが集中すると配送に時間がかかる場合があるため、余裕を持った計画が必要です。
また、手軽さが魅力の一方で、現地での急な現金需要には対応しにくい面もあります。
銀行
銀行での両替は、安全性と信頼性が高く、安心して利用できる方法の一つです。
一般的にレートが安定しており手数料も抑えられていますが、銀行によっても異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。
また、銀行ATMを利用して両替ができる場合もありますが、小額紙幣やコインは取り扱われないのが一般的です。
アメリカでコイン・硬貨をうまく使い切る方法
アメリカ滞在中に増えてしまったコイン・硬貨をうまく処理するには、活用方法を知っておくのが大切です。
アメリカは日本と異なり小銭の扱い方が独特で、会計時に小銭を追加してお釣りを減らす文化がないため、コイン・硬貨がたまってしまいます。
ここでは、アメリカでコイン・硬貨をうまく使い切る3つの方法を紹介します。
・募金箱に寄付する
・コイン両替機を活用する
・銀行で交換する
それぞれ順に説明します。
募金箱に寄付する
アメリカでは、小銭をスマートに処理する方法として募金箱が多く利用されています。
空港やショッピングモール、レジ周りなど、さまざまな場所に設置されている募金箱にコインを入れれば、余ったお金を地域の慈善活動に役立てられます。
旅行中に増えてしまったコインをすっきり片付けると同時に、現地社会への支援にもつながる一石二鳥の方法です。
コイン両替機を活用する
コイン・硬貨を効率よく整理したい場合、スーパーやドラッグストアに設置されたコイン両替機を利用するのがおすすめです。
両替機にコインを投入すれば、簡単に紙幣へ交換できます。ただし、一定の手数料が差し引かれるため、あらかじめ両替する金額と手数料の割合を確認しておくと安心です。手軽さを重視したい方に向いている方法です。
銀行で交換する
銀行では、専用のPaper Coin Wrapperを利用し、コイン・硬貨を紙幣に交換できます。
コイン・硬貨を種類ごとに分けて専用の筒に包み、窓口に持参するだけで手続きが進むため、大量のコインを低コストで処理したい場合に適しています。
特に長期滞在者や頻繁に現金を扱う方に便利な方法です。時間のあるときに計画的に準備するとスムーズですよ。
アメリカのコイン・硬貨でよくある質問
アメリカのコイン・硬貨でよくある質問として、以下の3点を紹介します。
アメリカのコイン・硬貨で疑問点がある場合は、上記質問への回答を参考にしてください。
ONE DIMEは日本円でいくら?
アメリカの「ONE DIME」は10セント硬貨で、1ドルの10分の1に相当します。2025年6月現在の為替レートは1ドル=約143円で、10セントは約14.3円となります。ただし、為替レートは日々変動するため、正確な金額を知りたい場合は最新の為替情報を確認しましょう。
なお、コインのコレクター市場では製造年や保存状態によって価値が大きく異なります。例えば、1964年以前に発行されたダイムは90%の銀を含んでおり、コレクターの間で高値で取引されるケースがあります。
5セント硬貨とはどんなもの?
アメリカの5セント硬貨は「ニッケル(Nickel)」と呼ばれ、1ドルの20分の1の価値があります。ニッケルは銀白色で他の硬貨と比べてやや厚みがあり、縁が滑らかである点が特徴です。表面には第3代大統領トーマス・ジェファーソンの肖像が描かれ、裏面には彼の邸宅である「モンティチェロ」が刻まれています。
ニッケルの歴史は1866年に始まり、当初は「シールド・ニッケル」として発行されました。その後、1913年から1938年には「バッファロー・ニッケル」が登場し、表にネイティブ・アメリカン、裏にバッファローが描かれました。現在のデザインは1938年から採用されており、2006年に一部のデザインが更新されました。
アメリカコイン・硬貨に描かれる人物はどんな人?
アメリカの硬貨には歴代の大統領が描かれており、以下に主な硬貨と描かれている人物を紹介します。
1セント(ペニー): 第16代大統領エイブラハム・リンカーンが描かれている。南北戦争を指導して奴隷解放宣言を発表したことで知られており、1909年にリンカーンの生誕100周年を記念し、肖像がペニーに採用された。
5セント(ニッケル): 第3代大統領トーマス・ジェファーソンが描かれている。アメリカ独立宣言の起草者の一人で1801年から1809年まで大統領を務め、1938年から彼の肖像がニッケルに使用されている。
10セント(ダイム): 第32代大統領フランクリン・D・ルーズベルトが描かれている。ニューディール政策を推進し、第二次世界大戦中の中心人物として知られており、1946年から肖像がダイムに採用された。
25セント(クォーター): 初代大統領ジョージ・ワシントンが描かれている。アメリカ独立戦争の総司令官であり、1789年から1797年まで大統領を務め、1932年から肖像がクォーターに使用されている。
50セント(ハーフダラー): 第35代大統領ジョン・F・ケネディが描かれている。1961年から1963年まで大統領を務め、若くして暗殺されたことで知られており、1964年から肖像がハーフダラーに採用された。
まとめ
本記事では、「アメリカのコイン・硬貨の種類と特徴」や「効率的な使い方」、「現地での両替方法」を詳しく解説しました。
アメリカのコイン・硬貨は、現地での生活をより便利にするだけでなく、文化や歴史を知るきっかけにもなります。この記事を参考に、コイン・硬貨を上手に使いこなし、充実したアメリカ滞在を楽しんでくださいね!