「体験」と「経験」の意味は一緒?英語ではなんていう?

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今回は、「体験」「経験」に関する英語表現をご紹介していきます!また、日本語での「体験」と「経験」の使い分けについても解説しますので、改めて違いを意識していきましょう。

体験と経験 意味

「体験」と「経験」は似たような意味を持つ言葉ですが、微妙な違いがあります。両者の意味を詳しく見ていきましょう。

体験

「体験」は、実際に自分の身をもって何かを経験することを指します。「一時的」で、「直接的」な出来事や行為を通じて得られる感情である点が特徴です。その体験は通常、新しい出来事や珍しいことに対して使われることが多く、その瞬間の「感覚」や「感情」に重点が置かれます。以下の例を見てみてください。

・初めてスカイダイビングを体験する

・バーチャルリアリティゲームを体験する

・茶道を体験する

上記の例では、その行為を通じて得られる直接的な感覚や印象が重要です。体験は「一回性のもの」であり、その時々の新鮮さや驚きを含んでいます。

経験

一方、「経験」はより広い意味を持ち、「長期的な過程」や「繰り返し」の中で得られる知識や技能を指します。経験は体験を含むこともありますが、それだけでなく、「時間をかけて蓄積される知恵」も含みます。また、経験は個人の成長や学習と関わりがある点が特徴で、将来の行動や判断に影響を与えることもあります。以下の例を見てみましょう。

・10年間の営業経験がある

・海外生活の経験を活かす

・様々な失敗経験から学ぶ

上記の例では、時間の経過と共に積み重ねられた知識や技能が強調されています。経験は個人の成長や能力の向上と結びつきやすいことに注目してみましょう。

このように、「体験」と「経験」について改めて考えてみると、体験は経験の一部となることが多いことがわかります。つまり、一回の体験が、より広い経験の一部分となるわけです。例えば、初めて海外旅行をするときに起きた出来事は「体験」ですが、それらが積み重なって「海外旅行の経験」となります。

「体験」と「経験」の使い分けとしては、一般的に、新しいことや一時的な出来事には「体験」を使い、長期的な積み重ねや習得したスキルを表すときには「経験」を使う傾向があると覚えましょう。

体験と経験 英語表現

日本語の「体験」と「経験」に当たる英語表現のうち、最も一般的に使用されるのは 「experience」という単語です。皆さんもこの単語を思い浮かべたのではないでしょうか?

しかし、「experience」は「体験」と「経験」のどちらの意味も含んでいるため、英語では特に使い分けは意識しません。日本語でも、「体験」と「経験」を厳密に意識して使い分けている人の方が少ないのではないでしょうか。

I have 5 years of experience in marketing.

マーケティングで5年の経験があります

She wants to experience skydiving.

彼女はスカイダイビングを体験したいと思ってるんだ

この2つの例文で気づいた点はありますか?「experience」は、名詞でもあり動詞でもあるのです。名詞のイメージが強いかもしれませんが、動詞として使うこともあるので覚えておいてくださいね。

「experience」を使って「体験」と「経験」のようにニュアンスを少し変えたいなら、以下のような英語表現を使ってみてください。

Firsthand experience

直接的な体験を強調したい場合に使うのはこの表現です。日本語の「体験」に近いニュアンスを持ちます。

I have firsthand experience of living in Japan.

日本に住んだ体験があります

和訳すると「experience」と「firsthand experience」の違いがなくなってしまいがちですが、「firsthand」には「実地の」「直接の」という意味があります。よって、上記の例文を直訳するなら「直接の経験がある」と訳すといいでしょう。

Hands-on experience

こちらも、実践的な経験や体験を表現するときに使います。実際に何かを行う、触れる、操作するといった体験を指します。

The course offers hands-on experience with the latest technology.

そのコースは最新技術の実践的な体験を提供します

他にも、「hands-on training」など、実際に手を動かして行う作業を指すときに使える表現もあります。

Undergo

「experience」の他に、「体験する」や「経験する」という動詞で使えるのはこちらです。特に、重要な経験や困難な経験について伝えるときに使います。

She underwent intensive training for the Olympic Games.

彼女はオリンピックの試合のために厳しいトレーニングを体験した

undergoの過去形でunderwent

Go through

「undergo」と似ていますが、よりカジュアルな表現ならこちらです。難しい体験を表現するときに使います。

He went through a lot during his time abroad.

彼は海外滞在中に多くのことを経験した

「~したことある」英語表現

ここからは中学英語のおさらいです。「~したことがある」という表現は、過去の経験や体験を表す言い回しで、中学3年生で習う文法が一番有名です。以下で、現在完了という文法の経験用法と、それ以外の表現方法を学んでいきましょう!

have + 過去分詞

経験したことについて伝えるのに最も一般的な表現方法で、現在完了形を使います。過去のある時点から現在までの経験を表します。

I have visited Japan.

日本に行ったことあるよ

Have you ever tried sushi?

寿司食べたことある?

have experience in/of + 名詞/動名詞

「経験を持っている」という意味の「have experience」を覚えておけば、現在完了が苦手でも使いやすくなります。

I have experience in teaching English.

英語を教えた経験があります

She has experience of living abroad.

彼女は海外に住んだ経験があるんだ

意外と前置詞に何を使ったらいいかわかりづらいので、「in/of」で次を繋げることを意識して暗記してみてくださいね。

be familiar with

こちらは何かに慣れている、経験があるという意味を表します。前置詞まで含んでセットで覚えましょう。

I am familiar with Japanese culture.

日本文化に慣れています/経験があります

have had the opportunity to

「opportunity」「機会」という意味なので、「~の機会があった」という意味になります。使っているのは現在完了形なので、「have + 過去分詞」の形になっています。

I have had the opportunity to work with international clients.

海外のクライアントと仕事をする機会があったんだ

慣れていない間は完了形の「have」と動詞の「have」が連続していることに違和感があるかもしれませんが、これが正しい文法です。

have been + 動詞の-ing形

現在完了進行形を使って、過去のある時点で進行形に行った経験を表現することもできます。特に、場所や状況に焦点を当てる場合に使われます。

I have been skiing in the Alps.

アルプスでスキーをしていたことがあります

used to + 動詞の原形

こちらは「~したものだ」と過去の習慣や状態を表す英語フレーズだと学びますが、意味的には経験にもなります。

I used to live in New York.

以前ニューヨークに住んでいました

once + 過去形

「once」は「一度」という意味なので、過去に一度だけ経験したことを強調する表現です。

I once climbed Mount Fuji.

一度富士山に登ったことがあるんだよね

ちなみに、「once」「~したらすぐ」という意味として使うこともあるので、文脈に注意してください。

have never + 過去分詞

先ほどの現在完了形の否定形がこちら。経験がないことを表現する際に使用します。

I have never been to Africa.

アフリカに行ったことがないです

be one's first time to

初めての経験を表現する際に使用します。

This is my first time to eat sushi.

寿司を食べるのは初めてだわ

have a history of

長期的な経験や過去の出来事の繰り返しを表現します。

The company has a history of innovation.

その会社には革新の歴史があります

日本語の「~したことがある」というニュアンスは、英語では上記のような言い回しを使います。どれを使っても間違いではありませんが、それぞれニュアンスが違うので、状況に応じて使い分けてみてくださいね。

まとめ

「experience 」は名詞でも動詞でも使える、最も一般的で汎用性の高い「体験」「経験」を表す表現でしたね。また、「~したことがある」と言いたいなら、現在完了形(have + 過去分詞)を使うのが一番簡単です。

英語で「体験」や「経験」は使い分けないものの、今回ご紹介したように言い方はたくさんあります。英語を満遍なく勉強していればいずれは行きつくフレーズですが、「体験」にこだわって学びたい場合は、関連付けてすべて暗記しておくと効率的です。

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