「塾」を英語で伝える|相手別の言い方と例文集
「子どもが塾に通っている」と英語で言おうとして、そもそも「塾」に当たる単語が出てこない。塾は日本の教育事情と結びついた言葉なので、単語を1つ覚えるだけでは会話が進まないこともあります。この記事では、辞書で確認できる訳語を整理したうえで、相手や場面に応じてどう言えば伝わるかを例文つきでまとめます。
「塾」の代表的な英語訳は cram school で、英英辞典にも「主に日本や東アジアで、入試対策のために通う学校」として載っています。
ただし定義そのものが日本の制度を指しているため、その文化に馴染みのない相手には一言の説明を添えた方が伝わります。
個別指導寄りなら tutoring school、日本の話として説明するなら juku と、相手に合わせて選ぶのが実際的です。
- cram school・tutoring school・juku の使い分け
- cram school を言っても伝わらないことがある理由
- private school・prep school と混同しないための注意点
- 「塾に通っている」を自然に言う伝え方と例文
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▶ 今すぐはじめる1. 「塾」を表す英語表現と使いどころ
| 表現 | 意味・ニュアンス | 使いどころ |
|---|---|---|
| cram school | 入試対策のために集中的に学ぶ学校 | 受験目的の塾を一語で言うとき |
| tutoring school | 個別・少人数で指導する学校 | 補習や個別指導寄りの塾 |
| tutoring center | 学習をサポートする施設 | アメリカの相手に話すとき |
| juku | 日本の塾そのもの | 日本の話として説明するとき |
| private tuition | 個人・少人数指導(主にイギリス) | イギリスの相手に話すとき |
| prep school | 進学準備のための私立学校 | ※塾の訳としては使わない語 |
最後の prep school は誤用を避けるために載せています。理由は後半で扱います。
以下、それぞれを順に見ていきます。
2. 「塾」を英語で言うときの基本の3つ
まず押さえるのは cram school、tutoring school、juku の3つです。どれが正解というより、誰に話すか、どんな塾かで選び分ける関係にあります。
cram school|辞書の定番。「詰め込み」の含みがある
和英辞典で「塾」を引くと出てくるのが cram school です(cramming school や、主にイギリス英語で使われる crammer を載せている辞書もあります。crammer は辞書によって古風・くだけた表現とされています)。この語は英英辞典にも見出し語として載っていて、「主に日本で、入試対策のために速いカリキュラムで学ぶ学校」と定義されています。東アジアの制度として説明している辞書もあります。つまり、辞書に掲載されている代表的な英語表現であり、cram school 自体が誤りというわけではありません。
cram は「短時間で詰め込む」という意味の動詞で、試験直前の一気に覚える勉強を指すときにも使われます。そのため cram school には「詰め込み型」の色が残ります。学校の授業の補習が中心の塾を指すと、実態より受験色が強く伝わることがあります。
My son goes to a cram school twice a week.
息子は週2回、塾に通っています
In Japan, a cram school helps students prepare for entrance exams.
日本では、塾は入試対策のために生徒を支える場所です
tutoring school / tutoring center|個別指導に寄せた言い方
個別指導や少人数指導が中心の塾なら、tutoring school や tutoring center の方が実態に近くなります。tutor は個人や少人数を教える人を指す語なので、「一人ひとりを見て教える場所」というニュアンスが出ます。
学習塾を「受験のための場所」と限定せずに伝えたいときにも使いやすい表現です。center を使う形はアメリカで見かけやすく、相手がアメリカ英語に慣れている場合はこちらの方が想像しやすいことがあります。
She attends a tutoring school to catch up on math.
彼女は数学の遅れを取り戻すために塾へ通っています
We found a small tutoring center near the station.
駅の近くに小さな個別指導塾を見つけました
juku|そのまま使って一言添える
意外に思われるかもしれませんが、juku は英英辞典の見出し語として載っています。 Collins English Dictionary には「(日本で)通常の学校の時間外に集中的な教育を行う学校」と説明されています。
日本の教育事情そのものを話題にするなら、juku をそのまま使う手があります。cram school と言い換えると「詰め込み」の含みが乗りますが、juku ならその色を持ち込まずに「日本にはこういう仕組みがある」と紹介できます。ただし辞書にあるとはいえ誰にでも通じる語ではないため、初めて出すときは短い説明を添えてください。
Many Japanese students go to juku, private supplementary schools they attend outside regular school hours.
日本の多くの生徒は塾に通います。学校の時間外に通って学校の勉強を補う学校のことです
Juku is not the same as a language school.
塾は語学学校とは別のものです
3. cram schoolが相手に伝わらないことがある理由
辞書に載っているのに、実際に使うと伝わりにくいことがあります。理由の一つは、日本の塾と役割や通い方まで重なる制度が、相手の国にあるとは限らないためです。
英語圏にも似た仕組みはあるが、塾とは重なりきらない
英語圏にも、学校の外で勉強を教わる仕組みはあります。個別指導や補習を行う tutoring center、試験対策に特化した test-prep programs などが挙げられます。ただし、学年ごとのカリキュラムが組まれ、受験を前提に多くの生徒が通うという日本の塾の形とは、役割も通い方も重なりきりません。
そのうえで cram school の辞書定義には「主に日本で」「特に東アジアで」という限定が付いています。単語としては存在しても、日常会話で口にする機会がない相手にとっては、初めて聞く語に近い扱いになります。
そのため、cram school を出しただけで会話が止まってしまうことがあります。言い換えるのではなく、一文足すのが早い解決策です。
He goes to a cram school. It's an after-school program where students prepare for entrance exams.
彼は塾に通っています。学校のあとに通って入試対策をする学習プログラムです
国によって呼び方が違う(英・米・豪)
学校外で勉強を教わる仕組み自体は英語圏にもあり、呼び方が国ごとに違います。
イギリス英語の tuition は「授業料」ではなく「教えること」、特に少人数や一対一の指導を指します。辞書ではイギリス中心の用法として説明されており、private tuition と言えば個人指導の意味になります。
一方、アメリカ英語の tuition は主に授業料そのものを指します。同じ語なのに意味の中心が入れ替わるため、アメリカの相手に private tuition と言うと、指導ではなく費用の話と受け取られる可能性があります。アメリカの相手には tutoring を使う方が安全です。
My daughter has private tuition in English on Saturdays.
娘は土曜日に英語の個人指導を受けています
I get tutoring in math after school.
放課後に数学の個別指導を受けています
なお public school は、イングランドでは13歳から18歳が通う有料の私立校を指します。一方、アメリカやオーストラリア、ニュージーランドでは公費で運営される学校を指し、同じイギリスでもスコットランドでは公立校の意味で使われます。地域によって指すものが入れ替わる語です。
4. private school・prep schoolと言い間違えない
塾の訳として使われがちですが、実際には別のものを指す語が2つあります。
private school は私立学校です。学校そのものを指すので、「塾に通っている」の意味で使うと、公立ではなく私立の学校に在籍しているという話になります。
prep school(preparatory school)は進学準備のための私立校です。辞書によれば、アメリカでは11歳以上の子が大学進学に備えて通う私立の中等学校を指し、イギリスでは7歳から13歳が通い、その後 public school へ進む私立校を指します。どちらも全日制の学校であり、学校のあとに通う塾ではありません。
「進学塾」を prep school と直訳したくなりますが、この語を使うと、相手には塾ではなく進学準備をする私立学校の話として伝わります。塾の話をしたいなら、cram school か tutoring school を選んでください。
It's not a private school. It's an extra school he goes to after class.
私立学校ではありません。授業のあとに通う塾です
5. 塾の種類ごとの言い方
日本語では「塾」の一語でまとめますが、英語では目的を足して説明する形になります。決まった訳語があるわけではないので、何のために通う場所かを言い添えるのが基本です。
| 日本語 | 英語での言い方 | 補足 |
|---|---|---|
| 学習塾 | cram school/tutoring school | 学校の勉強を補う塾 |
| 進学塾 | cram school for entrance exams | 受験目的だと明示する |
| 予備校 | cram school for university entrance exams | 高卒生の話なら卒業後である点も添える |
| 個別指導塾 | one-on-one tutoring/tutoring center | 一対一である点を示す |
| 英語塾 | English tutoring/English tutoring center | 教科を前に置く |
予備校は、高校に在学中の生徒も高卒生も通う場所です。浪人生の話をするなら、高校を卒業したあとであることを添えないと伝わりません。
He studies at a cram school for university entrance exams after graduating from high school.
彼は高校を卒業したあと、大学受験のための予備校で勉強しています
I get one-on-one English tutoring after school.
放課後に英語の個別指導を受けています
塾の言い方を、そのまま会話で使ってみよう
種類ごとの言い方は表で確認できますが、相手が cram school を知らなかったときにどの一文を足すかは、実際のやり取りの中でしか身につきません。
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6. 「塾に通っている」を英語で言う
単語が決まっても、動詞の選び方で自然さが変わります。ここは日本語の「通う」に引きずられやすい部分です。
go to と attend の使い分け
日常会話でよく使うのは go to です。「行く」という素直な言い方で、家族の話や自分の予定を伝える場面に向きます。
attend は「(学校などに)在籍して通う」という書き言葉寄りの語です。書類やあらたまった説明では attend が収まりますが、友人との会話では go to の方が自然に響きます。
冠詞の扱いも押さえておくと便利です。1つの施設として述べるなら、a を付けて go to a cram school と言えます。一方、塾通いを日課や活動として捉える文脈では、go to school と同じように無冠詞で go to cram school、have cram school と使われることもあります。
その日の予定として言うときは、動詞に go to を使わず have で表す形も使えます。
I go to a cram school on Tuesdays and Fridays.
私は火曜と金曜に塾へ行っています
My daughter attends a tutoring school near our house.
娘は家の近くの塾に通っています
I have cram school after school today.
今日は学校のあとに塾があります
講師が実際に挙げた例文で「塾に通う」の言い方を確かめたい場合は、こちらのQ&Aで確認できます。
7. 英会話教室・習い事・家庭教師との言い分け
塾と近い場所にある言葉も、英語では分かれます。混ぜて話すと相手の頭の中の絵が変わってしまうため、区別しておくと安心です。
英会話教室は English conversation school や English school と言います。塾が教科の学習を扱う場所であるのに対して、こちらは言語を話す練習をする場所です。cram school と言ってしまうと受験対策の場所として伝わります。
習い事は、教科の勉強に限らない稽古やレッスン全般を指します。after-school activities(放課後の活動)や lessons を使い、内容を添えて言うのが自然です。「ピアノを習っている」なら take piano lessons のように動詞ごと決まった形があります。
家庭教師は tutor、個人的に依頼していることを示すなら private tutor と言います。どちらも人を指す語で、教える場所までは表しません。家に来てもらう形を明示したいなら、an in-home tutor や a tutor who comes to our home のように説明を足してください。
She takes piano lessons and goes to a cram school.
彼女はピアノを習いながら、塾にも通っています
We hired a private tutor for our son.
息子のために家庭教師をお願いしました
8. 日本の塾文化を英語で説明するときの例文
塾は日本の受験制度と結びついた仕組みなので、単語よりも制度を1〜2文で説明する方が伝わります。 説明に入れると伝わりやすいのは、学校のあとに通うこと、私立で有料であること、入試が目的になりやすいことの3点です。
Juku are supplementary schools that students attend after regular school, often to prepare for entrance exams.
塾は、生徒が通常の学校のあとに通って勉強を補う学校で、多くは入試対策のために通います
Classes are usually held in the evenings, on weekends, or during school holidays.
授業はたいてい夕方や週末、長期休みの期間に行われます
Going to juku is common in Japan, but it is not part of the public school system.
日本では塾に通うのが一般的ですが、公教育の一部ではありません
会話の中では、相手の国の似た仕組みを尋ね返すと話が続きます。Do you have something like that in your country? と一言添えるだけで、単語の説明が会話になります。
9. よくある質問
塾講師は英語でどう言いますか
cram school teacher が素直な言い方です。個別指導なら tutor でも伝わります。塾そのものが英語圏に馴染みのない制度なので、I teach English at a cram school. のように、どこで何を教えているかを文にする方が伝わりやすくなります。
「塾を休む」はどう言えばよいですか
学校を休むときと同じ形が使えます。I'm not going to cram school today.(今日は塾に行きません)や skip cram school(塾を休む、サボる)があります。skip は自分の判断で行かないニュアンスなので、体調不良などの事情があるときは前者が無難です。
夏期講習は英語でどう言いますか
summer course や summer intensive course と言えます。塾の講習であることを示したいなら a summer course at a cram school のように場所を足してください。
10. まとめ
- cram school は英英辞典に載る訳語だが、定義自体が日本や東アジアの制度を指しているため、相手によっては説明が必要になる
- 個別指導寄りなら tutoring school、日本の話として紹介するなら juku を選ぶと実態に合う
- private school は私立学校、prep school は進学準備の私立校で、どちらも塾の訳にはならない
- 「通っている」は go to が日常的で、attend はあらたまった場面向き。施設として述べるなら a cram school、日課として述べるなら無冠詞も使われる
訳語を選ぶ作業は辞書でできますが、相手が知らなかったときにどう補うかは、話してみないと決まりません。
訳語を覚えたら、説明する練習へ
塾のように、英語圏にそのまま対応する制度がない言葉は、訳語を覚えただけでは会話が止まったときに動けません。
英語で日本の習慣を説明する練習を重ねるなら、オンライン英会話がおすすめです。
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早稲田大学卒業後、高校教員やIT企業でのマネジメント・エンジニア経験を経て、2014年にネイティブキャンプの立ち上げに参画。
創業メンバーとして教育・IT環境の整備や海外支社の設立を牽引。多国籍な英語講師の採用から教育・マネジメントまでを統括している。
