
美しい山々や村など車窓を楽しむことのできるヨーロッパ鉄道旅は、鉄道に乗る体験そのものが旅の醍醐味となります。
「ヨーロッパを周遊したけれど、コスパの良い周り方は?」
「高速鉄道で乗り放題のパスはある?」
「ユーレイルパスはどのような仕組みで、どこで購入できる?」
上記のような疑問を持っている方はいらっしゃるでしょうか? ユーレイルパスは、ヨーロッパを主に鉄道で周遊したい方が便利でお得に旅できるお得なパスです。
この記事では、ユーレイルパスの基本的な仕組みや使い方、購入方法、さらにはコストパフォーマンスの良いヨーロッパ鉄道周遊のポイントまで詳しく解説していきます。
初めてヨーロッパ鉄道旅を計画する方でもわかりやすいように、具体的な例や旅程の組み方も紹介します。
- 「ユーレイルパス」とは?
- ユーレイルパスを使う魅力・メリット
- ユーレイルパスに含まれるもの・含まれないもの
- ユーレイルパスの種類と料金|目的に合わせて選ぼう
- ユーレイルパスの使い方
- ユーレイルパスで巡るおすすめルート
- ユーレイルパス利用の注意点
- まとめ
「ユーレイルパス」とは?
ユーレイルパスとは、ヨーロッパ33カ国が加盟するヨーロッパの乗り放題鉄道乗車券のことです。
外国人旅行者向けのパスとして、ヨーロッパを旅の目的として楽しんで貰うように、1959年に開始されました。
以降、国際的な認知度を誇り、旅行者の強い味方になっています。
ユーレイルパスには、複数カ国をまたいで乗車できるタイプと一カ国を乗り放題のタイプがあり、旅のスタイルによってチケットの種類が選べるようになっています。
ユーレイルパスを使う魅力・メリット
もともとヨーロッパ内はシェンゲン協定と言い、国境検査が緩やかで鉄道で国境を超えた場合にパスポートチェックがされないことも多くありますが、(ただし臨時チェックが行われる場合もあります) ユーレイルパスを使えば、もっと便利にヨーロッパ国間を移動することが可能です。
ここでは、ユーレイルパスを使う魅力について解説します。
移動のコストが下げられる
ユーレイルパスは乗り放題のチケットのため、決められた期間や日数の中で何回でも利用できます。
ヨーロッパでは座席指定席を購入しなくても良い鉄道も多いため、計画次第で1回1回鉄道の切符を購入するよりも、コストを押さえて周遊できる場合が多いです。
旅の自由度が高くなる
ユーレイルパスを利用した旅を計画すれば、旅の途中で予定が変更になった場合に、切符が無駄になることを避けられたり、旅の計画を変更しやすかったりと、旅の自由度が高くなります。
また、パスを利用する場合、普通列車ではパスを見せるだけで良く、切符を都度購入する手間を省くことができます。
旅のストレスが減る
ヨーロッパの国々の場合、都市では英語が通じる場合がほとんどですが、母国語は国によって様々なため、言語による不安も多くなります。
しかし、パスを用いれば、切符を購入する際に伴う言語のストレスを減らすことができます。
以前ユーレイルパスは、紙での発行でしたが、近年アプリでの利用に切り替わったため、紙の切符をなくすリスクも軽減され、より快適に利用することができるようになりました。
ユーレイルパスに含まれるもの・含まれないもの
ユーレイルパスには、含まれる料金と含まれない料金があるため注意が必要です。以下に説明します。
パスに含まれるもの
パスに含まれるものは、加盟鉄道の乗車の基本運賃です。
鉄道では、普通列車、特急列車、高速列車などの基本運賃分をパスでカバーすることができます。
パスに含まれないもの
・座席指定や予約の料金
・寝台料金(夜行列車)
基本料金はパスに含まれますが、寝台料金に追加料金が必要です。
・市内の交通機関(地下鉄、市電、路線バスなど)は、原則として含まれません。
ユーレイルパスの種類と料金|目的に合わせて選ぼう
ユーレイルパスには、種類があり、主にグローバルパスとワンカントリーの2種類があります。
ユーレイルパスを最大活用するためにも、事前に仕組みを知っておくのがおすすめです。
グローバルパスと料金の目安
グローバルパスは、ユーレイル加盟国の33カ国すべてで利用可能です。国をまたいでヨーロッパを周遊した方におすすめです。
グローバルパスには、連続タイプ(Continuous)とフレキシータイプ(Flexible)があります。
・連続タイプ(Continuous)
パスの期限内に毎日無制限に利用できるパスです。パスの有効期間中に毎日無制限に利用できるのが特徴です。
期間の例としては、15日間、1ヶ月、2ヶ月などがあります。
・フレキシブルタイプ(Flexible)
パスの有効期間中に、指定された日数の旅行日を自由に選んで利用できます。
選ぶ日付は連続していなくて良いため、数日間一箇所に滞在したい方におすすめです。
期間の例としては、1ヶ月のパスで5日、1ヶ月間で7日などがあります。
(大人2等車)
| チケットのタイプ(全て2等席) | 料金 |
| 連続タイプ 15日間 | 476ユーロ |
| 連続タイプ 22日間 | 586ユーロ |
| 連続タイプ 1ヶ月 | 696ユーロ |
| フレキシブルタイプ 4日間/1ヶ月有効 | 283ユーロ |
| フレキシブルタイプ 7日間/1ヶ月有効 | 381ユーロ |
| フレキシブルタイプ 10日間/2ヶ月有効 | 447ユーロ |
※チケットの価格は2025年11月のものであり変動します。最新ものはホームページで確認してください。
早期購入割引や季節のキャンペーンも活用するのがおすすめです。
ワンカントリーパスと料金の目安
ワンカントリーパスは、ユーレイル加盟国の中から1カ国を選んで利用することのできるパスです。
イタリア、スペインなど。ベネルクス三国(ベルギー、オランダ、ルクセンブルク)は、3カ国で一つのワンカントリーパスになります。
(大人2等車)
| パス名 | 料金(ユーロ)・有効期間 |
| イタリアパス | 165~292ユーロ(3~8日間有効) |
| フランスパス | 87~292ユーロ(1~8日間有効) |
| ベネルクスパス | 137~259ユーロ(3~8日間有効) |
| ポルトガルパス | 105~216ユーロ(3~8日間有効) |
| スペインパス | 193~318ユーロ(3~8日間有効) |
※チケットの価格は2025年11月のものであり変動します。
年齢や席のクラスによる区分
年齢や席にクラスによる区分があり、料金や割引料金が異なります。
| 区分 | 年齢・特典 |
| ユース | 12~27歳(2等バスの割引) |
| アダルト | 28~59歳 |
| シニア | 60歳以上(1等パスの割引) |
| 子供 | 4~11歳(大人1名につき2名まで無料) |
ユーレイルパスの使い方
ユーレイルパスは、パスの購入とモバイルアプリの有効化で便利に利用することができます。具体的に解説します。
パスの購入
公式ホームページ(Eurail.com)(日本語対応あり)や提携旅行会社からパスを購入します。
アプリのインストールと有効化
「Eurail Rail Planner」というアプリをダウンロードします。購入時に貰えるコードを入力し、アプリを利用開始します。
旅の開始日から終了日、パスポート番号を入力してアプリを有効化しますが、この作業は直前に行うのがベストです。
旅程の追加
アプリの「プランナー」機能より旅程を検索し、区間や乗る列車を旅程に登録します。
フレキシブルタイプのパスの場合は、旅程のトラベル・デーをオンにすることで、パスが有効化され、利用日として数えられます。
旅程の追加には、インターネット環境が必要のため注意が必要です。
予約が必要な列車の座席予約
高速鉄道や寝台列車、一部観光列車では予約が必要です。
予約方法としては、各鉄道会社のウェブサイトから予約をします。ユーレイルのオンラインシステムで予約できるものもあります。
鉄道に乗車の際には、パスとは別に予約確認が必要のため、予約証明として保存をします。
検札
車掌が検札に来たら、アプリのQRコードチケットを提示します。
パスポートや座席指定の場合は予約確認画面も表示できるように準備をしておきます。
ユーレイルパスで巡るおすすめルート

◎西ヨーロッパの王道旅 8~10日間
パリ→ブリュッセル→アムステルダム→ケルン→フランクフルト→ミュンヘン
◎アルプスの絶景+北イタライルート 5日間
チューリッヒ→ルツェルン→インターラーケン→ミラノ→フィレンツェ→ローマ
◎歴史・中欧探索ルート 12~14日間
ベルリン→プラハ→ウィーン→ブダペスト→ザルツブルグ→ミュンヘン
ユーレイルパス利用の注意点
ユーレイルパスでの利用上の注意点には以下のようなものがあります。
・高速列車や国際線の予約
前述の通りフランスのTGVやユーロスターを利用する場合は、パスに含まれる基本乗車券の他に予約が必須です。予約費用はパス料金とは別料金になります。
・旅程の記録を忘れずに
フレキシブルタイプの利用の場合、旅行日にアプリの「My Trip」から旅程の有効化を忘れないようにします。
・夜行列車の場合の日にちのカウント
フレキシブルタイプの利用の場合、夜7時以降に出発をし、翌朝4時以降に到着する直通の夜行列車を利用する場合、出発日のみを1旅行日とカウントすることができます。
まとめ
ユーレイルパスは旅行の自由度やコストを抑えて旅行をしたい方にとって大変便利なパスです。
ヨーロッパの都市や街を鉄道で巡る場合、鉄道ならではの車窓も楽しめます。
一生の思い出を作りに、是非ユーレイルパスでヨーロッパの鉄道旅を計画してみてください。参考になれば幸いです!
◇経歴
・国際教養学部卒業
・外資系企業に勤務経験があり、アドミや会計分野で、インド人、カナダ人、オーストリア人、フランス人など様々な国の出身の同僚と働いた経験があります。
◇資格
英検1級、TOEIC 900点、IELTS 7.5 など
◇留学経験
大学時代に交換留学プログラムでイギリスの大学へ1年間留学し、リサーチの基礎や英語学について学びました。
◇海外渡航経験
・高校時代にシンガポールで3週間ホームステイをし、現地の高校で授業を受講した経験があります。
・大学留学中は休暇を利用してヨーロッパ各国を旅行し、多様な文化に触れました。
◇自己紹介
英語が好きで、子どもの頃から自ら進んで勉強してきましたが、日本式の文法やリーディング中心の学習方法では、なかなか話せるようにならず、苦労した経験があります。ネイティブキャンプでの英会話に助けられました。
英語学習に役立つ情報をまとめたブログも運営しておりますので、よろしければご覧ください。
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