
ナヴォーナ広場は、ローマの中心地にある人気の観光地の一つです。
バロック芸術の傑作が集まるこの場所は、古代競技場の跡地に誕生した歴史ある広場として知られています。
ベルニーニが手がけた壮大な噴水、周辺に点在する教会やカフェ、そして夜になると一層ロマンチックな雰囲気に包まれる石畳の通り。
ローマ市内の喧騒を離れてイタリアの文化を肌で感じられる特別なスポットです。
この記事では、ナヴォーナ広場の魅力を歴史的背景から見どころ、周辺の観光スポットまで詳しくご紹介します。
ナヴォーナ広場の位置とアクセス
ナヴォーナ広場はローマの歴史的中心部に位置し、パンテオンから徒歩わずか5分ほどの場所にあります。
テヴェレ川の東側、トラステヴェレ地区とは反対側のエリアで、スペイン広場やヴェネツィア広場といった主要な観光名所からもアクセスしやすい立地です。
公共交通機関を利用する場合、最寄りのバス停は広場から徒歩数分の距離にあります。バス路線の70番、81番、87番などが周辺を通っており、テルミニ駅方面からもアクセス可能です。
ローマパスを持っている旅行者なら、市内の公共交通機関を無料で利用できるため、効率的に移動できるでしょう。地下鉄の駅は広場から少し離れていますが、徒歩圏内にはいくつかの停留所があります。
ローマ観光では徒歩での移動がおすすめです。石畳の街並みを歩きながら、路地裏に隠れた小さな教会や地元の人が集うカフェを発見する楽しみがあります。
ナヴォーナ広場を中心に、半径1キロメートル以内にパンテオン、トレビの泉など、主要な観光スポットが集中しているのも魅力です。
予約制のツアーに参加すれば、ガイドの解説を聞きながら効率よく回ることもできます。
ナヴォーナ広場が歩んできた長い歴史
この広場は、古代ローマの時代からの古い歴史があります。
紀元1世紀、皇帝ドミティアヌスの時代に建設された競技場がこの場所にありました。
約3万人を収容できる巨大な施設で、陸上競技や戦車レースが行われていたと伝えられています。現在の広場の細長い形状は、まさにこの古代競技場を現代まで受け継ぐものです。
中世から近世にかけて、競技場の跡地は徐々に市民の生活空間へと変化していきました。15世紀には市場が開かれるようになり、人々が集う場所として発展します。
17世紀に入ると、教皇インノケンティウス10世の命により広場は大規模な改修を受けました。
この時代にバロック様式の壮麗な建築物や彫刻が次々と生み出され、現在私たちが目にする芸術的な広場の姿が完成したのです。
広場の中央に立つ四大河の噴水は、1651年に完成しました。ベルニーニという名前は、バロック芸術を語る上で欠かせない存在です。
彼の手がけた作品は、ローマ中心部の至る所で見ることができます。ナヴォーナ広場はまさに彼の才能が開花した舞台のひとつであり、歴史的な建築と芸術が融合した場所と言えるでしょう。
ナヴォーナ広場の見どころ
ナヴォーナ広場を訪れたら、まず目に飛び込んでくるのが3つの美しい噴水です。
広場の南北に細長く伸びる空間には、それぞれ個性的な泉が配置されており、写真撮影のスポットとしても人気があります。夕暮れ時になると照明が灯り、昼間とは異なる幻想的な雰囲気を楽しめるでしょう。
広場の周囲には歴史ある聖堂や建物が立ち並んでいます。サンタニェーゼ・イン・アゴーネ教会は、ボッロミーニが設計したバロック建築の傑作です。
ファサードの曲線美と内部の装飾は、当時の芸術家たちの技術の高さを物語っています。広場に面したテラス席を持つカフェやレストランも多く、地元の人々や旅行者で賑わっています。
夜になると広場全体がライトアップされ、昼間とは全く違う表情を見せます。石畳に映る光、噴水の水音、遠くから聞こえる音楽。
ローマの夜を満喫するなら、この場所は外せません。クリスマスシーズンにはマーケットが開かれ、イタリアならではの祝祭の雰囲気を体験できます。
四大河の噴水
広場の中央の噴水は、ナヴォーナ広場の一番の見どころです。
ベルニーニの設計により1651年に完成したこの噴水は、当時知られていた4つの大陸を象徴する4つの川を擬人化した彫刻です。
中央には古代エジプトから運ばれたオベリスクが高くそびえ、泉全体に荘厳な印象を与えています。
彫刻の細部まで丁寧に作り込まれており、筋肉の表現や衣服のドレープ、それぞれの人物が持つ象徴的なアイテムなど、見れば見るほど発見があります。
ナイル川の像が顔を覆っているのは、当時この川の水源が不明だったことを表しているという逸話も残されています。
噴水の周りには常に多くの人が集まり、写真を撮ったりスケッチをしたりする姿が見られます。
特に午前中の光が美しく、彫刻の陰影がはっきりと浮かび上がります。観光客で混雑する場所ですが、早朝に訪れれば比較的静かに鑑賞できるでしょう。
この作品を見るだけでも、ナヴォーナ広場を訪れる価値があります。
ムーア人の噴水
広場の南端に位置するムーア人の噴水は、16世紀末に作られた作品です。
イルカと戦う姿が、ムーア人(北西アフリカのイスラム教徒)に似ていたことが名前の由来とされています。この彫刻もまた、バロック期の芸術家たちによって制作されました。
周囲を取り囲む4体のトリトンの像は、それぞれ異なるポーズをとっており、水との戯れを表現しています。
泉から流れ出る水の音が心地よく、周辺のカフェのテラス席から眺めるのもおすすめです。
この噴水の前には露天の画家やパフォーマーが集まることも多く、広場全体の活気ある雰囲気を作り出しています。
地元の人々にとっても待ち合わせ場所として親しまれており、観光地でありながら日常の一部としても機能している場所です。
ネプチューンの噴水
広場の北端に配置された噴水からは、海の神ネプチューンを見ることができます。19世紀に追加された彫刻群は、海の神話を題材にしています。
力強いネプチューンの像が中央で存在感を放ち、周囲には海の生き物やニンフたちの姿が配置されています。
この噴水は他の2つと比べると制作時期が新しいですが、広場全体のバランスを考えて設計されているのが特徴です。
特に夜間のライトアップでは、水面に映る光が幻想的な雰囲気を醸し出します。
ここから広場全体を見渡すと、南北に長く延びる空間の全貌が把握できるでしょう。写真を撮るなら、この位置から広場を縦に捉えるアングルがおすすめです。
オベリスク
四大河の噴水の中央に立つオベリスクは、古代エジプトのヒエログリフが刻まれた貴重な遺物です。
もともとはローマ郊外のマクセンティウス競技場に設置されていましたが、17世紀にこの広場に移設されました。高さ約16メートルのこの石柱は、ローマ時代にエジプトから運ばれたものと考えられています。
オベリスクの頂上には教皇家の紋章とハトの像が置かれ、キリスト教的な要素が加えられています。
古代エジプトの象徴とバロック期のキリスト教芸術が融合した、ローマならではの歴史の重層性を感じられる作品です。晴れた日には青空を背景に、オベリスクのシルエットが美しく映えます。
この石柱を中心に、広場全体が放射状に広がるような構図になっており、バロック都市計画の典型的な例として建築史上も重要な場所です。
周辺の建物との位置関係も計算されており、どの角度から見ても美しい景観が楽しめます。
ナヴォーナ広場の周辺観光スポット
ナヴォーナ広場から徒歩圏内には、ローマを代表する観光名所が数多く点在しています。
パンテオンは広場から北東へ歩いて5分ほどの距離にあり、古代ローマ建築の最高傑作として知られています。
無料で入場でき、内部の巨大なドーム構造は圧巻です。予約なしで訪れることができますが、混雑を避けるなら朝早い時間帯がおすすめです。
西へ向かえばテヴェレ川に出て、バチカン市国へもアクセスしやすい位置にあります。サンタンジェロ城を経由して、サン・ピエトロ大聖堂まで歩いても30分程度です。川沿いの散歩は非常に気持ち良いです。
朝から昼過ぎまで開かれる市場では、新鮮な野菜や果物、チーズ、オリーブなどイタリアの食材が並びます。
地元の人々の生活を垣間見られる場所として、旅行者にも人気のスポットです。夕方以降は周辺のバーやレストランが賑わい、夜の街歩きも楽しめます。
トレビの泉やスペイン広場も徒歩圏内にあり、ナヴォーナ広場を起点にローマ中心部の主要観光地を効率よく回れます。
専用のツアーを予約すれば、ガイドの解説付きで深くローマの歴史を学べるでしょう。
ナヴォーナ広場近くのカフェ

広場を囲むように、テラス席を持つカフェやレストランが軒を連ねています。ローマ市内でも特に雰囲気のよい立地で、ゆっくりとイタリアの時間を楽しめる場所です。
朝はエスプレッソとコルネットの朝食、昼はピザやパスタのランチ、夜はアペリティーボを楽しむ地元の人々や観光客で賑わいます。
カフェ・ドミツィアーノは広場に面した老舗で、テラス席から噴水を眺めながら食事ができます。
値段は観光地価格ですが、この景色を楽しめることを考えれば納得できるでしょう。ジェラートの専門店も周辺に点在しており、イタリア産の素材を使った本格的な味を楽しめます。
周辺の路地に入ると、地元の人が通う隠れた名店も見つかります。観光客向けではない小さなトラットリアやピッツェリアでは、リーズナブルな価格で本場の味を堪能できます。
予約が必要な人気店もあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。Wi-Fi無料のカフェも多く、旅の情報収集や休憩にも便利です。
まとめ
ナヴォーナ広場は、ローマ中心部に位置し、古代から現代まで続く歴史と芸術を体感できる特別な場所です。
ベルニーニの傑作である四大河の噴水をはじめとする3つの泉、古代競技場の面影を残す広場の形状、周辺に広がるバロック建築群。これらすべてが調和し、訪れる人々を魅了し続けています。
パンテオンやバチカン、トレビの泉といった主要観光地へのアクセスもよく、ローマ旅行の起点として最適です。
カフェのテラスでゆっくり過ごす時間も、この街ならではの贅沢な体験になるでしょう。ぜひ、昼は芸術鑑賞、夜はロマンチックな雰囲気を楽しんでください。
◇経歴
海外営業の仕事を2年間経験
◇資格
TOEIC850点
◇留学経験
経験なし
◇海外渡航経験
旅行でスペインなど4カ国
◇自己紹介
海外旅行、英語でいろんな人とコミニケーションを取るのが好きです。英語に関連した面白いと思ってもらえる記事を書いていきますので、よろしくお願いします!