巨大で鮮やかな機体を前にした高揚感、機内に一歩踏み入れた瞬間に漂うハワイらしさ。
ANAの飛行機・エアバスA380「フライングホヌ」は、ハワイに到着する前からハワイを感じるにはこれ以上ない最適な存在です。
本記事では、フライングホヌの特徴、座席、機内サービス、お得な予約方法まで、筆者の実体験を交えながら丁寧に解説します。
- フライングホヌとは？
- ハワイ線限定！運航路線とスケジュール
- 全席紹介！フライングホヌの座席タイプとおすすめポイント
- フライングホヌの機内設備＆サービス
- フライングホヌの予約方法とお得なチケット情報について
- まとめ
フライングホヌとは？
まず全体像を押さえましょう。フライングホヌは、ANAが成田ーホノルル線のために2019年に導入したエアバスA380の愛称です。ハワイ語で「ホヌ」はウミガメを意味します。
現地ではホヌは幸運を運ぶシンボルとして親しまれ、ANAはそのモチーフを機体デザインに反映させました。
3機あるフライングホヌのデザインはいずれも色やテーマが異なり、空港で見かけるだけで気持ちが上向きます。
A380は世界最大級の旅客機で、2階建ての広々としたキャビンと安定感のある乗り心地が魅力。
それぞれファーストクラス、ビジネスクラス、プレミアムエコノミー、エコノミーの4つのクラスに分かれ、多様な旅のスタイルに合わせやすいのも特徴です。
機体デザインと愛称のストーリー
3機のカラーリングはそれぞれハワイの空・海・太陽（夕陽）を連想させるもので、ターミナルの窓越しからも存在感があります。
1号機はブルーのラニ、2号機はグリーンのカイ、新型コロナウィルスのパンデミックの影響もあり、2023年10月にやっと就航された3号機はオレンジのラーと、各機体には親しみのわく愛称があり、写真映えも抜群です。
家族や友人と搭乗前に、つい何枚も写真に納めたくなってしまいます。
大型旅客機A380の特徴
2階建て構造は単なる見た目のインパクトに留まりません。
天井高と通路幅、収納スペースの余裕がもたらす心理的なゆとりは、長距離フライトでじわりと効いてきます。後述しますが、総座席数はなんと520席を誇ります。
1階はエコノミークラス383席、2階にはファーストクラスが8席、ビジネスクラスが56席、プレミアムエコノミーが73席となっております。
エコノミークラスとその他クラスで階層が分かれておりますので、プレミアムエコノミー以上の方もリラックスして過ごすことができます。
巡行中にキャビン内を歩くと、機材のスケールそのものが圧巻で、飛行機そのものが旅の1ページであることが実感できます。
ハワイ線限定！運航路線とスケジュール
フライングホヌは成田ーホノルル線で運行している世界最大の旅客機です。2025年8月現在、フライングホヌは毎日2便運航しております。
どのフライングホヌに搭乗するのか指定はできませんが、直近の運航履歴を調べるとある程度予想もできます。当日はどのフライングホヌに搭乗するのか予想するのも楽しみですね。
全席紹介！フライングホヌの座席タイプとおすすめポイント
座席は何を重視するかで選び方が変わります。睡眠の質、会話のしやすさ、費用対効果など、優先順位を明確にしてから予約画面を見ると選びやすくなります。
ここでは、各クラスの特徴を解説します。
そもそもホノルル路線はリゾートラインと呼ばれ、観光需要が中心で、欧米路線に比べてビジネス利用が少ないため、各社でファーストクラスはほとんど採用されておりませんでした。
しかし、フライングホヌが就航する際にファーストクラスが導入されるとなり大きな注目を浴びました。
ファーストクラス：最高級の静けさとプライベート感
フライングホヌのファーストクラスは全8席でドア付きの個室型。
扉を閉めると、外界のざわめきが遠のき、機内でありながらプライベートを重視した自分だけの空間が展開されます。
フルフラットの睡眠はもちろん、照明や収納、電源の配置に無理がなく、ハワイまでのフライトが休息の時間に変わります。
アメニティや機内サービスも超一流。以前はスーツケースで有名な英国の老舗ブランド・グローブトロッター、現在ではこちらも英国の老舗エッティンガーのアメニティが採用されております。
機内食はファーストクラス限定のパティスリーシェフの洋食が召し上がれます。
そんなラグジュアリーな経験が楽しめる反面、費用は時期にもよりますが、エコノミークラスのおおよそ8〜10倍程度の値段となっております。
ビジネスクラス：特別な体験の共有
2階席に56席の1-2-1列で用意されているビジネスクラスは、前席から通路へ直接アクセスすることが可能です。
真ん中の2列は隣席同士の距離感が程よく、ペアで会話を楽しみつつも、休む時は仕切りを使うことでプライベート空間になり、しっかりと休むことができます。
180度横になって眠れるフルフラットシートは、到着後の行動力を大きく左右します。ビジネスクラスもエッティンガーのアメニティや機内食もシェフ自慢の料理を味わうことができます。
搭乗前の空港から専用チェックインカウンターが用意され、出国審査後はラウンジで過ごし、飛行機には優先搭乗、到着後の手荷物も優先的に受け取ることができます。
プレミアムエコノミークラス：1ランク上の体験を味わえる
プレミアムエコノミークラスは2階席に全73席の2-3-2列で配置され、エコノミーシートと比べてシートピッチが11センチも余裕がある38インチ（約97センチ）あり、背もたれも深く倒すことができます。
他にも、約90度に回転する大型テーブル、15.6インチのクラス世界最大のタッチパネル式モニター、6方向に動くヘッドレストなど、エコノミークラスより機内の設備が優れていることはもちろん、プレミアムエコノミークラスからは搭乗前にANAラウンジを利用することができます。
このラウンジはよくあるクレジットカードと提携しているラウンジとは異なり、ビール・ワイン・日本酒などの各種アルコール、そば・うどん・ラーメンなどの麺類やカレーやおむすび、パン・デザートなどのしっかりとした食べ物も用意されています。
さらにはシャワールームも完備されており、価格と快適性のバランスが良く、ゴールデンウィークやお盆休み、年末年始などの大型連休期間でも搭乗前から落ち着いて過ごしやすいのが魅力です。
エコノミークラスとファミリーに人気のANA COUCHii（カウチシート）
1階の383席3-4-3列で配置されたすべての席がエコノミークラスです。
エコノミークラスといえど、A380の広い機体幅を活用して、シートピッチは34インチ（約86センチ）と通常のエコノミークラスでは広く快適な空間を実現しております。
モニターもタッチパネル式13.3インチのエコノミークラス世界最大の大きさで、映画や音楽を楽しむことができます。
さらに、フライングホヌA380で注目すべき点は、日本の航空会社で初となるカウチシートを導入している点です。カウチシートとは、ふくらはぎ部分にあるレッグレストを上げて、フルフラットのソファーベッドのように使える仕様のことを指します。
ANA COUCHiiは最後列の6列、計18組の3〜4席並びが該当します。追加料金を払えば、2人で3席分、3人で4席分のシートを確保することもできます。
その時は人数分の3席を確保し、子どもは足を延ばしてしっかり眠れた一方、大人はさすがに手狭で、お互いにあぐらや体育座りのような体勢になってしまい、なんとか姿勢を変えながら休む形となりました。
ANA COUCHiiを最大限活用したい方は、人数＋1座席を確保することをオススメします。
また、ファミリーが多く賑やかになりやすい区画でもあるため、静かに過ごしたい方は通常のエコノミークラスの方が休むことができるかもしれません。
シーン別のオススメな選び方
ハネムーンや記念旅行なら、特別感を重視してプレミアムエコノミー以上のクラスを選択してみてはいかがでしょうか。
子連れで移動時間を少しでも休息に変えたいならカウチシートや乳幼児がいらっしゃる家庭にはバシネットの座席がオススメです。
なお、希望のシートが決まっている場合は、早めに予約をしないと希望に沿えない場合がございますので、ご注意ください。
フライングホヌの機内設備＆サービス
フライングホヌは、機内でハワイを感じられる演出が随所にあります。
照明は時間帯に合わせて色が移り変わり、朝焼けや星空、虹を連想させる雰囲気づくりが行われます。
壁面や天井の意匠も相まって、機内に踏み入れた瞬間から気持ちがハワイのリゾートへ向かいます。
エンタメ・Wi-Fi・限定グッズ
ANAの主力機だけに、日本人に楽しめる映画や音楽、子供向け番組までバランスよく揃っております。
また、Wi-Fiに関しては、ファーストクラスとビジネスクラスは比較的快適に利用することができますが、プレミアムエコノミーとエコノミークラスは動画等の大容量のデータ送受信を伴う通信はご利用いただけませんので、ご注意ください。
機内販売ではフライングホヌのストラップやぬいぐるみなどの限定グッズを購入することができ、搭乗の記念やギフトにも最適です。
フライングホヌの予約方法とお得なチケット情報について
フライングホヌの予約方法はいくつかあります。
一つ目はANAの公式サイトや旅行会社で購入する方法。もう一方は、ANAマイレージクラブのマイルを使う特典航空券の方法があります。
基本的には、航空券は購入時期が早いほどお得な料金（いわゆる、早割）で購入することができます。さらに、早いほど座席の空席も多いので、旅程が決まっている方は早めに航空券を購入することをオススメいたします。
また、ANAは定期的にタイムセールを実施しておりますので、上手にタイムセールを活用できるとお得にチケットを手配することができます。
一方、ANAマイレージクラブのマイルを利用した特典航空券の予約は争奪戦になります。
特にハワイ便は特典航空券の中でもトップクラスで予約が難しい路線となっております。
特典航空券は搭乗日の355日前に解禁されますが、解禁後、瞬く間に埋まります。とはいえ、旅程を柔軟に動かせる方なら、出発直前でしたら、キャンセルが発生して特典航空券を確保できることも珍しくありません。
オフシーズンのメリット
ゴールデンウィークや夏休み、年末年始は価格も混雑もピーク。
可能であれば、オフシーズンを狙うと、飛行機代を抑えられ、座席の選択肢も増えます。他にも、現地のホテルやレンタカーなども選びやすくなるため、旅程全体の自由度があがります。
乳幼児がいるならバシネット席も検討
ベビーベッド（バシネット）をご利用いただける乳幼児をお連れの方にはバシネット席もおすすめです。
バシネット席は足下が広くエコノミークラスの中でも快適に過ごせるため人気があります。対象となる年齢・体重の条件と設置位置も限られますが、うまく確保できれば負担が大きく減ります。
まとめ
フライングホヌは、ハワイに到着する前からハワイを体験させてくれる特別な機材です。
４つのクラスはいずれも方向性が明確で、目的に合わせて選べばすべてのクラスで満足度が上がります。非常に人気の機体ですが、オフシーズンを狙う、特典航空券ならば直前の枠を狙うなどといった工夫で道は開けます。
フライングホヌは単なる移動手段ではなく、ハワイ旅行がさらに特別な思い出になる旅のハイライトになります。ハワイ旅行を検討している方は、フライングホヌの利用もぜひ選択肢にいれてみてはいかがでしょうか。
◇経歴
現在はプライム上場企業で管理職を務める傍ら、Webライターとしても精力的に活動中。
2人の子どもの育児と仕事を両立しながら、英語を通して自分の世界を広げることを大切にしています。
◇留学経験
日本の高校を卒業後、1年間ハワイ・オアフ島へ留学。
◇海外渡航経験、渡航先での経験内容
（アメリカ・ハワイ・インドネシア・オーストラリア・台湾・タイなど）
ハワイ留学をきっかけに世界の文化に興味を持ち、3年近くバックパッカーとして単身放浪の旅に出発。
ハワイで出会ったサーフィンに魅了され、現在では毎年、家族とともに良い波を求めて世界各地へサーフトリップを楽しんでいます。
◇自己紹介
英語は勉強というよりも、世界の人と心を通わせるための意思疎通のツールとして日々学習中。
将来的には子どもと一緒に親子留学をすることを目標に、日々学びを重ねています。
