
フランス南東部に広がるプロヴァンス地方は、地中海の太陽を浴びたラベンダー畑や、石造りの美しい村々、古代ローマの遺跡が残る街など、多彩な魅力にあふれています。
ゆったりとした時間が流れる南仏らしい風景と、美食やワインを楽しめる豊かな土地は、日常を離れて心身ともにリフレッシュしたい方にぴったりです。
本記事では、プロヴァンスへのアクセス方法やベストシーズン、代表的な観光名所をまとめてご紹介します。
フランス南東部「プロヴァンス」の基本情報
南フランスを代表する観光地として知られるプロヴァンス地方。
地中海の気候と自然豊かな風景に恵まれ、歴史や文化も色濃く残っています。まずは旅の前に知っておきたい、プロヴァンスの基本的な特徴を押さえてみましょう。
フランス南東部に位置する「プロヴァンス地方(Provence)」は、地中海に面し、アルプス山脈にも近い自然豊かなエリアです。
年間を通して日照時間が長く、温暖で乾燥した気候が特徴で、南仏らしい明るい風景が広がります。
ラベンダー畑やオリーブ畑、ぶどう畑など、色彩豊かな農村風景を楽しむことができ、さらに地中海沿岸のリゾート地として知られる「コート・ダジュール(Côte d'Azur)」とも隣接しています。
歴史的にも非常に豊かで、古代ローマ時代の遺跡が残るアルルやオランジュ、法王庁が置かれていた「アヴィニョン(Avignon)」など、世界遺産に登録された都市が点在しています。
また、石造りの家々が立ち並ぶ「ゴルド(Gordes)」や「ルシヨン(Roussillon)」といった小さな村は、フランスの美しい村としても有名で、絵画のような風景が広がります。
そして、芸術との関わりも深く、ゴッホやセザンヌなど名だたる画家たちがこの地で創作活動を行っていたことでも知られています。
プロヴァンスへのアクセス
プロヴァンスへ行くには、パリやマルセイユなど主要都市を経由して向かう必要があり、鉄道や飛行機での移動手段を押さえておくことが大切です。
ここでは主なアクセス手段を整理してご紹介します。
プロヴァンス地方を訪れる際、まず考えるべきはどの都市を拠点にするかです。日本から直行便はありませんが、ヨーロッパ主要都市を経由すればアクセスは意外とスムーズです。
最も利用されるのは「マルセイユ・プロヴァンス空港(Marseille Provence Airport)」で、パリやロンドン、フランクフルトなどからの便が多く発着しています。空港からは鉄道やバスで周辺都市へ移動でき、プロヴァンス観光の玄関口として便利です。
鉄道を利用する場合は、フランスの高速列車TGVを利用すると快適に移動できます。
パリ・リヨン駅からアヴィニョンTGV駅までは約2時間40分、マルセイユまでは約3時間で到着します。
日本からパリに入り、そのままTGVで南下するルートは観光客にも人気で、二都市の観光もできるのでおすすめです。駅は市街地から少し離れている場合もあるので、到着後のバスやタクシー移動を確認しておくと安心です。
また、現地での移動はレンタカー利用が非常におすすめです。
プロヴァンスは広い地域に村や観光地が点在しており、公共交通機関だけではアクセスが難しい場所も多いので、特にゴルドやルシヨンなどの小さな村を訪れるなら、車があると自由度が大きく広がります。
道路も整備されていて走りやすく、南仏らしい田園風景の中をドライブするのも旅の楽しみのひとつです。
一方で、都市滞在が中心であれば鉄道やバスでも十分移動可能です。
アヴィニョンやアルルなどは観光地がコンパクトにまとまっており、徒歩で散策できます。
プロヴァンス旅行のベストシーズン・ラベンダーが咲く時期は?
プロヴァンスで南仏らしい風景を堪能するには、訪れる季節の選び方がポイントです。 ここでは、旅をより楽しむためのベストシーズンを確認していきましょう。
ラベンダー畑の景色を見ることが最大の目的の方は、6月下旬から8月中旬にかけて旅行することをおすすめします。
「ヴァランソル高原(Valensole)」や「ソー村(Sault)」周辺では、一面に紫色のラベンダー畑が広がり、南仏らしい風景を堪能できます。ちょうど8月にはラベンダー祭りも開催され、観光とあわせて地元の文化を楽しむことができます。
ただし、ラベンダーシーズン中は、気温が30度を超えることも多く、太陽の光が非常に強い季節になります。また、この時期は観光客も多いので、ホテルやツアーの予約は早めにしておくのが安心です。地中海沿岸やリゾート地は大変賑わいますが、内陸部の村では比較的落ち着いて滞在できます。
ラベンダー畑が見られなくても構わない方は、秋もおすすめです。
9月以降のプロヴァンスは、夏の混雑や暑さが落ち着き、ワインの収穫祭や市場がにぎわうため、ゆったりと観光やグルメを楽しみたい方にぴったりです。オリーブの収穫や郷土料理を味わう機会も増え、落ち着いた大人の旅に向いています。
プロヴァンスの観光名所
歴史ある街並みから自然豊かな村々まで、プロヴァンスには見どころが数多く点在しています。 本セクションでは、定番の都市から隠れた名所まで、訪れる価値のある場所を厳選してご紹介します。
プロヴァンス旅行でまず外せないのは、世界遺産にも登録されているアヴィニョンです。
かつて法王庁が置かれた街で、歴史的建築物が多く、旧市街を歩くだけでも中世ヨーロッパの雰囲気を味わえます。Viatorなどの現地ツアー予約サイトでは、アヴィニョン発のワイナリーツアーや城跡ツアーなども予約することができ、多彩な文化を体験することができます。
「アルル(Arles)」は古代ローマ時代の遺跡が残る街で、円形闘技場や古代劇場など歴史好きには見逃せません。
また、ゴッホが滞在し、多くの名画を描いたことでも知られ、芸術と歴史が融合した街並みを楽しめます。
アート好きな方は、ゴッホの足跡ツアーを予約すると、ゴッホゆかりの場所をガイド付きで訪れることができます。街歩きの途中で訪れるカフェやマーケットも魅力のひとつです。
さらに、丘の上にある小さな村々を訪れてみるのも、プロヴァンス旅行で外せません。
ゴルドやルシヨンは、石造りの建物が並ぶ美しい景観と、周囲の自然が一体となった絶景を楽しむことができます。どちらも観光客には人気のスポットにはなりますが、早朝や夕方の時間帯に訪れると、混雑を避けつつ静かに散策できます。
自然を満喫したいなら、ヴァランソル高原やラベンダー街道も見逃せません。
夏には紫色に染まるラベンダー畑が広がり、南仏らしい風景を一望できます。写真スポットとしても人気で、訪れるだけで旅の思い出がぐっと彩られます。
また、お城や中世の歴史が好きな方は、>「レ・ボー=ド=プロヴァンス(Les Baux-de-Provence)」という村もおすすめです。
丘の上に佇む巨大な城跡「ボー城(Castillo de los Baux)」から見下ろす景色は絶景で、晴れた日にはプロヴァンス・アルプスの山並みまで見渡せます。また、村内は全体が石畳で美しく整備されており、徒歩での散策が楽しめます。
プロヴァンスで食べたいグルメ
旅行の楽しみといえば、その土地ならではの食文化も外せません。
地中海の恵みを活かした料理や郷土の名物など、プロヴァンスを訪れたら味わっておきたいグルメをご紹介します。
代表的な郷土料理には、「ブイヤベース(Bouillabaisse)」があります。
マルセイユ発祥の魚介スープで、地元で獲れた新鮮な魚や貝、香味野菜を煮込み、サフランやハーブで風味をつけた一品です。濃厚な味わいながらも、地中海の恵みを感じられる料理として人気です。
また、ディズニー映画の「レミーのおいしいレストラン」でも注目を浴びた「ラタトゥイユ(Ratatouille)」も実は南仏発祥の料理で、プロヴァンスでは伝統的な味を楽しむことができます。
ナスやズッキーニ、パプリカ、トマトなどの野菜をオリーブオイルでじっくり煮込み、シンプルながら素材の旨味が際立つ家庭料理です。温かくても冷たくても美味しく、軽めのランチやサイドディッシュとしても食べられます。
そして、チーズやハムといった地元の食材も魅力です。
プロヴァンスには小規模なチーズ工房やハム工房が点在し、市場で試食しながら選ぶ楽しみがあります。
また、ワインの産地としても有名で、特にロゼワインの品質は世界的に評価されていて、ロゼワインや赤ワインは地元料理との相性も抜群です。
ワイン好きな方は、プロヴァンスのシャトーを巡ったり、宿泊プラン付きのワイナリーに滞在するのもおすすめです。
また、パンに塗るペーストとして親しまれている「タプナード(Tapenade)」もプロヴァンスならではの逸品です。オリーブやケイパー、アンチョビをすり潰して作られ、フランスパンとワインと合わせて楽しんでみましょう。
スイーツでは、「タルト・トロペジエンヌ(Tarte tropézienne)」や「カリソン(Calisson)」などが有名です。
タルト・トロペジエンヌはクリームがたっぷり入ったケーキで、南仏らしい優しい甘さを楽しめます。カリソンはアーモンドや砂糖を使った伝統菓子で、お土産としても人気です。
まとめ
地中海の陽光に包まれたプロヴァンスは、煌びやかな観光地を巡るというよりもゆったりとした時間を過ごしたい方にとってぴったりの場所です。
アヴィニョンやアルルの歴史的な街並み、丘の上の村ゴルド、夏に咲き誇るラベンダー畑など、見どころはどこも魅力的で、南仏の魅力にどっぷりと浸かることができます。
ヨーロッパ旅行を計画中の方は、ぜひ次の目的地としてプロヴァンスを検討してみてください。
◇経歴
高校は日本国内の文部科学省グローバル教育指定校に通学。
高校卒業後、タイの国立タマサート大学に1年間正規留学。
その後、転入先であるチェコの国立マサリク大学で政治とメディア学を専攻。
イギリスの企業でマーケティングインターンを経験し、その後ジュニアマーケターとして採用され、英語での実務経験もあります。
◇資格
・TOEIC 800(高校2年次取得
・ IELTS 6.5(高校3年次取得
・ CEFR C1 (大学2年次取得)
◇留学経験
・アイルランド・ダブリンで2週間のホームステイ (高校2年次)
・タイ国立タマサート大学(1年間正規留学)
・チェコ国立マサリク大学(現在3年目で政治とメディア学専攻)
◇海外渡航経験
・25カ国訪問済み(例:ギリシャ、ベトナム、アルバニアなど)
・現地での留学やインターンシップの経験あり
・現在は30歳までに30カ国訪れることが目標
◇自己紹介
旅行が大好きで、異文化交流や新しい経験を大切にしています。これまでの経験を活かし、留学の良さを伝えていけたらと嬉しいです。