リトアニア旅行完全ガイド:言語・歴史・観光・治安・アクセスなど【徹底解説】

リトアニア、オンライン英会話、ネイティブキャンプ


リトアニア
ってどこにあるの?
なんとなくヨーロッパの端っこにある国?
そんなイメージを持つ方も多いのではないでしょうか?

バルト3国のひとつとしてヨーロッパの穴場的存在のリトアニアは、自然や希望を、黄色・緑・赤の三色の国旗で表しています。

漫画『ヘタリア』にも登場したことで親近感を持つ人もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、リトアニアについて、じっくりとご紹介させていただきます。

リトアニアってどんな国?基本情報と魅力を整理

バルト海の東岸に位置する3つの独立国、エストニア、ラトビア、そしてリトアニア。

このバルト海の名前にちなんで「バルト(Baltic)三国」と呼ばれるようになりました。

かつては、ロシア帝国やソビエト、ポーランドの影響を受けており、過去にはそれぞれ違う国の支配下に置かれた歴史があります。現在のリトアニアは、バルト3国の中でもっとも人口が多い国です。

リトアニアの正式名称:リトアニア共和国
リトアニアの面積:面積約6.5万平方キロメートル
リトアニアの人口:人口約282万人
リトアニアの首都:ヴィリニュス
リトアニアの宗教:多くの人がカトリック
リトアニアの言語:リトアニア語 (中高年はリトアニア語とロシア語が中心)

リトアニアの歴史

リトアニアは、中世の時代にリトアニア大公国として発展しました。

その後ポーランドと連合国になりポーランド・リトアニア共和国となりヨーロッパ最大の領土を持つ国となりました。近代になり、ロシア帝国に支配されることになります。

その後の1次2次世界大戦で被害を受け、特にリトアニアには多くのユダヤ人が暮らしており、ホロコーストによって多くの犠牲者がでました。戦後はソ連の支配下になりましたが、1990年に独立した後、EUの加盟国となりました。

リトアニアの魅力

旧市街は中世からの建造物が多く残っており、ユネスコ世界遺産にも登録されています。

ゴシック様式の建造物として有名な聖アンナ教会は荘厳でとても美しいです。石畳の道を歩けば、まるで中世の時代へタイムスリップしたような感覚に包まれます。

また、それぞれの村では独自の伝統的な文化を継承しながら暮らす人々に会うことができます。

リトアニアの食文化

リトアニアは寒冷な気候で冬が長いため、その間は保存性の高いじゃがいもが主食となります。

短い夏と秋には森で採れるきのこが貴重な栄養源となります。

リトアニアで有名なじゃがいも料理やきのこ料理は、この国の四季の中で暮らす人々によって受け継がれてきた伝統料理です。近年は、カフェの文化が国に広がっています。

リトアニアの工芸品

リトアニアの高品質なリネン製品は、テーブルクロスやハンカチ、衣類まで種類が豊富です。

実用的で長く使えるためお土産にもお勧めです。

リトアニアの国民的スポーツ

リトアニアでは、バスケットボールがとても盛んです。

国際大会への常連国としても知られています。

定番観光スポット:ヴィリニュス旧市街から十字架の丘まで

リトアニアの観光といえば、首都ヴィリニュス (Vilnius)の中世の街並みと、そこから少し離れた十字架の丘が有名です。この2つの観光スポットについてご紹介しましょう。

ヴィリニュス旧市街

ヴィリニュス旧市街には、16世紀から19世紀にかけてリトアニア大公国やポーランド・リトアニア共和国時代の司法の中心となった地区裁判所や街並みが残っています。

観光のメインとしては、この街並みやユダヤ人の街跡を歩き、歴史に触れることでしょう。

実は、このヴィリニュスはリトアニア最大の都市で、政治や経済、文化などの中心となっており、ヴィリニュスを起点にポーランドやラトビアへの旅を楽しむプランを立てる方も多くいます。

十字架の丘

リトアニア語で Kryžių kalnas (読み方:クリジュウ・カルナス)と呼ばれる十字架の丘は、リトアニア北部シャウレイ近郊にある小さな丘です。

十字架の丘は、歴史の中で宗教弾圧や占領支配などに対するリトアニア人の抗議や抵抗の中心地でした。

実は、この十字架を建てる行為は、リトアニアの人々が、武力ではなく彼らの抵抗を表すと同時に、独立を願う気持ちをこめた行為だったのです。

今では、訪れた観光客もリトアニアの歴史を感じながら十字架を建てることができるようになりました。年々、十字架を建てたいと訪れる観光客は増加し、現在では10万本以上の十字架が建てられているのです。

十字架の丘を観光する際のポイント

リトアニアの十字架の丘を観光する際のポイントをご紹介します。

■ 十字架の丘へのアクセス方法

十字架の丘は、旧市内から車で1時間くらいの離れた距離にあります。ヴィリニュスやカウナスからバスツアーがあります。また、シャウレイ中心部からバスやタクシーで約15〜20分ほどで着くことができます。

■ 駐車場から十字架の丘までは徒歩移動

駐車場から十字架の丘までは徒歩10から15分ほどかかります。丘へ登るには足元が不安定なので、歩きやすい靴を履くことをお勧めします。

■ 観光に必要な時間

十字架を建て、ゆっくりと写真撮影をするのに必要な時間は1時間程度。短時間で楽しむ方は30分程度でも十分です。

十字架の丘の見どころ

十字架の丘を観光する際の見どころをご紹介します。

■ 無数の十字架の入り口の2体のイエス像。

十字架の丘の入り口には、手を広げた像が2体立っていて、訪れる人々を出迎えます。これは復活のキリスト像で十字架の丘に込められた「苦しみと抵抗」に対して、希望と復活の象徴として建てられました。

■ 十字架の中を抜ける小道。

サッカーのグランド程度の広さの丘に10万本以上の十字架が隙間がないほどに埋められています。十字架で埋め尽くされた中を通る小道は、圧巻の光景です。この一本一本にリトアニア人の思いが込められているのを感じます。

■ 神秘的な巨大な木造

小道を抜けた先には、全身に無数の十字架をまとった高さ約4〜5メートルの巨大な木像が立っています。祈りの象徴そのもののような姿で、実物は写真では伝えきれないほど圧倒的な存在感を放っていました。

旅行におすすめの観光地とグルメ

リトアニア旅行で訪れるべき観光地と是非食べて欲しいリトアニアの一押しグルメを観光地別にご紹介させていただきます。実際に訪れる場合は、公式サイトでしっかり確認されることをお勧めします。

ヴィリニュス観光

ヴィリニュスでは、石畳の旧市街の中で出会える中世の美しい建造物たちに思わずうっとりします。

■ ヴィリニュス大聖堂

旧市街の中心にあるヴィリニュス大聖堂は、リトアニアで最も大きな最も重要な聖堂です。ゴシック様式とルネサンス様式、バロック様式の融合で建てられていますが、幾度も破壊され再建を繰り返してきました。
その崇高な雰囲気は、訪れた人々を魅了します。聖堂内にあるフレスコ画や彫刻も素晴らしいです。入場は無料です。

参考:http://www.katedra.lt/

■ ゲディミナス塔

ヴィリニュスの象徴的な古城。旧市街を下に見る小さな丘の上にゲディミナス塔が建っています。この塔は14世紀にリトアニア大公国を築いた大公ゲディミナスにちなんで名付けられました。
塔の上からは赤い屋根が並ぶ旧市街を一望でき、ヴィリニュス観光で外せないスポットになっています。現在は博物館となっており、頂上からはヴィリニュス旧市街を一望できる絶景が広がります。

参考:https://lnm.lt/muziejai/gedimino-pilies-bokstas/

■ 聖アンナ教会

赤レンガの美しい外観が印象的な聖アンナ教会です。15世紀末に建てられたゴシック様式の教会で、「ゴシック建築の傑作」と言われています。かつてナポレオンが「手のひらに乗せてパリへ持ち帰りたい」と語ったという逸話も残っています。リトアニアでも屈指の美しさを誇る教会で、外観だけでなく内部の装飾も見ごたえがあります。

■ ウジュピス共和国

ヴィリニュス旧市街の近くの小さなエリアで、芸術家たちが集まる自由な地区です。1997年に「自分たちの国」とユーモアを込めて独立を宣言し、独自の憲法や大統領、国旗まで作りました。もちろん本当の国ではありませんが、街中のアート作品やユニークなモニュメントに刺激を受けます。入場は無料です。

■ ヴィリニュス大学

1579年に創立された、ヨーロッパで最も古い大学のひとつです。荘厳な建物の内部には美しいフレスコ画が残されていて、特に人気なのが言語学部の講堂2階ホールに描かれた「四季」と呼ばれる作品です。構内はガイドツアーで見学できます。

参考:https://www.vu.lt/

■ トラカイ城

湖に浮かぶ美しい城。ヴィリニュスから日帰り可能な観光客に定番の観光地です。ここでは、名物のキビナイ(ミートパイ)を食べてみましょう!

カウナス観光

カウナスは、リトアニア第二の都市です。

中世の落ち着いた風景や歴史的建造物、博物館を訪れることができますが、ヴィリニュスとは違う魅力があります。バルト三国で2番目に大きな旧市街を持つカウナスも、見どころが満載です。

■ カウナス城

旧市街を一望できる丘の上にある14世紀に建てられたゴシック様式のお城。旧市街を見下ろす丘の上に位置し、その壮大な姿が訪れる人々を魅了します。場内の展示スペースではこの時代の生活や歴史を知ることができます。また、同敷地には考古学博物館もあり、中世の遺跡も展示されています。

参考:http://www.kaunomuziejus.lt/category/padaliniai/kauno-pilies-skyrius/

■ ペルクーナス ハウス

15世紀後半のゴシック様式の赤レンガの建築物です。カウナス旧市街で商人の館として賑わっていました。現在は、博物館として、当時の商人たちの暮らしを伝える場所になっています。商人たちの取引や会議の部屋は是非立ち寄ってみてください。

■ 悪魔博物館

ここは世界で1つだけの悪魔をテーマにしたユニークな博物館です。
リトアニアの画家であるアントナス・ズムディニスの収集コレクションや世界各地から寄贈されたものなど、3000以上の悪魔の展示物があります。

参考:https://ciurlionis.lt/en/

■ ネムナス島

カウナス市内を流れるネムナス川に浮かんだ人工島です。島全体が公園になっていて美しい自然がいっぱいです。また、動物園や植物園もあり、自然の中でゆったりと過ごすことができます。夏にはビーチで水遊びを楽しむ人も多く地元の人気スポットでもあります。

クライペダとクルシュー砂州観光

■ クライペダ(港町・拠点)

クルシュー砂州観光の拠点の港町。ドイツ風の街並みが特徴。
リトアニアの中で、クライペダ地方だけは長くドイツ領でした。そのため旧市街にはドイツ風の建物や街並みが今も色濃く残っています。

■ フェリーで渡るクルシュー砂州(世界遺産)

クライペダからフェリーで渡る世界遺産の砂州。壮大な砂丘と森の景観が楽しめます。

リトアニアのお勧めグルメ

リトアニアを訪れたらぜひ味わってほしいのが、スープを中心とした家庭料理です。寒い冬には体を温める温かいスープ、夏にはさっぱりとした冷製スープが食卓に並び、スープはリトアニア人の暮らしに欠かせない存在となっています。

■ シャルティバルシチャイ(冷製ビーツスープ)

ビーツの冷たいスープです。サワークリームやキュウリ、ゆで卵を加えて食べます。暑い夏の日にいただくと本当にさっぱりしていて、旅の途中でほっとする味わいです。

■ バルシチャイ

冬に好まれる温かいビーツスープ。ビーツを中心に、キャベツやニンジン、家庭によっては肉も入れて煮込みます。酸味と甘みのバランスが絶妙で、体を温めてくれる優しい味わいです。

■ キビナイ

ひき肉やマッシュルームをぎゅっと詰め込んだパイ。半月の形をしています。肉とキノコのジューシーさにサクサク生地で美味しさが倍増!軽食やおつまみとして親しまれています。

■ シルケ

玉ねぎやリンゴ、ニンジンとニシンを酢漬けにしたもの。パンと一緒に食べるのが一般的です。

■ ヴェダライ(Vėdarai)

豚の腸にジャガイモ、ベーコン、玉ねぎを混ぜ合わせたものを詰めたソーセージみたいな料理。オーブンでローストするため、外はカリ、中はホクホクの食感がたまらない家庭料理。寒い季節によく食べられます。

■ クゲリス(Kugelis)

すりおろしたじゃがいもにベーコンを混ぜ、卵や玉ねぎで味を整えてオーブンで焼き上げた家庭料理です。外はこんがり、中はしっとりとした食感で、サワークリームを添えて食べるのが定番。リトアニアの食卓ではおなじみの一品です。

安全・治安・物価:滞在前に知っておきたい情報

リトアニアを訪れる際に知っておきたい情報をまとめてみました。

リトアニアの安全・治安

リトアニアはヨーロッパの中でも比較的治安が良い国です。首都ヴィリニュスやカウナスの中心部では観光客も多く、安心して散策できます。

ただし、観光地や人混みではスリや置き引きが発生することがあるので、バッグは前に持ち、貴重品の管理には注意しましょう。夜間に人通りの少ない路地を一人で歩くのは避けるのが無難です。夜間の移動は、タクシーや配車アプリを利用しましょう。

また、押し売りの勧誘がしつこい場合は、はっきりと断りましょう!

リトアニアの物価

物価は西ヨーロッパ諸国に比べるとやや安めです。

レストランでの食事は一人あたり10〜15ユーロ前後から楽しめ、カフェではコーヒーが2〜3ユーロ程度。宿泊費も都市部の中心を外せばリーズナブルなホテルやゲストハウスが多く、コストを抑えて滞在できます。

リトアニアのWifi事情

カフェやレストラン、ホテルなどでは無料Wi-Fiが広く普及していて、旅行者も困ることはほとんどありません。

空港にも高速Wi-Fiがあり、地方に行く場合は現地SIMカードやモバイルWi-Fiを利用すれば安心です。

リトアニアの言語

ヴィリニュスやカウナスなどの観光地やホテル、レストランでは、英語を話せる人が多く、観光客向けの案内板やメニューも英語表記が用意されていることが多いので困る事は少ないかもしれません。

リトアニアの人々は、若い人は比較的英語が通じますが、中高年になるとロシア語やリトアニア語が中心になります。地方になると、英語は通じにくくなります。
リトアニア人は、親切で礼儀正しい人が多いので、リトアニア語の挨拶などを覚えておくと素敵な交流が生まれそうですね。

アクセス・移動:リトアニアへどう行く?国内の移動は?

リトアニアの魅力をお伝えしてきましたが、リトアニアへの行き方が気になる方もいらっしゃると思います。どのようなルートがあるのか?また、リトアニア国内の移動方法もご紹介します。

日本からリトアニアへの行き方

日本からは飛行機の利用になります。

直行便はなく、ワルシャワやリガ、ヘルシンキなどのヨーロッパの主要都市を経由してヴィリニュス国際空港から入国します。

周辺国からリトアニアへの行き方

リトアニアはポーランドやラトビアと陸続きなので、バスや鉄道での入国も可能です。

ワルシャワからヴィリニュスへはバスで約8時間、ラトビアの首都リガからはバスで約4時間でアクセスできます。

リトアニア観光の後、周辺国へも行きやすくて色々なプランが考えられそうですね!

リトアニア国内の移動手段

リトアニア国内での移動手段についてご紹介します。

■ リトアニアの都市間移動は電車やバスが便利

ヴィリニュスとカウナス間は電車で約1時間半。
時間通りで快適、Wi-Fi完備の車両もあります。片道6〜8ユーロ(約1,000〜1,300円)

バス路線も豊富で、地方都市や観光地まで広くカバー。
料金も安く、地元の人や観光客に人気です。片道5〜7ユーロ(約800〜1,200円)。

■ 市内移動はタクシー・配車アプリや徒歩がおすすめ

ヴィリニュスやカウナスではBoltやUberなどの配車アプリが普及しており、短距離の移動に便利です。市内2、3キロの移動3〜5ユーロ(約500〜800円)

旧市街エリアはどちらも歩いて散策しやすいです。石畳の街並みをのんびりと歩き、その雰囲気を楽しんでください。
特にヴィリニュス旧市街は、カフェや教会が点在している上に、市内にはサイクリングロードも整備されていて、自転車での移動も楽しめます。

カウナス旧市街も同じくコンパクトで歩きやすく、歴史的な建物や美術館が集まっているため、徒歩観光にぴったりのエリアです。

■ 地方観光にはレンタカーやフェリーを活用

都市部から自然を楽しんだり地方の町を訪れるならレンタカーが便利です。道路は整備されていて走りやすいですが、都市中心部は駐車スペースが少ないです。

バルト海沿いのクライペダからは、世界遺産クルシュー砂州へ渡るフェリーも観光で人気です。

まとめ

リトアニアは、バルト3国の中で1番大きな国です。素晴らしい自然と、美しい中世の街並みの中に歴史的なメッセージを残した国です。観光だけでなく、じゃがいもやきのこ料理、ビーツのスープも興味が湧きますね。

治安も比較的良く、物価も西ヨーロッパより抑えめなので、安心して楽しめるのも嬉しいところ。西ヨーロッパとは一味違った旅を楽しみたい方は、この記事を参考にしてくださいね!

 

 

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