
国内・海外問わず、旅行の計画を立てるときに、宿泊先選びはとても重要なポイントですよね。
近年、特にバックパッカーや学生、ひとり旅をする旅行者に人気なのが
ホステルです。
この記事では、ホステルとはどのような宿泊施設なのか、ホテルとの違いやメリット・デメリット、利用方法をわかりやすく解説します。
あなたの旅行スタイルに合った宿泊先選びの参考にしていただけると幸いです。
ホステルとは?ホテルやゲストハウスとの違い
宿泊先探しをする時に、よく目にする「ホステル」ですが、実際にはホテルやゲストハウスとどう違うのか、あまりイメージが湧かない人も多いのではないでしょうか。
ここでは、ホステルの基本的な仕組みや特徴や、似ているようで異なるホテルやゲストハウスとの違いを解説します。
まずホステルとは、ひとり旅をしている方やバックパッカー向けの低価格な宿泊施設です。
その多くは、ドミトリー形式と呼ばれる共同部屋が中心で、他の宿泊者と空間を共有するスタイルが主流となっています。
元々1900年代初頭にドイツでユースホステルとして始まったこの宿泊形態は、現在ではヨーロッパやアジアを中心に世界中で利用されています。
大きな特徴は、部屋単位ではなくベッド単位で宿泊できるため費用を抑えられること、そしてキッチンやラウンジなど共有スペースを通じて他の旅行者と交流しやすい環境が整っている点です。
そんなホステルにもいくつか種類があり、例えば、「Party Hostel(パーティーホステル)」は、若者やバックパッカーに人気のスタイルで、バーやクラブイベントを併設していることが多く、交流を通じて友達を作りたい人におすすめです。
夜遅くまで賑やかな雰囲気のため、静かに過ごしたい人にはあまり向きません。
また、ホステルには年齢制限が設けられている場合もあります。
特にヨーロッパでは、18〜35歳限定といった制約があるホステルが少なくありません。
若者同士でフレンドリーに過ごせる反面、家族連れや年齢層の高い旅行者は利用できないこともあるので、予約前に確認が必要です。
さらに、旅費を節約したい人にとって嬉しいのが、朝食付きホステルです。
パンやシリアル、コーヒーなどの簡単な軽食が用意されているケースが多く、外で買うよりコストを抑えられます。
そのほかにも、女性専用ドミトリーを備えたホステルや、デザイン性にこだわったブティックホステル、リゾート地に多いリゾート型ホステルなど、選択肢はどんどん広がっています。
一方、ホテルは基本的に個室が中心で、ベッドやバスルーム、アメニティなどが揃ったプライベートな空間が提供されています。
スタッフによるサービスも充実しており、快適さや安心感を重視する人に向いています。
ただし宿泊費はホステルに比べて高めで、他の旅行者と交流する機会はあまり多くありません。
また、ホステルと似ている点も多いゲストハウスですが、相部屋や共有スペースを備えている場合もあり、比較的小規模でアットホームな雰囲気が特徴です。
ホステルよりもオーナーとの距離が近く、家庭的なおもてなしを感じられる宿も多く見られます。
ホステルが旅行者同士の交流に重点を置いているのに対し、ゲストハウスは地域の人やオーナーとのつながりを感じやすいという違いがあります。
まとめると、ホステル・ホテル・ゲストハウスはそれぞれに特徴があり、どの宿泊スタイルが自分に合うかは旅の目的や好みによって変わります。
費用を抑えて交流を楽しみたいならホステル、快適さとプライバシーを重視するならホテル、家庭的な雰囲気や地域との関わりを体験したいならゲストハウス、と自分自身がどのような旅にしたいかを重視して考えることをおすすめします。
ホステル宿泊のメリット
安く泊まれるというイメージの強いホステルですが、実はそれだけが魅力ではありません。
旅のスタイルによってはホテルよりも快適に感じることもあります。
ここでは、思わず体験してみたくなるようなホステルならではのメリットを見ていきましょう。
ホステルの最大の魅力といえば、やはり宿泊費の安さです。
ホテルに比べて料金が大幅に抑えられるため、限られた予算で長期滞在をしたい人や、できるだけ旅費を節約して観光や食事にお金を回したい人には最適な選択肢といえます。
特にヨーロッパやアジアの都市部では、ホステルを利用することで1泊あたりの宿泊費をホテルの半分以下に抑えられるケースも珍しくありません。
また、単に安いだけではなく交流の場としての価値も大きなメリットです。
ホステルには世界中から多様なバックグラウンドを持つ旅行者が集まるため、共有スペースでは自然と会話が生まれやすくなります。
また、筆者がイタリア・ナポリのホステルに泊まった際には、同じ宿に泊まった縁から、次の日に一緒にローマまで観光へ出かけたこともあり、思いがけない出会いが生まれるのもホステルならではの体験です。
特にひとり旅をしている人にとっては、孤独感を和らげるきっかけにもなると感じました。
さらに、ホステルには自由度が高いという特徴もあります。
キッチンやランドリーが備わっている施設が多いため、自炊をして食費を節約したり、旅の途中で衣類を洗濯して荷物を少なくしたりと、自分のスタイルに合わせて過ごせます。
ホテルではサービスが整っている分どうしても受け身になりがちですが、ホステルでは自分で工夫しながら快適さをつくり出せるのも魅力です。
加えて、ロケーションが良いホステルが多いのも見逃せません。
観光地や駅近くにある場合が多く、アクセスの良さはホテルに劣らないどころか、むしろ便利なこともあります。
観光の拠点として効率的に動けるのは大きな利点といえるでしょう。
ホステル宿泊のデメリット
便利で魅力的なホステルですが、人によっては合わないと感じる場面もあります。
このセクションでは、宿泊前に知っておきたいホステルに宿泊するデメリットを解説します。
まず、大きなポイントはプライベート空間の少なさです。
多くのホステルでは共同部屋が一般的で、カーテンや仕切りがあっても完全な個室とは言えません。
周囲の物音や明かりが気になる人にとっては、睡眠の質が下がってしまうこともあります。
さらに、ドミトリーでは早朝に出発する人、夜遅くまで話している人など、さまざまな旅行者が同じ空間を共有しています。
そのため、自分の生活リズムと合わないと落ち着かないと感じることもあります。
人との交流を楽しめる半面、自分だけの時間を確保しにくい点はデメリットといえるでしょう。
ホステルを体験したいと思いつつも、人見知りな方やリラックスしたい方には負担に感じられることもあるので、ストレスを感じない範囲で宿泊日数を調整しても良いかもしれません。
また、セキュリティ面への配慮が必要です。
ホステルでは、個人用ロッカーや貴重品を保管するスペースが用意されていることが多いものの、他人と同じ空間を共有するため盗難のリスクはゼロではありません。
特にノートパソコンやカメラなど高価な持ち物を持ち歩く場合は注意が欠かせません。
鍵を提供してくれる宿もありますが、自分自身で鍵付きのバックやパッドロックを持参することもおすすめです。
次に、快適さや設備面での制限があります。
ホテルのようにバス・トイレが部屋に備え付けられているわけではなく、ホステルでは共同のシャワールームやトイレを利用するケースが多いです。
そのため混雑する時間帯には順番待ちが発生したり、清掃状況によっては不便を感じたりすることもあります。
清潔さに敏感な人にとってはストレスになるかもしれません。
最後に、長期滞在やビジネス利用には不向きという点も挙げられます。
ホステルは交流やリーズナブルな滞在を目的とする旅行者向けに作られているため、静かに作業をしたい人や長期的に安定した環境を求める人には適さない場合があります。
もちろん仕事をするための共有ラウンジが備え付けられているホステルもありますが、周囲の物音が気になったり、キッチンなどの共有スペースと近くご飯どきになると落ち着いて作業ができなくなったりと、理想的な仕事環境が整っているとは言えません。
ホステルの利用方法
ホステルを利用するにあたって、「どうやって予約するの?」「チェックインは?」と疑問がある方も多いのではないでしょうか?ここでは、予約から滞在までの一般的なステップをご紹介します。
まず予約方法ですが、最も一般的なのは宿泊予約サイトを利用する方法です。
Booking.comやHostelworld、Agodaなどのサイトでは、世界中のホステル情報を簡単に検索でき、写真やレビューを参考に選ぶことができます。
特にホステルは部屋の雰囲気や共有スペースの様子が宿泊体験に直結するため、宿泊予約サイトやGoogle Mapsで口コミをよくチェックしておきましょう。
料金や立地だけでなく、清潔さやスタッフの対応、雰囲気などの評価項目も比較すると安心です。
もちろん、公式サイトから直接予約できる場合もあり、キャンセルポリシーや割引が異なることもあるので確認しましょう。
チェックインの流れはホテルとほぼ同じですが、ホステル特有の点として、ベッドごとに割り当てられる鍵やカードキーを受け取るケースが多いです。
ドミトリールームの場合は、事前にシーツや枕カバーを渡され、自分でベッドメイキングを行うこともあります。
また、ほとんどのホステルではセキュリティ確保のためにロッカーが用意されています。
貴重品は必ず収納し、安心して過ごせるようにしましょう。
宿泊中は、共有スペースをどんどん活用するのがおすすめです。
ラウンジやキッチンは他の旅行者との交流の場として設けられていることが多く、情報交換や友達づくりに最適です。
また、自炊が可能なホステルでは、地元のスーパーで食材を買って調理することで、食費を抑えながら現地で暮らすような旅を体験することができます。
チェックアウトの際は、フロントに鍵やカードキーを返却し、使用したシーツを所定の場所へ戻すスタイルが一般的です。
ホテルよりもセルフサービスの要素が多いため、ルールを守ることが快適な滞在につながります。
ホステル利用時の注意点
ホステルは他の旅行者と共有する空間が多いため、マナーや安全面に関する基本知識を持っているかどうかで宿泊体験の質が変わります。
このセクションでは、ホステルで安心して過ごすために知っておきたい注意点をお伝えします。
まず意識しておきたいのは、共有スペースのマナーです。
キッチンやラウンジ、シャワールームなどは多くの宿泊者が利用する場所。
調理器具や食器は使ったら洗って元の場所に戻す、シャワーは長時間占領しないなどの小さな気配りが、快適な雰囲気を保つだけでなく、他の旅行者との交流をスムーズにします。
次に、持ち物の準備も重要です。
ホステルではホテルのようにアメニティが揃っていない場合が多いため、タオルやシャンプー、スリッパ、耳栓、南京錠などを持参すると安心です。
特に耳栓やアイマスクは、相部屋での睡眠の質を大きく左右します。
そして、交流の姿勢です。
ホステルでは世界中の旅行者と出会えるチャンスがありますが、無理に話す必要はありません。
筆者も初めてホステルに宿泊した際は「交流を楽しみたい」というよりも「旅費を安価に抑えたい」という気持ちで宿泊したので、無理に盛り上がろうとせず、挨拶やちょっとした会話を相部屋の方とするだけで十分居心地よく過ごせました。
一人でゆっくりしたいときは読書やイヤホンで過ごすなど、自分のペースを守ることも大切です。
また、女性の場合は、女性専用ドミトリーを選ぶと、メイクや身支度の際も周りに気を遣わずに済むので安心です。
最後に、チェックイン・チェックアウトのルールを確認しておきましょう。
ホステルはスタッフの人数が少ないこともあり、時間や手続きに柔軟性がない場合があります。
到着が遅くなるときは事前に連絡する、チェックアウト時間を守るなどの基本を守ることでトラブルを避けられます。
海外でホステルに泊まる際に役立つ英語表現
海外旅行でホステルを利用する際、「うまく英語でコミュニケーションがとれるかな」と不安に思う人も多いのではないでしょうか?ここでは、チェックインや共有スペースでの会話に使えるフレーズをご紹介していきます。
海外でホステルに宿泊する際には、多国籍の宿泊客やスタッフとのやり取りが発生するため、簡単な英語フレーズを覚えておくだけでもスムーズに過ごすことができます。
ここでは、ホステルでよく使われる英語表現をいくつかご紹介します。
まず、チェックイン時には以下のようなフレーズを使うと良いでしょう。
・「I have a reservation under [your name].」([自分の名前]で予約しています。)
・「Do you provide any lockers?」(ロッカーはありますか?)
・「What time is check-out?」(チェックアウトは何時ですか?)
・「Can I leave my luggage here before check-in?」(チェックイン前に荷物を預けられますか?)
また、他の宿泊客と会話をする際には、以下のような表現で話しかけると円滑なコミュニケーションが図れます。
・「Is this your first time in [City/Country]?」([都市/国]は初めてですか?)
・「Do you know any good places to visit around here?」(この辺りでおすすめの観光スポット知ってますか?)
・「Is anyone interested in joining a city tour tonight?」(今晩の市内ツアーに一緒に行きたい人いますか?)
・「Is it okay if I turn off the light?」(電気を消してもいいですか?)
・「May I use this outlet?」(このコンセントを使っても良いですか?)
最後に、トラブル対応をしてほしい時や相部屋の方にお願いごとがある時に使える表現をご紹介します。
・「I think I lost my key/locker code.」(鍵/ロッカーの番号をなくしてしまいました。)
・「There’s no hot water in the shower.」(シャワーのお湯が出ません。)
・「Can you help me with this?」(これについて助けてもらえますか?)
・「Could you please keep it down?」(もう少し静かにしてもらえますか?)
・「Could you use headphones for music or videos?」(音楽や動画を聴くときはヘッドホンを使ってもらえますか?)
初めて海外のホステルに宿泊する方は、慣れ始めるまで緊張するかもしれませんが、何度か使ってみるうちに自然に対応できるようになります。
不安な方は、事前に英会話レッスンで練習してみるのもおすすめです。
まとめ
ホステルは、ひとり旅やバックパッカーなど旅好きな方や旅先で人と交流することが好きな方にとって魅力的な宿泊施設です。
ホテルに比べてプライベートが限られたり、安全面に気を配らないといけなかったりなど注意点がありますが、低価格で気軽に宿泊できることや思わぬ友情が芽生えたりと一般的な宿泊施設では得られないメリットがあります。
ぜひ、次回の一人旅やバックパッカーの旅でホステルに宿泊してみてはいかがでしょうか?
◇経歴
高校は日本国内の文部科学省グローバル教育指定校に通学。
高校卒業後、タイの国立タマサート大学に1年間正規留学。
その後、転入先であるチェコの国立マサリク大学で政治とメディア学を専攻。
イギリスの企業でマーケティングインターンを経験し、その後ジュニアマーケターとして採用され、英語での実務経験もあります。
◇資格
・TOEIC 800(高校2年次取得
・ IELTS 6.5(高校3年次取得
・ CEFR C1 (大学2年次取得)
◇留学経験
・アイルランド・ダブリンで2週間のホームステイ (高校2年次)
・タイ国立タマサート大学(1年間正規留学)
・チェコ国立マサリク大学(現在3年目で政治とメディア学専攻)
◇海外渡航経験
・25カ国訪問済み(例:ギリシャ、ベトナム、アルバニアなど)
・現地での留学やインターンシップの経験あり
・現在は30歳までに30カ国訪れることが目標
◇自己紹介
旅行が大好きで、異文化交流や新しい経験を大切にしています。これまでの経験を活かし、留学の良さを伝えていけたらと嬉しいです。