
日本でもお馴染みのタイ料理ですが、本場タイで食べるタイ料理は、日本で食べるものとは一味違う、また日本では知られていない料理も数多くあります。
今回の記事では、日本人にも人気の定番のメニューから屋台やローカルグルメ、そしてデザートまで、初心者でも安心してタイ料理を楽しむための情報を詳しくお伝えします。
多様な魅力を持つ「タイ料理」
タイ料理と聞いて多くの人がイメージするのが「タイ料理は辛い」ではないでしょうか。ですが、
タイ料理は辛いだけではなく、五つの味覚を絶妙なバランスで組み合わせることが最大の特徴であり魅力でもあります。
ここでは、そのユニークな味付けの秘密と、日本でよく知られる料理のルーツについて解説します。
五味一体の絶妙なバランスの味付け
タイ料理の味付けの最大の特徴は、「辛味」「酸味」「甘味」「塩味」「旨味」の五つの味のバランス良い組み合わせです。
味付けには、ハーブや香辛料、ココナッツミルク、魚醤(ナンプラー)などを多用し、複雑で奥深い味を作り出します。
この味付けの方法は、「出汁」を基盤に味を作る日本料理との大きな違いです。
日本で知られるタイ料理のルーツ
日本で提供されるタイ料理は、タイ中央部の料理がほとんどです。
首都バンコクがある中央部では、料理の味付けは比較的マイルドで、外国人観光客にも食べやすいです。
代表的な料理として、トムヤムクンやグリーンカレー、パッタイなどがあります。
他の地域では、個々に異なる名物料理や味の特徴があり、その地域ならではの味を楽しむことができます。
地域・地方ごとのタイ料理の特徴
タイ料理は、地方により使う食材や味付けに大きな違いがあります。ここでは、北部、イサーン(東北部)、中央部、南部の4つのエリアに分け、それぞれの料理の特徴を詳しく解説します。
もち米が主食の北部とイサーン地方
・タイ北部
チェンマイを中心としたエリアで、米の他にもち米を主食として食べる習慣があります。味付けの特徴は、辛さが控えめで、塩辛い料理や、発酵食品を使った料理が多いです。
代表的な料理として、カオソーイ(ココナッツミルクベースのカレー麺)、サイウア(ハーブを使った肉のソーセージ)、ナムプリック(唐辛子とハーブを使ったディップ)があります。
・タイ東北部(イサーン)
ラオスに接する地域で、北部と同じくもち米が主食です。イサーン料理の特徴は、強烈な辛さと酸味です。料理には唐辛子やライム、タマリンドが多く使われます。代表的な料理として、ソムタム(青パパイヤの辛いサラダ)、ラープ(ひき肉をハーブやタイ米で和えた料理)、ガイヤーン(鶏肉の炭火焼き)があります。
中央部・南部の特徴と人気料理
・タイ中央部
タイ中央部は首都バンコクが中心のエリアです。米はジャスミン米を主食とし、味付けは、甘味、塩味、酸味、辛味がバランス良く組み合わされています。
日本人がタイ料理として認識している料理の多くは、タイ中央部のものです。代表的なメニューとして、トムヤムクン、グリーンカレー、パッタイ、ガパオライスなどが挙げられます。
・タイ南部
マレーシアとの国境に近く、イスラム教徒が多いエリアです。そのため、豚肉を使わない料理が多く、スパイスを多用した濃厚で辛さが強い料理が特徴です。
海鮮やココナッツミルクを使った料理も豊富なのが、タイ南部の料理の特徴です。代表的なメニューには、カオモッガイ(鶏肉の炊き込みご飯)、マッサマンカレーなどがあります。
現地で味わいたいタイ料理
タイ旅行の楽しみのひとつが、現地の屋台やレストランでのグルメ体験です。ここでは、日本人にもおなじみの定番料理やローカルグルメ、そして食後のスイーツやデザートまで、本場でしか味わえないメニューを詳しくご紹介します。
定番料理
タイ料理と言えばこれ!という日本でもおなじみのメニューです。
・ガパオライス
鶏、豚、牛のひき肉をバジルと唐辛子で炒め、ナンプラーなどで味付けし、ご飯にのせた料理です。揚げ焼きした目玉焼きと一緒に食べるのが定番の食べ方です。
・トムヤムクン
エビをメインにレモングラスやこぶみかんの葉など、色々なタイのハーブをたっぷり使った酸っぱくて辛いスープです。濃厚な味と香りが特徴です。
・グリーンカレー
青唐辛子の辛さと、ココナッツミルクのまろやかな甘みのバランスが良いカレーです。数種類あるタイカレーの中ではかなり辛いカレーです。具材は鶏肉や野菜が入り、パラパラとした食感のジャスミン米と一緒に食べます。
・ソムタム
青パパイヤのサラダで、ライム、唐辛子、干しエビなどを石臼に入れ混ぜて作ります。強烈な辛さと酸味が特徴で、イサーン地方を代表する料理として知られています。
・ラープ
鶏、牛、豚、アヒルなどのひき肉をハーブやタイ米で和えた料理でサラダの一種です。もち米と一緒に食べることが多く、ソムタムと同じく強烈な辛さが特徴です。
屋台料理
タイでは、日常的に多くの屋台が出ています。
レストランや食堂より気軽に食べることができ、価格も安価で現地の活気も感じられます。
・クイッティアオ
米粉や小麦粉から作った麺を、鶏肉や豚肉、魚介類などの具材をのせて食べるタイ風ラーメンです。屋台では唐辛子やナンプラーなどを自分で加えて、味を調整して食べるのが一般的です。
・ムーピン
甘いタレで味付けされた豚肉の串焼きです。屋台では炭火で香ばしく焼かれており、軽食、もち米と一緒に食事として、またおつまみとしても人気です。
・ガイヤーン
タイ風の鶏肉の炭火焼きです。イサーン料理の定番で、辛いタレを付けて食べます。
ローカルグルメ
ローカルグルメとして、屋台や観光客向けのレストランではあまり見かけないものの、現地の人々が家族や友人と楽しむ、タイの食文化をより深く体験できるメニューです。
・ムーガタ
焼肉と鍋料理を両方楽しめるメニューです。真ん中のドーム状の部分で肉や野菜を焼肉のように焼き、周りの溝でスープを温めて野菜を肉を入れて鍋として食べます。グループでよく食べられるローカルグルメです。
・タイスキ
日本のしゃぶしゃぶに似たタイ風の鍋料理です。具材はシーフード、肉、野菜など様々で、タイスキ用のタレが味の決め手になります。専門店やショッピングモール内のレストランでも食べることができます。
・カオソーイ
北部の郷土料理です。ココナッツミルクベースの濃厚なカレースープに、少し幅のある麺が入っており、トッピングには揚げた麺がのっているのが特徴です。付け合わせに、高菜の漬物、刻んだ玉ねぎ、ライムが一緒に出てきます。カオソーイは、タイ全土のフードコートでも味わうことができます。
スイーツ・デザート
南国タイでは、甘いスイーツやデザート、そしてドリンクもたくさんあります。
・カオニャオ・マムワン
マンゴーともち米のデザートです。塩気のあるもち米とマンゴーに、甘いココナッツミルクをかけて食べます。日本人でも好きな人が多いです。
・ロティ
クレープのような生地を薄く伸ばして折りたたみ、多めの油で揚げ焼きしたものに、練乳やバナナなどを乗せた人気のスイーツです。トッピングやソースの種類によりメニューのバリエーションが多いです。
・ブアローイ
小さな白玉団子のようなお餅をココナッツミルクに入れたデザートです。かき氷やフルーツ、ゼリーを入れたものなど多くの種類があります。
・タイティー
オレンジ色が特徴のミルクティーで、バニラの甘い香りと練乳の甘さが特徴です。タイでは、「チャータイ」、「チャーノムイェン」と呼ばれています。
辛い物が苦手な人でも楽しめるタイ料理
タイ料理は辛い料理が多いですが、辛くない料理もあります。ここでは、辛い物が苦手な人でも楽しめる辛くない料理をご紹介します。
定番からローカルまで辛くないメニュー
・カオマンガイ
シンガポールなどにもあるチキンライスです。辛いタレの他、しょうゆベースの辛くないものもあります。蒸したチキンと揚げたチキンがあり、ミックスで食べられるお店もあります。
・カオカームー
豚足を甘い醤油タレでトロトロになるまで煮込んだ料理です。ご飯と一緒に食べやすく切った肉が提供されます。
・カオパット
タイ風のチャーハンで、具材はエビや肉、野菜などいろいろあります。
・パッタイ
タイ風の米麺を使った焼きそばです。味付けは甘酸っぱいタレが基本で、辛さはありません。唐辛子やライムが添えられているので、自分の好みの味に調整して食べます。
現地でタイ料理を注文・食べる際の注意点
タイ旅行の楽しみである食事ですが、安心して楽しむためにはいくつかの注意点があります。ここでは、辛さや食事マナー、衛生面に関する注意点をお伝えします。
本場タイ料理の辛さに要注意!
本場のタイ料理は、日本で日本人向けの辛さにされたものに比べるとかなり辛いです。
慣れない辛さでお腹を壊す人も少なくありません。
そのため、注文する際には、タイ語で「マイ・ペッ」(辛くしないで)と伝える方が無難ですが、それでも多少の辛さはあります。
衛生面と食事のマナー
屋台で食事をする際は、賑わっているお店を選ぶのがおすすめです。
回転率が高く、食材が新鮮である可能性が高いためです。
食事は、スプーンとフォークを使うのが基本です。麺類をすするのはマナー違反で、レンゲに麺をのせて音を立てずに食べるようにしましょう。
また、飲み水ですが、一部の屋台では無料で氷の入った水が提供されていることがあります。この場合、水や氷は衛生面で不安があるため、ミネラルウォーターを飲む方が安心です。
まとめ
タイ料理の魅力は、地域ごとの味とメニューの多様性です。辛い料理だけではなく辛くない料理もあり、どんな人でも楽しめる料理があります。
屋台の活気やローカルのグルメ体験、そしてタイならではのスイーツなど、タイ料理は味だけでなく、食文化そのものを体験することでもあります。
今回の記事の情報を参考に、ぜひ本場のタイ料理を楽しんでください。
◇経歴
日本、韓国の企業で通訳・翻訳、アシスタントとして勤務
日本にて韓国語講師として5年勤務
フィリピンにてフリーの通訳として英語、韓国語、日本語の3言語の通訳を担当
◇資格
・韓国語能力試験(TOPIK)6級
・延世大学校韓国語教員養成課程修了
◇留学経験
【オーストラリア】
・クイーンズランドカレッジオブイングリッシュ:3カ月
・ゴールドコーストカレッジオブビジネス:6カ月
【フィリピン】
・ファーストウェルネスイングリッシュアカデミー:3週間
【韓国】
・梨花女子大学校言語教育院:3週間
・延世大学校言語研究教育院(韓国語教員養成課程):5週間
【タイ】
・プロランゲージ(タイ語):1年6カ月
◇海外渡航経験
ワーキングホリデーにてソウルの企業数社で通訳・翻訳、セールス、マーケティングを担当
韓国語習得のための留学5回(一般韓国語、ビジネス韓国語)
延世大学校にて韓国人と共に韓国語教育について学ぶ
◇自己紹介
韓国語学習コンサルタント
韓国語講師
講座構築コンサルタント
オンラインで韓国語学習に悩みを持つ学習者の問題解決をする韓国語学習コンサルタント、韓国語講師として韓国語習得に成功する学習法や練習法も指導しています。
また、英語と韓国語習得に成功した経験とカリキュラム構築、教材作成の経験を活かし講座構築の方法をあらゆるジャンルのプロに指導するコンサルタントとしても活動しています。
海外就職でフィリピンのセブに移住して5年半在住、現在はタイのチェンマイに住んでいます。
外国語に興味があり、英語、韓国語(ビジネスレベル)、中国語(中級)、現在はタイ語習得を目標に勉強しています。