
社会人として働きながらも、
海外の大学院に留学したいと考えている人は多いのではないでしょうか。
この記事では、社会人が海外大学院に留学する際のメリットやデメリットなどについて解説しています。
また、留学費用はどのくらいかかるのか、語学力はどのくらい必要なのかといった点についても取り上げているため、ぜひ参考にしてください。
社会人の海外大学院留学とは
社会人の海外大学院留学とは、企業で働いている人など、学生を卒業し社会に出て仕事をしている人が留学をすることです。
海外の大学院も基本的には日本と同じ2年で修了するケースが多いですが、中には1年で修了できる大学院もあります。
大学院留学ということもあり、語学留学とは違って語学力アップではなく、専門知識等の学習を通して実践的なスキルを身につけることが主な目的となります。
社会人の海外大学院留学のパターン
社会人の海外大学院留学は大きく分けて以下のようなパターンに分けられます。
・キャリアアップ
・スキルアップ
・スキルアップとリフレッシュを兼ねたもの
キャリアアップを目的とした留学は、明確なキャリアプランのもと、そのキャリアを実現するために必要なスキルや知識を身につけることを目指します。
例えば、海外の大学院でMBAを取得するといったパターンです。
また、スキルアップを目的としたものは、業務に関連する知識やスキルを身につけることを目指して留学するというものです。
例えば、語学力アップや業務と関わりの深い研究分野で学び知識を身につけるといったものです。
そして、スキルアップとリフレッシュを兼ねたパターンは、企業を退職したうえで大学院に留学し、自身のキャリアやそれまでやってきた仕事に関連する知識やスキルを身につけつつも、海外での暮らしを通してリフレッシュも目指すというものです。
この場合、現地でアルバイトをしたり、旅行を楽しんだりすることも珍しくありません。
社会人が海外大学院留学するメリット
ここでは、社会人が海外大学院留学をすることでどういったメリットがあるのか解説します。
留学をするべきかどうか迷っている人はぜひ参考にしてください。
キャリアアップにつながる
社会人が海外大学院に留学することでキャリアアップにつながるケースがあります。
例えば、会社に在籍したままの状態で大学院に留学する場合、大学院を修了し帰国すると昇格や昇給するといった場合です。
また、会社を退職したうえで留学するケースにおいても、海外の大学院での学びを通して専門知識やスキルを身につけることで帰国後の転職活動で大きく評価され、転職による年収アップ、特定のポジションでの雇用などにつながる可能性もあります。
海外の大学院は基本的に英語での学習が基本であるため、大学院を修了する頃にはビジネスレベルでも通用するくらいの高い語学力が身についている可能性があります。
そのため、語学力を活かしたポジションでのキャリア形成につなげるといったこともできるでしょう。
キャリアアップの形はさまざまですが、海外大学院での学びはその後のキャリアに大きく影響するといえます。
再び学生に戻れる
社会人として多忙な時間を過ごしていた人も、海外の大学院に留学することで、再び学生としての時間を過ごすことができます。
もちろん、言語の異なる国かつ大学院ということで楽しいことばかりではなく、困難に直面することもありますが、それでもキャンパスライフを楽しむことは可能です。
友達と一緒に授業を受ける、勉強会をする、学食やカフェなどで同級生とおしゃべりする、授業が終わった後に一緒にお酒を飲みに行くなど、学生としての時間を謳歌することは十分にできるでしょう。
また、大学院で出会った友達が生涯の友達となる可能性も十分にあります。
在学中はもちろん、大学院を修了して日本に帰国してからもつながりが続くくらい仲良くなれる人と出会えるケースもあるでしょう。
このように、海外の大学院への留学とはいっても、学生として過ごせるため、学生生活を再び楽しむことができる点はメリットの1つです。
社費留学の可能性がある
勤務先の会社によっては、社費留学が可能なケースもあるため、それを利用すれば高額な留学費用を会社にカバーしてもらいながら海外大学院への留学が可能となります。
詳しくは後述しますが、海外の大学院に留学する場合、1〜2年の留学だけでも、数百万円単位の授業料がかかるケースは珍しくありません。
また、授業料に加えて、現地での滞在費や生活費なども高額になりがちであるため、留学に伴う費用負担は非常に大きなものです。
そのため、金銭面がネックとなって大学院留学を諦める人もいるでしょう。
そのような中で、社費留学制度を活用できれば、授業料などの各種費用を会社が負担してくれるため、自己負担を心配する必要がなく、勉強に専念できるでしょう。
また、社費留学会社に所属したまま留学するため、帰国後に仕事が見つからないといった事態には陥りません。
それどころか、大学院を修了したことで昇格等につながる可能性もあります。
社会人が海外大学院留学するデメリット
海外大学院に社会人が留学することに伴うデメリットもあります。
ここでは具体的にどのようなデメリットがあるのか解説します。
メリット・デメリットの双方を踏まえたうえで、大学院に留学するのかどうか検討してみてください。
大学院留学にかかる費用の高さ
先ほども触れているように、海外の大学院に留学する場合、国によっては数百万円単位の授業料が毎年発生するため、金銭面での負担が大きくなる点はデメリットだといえます。
イギリスやオーストラリアなどは大学院の期間が短いものの、それでも学費は高額です。
そのため、費用を工面できるかどうかが留学をするうえでの大きな課題となるでしょう。
ただし、海外の大学院は返済義務のない給付型の奨学金制度が充実しているため、それらを活用することで、費用面でのデメリットをクリアできる可能性があります。
海外大学院留学を検討している方は、そういった奨学金の利用も検討してみてください。
また、ドイツのように学費がほとんどかからない国もあります。
ドイツ語の場合、ドイツ語でのコースだけでなく、英語のコースも開講されているため、金銭面がネックになっている人はそういった国を選択するのも1つの方法です。
大学院留学の準備にかける時間がない
社会人が大学院に留学する場合、普段の仕事と並行する形で準備を進めなければなりません。
ここでいう準備とは、語学力を一定レベルまで上げることや、大学院に出願するための書類の準備などです。
学生の場合、時間に比較的余裕があるため、語学の勉強などに時間をかけて取り組むことができますが、社会人となると隙間時間をうまく活用しながら準備を進めなければなりません。
時には体力的にしんどさを感じることもあるでしょう。
プライベートの時間を留学準備に費やすつもりでなければ社会人の海外大学院留学は難しいといえます。
社会人が海外大学院留学する際の費用目安
ここでは社会人が海外の大学院に留学するにあたってどのくらいの費用がかかるのか解説します。
主な留学先となる国の留学費用の目安は以下のとおりです。
アメリカ大(2年)
・学費:400〜600万円
・滞在費:200〜240万円
・生活費:160〜200万円
・合計:760〜1040万円
イギリス大(1年間)
・学費:300〜500万円
・滞在費:60〜100万円
・生活費:80〜100万円
・合計:390〜700万円
オーストラリア(1.5年間)
・学費:300〜500万円
・滞在費:100〜250万円
・生活費:50〜80万円
・合計:350〜730万円
これらはあくまでも目安としてください。
同じ国でも地域や学校によって異なるケースがあるほか、為替レートによってさらに負担が大きくなる可能性もあります。
社会人が海外大学院留学する際の英語力目安
海外の大学院を目指す場合、語学力を示さなければなりません。
英語の場合、TOEFL iBTやIELTSによる語学力証明が一般的です。
そのため、自分が希望する大学がどの語学試験の成績を語学証明として受け入れているのか、どのくらいのスコア以上を求められているのかを確認したうえで試験対策に取り組む必要があります。
TOEFL iBTはReadingとListening、Speaking、Writingの4技能から構成されており、合計120点満点の試験です。
大学院の場合、ビジネス系の修士課程であれば90〜105点、博士課程であれば100点超が求められるでしょう。
IELTSも同じく4技能から構成されている試験ですが、試験のスコアは9.0バンドで評価される点が特徴です。
大学院によっては6.5以上でも受け入れてもらえるケースもありますが、多くの大学では総合7.0以上が基準となっています。
なお、語学力はあくまでも大学院で勉強するための大前提となるものであり、大学が求める語学力に到達したからといって、大学院に合格できるわけではないことを理解してください。
国や大学にもよりますが、学部時代の成績やエッセイなどが評価され、それらを踏まえて合否が決まります。
また、一定以上の語学力を証明できたからといって、大学院の授業にスムーズについていけるかというと必ずしもそうとは限りません。
大学院入学後の最初の授業を受けて「何をいっているのか全くわからなかった」「ディスカッションについていけなくて、何も発言できなかった」となるケースは多くあります。
実際の授業の場面では、学生や教員は試験に出てくるような綺麗な言葉ばかりを話すわけではなく、口語表現もたくさん使うほか、発音に特徴がある人もいるためです。
そのため、語学力を証明できたら語学の勉強は終わり、とはならず、引き続き勉強し続けることが大切です。
まとめ
今回は、社会人が海外の大学院に留学するケースについて解説しました。
社会人が留学するケースとしては、キャリアアップやスキルアップを目指したもの、スキルアップとリフレッシュを兼ねたものなどが多くみられます。
また、社会人が海外大学院に留学することで、その後のキャリア形成につながる可能性があるほか、学生生活を再び謳歌できる、社費留学制度を利用できるなどさまざまなメリットがあります。
一方で、仕事の合間を縫って準備を進めなければならず心身ともに大きな負担がかかる可能性もあるでしょう。
また、留学費用は高額であるため、費用を以下にして工面するかも大きな課題です。
社会人の方で大学院留学を検討している方は、ぜひ今回の内容を参考に留学するのかどうかを検討してみてください。