マニラの
ニノイ・アキノ国際空港(通称マニラ空港またはNAIA)は、年間利用者が5,000万人を超えるフィリピン最大の国際空港です。
フィリピンに渡航する日本人が最もよく利用する国際空港でもあります。
しかし、マニラ国際空港は過去に「世界最悪の国際空港」と呼ばれていた黒歴史があり、
空港の治安について心配になる方も多いと思います。
「マニラ空港の今の治安はどう?」
「深夜便でマニラ空港に到着した場合は、どのように過ごせばよい?」
「空港内にはどのような施設があるの?」
この記事では、そういった不安や疑問にお答えします。
マニラ空港での過ごし方について事前に予習をしておきたい方は、ぜひ最後までお読みください。
- マニラ空港の治安状況:過去と現在
- 空港内で注意すべきトラブルと対策
- 空港から市内への移動手段と安全性
- 深夜到着時の空港での過ごし方
- 空港内の施設とサービスの利用方法
- 安全にマニラ空港を利用するためのポイント
- まとめ
マニラ空港の治安状況:過去と現在
最初にマニラ空港の今までの評価と現在の評価について解説します。
過去のマニラ空港の評価
ニノイ・アキノ空港(Ninoy Aquino International Airport)は、2011〜2013年に旅行サイト「The Guide to Sleeping in Airports」の利用者を対象とした調査で、3年連続でアジア最悪の空港に選ばれました。
評価の理由としては、極度の混雑、施設の老朽化や清潔さの問題、空港職員の汚職などが総合的に判断されたものです。
2014年には世界ワースト4位、2015年には世界ワースト10からは外れるものの、その後もアジアのワースト8位に選ばれました。
しかし、2017年にドゥテルテ政権による改革が行われ、空港運営の改善が進みました。
その結果、アジアのトップ25空港に選ばれるなど、評価が向上しました。
最近のマニラ空港の評価
2017年の改善以降、下位常連からは脱却したものの、依然として課題は残っています。
2023年には、別のオーストラリアの価格比較サイト「Compare the Market」による、61の国際空港を比較するグローバル調査で、ニノイ・アキノ空港は最下位にランクされるなど、高評価とは呼べない状況が続いています。
空港内で注意すべきトラブルと対策
空港内は一般的に市街地よりも安全とされていますが、窃盗や職員による不正行為が報告されているため、注意が必要です。
事前にトラブルを知り、対策を講じておくことが重要です。
荷物検査でのトラブル
2015年9月から2016年初めにかけて、マニラ空港では有名な「タンビバラ事件」が相次いで発生しました。
これは、空港で搭乗客の手荷物に銃弾を忍ばせ、空港警備員が10万円近くを請求するという事件で、外国人観光客やフィリピン人労働者を標的としたケースが複数報告されています。
2022年・2023年にも、X線による手荷物検査の際に空港職員が乗客のバッグから現金を抜き取り、証拠隠滅のために現金を飲み込むという事件が発生しました。
空港職員からの賄賂要求
フィリピンでは、一部の空港職員や関係者が小額の賄賂を要求する事件が発生しています。
内容としては、「通行料」や「手数料」の過剰請求が主な例です。
窃盗・スリ
金品を奪われる窃盗やスリの被害は、マニラ市街だけでなく、空港内でも発生する可能性があります。
トラブルへの対策方法
空港では「荷物をお持ちします」と声をかけられても、安易に応じないようにしましょう。
スリやチップの要求、場合によっては危険物を入れられるリスクもあります。
見知らぬ人に荷物の持ち運びを頼まれても断るようにしましょう。
マニラでは空港使用料(約550ペソ)は通常、航空券の購入時に自動的に徴収されるため、現地で現金を支払う必要はありません。
購入明細に「PH TAX」や「TERMINAL FEE」と記載されている場合が多いです。
空港から市内への移動手段と安全性
空港から市内への移動と安全性としては、以下のようなものがあります。
安全に移動するためには、配車アプリGrabやクーポンタクシー、エアポートタクシーを利用しましょう。
バス (UBE Express)
バスは空港と市内を結ぶバス「UBE Express」が運行しています。
運行間隔は1~2時間に1本程度で、料金は150~300ペソ(約400~800円)で安価です。
所要時間は、30分〜60分ですが交通状況により変動があります。
タクシー
空港から利用できるタクシーは3種類あります。
クーポンタクシーがおすすめです。
①クーポンタクシー:空港のカウンターで行き先を伝えチケットを購入する方法
クーポンタクシーは、事前に行き先を伝えてチケットを購入するため、ぼったくりの心配がありません。
料金は、300~400ペソ(約800~1100円)と少々割高になります。
市内までの所要時間は約30~40分です。
②エアポートタクシー:黄色の車体
エアポートタクシーは、黄色の車体をしたタクシーで、空港を起点とした旅行者向けのタクシーです。
料金が約300~400ペソとやや割高ではありますが、旅行者には利用しやすいタクシーです。
乗車時にメーターを利用することを確認する必要があります。
③メータータクシー:白い車体
メータータクシーは、白色の車体をしたタクシーで、市内を走っているタクシーと同じ通常のタクシーです。
料金が約200~300ペソと安いタクシーではありますが、メーター不使用や、不正請求などのトラブルのリスクもあるため、フィリピンに慣れている人以外にはおすすめできません。
配車アプリ(Grab)
東南アジアで利用できる、配車アプリ(Grab)サービスも利用できます。
こちらも、事前に料金が分かるため安心です。
料金は、タクシーと同程度または少し高くなります。
ホテルなどの空港送迎サービス
宿泊するホテルや旅行会社による送迎サービスが利用可能であれば利用するのが安心・安全です。
深夜到着時の空港での過ごし方
安全に深夜で過ごす方法としては、なるべく国際線到着のターミナル3から出ずにターミナル3の4階で過ごすのがおすすめです。
仮眠・休憩所の確保
ターミナル3で仮眠や休憩をとる方法として、ベンチを利用する、もしくはターミナル内にあるカプセルホテル(The WINGS)を利用する方法があります。
まず、カプセルホテルですが、7.5時間の利用、1回分の食事券、パン等の軽食、シャワールームの利用、Wi-Fi接続などが含まれたパッケージが提供されています。
料金は1,000〜1,500ペソ(約2,500〜4,000円)程度です。
深夜や早朝のフライトで空港に長時間滞在する場合には、安心して休息できる選択肢となります。
利用の方法としては、空港に到着してからお店に直接出向く方法と、事前に予約する方法があります。
しかし、空港に到着した後では、満室の可能性もありますので、できれば事前予約をするのがおすすめです。
※2025年5月現在、改装中のため休業中と報告されていますが、最新の営業状況は公式ホームページやSNSでご確認ください。
https://x.gd/fN8mvスリや置き引きの管理や徹底
ベンチで休憩をとる場合、パスポート等の貴重品の管理が特に大切です。
パスポートケースに入れて首から下げ、服の内側に入れておくなど、肌身離さず持っていくことが大切です。
キャリーケースも鍵をつけたり、ロックをするようにしておきましょう。
大きな荷物がある場合には一時預けをしたいということがあると思います、その場合はターミナル3の1階にある「Luggage & More」という荷物預かりのサービスを利用するのがおすすめです。
350ペソで、24時間荷物を預けることができます。
https://www.facebook.com/luggageandmorestorage/空港内の施設とサービスの利用方法
空港内の施設には以下のようなものがあります。
両替所
ターミナル3の1階に、両替所があります。
フィリピンの空港での両替所は、市内の両替所と同程度のレートを提供しており、到着時に小額を両替するのに適しています。
マッサージ店
ターミナル3の4階にSM KENKOというマッサージ店があります。
マッサージの料金は、15分で300ペソ、1時間で675ペソで、市中の料金(1時間で250〜500ペソ)と比較すると少し高めとなっています。
マッサージ店は、深夜でも利用可能です。
利用方法としては、空港に到着してからお店に出向いて直接予約をするか、事前にホームページから予約をすることができます。
https://jipang-group.com/ja/sm-kenko/naia飲食店
マニラ空港のターミナル3には、ファストフード店、カフェ、コンビニエンスストアなど複数の飲食店や売店が営業しており、24時間営業の店舗もあります。
深夜帯でも飲食や買い物には困りませんが、店舗数が限られているため、選択肢にこだわる方は事前に軽食を準備しておくのも良いでしょう。
安全にマニラ空港を利用するためのポイント
マニラ空港は過去に治安面で問題が指摘されてきましたが、近年は改善が進み、安全性も向上しています。
しかしながら、依然として軽犯罪や職員による不正行為のリスクはゼロではありません。
安心して空港を利用するためには、以下の点に注意しましょう:
・荷物から目を離さない
・見知らぬ人の申し出には安易に応じない
・高額な現金は持ち歩かない
・空港送迎や信頼できる交通手段を利用する
・深夜はターミナル3の安全な場所で待機する
・カプセルホテルやベンチで休む際は貴重品の管理を徹底する
これらの対策を意識すれば、マニラ空港での滞在も安心して過ごすことができます。
事前に情報を収集し、安全への備えをしておくことが、快適な旅の第一歩です。
まとめ
以上、マニラのニノイ・アキノ国際空港で過ごすポイントについてまとめました。
マニラの空港では、空港職員による汚職や窃盗、スリなど日本の空港では考えられないような出来事が起こります。
まず、空港を利用する際にどのようなトラブルの可能性があるかを事前に確認し、安全を期すようにしましょう。

◇経歴
・国際教養学部卒業
・外資系企業に勤務経験があり、アドミや会計分野で、インド人、カナダ人、オーストリア人、フランス人など様々な国の出身の同僚と働いた経験があります。
◇資格
英検1級、TOEIC 900点、IELTS 7.5 など
◇留学経験
大学時代に交換留学プログラムでイギリスの大学へ1年間留学し、リサーチの基礎や英語学について学びました。
◇海外渡航経験
・高校時代にシンガポールで3週間ホームステイをし、現地の高校で授業を受講した経験があります。
・大学留学中は休暇を利用してヨーロッパ各国を旅行し、多様な文化に触れました。
◇自己紹介
英語が好きで、子どもの頃から自ら進んで勉強してきましたが、日本式の文法やリーディング中心の学習方法では、なかなか話せるようにならず、苦労した経験があります。ネイティブキャンプでの英会話に助けられました。