
フィリピンへ訪れる予定がある人の中には、 「現地の女性たちはどんな服装をしているのだろう?」と気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。現地の文化や気候に合ったファッションをあらかじめ知っておくことで、より快適に、また違和感なく過ごせるヒントにもなります。
今回はそんな視点から、 フィリピン女性の日常的なスタイルやファッションの特徴についてまとめてみました。ぜひ参考にしてみてください。
フィリピンの気候と服装の基本
フィリピンと聞くと、 「常夏の楽園」というイメージがある人も多いかもしれません。もちろん陽気で明るい雰囲気は健在ですが、実は 地域によってけっこう気候の特徴が違うんです。
たとえば セブ島はジリジリと照りつける日差しが強く、 マニラは高温多湿で「肌がぺったり張りつく…」なんて日も。 バギオに至っては「え、ここ本当にフィリピン?」と思うくらい、意外にひんやり。
そんな環境で暮らす フィリピン女性の服装も、当然ながらその土地に合わせてバラエティ豊か。基本的には、動きやすくて涼しげな服が好まれます。シンプルなTシャツやタンクトップにデニムを合わせたスタイルは 鉄板中の鉄板。 デニムの人気はすさまじく、スカートでもジャケットでもバッグでも、どこかに必ず「ジーンズ魂」が息づいているような勢いです。
足元はスニーカーやビーチサンダル、スリッパが主流。おしゃれはしたいけど、蒸し暑さに耐えられないのはイヤ!という、実用性と美意識のせめぎ合いがそこにはあります。
ちなみにフィリピンではSNS、特に Facebookの使用率が高く、まるで日常の一部のように自撮りをアップしている人が多いです。ファッションは彼女たちにとって、 自分を表現する大事なツールなんですね。
日常のカジュアルファッション
フィリピンの街をふらりと歩いてみると、そこに暮らす女性たちの 「ちょっとそこまで」ファッションが見えてきます。まず、目に飛び込んでくるのが スキニージーンズ。暑い国ですが、ぴったりフィットのジーンズを颯爽と履きこなす女性たちに驚かされます。
一方で、スカートやワンピースといった、ゆったり・ひらひら系の服はあまり見かけません。理由はシンプルで、 「とにかく楽したい」&「動きやすいのが一番」だからでしょう。
日々忙しく立ち回るフィリピンの女性たちにとって、 オシャレは大事。しかし、それと同じくらい手間をかけすぎたくない気持ちもあるのかもしれません。
そして忘れてはいけないのが、 アクセサリーとマニキュアの存在感。服はシンプルでも、爪先や耳元、首もとは華やかに、そんな美意識が伝わってきます。特に マニキュアの色使いが独特で、ラメ入りのブルーや、深すぎる漆黒など、「え、それってファンタジー映画のヒロインの手元では?」と思うようなカラーも日常的に見かけます。
アクセサリー類も、 プチプラでかわいいものが豊富に手に入る環境が整っているのもポイント。経済的な事情に左右されず、誰でも気軽に “ちょっとしたおしゃれ”を楽しめるのは嬉しいところです。
髪型に関しては、 黒髪ロングが主流。手入れの行き届いたツヤツヤの髪は、まさに フィリピン女性の“美”の象徴とも言えるでしょう。最近は、金髪やピンクといった 攻めカラーに挑戦する人も増えています。日差し対策として日傘を差す女性も多く、その姿がまた優雅で絵になるんですよね。
伝統衣装とフォーマルスタイル
普段はTシャツにスキニーが定番ですが、オフィスや公式な場では一変。特別な日にだけ袖を通す、 伝統衣装についてご紹介します。
ビジネスやフォーマルシーンでは?
ビジネスの場では、 西洋の影響を受けたファッションが主流です。とはいえ、そこは暑さも湿度も強敵なフィリピン。通気性のよい素材や、動きやすいワンピース、きちんと感のあるスカート×ブラウスの組み合わせなど、 見た目と実用性のバランスを上手にとった装いが好まれます。
色味は基本的に 落ち着いたトーンが中心。過剰な肌見せや派手な装飾は避けるのがマナーで、 “静かなドレスコード”があるようです。足元も、シンプルなパンプスやヒールでまとめつつ、場の空気を読んだセンスが光ります。
特別な日は、伝統衣装で華やかに
フォーマルスタイルの中でも「ここぞ!」という特別な日には、伝統衣装を着ます。たとえば、 文化的なイベントや式典、時には結婚式のお呼ばれでも見かけることがあります。代表格といえば、 「テルノ」と「バロ・セニョリータ」。どちらもその見た目が目を引きます。
まず 「テルノ」は、大きな蝶の羽のような袖が特徴的なドレス。この袖は、昔は “権威”の象徴でもあったそう。一方 「バロ・セニョリータ」は、「バロ(blouse)」と「サヤ(skirt)」のセットアップ。バロには、繊細な刺繍やレースがふんだんにあしらわれていて、薄手の透け感ある素材が肌にやさしく寄り添います。サヤは足首までしっかり覆うロングスカート。動くたびにふわりと揺れるレースやフリルが、 お姫様気分を盛り上げてくれます。
こうした衣装は、ただの 「フォーマルウェア」ではありません。 民族の誇りであり、家族の歴史や地域の文化が染み込んだ、 “語る服”とも言える存在。現地の人々にとっても、着るたびにちょっと背筋が伸びるような、特別な時間を演出してくれるアイテムなのです。
地域別のファッション傾向
フィリピンとひと口に言っても、場所によって気候も街の雰囲気もガラリと変わります。もちろん、ファッションにも 地域色が出るのが面白いところ。
まずは 南国リゾートの代名詞・セブ島。ここはもう、1年中夏。とはいえ、6月からの雨季になっても「一日中しとしと…」みたいな日本の梅雨とは違って、スコール(いきなりの土砂降り)が降ってはケロッと晴れるのが常。つまり、 晴雨兼用の服装と気持ちの切り替えが大事。
服装は、 日本の真夏をイメージすればOK。Tシャツに短パン、サンダルと帽子が基本セットです。ただし、 日差しの強さには注意が必要です。さらに、室内の冷房は強いので、 薄手の羽織りはバッグに忍ばせておくのがベターです。
続いて 首都マニラ。こちらも熱帯モンスーン気候に属しているので、体感的にはセブ島よりムシッとくる日が多め。特に乾季は、昼間に35℃近くまで上がることも。6月以降の雨季は、天気の機嫌がやや不安定に。 突然のスコールが多く、排水が追いつかないエリアでは軽くプール状態になることもあるので、 雨対策は必須。足元がびしょ濡れになってもすぐ乾く短パンや、サンダル、レインブーツなどが役立ちます。蚊が増える季節でもあるので、 デング熱対策も考慮して、夜は薄手の長袖や羽織りがあると安心です。
そして最後に、 “避暑地フィリピン代表”とも言えるのがバギオ。標高1,500mに位置するこの街は、平均気温が18~20℃と涼しめです。乾季(12月~5月)は日中Tシャツでも大丈夫ですが、 朝晩は冷え込むので、パーカーやジャケットが活躍します。特に2月ごろは、最低気温が一桁台に突入することもあり、油断禁物。一方の雨季(6月~11月)は、 雨が多いので傘とレインコートは常備しましょう。道が滑りやすくなるので、足元は防水シューズや長靴が安心。
現地ブランドとショッピングスポット
せっかくフィリピンに来たなら、 その土地ならではのファッションを楽しむのも旅の醍醐味。暑さに対応した服装はもちろんですが、「せっかくだから現地のブランドもチェックしたい!」という方に向けて、ショッピングのヒントをお届けします。
まず、定番中の定番ブランドといえば BENCH/とPENSHOPPE。どちらもフィリピン全国でよく見かける ローカル御用達ブランドです。赤い看板が目印の BENCH/は、シンプルで着まわしやすい服が多く、老若男女問わず人気。日本で言えば、 ユニクロとGUを足して2で割ったような存在かもしれません。女性向けのかわいいラインや機能性アイテムも充実していて、意外と掘り出し物が見つかることも。
対して PENSHOPPEは、トレンドに敏感な若者に特に支持されているブランド。 デザイン性が高く、ちょっとした “韓国っぽさ”を感じるアイテムもちらほら。どちらのブランドも、 ダバオのような都市に行けば、主要モールでほぼ確実に見つかります。
さらに、学生女子に人気なのが For me。手に取りやすい価格で、色味もデザインもキュート寄り。ワンピースのバリエーションが多く、 「涼しいのにちゃんとかわいい」を叶えてくれるありがたい存在です。ちょっと上級者向けに攻めるなら Just G。デザインが凝っていて、色使いも個性的なので 「他の人とかぶりたくない」という人にぴったり。
一方で、大人の女性には落ち着きと上品さを兼ね備えた BAYOが人気です。フォーマルにもカジュアルにも使える、ちゃんと “場をわきまえた”服が揃っています。もう少しミニマルでベーシックなものが好みなら、 OXGN(オキシゲン)もおすすめ。形が綺麗でスタイリッシュだから、日本人にもなじみやすい印象です。
買い物をするなら、ダバオ市内の大型モールへ。 SM City Davao、SM Lanang、Abreeza、Gmallといったショッピングモールを回れば、上に挙げたブランドはだいたい網羅できます。効率よく見て回れて、試着もまとめてできるので、時間がない人にも◎。
まとめ
フィリピンのファッション文化は、その多様な気候と豊かな文化遺産を映し出す鏡のようです。セブ島の常夏の暑さからバギオの涼しい高原気候まで、それぞれの環境に適した服装選びが旅の快適さを左右します。
フィリピン女性たちは実用性と個性表現のバランスを見事に取りながら、スキニージーンズを基本としたカジュアルスタイルから、華やかな伝統衣装まで、場面に応じた装いを楽しんでいます。現地ブランドも豊富で、BENCH/やPENSHOPPEといった人気店で買い物を楽しめば、フィリピンのトレンドと文化をより深く体験できるでしょう。ファッションを通じて、南国の魅力をより一層感じることができるはずです。

TOEIC840
◇留学経験
2013年4月~12月:ニュージーランド
2019年11月~2020年1月:フィリピン
◇海外渡航経験
台湾、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ミャンマー、タイ、クロアチア、グアム、ハワイ、ニュージーランド
◇自己紹介
生まれも育ちも大阪です。小さい頃から、知らないことを知ることが好きで、好奇心を力に執筆をしています。趣味は、芸人さんのラジオを聴くこと、自然探索、グルメ巡りです。好奇心をフル活用して、日々、幸せ集めをしています。