
カナダと聞くと「厳しい冬」の印象を持つ方も多いかもしれませんが、実際は国土が広いため地域によって気候は大きく異なります。
基本的には日本と同様に四季があり、冬季であっても比較的温暖な場所も存在します。
特にカナダへの旅行や留学を検討している場合、季節ごとの気温や服装の違いを知っておくことが重要です。
本記事では、カナダの年間気温について徹底解説します。
また、地域別の気温とその特徴、服装のポイントについても紹介するので、カナダ旅行や留学を考えている方はぜひ参考にしてくださいね!
カナダの気候の多様性と年間気温の概要
世界第2位の国土を誇るカナダは、
日本の約27倍の面積を誇り、地域ごとに気候が大きく異なります。
バンクーバーのある西海岸側の比較的温暖な地域から、トロントやモントリオール、カルガリーなどの内陸部の厳寒地帯まで、その多様性は実にユニークです。
ここでは、カナダの気候帯と全国的な年間気温の概要について詳しく解説します。
カナダの広大な国土と気候帯の違い
カナダは全国的に多様な気候区分が存在する国であり、特に広範囲に分布しているのが亜寒帯です。
カナダの大部分を占めているのが亜寒帯湿潤気候で、長い冬と短い夏、そして比較的多い降水量が特徴です。
一方、西海岸のブリティッシュコロンビア州では西岸海洋性気候が見られ、冬は比較的温暖で雨が多く、夏は涼しく乾燥しています。
全国的な平均気温の推移
カナダ全体の年間平均気温は、地域によって大きく異なりますが、一般的には冬は非常に寒く、夏は比較的温暖な傾向があります。
月平均気温では、最も寒い1月には全国的に氷点下となる地域が多く、特に内陸部や北部では
マイナス20度を下回ることも珍しくありません。
一方、最も暖かい7月は平均気温が20度を超える地域もありますが、北部では10度を下回ることもあります。
冬の降雪量も地域差が大きく、特にカナダ東部や山岳地帯では積雪が多くなります。
日本の気候との比較
カナダの気候は、日本と比較すると年間を通して気温が低い傾向にあります。
特に冬の寒さは厳しく、多くの地域で氷点下の日が長く続き、5月上旬まで肌寒さが残ることも珍しくありません。
たとえば、東京では桜が3月中旬から下旬にかけて開花するのが一般的ですが、カナダのトロントでは5月上旬頃にようやく開花を迎えるなど、季節の進み方にも大きな違いがあります。
主要都市別の年間平均気温と特徴
カナダへの旅行や留学を検討する際には、滞在する都市の気候について把握しておくことは大切です。
一口にカナダといっても、都市ごとに年間の気温や天候が大きく異なるため、適切な服装の準備や最適な渡航時期を選ぶ上でも欠かせない情報となります。
ここでは、カナダの主要都市別の年間平均気温とその特徴について詳しく解説します。
トロント(オンタリオ州)
トロントはカナダ内陸部にある最大の都市で、四季がはっきりと分かれています。
夏は基本的にカラッと涼しく過ごしやすいですが、日本の夏のように蒸し暑い日もあります。
一方、冬は寒さが厳しく氷点下の日が続き、冬の間は雪景色となることが多いです。
春と秋は比較的過ごしやすい気候で、日中は暖かくても朝晩は冷え込むことがあります。
| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
| 平均気温(℃) | -5 | -4 | 0 | 7 | 13 | 18 | 21 | 21 | 17 | 10 | 4 | -2 |
バンクーバー(ブリティッシュ・コロンビア州)
バンクーバーは太平洋岸に位置する都市で、カナダの主要都市の中では比較的温暖な気候です。
冬は内陸部の都市ほど寒くなく、氷点下になる日は少ないですが、
「レインクーバー」と呼ばれるほど雨が多く、じめじめとした日が続くことがあります。
夏は湿気も少なく快適で、春と秋は温暖で過ごしやすいですが、雨の日が多い傾向があります。
冬の寒さが苦手な方にとっては、比較的過ごしやすい都市といえるでしょう。
| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
| 平均気温(℃) | 3 | 4.5 | 6.5 | 9.5 | 13 | 16.5 | 18.5 | 18.5 | 15.5 | 11 | 6.5 | 3.5 |
オタワ(オンタリオ州)
カナダの首都オタワは、トロントと同様に四季がはっきりしている気候です。
夏は暑く湿度も高くなる日がある一方で、冬は厳しい寒さが続きます。
降雪量も多く、冬は雪に覆われる期間が長いです。
春と秋は気温の変化が大きく、日中は過ごしやすいものの、朝晩は冷え込むことがあります。
| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
| 平均気温(℃) | -10 | -8 | -3 | 5.5 | 12.5 | 17.5 | 20.5 | 19.5 | 15 | 8.5 | 2 | -6 |
モントリオール(ケベック州)
カナダのフランス語圏にあるモントリオールは、四季がはっきりしており、夏は暑く湿度が高いのが特徴です。
一方で冬は厳しい寒さと降雪が続く上、春先まで寒さが残ることがあります。
夏は比較的過ごしやすいですが、湿度が高くなることも考慮して服装を選ぶと良いでしょう。
| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
| 平均気温(℃) | -9 | -7.5 | -2 | 6.5 | 14 | 19 | 21.5 | 20.5 | 16.5 | 10 | 3 | -5.5 |
カルガリー(アルバータ州)
カルガリーはロッキー山脈の麓に位置するため、他のカナダの主要都市とは異なる気候の特徴を持ちます。
夏は比較的乾燥しており、カラッと涼しく過ごしやすいですが、夜間は冷え込むことがあります。
冬は他の都市同様、厳しい寒さが続きますが、乾燥しているため体感温度はそれほど低く感じられないことが多いです。
| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
| 平均気温(℃) | -8 | -5.5 | -1.5 | 5 | 10.5 | 14.5 | 16.5 | 15.5 | 11.5 | 5.5 | -2.5 | -6.5 |
ハリファックス(ノバスコシア州)
ハリファックスはカナダの大西洋岸に位置するため、海洋性気候の影響を強く受けているのが特徴です。
冬は内陸部の都市ほど気温が下がることはありませんが、湿度が高いため体感温度は実際よりも低く感じられることがあります。
夏は涼しく快適に過ごせる一方で、春と秋は気温の変化が大きく、年間を通じて比較的湿度が高い傾向があります。
| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
| 平均気温(℃) | -4 | -3 | 1 | 6.5 | 12 | 17 | 19.5 | 19.5 | 15.5 | 10 | 4.5 | -1 |
季節ごとの気温変化と服装のポイント
カナダは日本のように四季がはっきりしており、地域によって気温差も大きいため、季節ごとの服装選びが大切です。
旅行や留学で快適に過ごすためには、カナダの気候の特徴を押さえたうえで、適切な服装を準備しておくと良いでしょう。
ここでは、カナダの季節ごとの気温変化に合わせた服装のポイントを紹介します。
春(3月〜5月)寒暖差に注意した重ね着が基本
カナダの春は、地域によって気温の変化が大きく、1日の寒暖差も激しいのが特徴です。
3月はまだ冬の寒さが残る地域が多く、雪が降ることもあります。
しかし、サマータイムが始まる時期でもあるため、徐々に日差しが強まり、4月から5月にかけて気温が上昇していきます。
・薄手のニットや長袖のシャツが基本
・脱ぎ着しやすいジャケットやカーディガン、パーカーなど
・スニーカーや雪解け水対策の防水ブーツ
・防風・撥水のアウターがあると安心
・マフラーやストールなど気温に合わせて調節できる小物>
夏(6月〜8月)日中は暑くても朝晩は冷えることも
カナダの夏は30℃を超える日もありますが、乾燥しているため比較的過ごしやすいでしょう。
しかし、東海岸などでは湿度が高くなり、日本のように蒸し暑くなることもあります。
カナダの夏の大きな特徴としては、日中は暑くても朝晩は冷え込むことが多いという点です。
そのため、夏であっても長袖の上着は準備しておくと良いでしょう。
・半袖のTシャツ
・薄手のパーカーやカーディガン
・サンダルやスニーカー
・紫外線対策にサングラスや帽子
秋(9月〜11月)日本よりも早めに冷え込みが始まる
カナダの秋は短く、日本よりも早く冷え込みが始まるのが特徴です。
9月に入ると徐々に気温が下がり始め、10月〜11月頃には雪が降り始める地域も多く、早めの防寒準備が必要です。
紅葉が美しい季節ですが、朝晩だけでなく日中も肌寒い日が増えるため、冬への備えを始めると良いでしょう。
・長袖のシャツやセーター
・長ズボンが基本で、冷えやすい人は裏起毛素材のものが安心
・厚めのジャケットやコート
・スニーカーやブーツ
・マフラーや手袋、ニット帽
冬(12月〜2月)氷点下になる場所が多く防寒対策が必須
カナダの冬は、ほとんどの地域で氷点下となり、厳しい寒さが続きます。
特に内陸部や北部では、マイナス20℃以下になることも珍しくありません。
雪も多く降り、地域によっては積雪量が非常に多くなるため、万全の防寒対策が必須です。
ただし、屋内はかなり暖房が効いているため、ジャケットやコートの中は調整できる服装がおすすめです。
・ダウンコート、厚手の防寒アウター
・長袖のシャツやセーター
・ヒートテックなど保温性のあるインナー
・防水&耐寒性のブーツ、厚手の靴下やタイツ
・マフラーやニット帽、耳当て
・厚手の手袋
旅行・留学に最適な時期とその理由
カナダは地域や季節によって、自然や気候、そして楽しみ方が大きく変わる国です。
そのため、旅行や留学を計画する際には、目的に合った最適な時期を選んで渡航することが大切です。
ここでは、カナダ旅行や留学のベストシーズンとその理由について詳しく解説します。
観光におすすめの季節は?
カナダでどんなアクティビティを体験したいのかにもよりますが、一般的に観光のベストシーズンは
夏(6月~9月)と秋(9月~10月)です。
夏は全国的に温暖で日照時間が長く、ハイキングやカヌーなどのアウトドアアクティビティを最大限に楽しめます。
さまざまなフェスティバルやイベントが開催される時期でもあり、都市観光も充実しています。
また、秋は東カナダを中心に、息をのむような美しい紅葉のベストシーズンです。
夏のハイシーズンを過ぎるため、航空券代や宿泊費もやや落ち着く傾向があり、狙い目の時期といえるでしょう。
留学開始に適した時期はいつ?
カナダの多くの教育機関では、9月と1月が学期スタートとなっており、留学を始めるタイミングとして最適です。
特に9月入学は多くのプログラムが開講される時期であり、同時にたくさんの学生が新学期を迎えるため、現地の友人を作りやすいのが大きな魅力です。
一方、1月入学は比較的空いているプログラムが多く、希望のコースを選びやすいというメリットがあります。
語学学校の場合は、比較的柔軟に入学時期を選べる場合が多いですが、長期留学を考えている場合は、大学やカレッジの学期に合わせて渡航することで、スムーズに留学生活を始められるでしょう。
航空券代が高騰するハイシーズンに注意
カナダへの旅行や留学を計画するうえで、航空券代が高騰するハイシーズンを把握しておくことは予算を抑えるのに役立ちます。
一般的に、以下の時期は航空券代が高くなる傾向があるため注意が必要です。
・夏休み期間(6月下旬〜8月)
・年末年始(12月下旬〜1月上旬)
・ゴールデンウィーク(4月下旬〜5月上旬)
一方、春(4月下旬~6月中旬)や秋(9月下旬~11月上旬)は、気候も比較的安定しており、航空券代も夏に比べて安くなる傾向があります。
カナダ留学におすすめの都市3選
カナダへの留学を検討する際、教育や生活環境だけでなく、現地の気候も重要なポイントの1つです。
冬の厳しい寒さのイメージがあるかもしれませんが、インフラが整っていて留学生にとって過ごしやすい都市も多く存在します。
ここでは、気候の面から留学におすすめのカナダの都市を3つ、厳選して紹介します。
バンクーバー
バンクーバーはカナダ西海岸に位置し、冬でも比較的温暖な気候が特徴です。
他の主要都市のような厳しい寒さや大雪は少なく、冬の間も過ごしやすいのが魅力です。
ただし、雨が多くどんよりとした天気が続く傾向があり、憂鬱な気分になりやすいと感じる人が多いといわれています。
また、バンクーバーは日本人が非常に多く住んでいる都市であり、留学初心者にとっては安心できる環境といえるでしょう。
トロント
トロントはカナダ最大の都市であり、経済の中心地として世界中から多くの人が集まっているのが特徴です。
冬は厳しい寒さと降雪量が多いものの、大都市ならではの除雪体制が整っており、交通機関の遅延も比較的少ないのが魅力です。
また、人口が多く求人も豊富なため、閑散期でも仕事が見つけやすいというメリットがあります。
生活の利便性や都市機能の充実さを重視する方におすすめの留学先です。
モントリオール
モントリオールは、カナダ東部に位置するケベック州最大の都市であり、冬の寒さが非常に厳しいことで知られています。
氷点下の日々が長く続き、積雪量も多いですが、ヨーロッパのような街並みや歴史的な建造物が雪景色に映え、独特のロマンチックな雰囲気があります。
他のカナダの都市とは異なる魅力があり、海外らしさを満喫したい留学生にとって絶好の環境です。
また、モントリオールはカナダのフランス語圏であり、日常生活や多くの教育機関で主にフランス語が使用されています。
英語だけでなくフランス語も学びたいと考えている方にとっては、モントリオールは非常に魅力的な留学先といえるでしょう。
まとめ
本記事では、カナダの年間気温や季節ごとの服装のポイント、旅行や留学におすすめの時期について詳しく紹介しました。
カナダへの旅行や留学の計画を立てる際には、滞在先の気候を事前にしっかりと把握し、目的に合った適切な時期を選ぶことで、美しい自然や都市の魅力をより一層楽しめるでしょう。
また、季節に合わせた服装を準備することで、より快適で安全なカナダ滞在が実現します。
ぜひ本記事の情報を参考にしながら万全の準備を整えて、カナダでの素晴らしい体験の第一歩を踏み出してくださいね!
◇経歴
・英米文学科卒業
・George Brown College卒業(カナダ・トロント)
・カナダ現地のパティスリーにてパティシエとして働く
・現在はWebライターのほか、SNS運用やコンテンツクリエイターとして活動しています。
◇資格
IELTS General 6.0
◇留学経験
・ニュージーランド(2週間)
→高校留学でホームステイ体験
・カナダ(13年)
→ワーキングホリデー→カレッジ留学→現地就職→永住権取得
◇海外渡航経験
長期滞在:カナダ、韓国(3ヶ月)
旅行:ニュージーランド、オーストラリア、アメリカ、
イタリア、タイ、インドネシア、シンガポールなど
◇自己紹介
英語学習や留学に関する記事を書いているWebライターです。
幼少期から英語や海外に興味があり、子ども英会話教室に通ったり、ニュージーランドへ短期留学したり、大学は英米文学を専攻したりと英語に関わる人生を過ごしてきました。
現在はカナダ在住13年め、海外で子育て奮闘中です。
英語学習や海外生活に興味のある方に、役立つ情報をお届けできたらと思っています。どうぞよろしくお願いします!