ワーキングホリデーは海外での長期滞在を可能にしてくれる魅力的なビザですが、中にはやめた方がいいという人もいます。
この記事では、なぜワーキングホリデーをやめた方がいいと言われるのかその理由について解説します。また、ワーキングホリデーのメリットやデメリット、成功するための秘訣などについても取り上げているため、ぜひ参考にしてください。
ワーキングホリデーはやめた方がいいと言われている理由
ワーキングホリデーに興味があるものの、やめた方がいいと耳にして迷っている人も多いのではないでしょうか。ここでは、そもそもなぜワーキングホリデーをやめた方がいいとされているのかその理由を解説します。
帰国後の就職の難しさ
ワーキングホリデーをするとなると、基本的に1年間は海外で生活することとなりますが、言い換えると1年間日本でのキャリアをストップすることを意味します。そのため、キャリアに空白期間ができてしまい、帰国後の就職が難しくなると考える人も少なくありません。
もちろんワーキングホリデー中にスキルや語学を習得し、次の仕事につなげることも不可能ではありませんが、決して簡単ではないと覚えておいてください。
帰国後の就職後の難しさを乗り越えるためにも、渡航前の段階でワーキングホリデーで何を成し遂げるのか、何を目標にするのかといったことを明確にしておくことが大切です。
語学を習得できない
ワーキングホリデーで1年間海外に行けば、語学力が身につくと考える人もいるかもしれませんが、実際には1年間で身につけることは難しいといえます。この点を理解している人からすると、語学力を目的としたワーキングホリデーはやめておいた方がいいと考えるかもしれません。もちろん渡航前の語学力や渡航後の努力によって高い語学力を身につけることは不可能ではありません。しかし、そのためには相当の努力をしなければならないのも事実です。そのため、その努力を自分ができるのかどうかを検討しておく必要があります。
成長につながらない
1年間異国の地で生活することで、語学力はもちろん、仕事に関連するスキルや人間としても成長できると考える人は多いでしょう。しかし、成長できるかどうかは現地でどう過ごすかにより、中には何も成果を得られないまま帰国する人もいます。例えば、現地でも日本人といつも一緒にいる、勉強に時間を割かないといった人は語学力もスキルも身につけられません。先ほど説明した語学と同じで自分が成長のためにどれくらい努力できるかが鍵を握ります。
ワーホリのメリットとデメリットについて
ワーキングホリデーにはメリットとデメリットの双方が存在します。ここではそれぞれ具体的にどのようなものがあるのか解説します。やめた方がいいと言われたものの、本当にやめるべきなのか、メリットやデメリットを踏まえたうえで検討してみてください。
メリット
ワーキングホリデーの主なメリットとしては以下のような点が挙げられます。
・海外で仕事ができる
・学業に取り組むこともできる
・国際的な繋がりができる
ワーキングホリデーは基本的に1年間となっているため、長期間にわたって海外で生活をすることが可能です。日本とは全く異なる環境、異なる生活習慣、異なる言語の中で生活することは非常に貴重な経験となるでしょう。
また、ワーキングホリデーは現地で就業ができる点も特徴です。スキルや語学力等によりますが、現地の企業で働き、そのまま現地で就職をすることも不可能ではありません。また、現地就職をしないにしても、海外の企業で働いた経験は帰国後に大いに役立つでしょう。海外に滞在する方法はいくつかありますが、ワーキングホリデーのように、海外に来たばかりの人でもフルタイムでの就業が可能となるものは多くありません。ワーホリビザの取得のしやすさを考慮すると、海外で働いてみたい人にとっては魅力的だといえます。
さらに、ワーキングホリデーでは学業に取り組むことも可能です。語学学校に通って語学力を磨くのはもちろん、専門学校に通って特定のスキルを身につけることもできます。スキルによっては帰国後の仕事に生かすこともできるでしょう。
そのほかにも、ワーキングホリデーで海外に出ると世界各国の人たちと知り合うことができます。例えば、渡航直後は語学を学ぶために語学学校に通う人が多いですが、そこには同じく語学習得を目的として各国から人が集まっています。また、移民の多い国もあるため、そのような国の会社で働くとさまざまなバックグラウンドを持った人と出会えるでしょう。ワーキングホリデーでの出会いがその後の一生の付き合いになる可能性も十分にあり得ます。また、友人を訪ねにその人の母国へ行くなど、新たな機会を提供してくれるかもしれません。
デメリット
ワーキングホリデーにはメリットの一方で、少なからずデメリットも存在します。具体的なデメリットとしては以下のような点が挙げられます。
・年齢制限がある
・キャリアに空白ができる
・仕事が見つからない可能性がある
まず、ワーキングホリデーは世界の全ての国でできるわけではありません。2025年1月現在30の国と地域との間でワーキングホリデー制度を導入しているため、対象となるのはこの国・地域のみです。今後対象国・地域が増える可能性もありますが、選択肢が限られることを覚えておきましょう。また、イギリスのようにビザの発行が抽選となるケースもあります。このような場合、希望してもその国に行けない可能性もあります。
さらに、年齢制限がある点にも注意が必要です。ワーキングホリデーは基本的に30歳までです。申請のタイミングによっては31歳になってから渡航することもできますが、それでも年齢制限がある点はデメリットだといえます。ワーホリに行きたいと思ったものの、すでに年齢を超えてしまっていてできないといった事態にならないように、興味のある人は早めに準備を進める必要があるでしょう。
次にワーホリは1年間海外に滞在することとなるため、その間の日本でのキャリアは空白になります。この1年間で何をするかによって帰国後の就職面接の際に「この人は海外で遊んでいただけだな」といった印象を抱かれかねません。そうなると帰国後の就職活動が難航する可能性があります。
ワーキングホリデーのメリットの1つが現地でも就業が可能な点ですが、必ずしも自分が希望する仕事が見つかるとは限りません。例えば、日本での経験を活かして現地企業で仕事を探したいと思っていても、語学力が足りずに採用されない、枠が空いていないために採用されないといったケースも考えられます。
このように、ワーキングホリデーには多くのメリットがある一方で、デメリットも少なくないため、これらを踏まえたうえで、自分に向いているのかどうかを検討してください。
成功するワーキングホリデーの秘訣
ワーキングホリデーで成功するための秘訣といえるのが、渡航前の事前準備です。いかに事前準備を入念に行えるかどうかがワーホリの成否を大きく左右します。
この準備にはさまざまなものが含まれています。例えば、語学は現地に到着してから勉強し始めるのではなく、日本にいる間に自分で勉強を進めておきましょう。語学学校に入学する際にはクラス分けのためのテストを受けるケースが一般的ですが、ここで初心者向けのコースに割り振られると、より高いレベルのコースに行くまでに時間がかかってしまいます。
また、現地でどういった仕事をしたいのか考えておくことも準備の1つです。そのためには、自分のこれまでの経験を棚卸しておき、何が得意なのか、どういった業務が向いているのか、自分は何がしたいのかといったことを明確にしておきましょう。履歴書を用意しておくと現地での職探しの際に役立ちます。そのほかにも、現地ではどこに住むのか検討することも大切な準備です。どの都市に住むかは自分で決められますが、大都市であれば求人数は多いかもしれませんが、その分物価が高い可能性があります。田舎だとその逆です。これらの点を考慮したうえで自分の目的に合致した都市を選べるように事前に情報収集をしておきましょう。
ワーキングホリデー中の仕事探しの現実
ワーキングホリデー中に仕事をしたい人は、どのようにして仕事を探せばいいのか理解しておくことも大切です。国や職種にもよりますが、ワーキングホリデー中の職探しは以下のような形で行うのが一般的です。
・お店へ飛び込み
・紹介
日本同様、求人サイトは存在するためそれを活用するのが最も一般的です。また、国によっては日本語で現地の求人を紹介しているサイトもあります。
オンラインでの求人は出ていないものの、自分が興味がある企業やお店がある場合は、直接飛び込んで聞いてみるのも1つの方法です。聞くのはタダなので、気になる企業に対しては積極的に聞いてみることをおすすめします。
そのほかにも、友人等のネットワークを通じて紹介してもらえるケースもあります。例えば、先にワーキングホリデーに来ていた人が帰国するために、自分の後釜を探しているケースもあるでしょう。国籍を問わず友人のネットワークを構築しておくことは仕事探しにおいても大いに役立ちます。
エージェントの活用法
ワーキングホリデーを成功させたい場合、留学エージェントの活用もおすすめです。留学エージェントでは、ワーキングホリデーに関する各種手続き等を代行してくれます。ビザの申請手続きはもちろん、語学学校の入学手続きや住居探しなどを手伝ってもらうこともできるため、最初の負担を大幅に軽減することが可能です。留学エージェントによっては現地にオフィスを構えているケースもあるため、渡航後に相談することもできます。
一方で、全てを留学エージェントに丸投げすることは避けてください。全てを任せてしまうとせっかくワーキングホリデーで成長できる可能性があるにも関わらず、その可能性を小さくしてしまいます。自分自身での情報収集や手続きを前提に、必要に応じてエージェントを活用しましょう。
まとめ
今回はワーキングホリデーはやめた方がいいと言われる理由やワーキングホリデーのメリット・デメリットなどについて解説しました。
ワーキングホリデーをやめた方がいいとされるのは、帰国後の就職の難しさや1年間での語学習得のハードルの高さなどが挙げられます。このような困難を乗り越えてワーキングホリデーを成功させるためには渡航前の準備が非常に重要です。
また、必要に応じてエージェントのサポートを活用することも大いに役立つため、ぜひ検討してみてください。

◇経歴
・イギリスに半年間留学
・イギリスでサッカーの指導者ライセンスを取得(指導の試験などは全て英語)
◇資格
・特になし
◇留学経験
・イギリス:2013年4月〜9月、The English Studio
・ドイツ:2019年9月〜、大学院留学(英語ではなくドイツ語です)
◇海外渡航経験
イギリスにはサッカーの指導を勉強するために留学しました。半年間現地の日系チームに所属し、指導者として活動しながらイギリスの指導者ライセンス取得に向けてコースにも参加していました。また、平日は語学学校に通い、英語の勉強をしていました。
◇自己紹介
ドイツの大学院に留学中のライターです。イギリスに半年間の留学経験があるほか、ドイツには現在も留学中で6年目を迎えています。現在はドイツ語学習がメインですが、英語も勉強しなおしており、語学力をさらに伸ばすことを目標にしています。